2021年3月1日号 Last updated on February 10, 2021
特報
 セガサミーHDが再編、4月1日付けで㈱セガがセガグループを吸収。

 任天堂は「巣ごもり需要」もあり、通期予想を再度上方修正。

海外
 なかなか営業再開できない「ディズニーランド・パリ」。

 「ジャングルクルーズ」、人種差別的と改修。

国内
 バンダイナムコ9ヵ月決算。アミューズメントは減収赤字。

 カプコン、家庭用と遊技機が伸ばし、増収増益。

 

2021年3月1日号のニュースダイジェスト
 写真はディズニーの実写劇映画「ジャングルクルーズ」の日本向けポスターから。公開は延期され、21年7月の予定となっている。

 1974年の創刊号から2002年までの新聞「ゲームマシン」がpdfファイルでご覧いただけるようになりました。下の「アーカイブ」をご利用下さい。また単行本「それは『ポン』から始まった」は残りわずかとなりました。アマゾンにお申し込み下さい。

30年前の主なニュース

 セガ社が32ビット基板「システム32」を発表。金子製作所のTVゲーム「ギャルズパニック」が欧州でヒット。AOUの理事会、卑猥な麻雀機議題に、自主規制を模索する。タイトーとカワクスが、「ネオジオ」新作展開催。ナムコからマルチ画面「ドライバーズアイ」発売。(1991年3月1日号)

40年前の主なニュース

 米国ITC、TVゲーム機の著作権保護に向かう。コナミ工業「スクランブル」、米国スターン社に製造許諾。タイトーと日本物産、TVゲームコピー訴訟に関し和解。JAMMAなど3協会が、それぞれ設立総会を準備。米国でもADMA設立。セガ社の元副社長、広原昇氏が死去。(1981年3月1日号)



【ニュースダイジェスト】

 .政府は2月2日、栃木県を除く10都府県について、緊急事態宣言を3月7日まで延長することを決めた。オリエンタルランドは自治体からの要請の延長により2月3日、期間中の3月7日まで、開園時刻を9時から10時へと繰り下げ、さらに東京ディズニーリゾートの入園者を制限することを決めた、と発表した。ディズニーホテルに宿泊する入園客が購入・利用できる「アーリーエントリーチケット」については販売時期を延期するとのこと。

 .セガサミーHDは1月29日、セガサミーグループの組織再編を決め、4月1日付で実施することになった。①完全子会社のサミー㈱と㈱セガグループ(SHQ)の管理業務をそれぞれ分割、セガサミーHDが承継し、②完全子会社の㈱セガ(SOJ)がSHQを吸収合併するというもので、中間持株会社を整理、業務の合理化を図る。これに伴いセガサミーHDのグループCEOは、里見治会長から里見治紀社長に代わる。また㈱セガの名越稔洋クリエイティブ・ディレクターは取締役を退任する。

 .任天堂は2月1日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は37%増の1兆4044億円、経常利益は93%増の5282億円、純利益は92%増の3766億円だった。売上高のうち海外分は78%に当たる1兆5211億円。「あつまれ どうぶつの森」など、「スイッチ」用ゲームソフトが好調だったので、ハードウェアも順調に伸ばした。「巣ごもり需要」もあった。同社は21年3月期業績予想を再度上方修正し、売上高1兆6千億円(11月の前回予想では1兆4千億円)、経常利益5500億円(4400億円)、最終利益4千億円(3千億円)を見込んでいる。

 .バンダイナムコHDは2月8日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は2%増の5434億5千6百万円、経常利益は2%増の751億4千4百万円、純利益は4%減の506億3千4百万円だった。部門別ではトイホビーの売上高が10%増の2209億円、利益が24%増の355億円、ネットワークエンターテインメントの売上高が11%増の2584億円、利益が31%増の477億円、リアルエンターテインメント(ゲーム場、業務用)の売上高が38%減の425億円、損失が97億円(前年同期は11億円の利益)など。ゲーム場の売上高は331億円(前年同期は509億円)、業務用の売上高は94億円(182億円)。21年3月期の業績予想は売上高7200億円(8月の前回予想は6500億円)、経常利益740億円(505億円)、最終利益360億円(330億円)と上方修正した。

