2018年8月15日号 Last updated on August 1, 2018
特報
 OLCの4-6月期、入場者、売上高ともに前年を上回る。

 問題のカジノ法案が国会通過。カジノ運営する民間業者とは?

海外
 また一つ、英国JORゲームス社がピンボール製造に参加。

 古典的ゲーム機を販売する米国ピーカブー社。


国内
 バンナムAMがさらに子会社、「ラボ」を10月に設立。

 タイトーとプロクラスが、プログラミングの無料体験教室。


2018年8月15日号のニュースダイジェスト
 6月に開かれた香港AAE18で、写真上は米国サリー社の小間でアニマトロニクス、下は中国・智立方互動(m3ゲームス)の小間の「マジックピアノ」など。AAE18の写真は岡本製作所提供。

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30年前の主なニュース

 米国バリー・ミッドウェー社が、WMS社に売却され、ウィリアムズ社の姉妹会社になる。セガ社が新作展、「パワードリフト」を披露。ジャレコ新作展で「武田信玄」、アイレム新作展で「最後の忍道」を発表。セガ社の取締役3名増え、17名体制に。(1988年8月15日号)

40年前の主なニュース

 JAAは電取法順守を目指して決議を採択、独自の電取登録制の実施を決めた。JOUはクレーンゲーム機の高額景品など取り締まり強化を訴える。米国アタリ社、飲食店ロケへのゲーム機進出に関心。タイトーは「スペースインベーダー」アップライトを発売した。(1978年8月15日号)



【ニュースダイジェスト】

 .オリエンタルランド(OLC)は7月30日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は10%増の1,207億4千6百万円、経常利益は18%増の304億4千万円、純利益は1%増の211億4千2百万円と大幅に伸ばした。純利益の伸びが少ないのは税負担の増加によるもの。東京ディズニーリゾート(TDR)35周年イベントなどにより、入場者数、一人当たり売上高ともに前年同期を上回った。部門別でテーマパークの売上高は11%増の1,007億円、営業利益は17%増の253億円、ホテルの売上高が10%増の164億円、営業利益は38%増の38億円、その他の売上高が15%減の35億円、営業利益が11%減の5億円だった。

 .カプコンは7月30日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は47%増の172億4百万円、経常利益は611%増の54億9千2百万円、純利益は649%増の39億3百万円と大幅な増収増益になった。部門別では「モンスターハンター・ワールド」の勢いが強く、デジタルコンテンツの売上高が79%増の137億円、営業利益が242%増の57億円となったが、ゲーム場は1増の37店で、売上高が6%増の23億円、営業利益が12%増の1億円、遊技機(うち1割は業務用機器)の売上高が73%減の3億円、営業損失は1億円(前年同期は2億円)にとどまった。また、許諾料などその他の売上高は60%増の6億円、営業利益は123%増の4億円だった。

 .国内でカジノ開設を認める「特定複合観光施設区域整備法案」が衆議院で6月19日に可決された後、参議院で7月20日可決、設立した。自民、公明、維新の賛成を得て、強行採決されたもので、刑法35条の例外規定が適用されるためには公益性が必要なのに、その矛盾を抱えたまま、議論は深められず立法化した。読売新聞の世論調査でも、62%がこの法案成立を「評価しない」としており、カジノ事業の道のりはまだ険しく、「統合型リゾート」(IR)の実現は容易ではないように見える。なお同法第二条(定義)で、「カジノ事業者と顧客との間又は顧客相互間で、同一の施設において、その場所に設置された機器又は用具を用いて、偶然の事情により金銭の得喪を争う行為」とされる「カジノ行為」を行う民間の事業者を、「施設運営事業者」と定めている。

 .バンダイナムコアミューズメントは7月20日、VRアクティビティーや業務用ゲーム機などの研究開発を行う子会社、「バンダイナムコアミューズメントラボ」を10月1日付で設立すると発表した。近年エンターテインメント施設では、VR(仮想現実)、AR(拡張現実)、MR(複合現実)などの技術を用いたアトラクションへのニーズが高まっているとして、リアルな場を活用し、バンダイナムコならではの施設やサービス、機器などのコンテンツの提供を行う、リアルエンターテインメント事業の一環として、新会社設立を決めたもの。バンダイナムコスタジオから業務用の企画開発などを引き継ぎ、エンターテインメント施設用開発会社に特化する。スタッフは約160名、本社はバンダイナムコスタジオ内に置く。

