ゲームマシン

２０２０年３月１日号

Last updated on February 5, 2020

特報

　ＯＬＣ第３・四半期累積決算、減収減益。

　コナミは増収減益で、社長異動。東尾公彦社長に。

海外

　ドバイ万国博を機に、世界最大の観覧車が今年オープン。

　「アタリ」のホテルチェーン、今夏から展開。

国内

　マリカーに対し５千万円の損害賠償命令。

　富国マシンが業務停止。負債２億９千万円。

　

2020年3月1日号のニュースダイジェスト

　写真は米国の「ＩＡＡＰＡエキスポ２０１９」にて、セガ社が映画会社からライセンスを得て開発した「ミッション・インポッシブル・アーケード」（ＭＩＡ）を披露しているようす。ゲーム自体は４人までのプレイヤーが移動しながら銃撃するというもの。

　１９７４年の創刊号から９４年までの新聞「ゲームマシン」がＰＤＦファイルでご覧いただけるようになりました。下の「アーカイブ」をご利用下さい。また単行本「それは『ポン』から始まった」は残りわずかとなりました。小社またはアマゾンにお申し込み下さい。

30年前の主なニュース

　米国ウォルト・ディズニー社、ワールド（ＷＤＷ）を基軸に１０年計画示す。タイトー、取引販売業者を集約する「ＴＩＴ」を発足。冬季ＣＥＳに見る米国家庭用の勢い＝３ＤＴＶのデルビジョンも披露された。開発者養成目的の「ヒューマン・クリエイティブ・スクール」開校。（１９９０年３月１日号）

40年前の主なニュース

　米国ミッドウェー社のトップ異動、マロフスキー副社長が社長に。ＪＯＵ総会、貢献した８機種のメーカーを表彰。神戸ポートピアランドの１０機種の建設開始。任天堂「シェリフ」は米国エキシディ社に製造許諾。セガ社の技術開発、越智止戈之助氏をＮＨＫが取り上げた。１９８０年３月１号）

【ニュースダイジェスト】

　１．オリエンタルランドは１月３０日、第３・四半期累積（４－１２月）決算を発表、売上高は２％減の３９０２億５百万円、経常利益は５％減の１０２３億５千８百万円、純利益は５％減の７０９億９千２百万円だった。部門別でテーマパークの売上高は３％減の３３２８億円、利益は７％減の８９３億円、ホテルの売上高は３％減の５５１億円、利益は３％減の１５０億円など。通期業績予想は据え置いた。東京ディズニーシーでの大規模拡張プロジェクトの開業時期は、２２年度としてきたが、２３年度に変更した。

　２．オリエンタルランドは１月３０日、東京ディズニーランドと東京ディズニーシーのパスポート料金を４月１日から値上げすることにした。消費増税に伴う昨年１０月以来の値上げで、「１デーパスポート」は１８歳以上の大人が８２００円（現７５００円）、１２－１７歳の中人が６９００円（６５００円）、４－１１歳の小人が４９００円（変わらず）となる。２デーパスポート、シニアパスポート、年間パスポートなども同様に（小人を除いて）値上げする。

　３．ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（ＵＳＪ）は１月１４日、任天堂と提携して建設中の新エリア「スーパー任天堂ワールド」に、プレイヤーが任天堂のキャラクター「スーパーマリオ」になり切って活躍する大規模アトラクションを、東京オリンピックまでに開業し、また「マリオカート」レースなどのアトラクションを加えると発表した。ゲームの中に入り込んだプレイヤーは、空中に浮かぶ「ハテナブロック」を叩いたり、「パワーアップバンド」を使ったりして、コインやスタンプなどを集め、進む。ＵＳＪは新エリアに開業以来最大規模の６００億円強を投資する。

　４．コナミＨＤは１月３０日、第３・四半期までの累積（４－１２月）決算（ＩＦＲＳ）を発表、売上高は０．２％増の１９３１億６百万円、営業利益は３９％減の２３９億７千６百万円、純利益は４０％減の１６３億９百万円だった。部門別ではデジタルエンタテインメントの売上高が３％増の１０８６億円、利益は１０％減の２９０億円、ゲーム場用機械の売上高が９％減の１６４億円、利益が２７％減の３７億円、カジノ用機械の売上高が５％増の２２９億円、利益が２１％減の２４億円など。通期予想は売上高２６３５億円（５月の前回予想は２７００億円）、営業利益３３０億円（４７０億円）、最終利益２１０億円（３００億円）と下方修正した。

