2017年3月1日号 Last updated on February 15, 2017
特報
 コ―テクウェーブ、20年ぶりの業務用はVRゲーム機。

 ユニバーサルVS朝日新聞訴訟、上告退け、高裁判決が確定。

海外
 アバターの世界「パンドラ」は5月27日オープンに。

 ウォルトディズニー社第1・四半期はパーク部門のみ好調。

国内
 セガサミーHD、里見治紀常務が社長兼COOに昇格。

 国内12月四半期決算出揃う。アドアーズは景品事業撤退。


2017年3月1日号のニュースダイジェスト
 写真はセガ社第11回「WCCF杯」の全国大会(東京・大崎、1月22日)で、下は優勝したランボー監督(右から3人目)と関係者、上は優勝決定瞬間の会場のようす。


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30年前の主なニュース

 ドイツのIMA展は急激なフリッパーブームを示すものとなった。日本では「売上税」導入が当面の重要課題に。SNKは新作展で「バミューダトライアングル」など披露した。タイトーは3画面連結の「ダライアス」を発売する。(1987年3月1日号)

40年前の主なニュース

 米国グレムリン社「ブロッケード」を追って、各社からブロッキングゲームが次々現れた。全日本遊園協会(JAA)総会で、シグマの真鍋勝紀氏が副会長に選出された。船橋ヘルスセンターは5月閉鎖に。セガ社は「ツインコースTT」を出荷した。(1977年3月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.バンダイナムコHDは2月7日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は8%増の4,591億3百万円、経常利益は28%増の605億3千9百万円、純利益は34%増の465億3百万円と増収増益だった。部門別でトイホビーの売上高は10%減の1,460億円、営業利益は28%減の126億円、ネットワークエンターテインメントの売上高は23%増の2,804億円、営業利益は102%増の385億円、映像音楽プロデュースの売上高は9%増の409億円、営業利益は19%増の119億円、その他の売上高は3%減の202億円、営業利益は12%増の12億円。うち業務用売上高は485億円(前年同期は390億円)、ゲーム場は国内223店、海外37店の計260店で、売上高は450億円(431億円)だった。通期については11月の前回予想を据え置いた。

 .任天堂は1月31日、第3・四半期までの9ヵ月(4-9月)決算を発表、売上高は27%減の3,111億2千百万円、経常利益は11%減の491億千万円、純利益は154%増の1,029億6千9百万円と減収ながら増益だった。海外売上高は2,213億円で、全体の71%を占める。第3・四半期で為替差益413億円が発生した。ハンドヘルド「3DS」の本体は10%増の645万台、ゲームソフトは20%増の4,678万本販売した。コンソール「Wii U」は生産終了、「スイッチ」を3月3日に発売する。スマホ用アプリは「スーパーマリオラン」を12月に配信した。関連会社ポケモンからの利益は167億円になった。17年3月期の業績予想は、売上高4,700億円を据え置き、経常利益300億円(10月の前回予想では100億円)、最終利益900憶円(500億円)と利益面で大幅下方修正した。

 .セガサミーホールディングスは2月6日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は17%増の2,857億2千7百万円、経常利益は180%増の353億9千8百万円、純利益は462%増の365億2千7百万円と大幅な増収増益だった。固定資産売却益など128億円、減損損失など52億円を特別利益に計上した。部門別では遊技機の売上高が24%増の1,197億円、営業利益は72%増の258億円、エンタテインメントコンテンツ(家庭用、業務用、TVアニメを含む)の売上高は14%増の1,554億円、営業利益は449%増の153億円、リゾートの売上高が8%減の105億円、営業損失が18億円(前年同期は13億円)だった。業務用の売上高は26%増の374億円、営業利益は33億円(損失1億円)、ゲーム場の売上高は1%減の279億円、営業利益は21%増の23億円だった。店舗数は8店減の190店。

 .セガサミーホールディングスは1月31日、里見治紀常務が4月1日付で社長兼COOに昇格、里見治会長兼社長兼CEO兼COOが会長兼CEOとなり、二人代表制になると発表した。里見治紀(さとみ・はるき)氏は01年明治学院大国際学部卒、国際証券(現UFJモルガンスタンレー証券)入社、04年にサミー入社、05年セガ入社、セガ・オブ・アメリカ社部長、11年シニア副社長、12年サミーネットワークス社長、セガ(現セガゲームス)取締役、14年副社長、15年からセガホールディングス副社長ならびにセガゲームス社長兼CEO、16年からサミー社長兼CEO。セガサミーホールディングスでは12年取締役、16年から常務。東京都出身。38歳。サミー創業者である里見治会長の下で、長男の里見治紀氏が、経営統合の結果04年に設立されたセガサミーホールディングスの社長に就任することになる。

