2017年9月15日号 Last updated on September 1, 2017
特報
  政府のカジノリゾート運営素案に関する公聴会で、賛否両論。

 豪州ゼロレイテンシー社のVRゲーム、MGMグランドに。

海外
 英国ロンドンと神戸に「VRゾーン・ポータル」が開業。

 米国スタテン島の観覧車の工事停止、建設業者は交代に。

国内
 バンナム、実物大ガンダム立像をダイバーシティに。

 愛知県風営法施行条例、わずかに一部改正。

2017年9月15日号のニュースダイジェスト
 写真は6月、シンガポールで開かれた「AAE2017」で、上はイタリアのプレストン&バービリエ社、下はスイスのボーリガー&マビラード社(B&M)のブースのようす。

 小社の単行本「それは『ポン』から始まった」は、14年4月以来品切れになっていましたが、増刷し、15年3月に販売を再開しました。購入ご希望の方は、上の広告をクリックして小社に直接お申し込み下さい。

30年前の主なニュース

 86年警察白書は、遊技機賭博が再び増加と指摘。鹿児島県警は錦江レジャー摘発で、賭博機360台押収。米国アタリゲームズ社が、ゲーム場経営のBOF社を取得。セガ社はシステム16「スーパーリーグ」を出荷。(1987年9月15日号)

40年前の主なニュース

 電気用品取締法の違反例が続出したため、AMショー出展社は特に気を付けることになった。潮産業「ゼットマシン」の製造販売を差し止める仮処分命令が出た。遊園施設メーカーの笠原製作所が倒産した。(1977年9月15日号)



【ニユースダイジェスト】

  .カジノを含む「統合型リゾート」(IR)の素案に関して、政府は8月17日、東京で初めて公聴会を開いた。形式的な側面が強いが、8月中に順次全国計9ヵ所で開催した。東京の場合、5名の個人と7団体が参加(6名が辞退)し、それぞれ素案に対する賛否の意見を表明した。政府の有識者会議が4ヶ月でまとめた素案では、「観光先進国」にふさわしい集客施設と収益力のあるカジノ施設を法制度上一体化するのが「日本型IR」と説明、「GGR」(=賭金総額-賭客への払戻金総額)の定額部分と比例部分を「幅広く公益に使用する」としている。1つのIR区域に1つのIR施設(カジノは1つ)を1つのIR事業者が設置・運営する。またカジノ内でのカジノ行為は刑法上の賭博に限定する(風営法で認められている遊技機の導入は認められない)、などの考えをまとめている。

 .愛知県は「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行条例」を一部改正、7月7日に公布した。10月1日に施行する。改正箇所は施行条例第9条(風俗営業者の遵守事項)第二項中、「営業所で」とあったのを「営業に関し」に、「客」を「営業所で客」にそれぞれ改めるもの。第4号営業(まーじゃん屋、ぱちんこ屋などの射幸遊技営業)と第5号営業(ゲームセンター等)が対象になる。今回の条文改正は「営業所で、賭博類似行為その他著しく射幸心をそそる恐れのある行為をし、または営業所で客にこれらの行為をさせないこと」をさらに徹底、(営業所に限らず)「営業に関し、ネット上のウェッブサイトやメール等を利用して、著しく射幸心をそそる恐れのある広告・宣伝をすること」も規制対象にしたとされている。

 .バンダイナムコエンターテインメントは話題のVR体験を味わうことのできる「VRゾーン・ポータル」を国内外に展開、海外1号店を英国ロンドンに8月21日、国内1号店を神戸に9月20日、それぞれオープンすると発表した。「VRゾーン・ポータル」は、東京・新宿の歌舞伎町に7月14日オープンしたVR体験施設「VRゾーン新宿」の小型店舗で、開設される地域の特性に合わせて2~4種類の体感メニューを選択、「ポータル」(入り口)として多店舗展開していくもの。ロンドンではペニンシュラスクウェア「ザ・オーツー」の「ハリウッドボウル」内に、また神戸ではナムコの「イオンモール神戸南店」(兵庫区中之島)に設けられる。海外でショッピングモールやボウリンク場などの娯楽施設と提携し、国内でナムコが運営するゲーム場内に併設し、国内外合わせて20店舗以上展開する計画だ。