　５．コナミＨＤは１月３０日、上月拓也代表取締役社長の取締役降格、東尾公彦代表取締役副社長の社長昇格を発表した。４月１日付で就任する。社長に就任する東尾公彦氏は８６年岡山大学院卒、９７年コナミ（現コナミＨＤ）に入社。０５年取締役。１６年からコナミリアルエステート社長兼任。１８年１月にコナミ取締役兼執行役員副社長、１９年６月から代表取締役副社長。大阪府出身。６０歳。上月景正代表取締役会長の甥にあたる。なお上月拓也氏は上月景正氏の次男。

　６．任天堂がマリカー（現ＭＡＲＩモビリティ開発）とその代表取締役を１７年２月に訴えた訴訟の控訴審について、知的財産高裁は１月２９日、任天堂の訴えを認める判決を言い渡した。知的財産高裁は１９年５月にすでに中間判決を出しており、マリカーによるマリカーなどの表示行為、キャラクターのコスチューム貸与行為などが不正競争行為に該当していることが認められていた。今回の判決では５千万円の損害賠償金の支払いを被告らに対して命じるとともに、不正競争行為の差し止めを命じた。

７．セガサミーＨＤは１月２７日、第１回［横浜］統合型リゾート（ＩＲ）産業展（２９－３０日、パシフィコ横浜）に出展することを明らかにした。これを機に同社は、日本でのＩＲ事業参入に向けた活動の一端として、①京都吉兆とのプロデュース契約、②森田毅氏率いる精鋭集団刀（かたな）社との協業、③建築のフォスター＋パートナーズ社との戦略的業務提携を行なった、と発表した。カジノ汚職疑惑が取りざたされる折から、ＩＲ事業分野での動きとして注目されている。

　８．アラブ首長国連邦（ＵＡＥ）のドバイにおいて今年１０月２０日―２１年１０月開催されるドバイ万国博に合わせて、世界最高、最大の観覧車「アイン・ドバイ」（ドバイ・アイという意味）がオープンする予定である。高さ、大きさは２１０ｍ（２５０ｍという説明もある）で、４０人乗りの二重カプセルで、一度に最大１４００人を運ぶという。使用される鉄鋼は約９千トンで、７千３百トンのエッフェル塔をしのぐとされる。なおドバイ万博は中東・アフリカでは初めて開かれる万博。

　９．バンダイナムコホールディングスなどは１月２０日、「機動戦士ガンダム」の４０周年記念事業の一環として、高さ１８ｍの「実物大」の「動く」ガンダムを１０月から一般公開する、と発表した。ガンダムは２４ヵ所の関節が動かせるという。横浜の山下ふ頭に設置され、１０月１日から２１年１０月３日まで、高さ２５ｍのメンテナンスデッキから鉄骨２階建てのラボで動くガンダムを間近に見ることができる（観覧は人数限定で有料）。０９年にお台場に出現した高さ１８ｍの実物大のガンダムが、いよいよ動き出すのを実際に楽しむことができるようになる。観覧・運営はエボルビングＧ。

　１０．アタリ社のブランドを生かしたユニークなホテルチェーンが米国で展開されることになった。アタリブランドはフランスのインフォグラム社が持っていたが、現在アタリ・インタラクテイブ社に異動しているもようで、同社は１月２７日、シェリー・マーフィー率いるＧＳＤグループと映画制作者のナポレオン・スミス３世がビデオゲームをテーマにするアタリホテルを建設する権利を取得、今年中にも着工すると発表した。ホテルはまずフェニックスから、ラスベガス、デンバー、シカゴ、オースティン、シアトル、サンフランシスコ、サンノゼの計８ヵ所で計画している。

１１．信用調査機関調べによると、㈱富国マシン（新潟市東区江南、吉田繁彦社長）が１月４日に事業を停止、事後処理を弁護士に一任した。負債は２億９千万円。１９７７年１２月吉田典夫氏が設立したゲーム機設置オペレーター会社で、ホテル、旅館に設置したほか、燕市のゲーム場「ＯＫコーラル」を経営、０１年からはインターネットカフェを加えたがこれは１５年に撤退した。ピーク時の０７年１１月期の売上高は５億７千万円だが、１８年１１月期は１億９千万円に落ちていた。