 .タイトーの親会社である、スクウェア・エニックスHDは2月6日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は24%増の1,900億8千4百万円、経常利益は9%減の220億5千万円、純利益は26%増の170億5千5百万円だった。部門別でデジタルエンタテインメント(家庭用ゲームソフト)の売上高は33%増の1,462億円、営業利益は6%減の217億円、アミューズメント(業務用とゲーム場運営)の売上高は4%増の330億円、営業利益は16%減の36億円、出版の売上高は5%減の72億円、営業利益は10%減の17億円、許諾料などの売上高は30%増の47億円、営業利益は31%増の15億円だった。アミューズメント部門ではゲーム場が堅調に推移し、業務用は「ガンスリンガーストラトス3」、「シアトリズム・ファイナルファンタジー・オールスター・カーニバル」など販売した。

 .コナミホールディングスは1月31日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算〔IFRS〕を発表、売上高は9%減の1,639億4千百万円、営業利益は70%増の295億8千7百万円、純利益は230%増の206億5千百万円と減収増益だった。デジタルエンタテインメントの売上高は9%減の736億円、営業利益は15%増の244億円、健康サービスの売上高は3%減の519億円、営業利益は44%増の40億円、ゲーミング機の売上高は11%減の217億円、営業利益は19%減の29億円、アミューズメント(業務用と射幸遊技機)の売上高は17%減の171億円、営業利益は11%増の38億円。業務用ゲーム機は安定稼働を続けているとしている。17年3月期の業績予想は、売上高2,250億円(5月の前回予想では2,100億円)、営業利益360億円(250億円)、最終利益240億円(150億円)と大幅に上方修正した。

 .ラウンドワンは2月10日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は4%増の626億2千百万円、経常利益は6%減の18億5千万円、純利益は9%減の5億8千2百万円と増収減益だった。期末店舗数は国内が2増7減の109店、米国が3増の12店で、合計121店。第4・四半期は国内で2店減、米国で3店増の予定。サービス別売上高は、ゲーム場が27%増の295億円、ボウリング場が2%減の159億円、スポッチャが2%減の83億円、カラオケが2%増の64億円、その他が変わらずの22億円。米国での売上高は39%増の48億円、営業利益は7千万円(前年同期は3千万円の損失)だった。積極的に来場客の確保に努めた結果だとしている。通期業績予想は据え置いた。

 .カプコンは2月1日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は6%減の535億7百万円、経常利益は61%減の41億4千7百万円、純利益は61%減の27億6千2百万円と減収減益だった。ゲームソフトなどデジタルコンテンツの売上高は21%減の284億円、営業利益は85%減の14億円、1店増えて35店となったゲーム場の売上高は8%増の70億円、営業利益は33%増の6億円、パチスロ機と業務用ゲーム機の売上高は27%増の165億円、営業利益は87%増の54億円、許諾料その他の売上高は8%増の14億円、営業利益は59%増の5億円だった。前年同期ヒットした「3DS」用「モンスターハンタークロス」の反動減があり、ゲームソフトは大幅に後退したが、それ以外の分野で盛り返した。

 .アドアーズは2月10日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は1%増の167億千9百万円、経常利益は28%増の5億3千6百万円、純利益は2億3千6百万円(前年同期は4億千5百万円の赤字)だった。ゲーム場の数は2増5減の47店で、売上高が8%減の103億円、営業利益が13%増の7億円、不動産は売上高が9%増の46億円、営業利益が28%減の2億円、商業施設建築の売上高が245%増の16億円など。12月16日渋谷に開設した「VRパークトーキョー」に関心が集まり、盛り上がったとしている。同社は景品販売子会社のブレイクの全株式を同日付で、フォーサイド(東京都中央区日本橋室町、仮谷勝社長)に3億千万円で売却、特別利益に計上することになった。これにより事実上、ゲーム用景品販売事業から撤退する。

 10.米国ウォルトディズニー社は2月7日、第1・四半期(10-12月)決算を発表、売上高は3%減の147億8千4百万ドル、純利益は14%減の24億7千9百万ドルと減収減益だった。分野別で「メディアネットワーク」(ケーブルテレビ)の売上高は2%減の62億ドル、営業利益は4%減の13億ドル、「パーク&リゾーツ」の売上高は6%増の45億ドル、営業利益は13%増の11億ドル、「スタジオエンタテインメント」(映画制作)の売上高は7%減の25億ドル、営業利益は17%減の8億ドル、家庭用製品の売上高は23%減の14億ドル、営業利益は25%減の6億ドルだった。中国の上海ディズニーリゾートの業績が貢献したもので、テーマパーク部門の「パークス&リゾーツ」が好調に伸ばしたが、それ以外は軒並み減収減益になった。

