2017年7月1日号 Last updated on June 15, 2017
特報
 AOUは協会連合会でなく、単なるOP協会に組織変更。

 USJ、20年開業目指し「スーパーニンテンドーワールド」起工。

海外
 米国MS社、11月に「Xbox One x」を発売予定。

 ドイツ「オイロパパーク」の「ボレタリウム」に注目。

国内
 タイトー、「リアル謎解き」の「エンタBOX」展開。

 ユニバーサルE、資金流用で調査委員会設置。


2017年7月1日号のニュースダイジェスト
 写真は2月のジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO)2017にて、上は中国UNIS(世宇科技)「VRオムニ・アリーナ」と、下はコーエーテクモウェーブ「VRセンス」のようす。

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30年前の主なニュース

 カプコンが米国子会社を通じて、「ストリートファイター」アップライトを発表した。国内新作展ではタイトーが「ミッドナイトランディング」など披露。ナムコは「ドラゴンスピリッツ」を発表。海外ではアタリ社がセガ社許諾の欧米向け「ダンクショット」を出荷する。(1987年7月1日号)

40年前の主なニュース

 JAAは出展規定を、AMショーに出展できるのは会員のみ、と改めた。セガ社は新作展で電子フリッパー、TVゲーム機、メダルゲーム機など総合的に紹介した。マックス・ブラザーズのスロットマシン型「ジェミニ」が、七号風営認定機種として認められた。(1977年7月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .一般社団法人全日本アミューズメント施設営業者協会連合会(AOU)は6月13日の通常総会において定款の一部を改正し、構成員を都道府県のゲーム場オペレーター協会からゲーム場オペレーター(運営会社)のみに変更する。1年前の総会で、正会員として従来からの都道府県協会に、賛助会員だったオペレーターを加えており、今回の改正により都道府県協会はすべて会員から外される。つまり、AOUは一般のゲーム場オペレーターの協会となり、従来のような都道府県の協会連合会でなくなるが、組織名称は「協会連合会」のまま存続し、組織と名称に齟齬(そご)が生じる恐れが出てくる。またAOUは今回の総会で、「厳しい現況を打破する」目的でJAMMA(一般社団法人日本アミューズメントマシン協会)と18年4月1日付で統合するため、18年3月末に解散することを決めるとしている。

 .ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ、大阪)は6月8日、任天堂のキャラクターとその世界観をテーマにしたエリア、「スーパー・ニンテンドー・ワールド」の建設起工式を開いた。任天堂の宮本茂代表取締役兼クリエイティブフェロー、USJのジャン・L・ボニエ社長らが出席し、2020年夏の開業を目指し、過去最大の600億円を投資して建設を始めると宣言した。14年開業の「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」や最新キャラクターエリア「ミニオン・パーク」(17年)に続いて、テーマエリアの創出により新たな地平を開拓するもので、「マリオ」など任天堂のキャラクターが活躍する中で、「マリオカート」などライド・アトラクションを楽しめる。USJは任天堂テーマエリアとして、米国オーランドとハリウッドの「ユニバーサル・スタジオ」でも実現するようにしたい考え。

 .米国マイクロソフト(MS)社は今年の「E3」の前日(6月12日)、「Xbox」の新型機、「Xbox One x」を499ドル(約5万5千円)で11月に出荷すると発表した。ただし日本での発売時期などは未定。新型機は高精密な映像でゲームを楽しめるよう、画像処理能力を大幅に高めており、4Kに対応しているのも特徴。「Xbox One」用のゲームソフトも使用でき、本体は「Xbox」シリーズで最少。MS社はSIEが昨秋出荷した「PS4」より「処理能力が4割高い」と言う。日本では普及が進まない「Xbox」であるが、米国での人気は高く、現行機種は世界累計約3千万台も販売したと言われる。MS社は「ウィンドウズ10」以来パソコンやゲーム機のOSを統一しており、ウィンドウズ10向けソフトウェア開発者も参加しやすくした。

 .ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は「プレイステーション4」(PS4)と組み合わせて使用するバーチャルリアリティ(VR)端末「プレイステーションVR」の販売台数が、昨年10月の発売以来、100万台を突破したことを、明らかにするとともに、6月7日に生産・販売を強化、国内の販売店を232店から394店に増やすと発表した。家庭用ビデオゲーム機の主な周辺装置が大量に販売されるのはそれほど多くなかったが、「PS4」の画像処理能力が高いところから、ヘッド・マウンテッド・ディスプレイ(HMD)のような装置が、ゲーム以外の用途に利用される例が相次いでいることになる。しかしその反面、VR技術の画期的な利用方法が見出せていないためか、現状では安定して伸ばすに至っていない。SIEは販売店でのVR体験イベントを強化するとしている。

