2018年10月15日号 Last updated on October 1, 2018
特報
 任天堂は公道でカート走らせる「マリカー」に勝訴した。

 USJ、1月10日から入園料は混み具合別に。

海外
 米国AMOAは創立70周年を迎え、ロゴを一新。

 ロシアの捜査機関が違法カジノの取り締まり着手。


国内
 タイトー、家庭用「アーケード・ワンアップ」発売へ。

 SIEも手のひらサイズの「PSクラシック」12月に。


2018年10月15日号のニュースダイジェスト
  写真は大阪・梅田ヘップナビオ8-9階に9月13日オープンした、バンダイナムコアミューズメントの「VRゾーン大阪」で、最新アクティビティ「冒険川下りVRラピッドリバー」(上)と「ゴジラVR」を楽しんでいるようす。

 小社の単行本「それは『ポン』から始まった」は14年4月以来品切れになっていましたが、増刷し、15年3月に販売を再開しました。購入ご希望の方は、上の広告をクリックして小社に直接お申し込み下さい。

30年前の主なニュース

 米国の並行輸入基板訴訟で、連邦地裁はレッドバロン社勝利の決定、米国タイトーは控訴。1889年11月に世界初の硬貨作動式ジュークボックスが誕生して百年、米国AMOAは記念行事を行う。JAMMAは警察庁に、規制対象からコックピットタイプなどの除外を求めて要望した。(1988年10月15日号)

40年前の主なニュース

 AMショー(10月18-20日、国際貿易センター)を目前に、JAAは独自の登録制実施に伴う、登録シールのデザインなど細部を詰めた。ナムコは米国アタリ社の技術担当マネージャーのマッコード氏を講師とする、電子フリッパー「ミドルアース」の技術講習会を開催した。(1978年10月15日号)



【ニュースダイジェスト】

 .ゲームキャラクター「マリオ」などの衣装を貸し出し、公道でカートを走らせる行為が違法かどうか争う訴訟の判決が9月27日、東京地裁で言い渡された。判決は任天堂の請求を認め、被告の㈱マリカー(東京都品川区、現社名はMARIモビリティ開発、山崎雄介社長)と代表取締役に対し、1千万円の支払いと衣装貸与などの差し止めを命じた。任天堂は17年2月、マリカーに対しマリオカートの略称を社名に使用、改造したカートと衣装を貸し出す行為は著作権侵害や不正競争行為に当たるとして、損害賠償と不正競争行為の差し止めを求めて提訴した。判決に関して任天堂はレリースを発表、マリカー側も「一部主張が認められず遺憾。内容を精査し、対応する」とするレリースを出した。

 .タイトーは9月18日、業務用TVゲーム機の名作アップライトを4分の3スケールにした、家庭用TVゲーム機「アーケード・ワンアップ」(5万8千円)を12月にも発売することを明らかにした。「アーケード・ワンアップ」のサイズは幅603×高さ1163×奥行584mm。画面サイズは17インチ。元の開発メーカーから許諾を得て展開した米国テイストメーカー社から日本での独占販売権を得たもの。2種類のゲームが内蔵されており、第1弾は「スペースインベーダー」(モノクロとカラー)、バンダイナムコエンターテインメントの「パックマンと同プラス」、「ギャラガとギャラクシアン」の3機種ある。アマゾンでの予約受付は開始されており、東京ゲームショウのタイトーの小間でも展示された。

 .ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は家庭用「プレイステーション」(PS)の外観をそのまま45%に縮小して、名作を20タイトル内蔵した「プレイステーションクラシック」として12月3日に数量限定、税別価格9980円で日、米、欧で同時発売する、と9月19日に発表した。ゲームソフトはバンダイナムコエンターテインメント「鉄拳3」、SIE「ワイルドアームズ」など。サイズは149×33×105mmで、HDMIケーブル、USBケーブル、専用コントローラ2個つき。一方、セガゲームスは18年内の「メガドライブ」発売を19年に延期すると発表した。海外での反響が大きく、北米は「ジェネシス」、欧州は「メガドライブ」をそれぞれ再現、世界同時発売とするためだが、発売時期、価格などは未発表。