 .スクウェア・エニックスHDは2月3日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は34%増の2536億4千3百万円、経常利益は38%増の387億3百万円、純利益は4%減の183億7千百万円だった。部門別でデジタルエンタテインメント(家庭用、スマホ、PC用ソフト)の売上高は49%増の2035億円、利益は43%増の422億円、アミューズメント(ゲーム場、業務用機器)の売上高は28%減の243億円、損失は111億円(前年同期は14億円の利益)など。アミューズメントは第1・四半期にゲーム場を臨時休業して減収赤字になったのが影響した。

 .コナミHDは2月4日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算〔IFRS〕を発表、売上高は0.6%減の1919億円、営業利益は69%増の405億円、純利益は66%増の270億円だった。部門別では、デジタルエンタテインメント(家庭用、スマホ用)の売上高が33%増の1446億円、利益は79%増の521億円、業務用機器の売上高が32%減の112億円、利益が68%減の11億円、カジノ用機器の売上高が49%減の117億円、損失が14億円(前年同期は24億円の利益)、スポーツの売上高が44%減の259億円、損失が40億円(22億円の利益)だった。

.オリエンタルランドは1月28日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は65%減の1371億千3百万円、経常損失は218億5千万円(前年同期は1023億の利益)、純損失は287億2千8百万円(709億円の利益)だった。部門別でテーマパークの売上高が66%減の1091億円、損失が183億円、ホテルの売上高が59%減の221億円、損失が3億円、その他の売上高が54%減の57億円、損失が12億円。新型コロナウイルス感染症拡大のため東京ディズニーリゾートの臨時休園、7月からの再開後も入園者の制限などにより影響を受けた。

 .カプコンは1月28日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は23%増の648億6千7百万円、経常利益は29%増の240億8千8百万円、純利益は34%増の175億2千3百万円だった。部門別でデジタルコンテンツ(家庭用ゲーム、PC用)の売上高は21%増の489億円、利益は25%増の247億円と牽引した。ゲーム場は売上高が24%減の70億円、利益は93%減の8千万円だったが、遊技機はパチスロ「モンスターハンター:ワールド」が伸ばし、売上高が911%増の57億円、利益が546%増の24億円だった。

 9.ラウンドワンは2月5日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は48%減の401億6千5百万円、経常損失は184億9千8百万円(前年同期は55億5千7百万円の利益)、純損失は164億8千3百万円(35億3千百万円の利益)だった。国内103店、米国は5増1減の43店、ロシアは新設1店。米国の店舗中22店は臨時休業している。種類別売上高はアミューズメントが42%減の226億円、ボウリングが49%減の88億円、カラオケその他が65%減の29億円など。減損損失17億円を特別損失として計上した。2021年3月期の業績予想はまたも見送った。

 10.米国ウォルトディズニー社は、人種差別的とされるアトラクション「ジャングルクルーズ」を改修することにした。同社が1月25日に明らかにした。船長のトークに沿って川をたどるという、創業者のウォルト・ディズニー氏が監修したアトラクションだが、今年は実写劇映画「ジャングルクルーズ」が公開される予定になっていることもあり、改修にとりかかることになった。「カリブの海賊」も女性の人身売買シーンなどがあったが、略奪品のオークションに2017年変更されている。

 11.フランスの「ディズニーランド・パリ」が、なかなか営業再開できないでいる。新型コロナウイルス感染拡大により、20年3月中旬から臨時休園に入った。予約制にするなど入園者を制限して7月に営業を再開したが、ウイルスの勢いが盛り返して10月末に再度休園した。この時点で、21年2月中旬に再開できるとの見通しだった。しかし見通しは甘かったと言える。1月18日、少なくとも2月13日はもちろん、4月2日まで再開はない、と発表するに至ったからである。




◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc.2021