 .ドイツ最大のテーマパーク、「オイロパ・パーク」に6月3日、最新型フライトアトラクションの「ボレタリウム」がオープンし、注目を集めている。フランスとの国境に近いフライブルグに1975年開業した同園は、ドイツの遊園施設メーカーであるマック・ライド社と同様、マック一家が所有しており、年間550万人が訪れている。「ボレタリウム」は台湾のブロジェント・テクノロジーズ(智?資訊科技)社の「i(アイ)ライド」を導入したもので、ディズニーランドのアトラクション「ソアリン」と同様、乗客がライドに乗って空に浮かび、巨大スクリーンに浮かぶさまざまな光景を楽しむもの。座席部分にベコマライド社による6軸の駆動装置があり、高解像度の魚眼レンズによる鮮明でリアルな映像が楽しめる。ブロジェント社は、先に導入した富士急ハイランドの「富士飛行社」に感謝しているとのこと。

 .富士急ハイランド(山梨県富士吉田市)で、昨年10月以来営業を休止していたローラーコースター「ドドンパ」が、「さらなる加速、さらなる速さ」を目指して改造中で、「ド・ドドンパ」となって7月15日、オープンする。01年12月に完成した「ドドンパ」はスタートからわずか1.8秒で時速172kmに達するなど、加速度とスピードが体感できたが、「ド・ドドンパ」はさらに加速力を追求、圧縮空気で車両を一気に押し出す「エアーランチ方式」を採用、スタートから1.8秒で最高速度の毎時180kmに達するようにした。また。発射時の爆発的な加速力を受け止めるため、これまでの「垂直タワー」ではなく、直径39.7mと世界最大級の「ループ」を採用した。コース全長1,244m。定員8人(身長と年齢制限付き)。投資額約15億円。

 .タイトーは6月1日、「リアル謎解き」を軸とした新事業を展開することになったと発表した。国内のリアル謎解きの市場規模は数百億円にのぼると見られている。同社は「新たなエンターテインメント空間の提供と創造」をコンセプトに、2013年から「リアル脱出ゲームセンター」などに取り組んできており、これまで蓄積したノウハウを生かし、新たに「エンタBOX」としてパッケージ化して展開することにした。「エンタBOX」は①組み立て式で施工コストと日程を大幅に短縮できる、②5坪、10坪、30坪と希望する規模に対応できる、などのメリットがある。「エンタBOX」第1作として「盗賊砦への潜入」を6月9日から岩手県の小岩井農場で展開、8月には愛媛県松山市の「えひめこどもの城」でも展開する。また、リアル謎解きを使った管理職向け社内研修を実施し、課題に対処するスキル向上に役立てるなどのプログラムも行なっている。

 .ユニバーサルエンターテインメントは6月8日、岡田和生会長と根岸良直取締役兼管理本部長が、香港にある子会社のタイガー・リゾート・エイシア(TRA)社の資金1億3千万香港ドル(約19億千7百万円)を、必要な社内手続きをせず不正に流出した疑いが出てきたため、外部の専門家で構成される特別調査委員会(政木道夫委員長)を設置したと発表した。5月23日の臨時取締役会で確認された。これに伴い岡田、根岸両取締役の同社と子会社、関連会社における権限は停止された。両取締役により、TRA社が15年3月第三者に対し貸し付けていたこと、また当該第三者の関係者がほぼ同額をオカダ・ホールディングス社に送金していたことも、すでに判明、貸し付け目的が岡田会長個人の利益を図るものだった疑いがあることも報告された。特別調査委員会は中間報告書を、6月30日をめどにまとめるとしている。

 .ユニバーサルエンターテインメントの個人投資家である一株主が、同社の取締役と元取締役ら計13名を訴えていた株主代表訴訟は、地方裁判所が訴えを退けていることが明らかになった。同社が5月30日と6月1日、まとめて明らかにした。訴訟はユニバーサルが所有していた、米国ウィンリゾーツ社の株式をウィンリゾーツ社が強制償還する原因となった行為について、被告らに法令義務違反がある、などとして損害賠償を求める訴えを15年4月、東京地裁に提起して始まったが、原告側は16年6月に分離された。東京地裁は16年10月、一方の請求を退ける判決を出した。原告側は控訴したが、東京高裁は17年3月、控訴を棄却した。もう一方の原告に対しては、5月25日に請求が退けられ、6月6日に控訴された。いずれの訴訟でも被告の法的責任は否定されている、とユニバーサルは説明している。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2017