 .一般消費者向けTVゲーム総合展「東京ゲームショウ18」(TGS、主催CESA、9月20-23日)が前年同様に幕張メッセの全館を使用し、展示会と各種イベントを繰り広げた。41ヵ国地域から668企業・団体が出展、うち国内は338社(前年292社)と300社を超えた。ハードウェアのメーカー出展はSIEのみで、主な出展社は家庭用、PC用、スマホ用ゲームソフトウェアのメーカー。任天堂はTGS発足以来参加してこなかったが、「スイッチ」用の低予算インディーゲームソフト開発を支援するため、初めて商談コーナーに参加した。TGSでは「VR/ARコーナー」、「インディゲームコーナー」、「eスポーツX」などを設置した。「eスポーツ」については、一方でスポンサーになるなど積極的なメーカーと、慎重なメーカーとに分かれたまま。

 .カプコンは9月25日、eスポーツの「ストリートファイターリーグ」を19年春にも開始すると発表した。TVゲーム「ストリートファイター」シリーズは87年に業務用として発売後、91年に出荷した「ストリートファイターⅡ」で対戦システムとともに人気作となり、家庭用ではシリーズ累計4,100万本(18年6月末)も出荷することになった。eスポーツリーグはプレイヤーの裾野拡大と活躍の場を増やすことを目的とするもので、「JeSU」公認プロライセンス保持者と非保持者の混合による6チームを結成、「3on3」によるチームバトルリーグ戦にする予定だ。カプコンは、PS4/PC「ストリートファイターVアーケードエディション」の公式リーグ戦を19年春に開始、賞金も予定していると23日明らかにしていた。

 .米国のAM機オペレーター協会、AMOAがこのほどロゴを一新した。この業者団体はジュークボックスに認められていた音楽著作権の支払い免除特例の廃止に反対するため、1948年1月21日に発足したMOAに基づくもので、使用料支払いに長年抵抗した。MOAは50年から展示会を含むコンベンション「MOAエキスポ」を開催してきており、76年協会名にアミューズメントゲームのAを加えて「AMOAエキスポ」となり、2010年にはAAMAのASIと展示会を統合、単に「アミューズメントエキスポ」になった。今年AMOAは70周年を迎え、現会員900社の結束を固めるため、それにふさわしいデザインのロゴに変更することにしたもの。

 .ユニバーサルエンターテインメントは9月19日、フィリピンの統合リゾート(IR)「オカダマニラ」を運営する子会社、タイガー・リゾート・レジャー&エンタテインメント社(TRLEI、杉山健児社長)が9月20日東京に日本支店を開設する、と発表した。日本支店は日本におけるIR事業の可能性を調査、分析、検討するためのもので、将来的にTRLEI「オカダマニラ」の顧客誘致、マーケティングなど営業窓口も兼ねる考え。ユニバーサルEではTRLEIのIR事業を19年にも株式公開させる方針だ。ユニバーサルEの創業者で元会長の岡田和生氏は17年6月に解任されて以来、岡田氏所有のアルゼゲーミングアメリカ社ともにユニバーサルEと対立している。

 .大都市からカジノを駆逐し、辺境の地に合法カジノを招致する政策のロシアで、合法カジノの売り上げが伸びない原因が、大都市の違法カジノの蔓延にあることに気づいた政府が改めて、違法カジノの取り締まりに着手した。伝えるところによると、モスクワなどで犯罪組織が経営する15ヵ所の違法カジノないしクラブを、政府の捜査機関が最近摘発し、100名以上の容疑者を拘留した。調べによると、犯罪組織は16年5月以来活動しており、毎月数億ルーブリ(1ルーブリは1.68円)もの売上げを上げていた。違法カジノ摘発はまだ中間段階にあり、終結したとき改めて結果が発表される。合法カジノを容認したところで、違法カジノは取り締まらない限りなくならないという現実を示すもの。

 .ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は9月27日、年間を通じて一律だったスタジオパス(パスポート)の料金を、予想される混み具合に応じてゾーン別にする方式に変更、1月10日から実施すると発表した。現行のパスポート料金は大人1日券が7,900円(税込み)で、1月10-31日は7,400円と安くなるが、2月1日-3月22日は8,200円に、3月23-31日は8,700円と高くなり、結果的には値上げの色が濃い。4月以降の料金は公式サイトを通じて知らされ、3ヵ月前には分かるという。年間パスポートなどもこれに対応して変更される。閑散期や繁忙期といった時期によって価格を設定するのは、海外のレジャー施設ではよくあることだが、日本では珍しいとされている。

 10.ラウンドワンは9月25日、本社の移転先などが決まったと発表した。先ほど本社を堺市から大阪市内に移転すると決めていたが、具体的な移転先の住所などは未定だった。移転先は〒542-0076大阪市中央区難波五丁目1番60号、なんばスカイオ23階で,電話は06-6647-6600。移転日は19年1月2日。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2018