 .タイトーは子ども向けプログラミング教室を運営する「プロクラス」の協力を得て、今年初めて3~5月、小中学生を対象に、無料体験教室「スペースインベーダーでプログラムを学ぼう」を実施。好評だったので、ゲーム作りとプログラミングの通塾クラス「プロつく」を、7月7日から開講した。職業プロクラマー養成が目的ではなく、教材を通じてプログラミングに直接触れることにより、論理的な思考方法を学ぶよう求められる。小学3年~中学1年生を対象に7月7日からスタートする。タイトー本社で開催、入会金は1万5千円、他に月謝1万5千円など。受講者はノートパソコンを持参する。定員10名を予定。7月21日、8月4日、18日にも無料体験教室を開催する。申し込み方法などはタイトー本社のサイトを参照。

 .ネット対戦などが発達した麻雀の、プロリーグ化を目指すサイバーエージェントなどが加盟する「Mリーグ機構」は7月17日、プロ麻雀リーグ「Mリーグ」を10月に開幕させると発表した。3人一組の7チームでそれぞれ80試合を戦い、19年3月に優勝チームを決める。7つのチームには業務用麻雀TVゲームシステムで知られる、セガサミーHDやコナミアミューズメントが参加、他はテレビ朝日、電通、博報堂、U-NEXT、サイバーエージェントがスポンサーとなる。競技ルールは一般人になじみ深いルールで設定、他のプロリーグとの違いを鮮明にするほか、賭博行為を完全に排除する。個人戦ではなく団体戦にする。8月7日にはチームメンバーを決めるドラフトを予定している。

 .コナミデジタルエンタテインメントは7月19日、コナミ野球コンテンツを競技タイトルに使用したプロ野球eスポーツリーグ「eベースボール・パワプロリーグ」を、日本野球機構(NPB)と共同で開催することになったと発表した。eスポーツを通じて野球ファンの拡大を目指すもので、家庭用のPS4用ゲームソフト「実況パワフルプロ野球2018」を基づき、NPB傘下のセパ各6球団(計12球団)にeスポーツ選手を登録してスタートするとのこと。「実況パワフルプロ野球」は1994年家庭用(スーパーファミコン用)ゲームソフトとして生まれ、96年からは業務用、パソコン用、モバイル用へと発展、さらにeスポーツ競技タイトルとして注目されてきたとしている。

.屋外型テーマパーク「レゴランドジャパン」(名古屋市港区、レゴランドジャパン運営)は7月18日、基本料金を大幅値下げすると発表した。17年4月の開業以来、同園は料金が高すぎるとの不満の声が絶えず、夏休みを前に値下げに踏み切った。「1日券」はメインターゲットの2~12歳の子どもとその家族のニーズに対応するもの。5,300円だった子ども「1日券」は、19日から繁忙期4,500円、通常時3,700円に値下げ、大人「1日券」は繁忙期6,900円(据え置き)、通常時5,000円にした。また1週間前までの前売り購入も値下げする。さらに年間パスポートも、併設の水族館「シーライフ名古屋」など利用可能な施設との組み合わせや時期に応じて、これまでより割安の料金となった。

 .英国サウスウェールズのカーディフにある新会社、JORゲームス社がフリッパーメーカーとして市場に参入、受注を開始した。フリッパー・ピンボール市場は世界的に縮小、米国のスターンピンボール社が事実上唯一のメーカーとなっており、これに不運なヘイウェイピンボール社など、マイナーなメーカーが数社あるにすぎないが、それにもかかわらずの参入である。第1作は「マフィア」で電子回路ながら、エレメカ時代の伝統的なレイアウトとデザインを踏襲、全盛期のフリッパー・ピンボールの雰囲気を再現するとともに、バックガラスの下部に10インチの液晶画面を組み合わせるなど新技術も採用している。欧州、北米に代理店を指定している。

 10.米国カリフォルニア州パサディナに「ピーカブー・ビデオケイド」という、古典的な業務用TVゲーム機とフリッパー・ピンボール機を販売する店が5月下旬オープンした。TVゲーム機はナッチングアソシエーツ社「コンピュータースペース」から、エキシディ社「デスレース」、タイトー/ミッドウェイ社「スペースインベーダー」、アタリ社「アステロイド」など当時のアップライトキャビネットで、フリッパーはウィリアムズ社「スペースシャトル」など、機種にもよるが各2万ドル以下で販売している。ゲーム機のギャラリーという位置づけで、ゲーム機のヘッダー(ゲーム機名の表示部分)なども販売している。詳しくは、www.peekaboogallery.comまで。






 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2018