 .テーマパーク「ハウステンボス」(長崎県佐世保市)でライド型アトラクション「VRキング」が8月5日にオープン、これまでのVRアトラクションにスリルライド仮想体験を加えた。利用客はヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)を装着し、映像に合わせて動くモーションシートに座ったまま、世界最強のVRコースターを体験できるというもの。ライドの内容は、①「あべのハルカス」と同じ高さの地上300mの高さから急降下したりして、②新幹線「のぞみ」と同じ時速270km(秒速75m)で、ビル街や渓谷、洞窟、水上といった、③ローラーコースターでは最長のコース3,000mを走り抜けるという仮想体験。4人乗りライド5両で、1回20人が体験可能。1回目はパスポートに含まれており、2回目以降は料金500円。別途VRニンジャマスク(50円)が必要。

 .オ-ストラリアのゼロレイテンシー社(本社メルボルン)はヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)とバックパックを装着して、広々とした空間内でVRゲームを行なうことで知られている。その第1作目の6人用「ゾンビサバイバル」は、16年に東京ジョイポリスに導入されていたが、2作目「シンギュラリティ」と交替。1作目は、「セガあべのキューモール」にセガエンタテインメントが作った「セガVRエリアあべの」の主なアトラクションとして17年8月に導入された。米国では第1作目はラスベガスのカジノリゾート「MGMグランド」内のVRアリーナで8人用、30分間のVR体験として、9月8日から営業開始されることになった。一時的に流行った鉄砲で撃ち合う戦闘ゲームを、VR技術でよりリアルに味わうもので、長続きすると期待されていない。

 .創通、バンダイナムコホールディングス、バンダイ、サンライズの4社は8月23日、「ダイバーシティ東京 プラザ」フェスティバル広場で「実物大ユニコーンガンダム立像」を9月24日に展示を開始、それまで完成を待ちきれないファン向けに、特設写真撮影デッキ(有料)や、ARを使ったカメラアプリ(無料)など用意をすると発表した。臨海副都心での「実物大ユニコーンガンダム立像」は高さ19.7m、重さ49トン、発光50ヵ所で、夜間演出でユニコーンモードからデストロイモードへの変身が可能な限り再現されるほか、角の開閉、顔のモード変更、肩・腰・膝パーツの展開などのギミックにより、リアルな立像を堪能できるのが最大の特徴。また、メカニックデザイナーのカトキハジメ氏による新規デカールが追加される。立像と壁面に移される映像とのコラボレーションも見どころのひとつ。

 .「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」(USJ)で8月20日午後4時すぎ、腹這い(うつ伏せ)ローラーコースター「ザ・フライング・ダイナソー」が、発進直後に係員が緊急停止させるという場面があった。調べによると、降り場近くの立ち入り禁止エリアに、子どもが入ったことが分かったため、緊急停止させたもので、約30分かけて1人ずつ降ろした後、試運転で安全を確認し運転を再開した。USJによると、「安全確認のため運転を停止することはしばしばあり、(事情を)ご理解いただきたい」としている。この遊園施設は怪鳥に捕らえられた乗客(4人1組)が、腹這いになって、コースを滑空するもので、コース全長1,124m、最大落下高低差37.8m。定員32名、所要時間約3分。16年3月から運営されている。

 .SDエンターテイメントは8月8日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は2%増の18億8千7百万円、経常損失は1億9百万円(前年同期は5千万円)、純損失は9千5百万円と連続しての赤字だった。種類別売上高は、ゲーム場が7%減の5億円、フィットネスが2%減の5億円、ボウリング場が2%減の2億円、映画館を含む施設管理が10%増の3億円、その他が21%増の3億円。ゲーム場は15店。「ディノスパーク白石店」を5月に閉鎖したほか、「ネットキャッチャー」の営業休止(16年12月から17年6月まで)も影響した。ボウリング場では昨年9月に「ダーツバー」を閉鎖した。映画館では「美女と野獣」、「名探偵コナン から紅の恋歌」がヒット、入場者が増加した。

 .米国ニューヨーク市のスタテン島に建設中の、世界最大級の観覧車「ニューヨークホイール」(高さ192m)の工事は停止中で、建設業者が交代することになったため、完成は当初予定より相当遅れる見込みだ。規模の大きさなどからもともと難工事が予想されていたが、建設を請け負ったマンモエ・スターネス社側でトラブルが続き、期限を守らなかったとして5月ごろから工事は中断し、契約は破棄された。工事を継続するため、ラスベガスの観覧車「ハイローラー」(167m)を担当したアメリカンブリッジ社との契約交渉を進めており、話はまとまる予定だと広報担当者は説明している。古くはエンパイアステートビルの建設に参加したことがあり、また最近ではハドソン川に架かるタッパンジー橋を建設、名所建設にも慣れているとのこと。なお、隣接するショッピングモールは18年にも完成する予定。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2017