 11.米国ウォルトディズニー社のボブ・アイガー会長兼CEOは2月8日、ディズニーワールド内の「アニマルキングダム」に建設中のテーマパーク「パンドラ=アバターの世界」を5月27日にオープンすると発表した。浮かぶ山脈や生物発光する巨大な森などを特徴とする、ジェームズ・キャメロン監督の映画「アバター」の舞台となった、パンドラを再現するもので、11年に計画が明らかになった。もうひとつ、15年に発表された「スター・ウォーズ」のテーマエリアは、19年にディズニーワールド内の「ハリウッドスタジオ」(MGMスタジオが08年に改称)とアナハイムの「ディズニーランド」にオープンする予定となった。「ミレニアム・ファルコン」に乗って銀河を高速で移動するというアトラクションと、ゲストが銀河戦争の兵士として戦いに参加するというアトラクションが予定されている。

 12.東京ディズニーシーで建設中の「ニモ&フレンズ・シーライダー」が5月20日にオープンする。2隻の潜水艦に乗って、ディズニーとピクサーの映画「ファインディング・ニモ」の世界を楽しむアトラクションで、米国ディズニーランドの「同サブマリン・ヴォヤッジ」と同じ潜水艦ライド。キャビン当たり122人が乗船、約5分間楽しむ。アトラクション「タートルトーク」もリニューアルオープンする。一方、ユニバーサルスタジオジャパン(USJ)では4月21日に、世界最大の「ミニオンエリア」(ミニオンパーク)がオープン、スイスのインタミン・アミューズメントライド社製の「ミニオンハチャメチャライド」などスリルライドが楽しめる。8人乗りの3Dライドで8分間楽しめる。また、ナガシマスパーランドでは3月中旬にも、新タイプの3Dスピンコースターのー「嵐」の営業運転を開始する。米国S&Sワールドワイド社製。8人乗り5両で1分間楽しむ。

 13.コーエーテクモウェーブは2月6日、業務用ゲーム機の新製品を20年ぶりに開発、今夏にも発売すると発表した。新製品「VRセンス」はバーチャルリアリティー(VR)映像に合わせて座席が動き、香りや風を感じさせる仕掛けを加えた、1人用カプセル型VRゲーム機で、ソニー製ヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)「プレイステーションVR」を利用する。ゲームソフトは「ホラーセンス・だるまさんがころんだ~」、「GIジョッキーセンス」、「VRアクション新・三國無双」(いずれも仮称)など3タイトルを同梱、さらに開発する予定。国際特許を出願中としている。価格は未定。テクモとコーエーは08年11月に経営統合で合意、09年4月にコーエーテクモHDを設立、統合し、10年4月に子会社コーエーテクモウェーブなどを設立、再編した。テクモの業務用新ゲームのタイトルは「デッドオアアライブ」(96年11月)以来。

 14.ユニバーサルエンターテインメントが名誉を棄損されたとして、朝日新聞社を相手取って1億円の損害賠償を求めていた訴訟で、最高裁第3小法廷(大橋正春裁判長)は2月7日付で、双方の上告を退ける決定をし、朝日新聞社に33万円の支払いを命じた高裁判決が確定した。フィリピンでのカジノリゾート開発に関する記事に関し、ユニバーサルが13年3月に起こした訴訟で、東京地裁は15年12月に5記事のうち4記事を真実と認めず、330万円の支払いを命じた。だが東京高裁は16年6月、うち3記事も重要部分で真実だとして賠償金額を33万円に減額した。残り1記事はウィンリゾーツ社が依頼、フリー法律事務所が作成した報告書について裏付け取材が不十分とした。元のニュースを配信したロイター通信社に対して、ユニバーサルは16年11月の東京高裁判決で敗訴している。朝日新聞社は一部主張が認められず、残念とコメントしている。

 15.ユニバーサルエンターテインメントがフィリピンのマニラ湾岸に建設した、カジノリゾート「オカダ・カジノ」は2月17日、正式にオープンすると、カジノ運営許可を与えた政府監督機関のPAGCORが明らかにした。しかし、ユニバーサルは10日、正式オープンを3月末に延期したことを明らかにした。「オカダ・カジノ」は12月21日の「ソフトオープン」に続き、12月30日にカジノの一部分の営業を開始して、何とか年末までに開業することができ、PAGCORの規定によるペナルティ支払いを免れた。ホテル、レストランなどを含め、2月17日までに順次営業を拡大する予定で、マニラ湾にあるエンタテインメントシティの一角(45ha)にフィリピンで最大のカジノリゾートが誕生することになる。




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