2016年7月1日号 Last updated on June 15, 2016
特報
 セガ・ライブクリエーションは今夏、VRアトラクションを披露する。

 「上海ディズニーランド」、プレオープンで目立つマナー違反など。

海外
 中国ワンダグループのテーマパーク「ワンダシティ」が開業。

 米国シカゴで8月、「AVGRエキスポ」がスタートする。

国内
 セガ・インタラクティブ新作展で新「三国志大戦」シリーズを披露。

 風営法違反とされた、元クラブ経営者の無罪確定。


2016年6月15日号のニュースダイジェスト
 写真はセガ・インタラクティブ新作展(大阪会場)で、上は新シリーズの「三国志大戦」を試しているようす。下は「UFOキャッチャー9」を展示しているところ。
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30年前の主なニュース

 いわゆる「遊戯装置付きテーブル」実用新案権問題、最高裁が上告を棄却し、解決した。SNK、「怒」のコピー基板に怒り、警告。石川県警、「ファミコン・ゲームセンター」を風営法違反(無許可営業)で摘発。(1986年7月1日号)

40年前の主なニュース

 米国ニューヨーク市で34年ぶりに、フリッパー・ピンボール機を解禁。第14回AMショーに向け、ショー委員会が「出品できないもの」などを決めた。ツムラ主催の8月大阪展に、メーカーが続々出展予定。(1976年7月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーグループでレジャー施設運営を担当する子会社、セガ・ライブクリエイションは6月7日、2種類のバーチャルリアリティ(VR)アトラクションを東京ジョイポリスで7月から運営する、と発表した。いずれもヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)を使用してゲームを進めるもので、ひとつはオーストラリアのゼロリテンシー社(ZLVR、本社メルボルン)が開発したVRゲームの「ゼロリテンシーVR」。ガンコントロールを操作しながら、圧倒的な仮想現実への没入感が体験できるとのこと。6人同時プレイが可能。もうひとつは日本風のホラーアクションの「VR生き人形の間」で、「ただの映像」ではない、新しい形の恐怖を体感できるとのこと。これらは東京ジョイポリス20周年記念プロジェクトとして導入するもの。いずれも正式なゲーム内容や利用料金、営業開始時期など具体的な計画は後日発表するとのこと。

 .セガ・インタラクティブは6月2日、東京で(7日大阪、9日福岡で)新作展を開催、「三国志大戦」を披露した。これは「三国志大戦3・ウォー・ビギンズ」に続く新作で、排出されるカードを盤面に置き、それを動かすことによりゲーム画面の舞台を操り、敵と戦うという方式はそのまま、カードが業界初の「両面オンデマンド印刷」になった。これにより、さらに円滑にゲームを進行させることができるほか、プレイヤーの希望に合わせることが可能になる。また勝っても負けてもプレイヤーに選択肢がある新料金体系なども採用した。12月下旬出荷予定で、販売価格は「年度更新プラン」、「ネクストプラン」の2通りに分かれ、2人用(2サテライト)でOP価格が各478万円、298万円など。1プレイ200円。新作展では、発売中の「UFOキャッチャー9」(OP価格92万円)も出品した。

 .上海ディズニーランドは6月16日に正式オープンされるが、4月26日に正面の地下鉄駅がオープンして以来、特別に招待された周辺住民などがチケット不要エリアを楽しんでいる。6月2日までにこのプレオープンに訪れた人びとだけでも計96万人に達し、本営業の初年度入場者千5百万人は確実と見られている。上海ディズニーが6月2日発表した。ディズニー系テーマパークでは最大規模の敷地で、新規開発の「トレジャーコープ」、「ガーデンズ・オブ・イマジネーション」を含む6ヵ所のテーマエリアなど話題が多いため、注目される。中国政府は知的所有権保護、大気汚染防止などウォルトディズニー社の要望に協力しているが、大連万達集団(ワンダグループ)による対抗遊園地の出現、加えて中国人自身のマナー違反など、上海ディズニーに課される課題は多く、どれほどクリアされるか、大いに気になるところ。なお中国郵政はオープン当日、特殊記念切手を発行する。

 .香港ディズニーランド(HKDL)の「トゥモローランド」が「スター・ウォーズ」と組み合わされ、新しく「スター・ウォーズ・トゥモローランド・テークオーバー」として、6月11日オープンした。15年9月に開園10周年を迎えた香港ディズニーランドが計画していたもので、結果からすれば、中国で16日にオープンする「上海ディズニーランド」に対抗するものとなる。新しい「トゥモローランド」は世界でも香港にしかないもので、「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」を採りこんだ、スター・ウォーズ仕様の「ハイパー・スペース・マウンテン」がメインアトラクションとなる。6月25日からは子ども(4-12歳)対象のフォースやライトセーバーの使い方などを学べる参加型ショー「ジェダイ・トレーニング」も始まる。今年後半には映画「アイアンマン」に基づく新しいテーマエリアがオープン、17年には750室の新ホテル「ディズニー・エクスプローラーズ・ロッジ」も開業する予定だ。

 .中国の大連万達集団(ワンダグループ、王健林会長)は5月28日、同国南東部の広西省南昌に80haのテーマパーク「万達文化旅遊城」(ワンダシティ)と、ショッピングモール、ホテルを含む大型娯楽複合施設を開業した。220億元(約3,720億円)かけて開発したという施設で、最大規模の「メガコースター」や、45mと最も高い「フライングアイランド」、高低差80mの「ジャイロドロップ」などインタミン社製を導入したほか、園内に「白雪姫」や「キャプテン・アメリカ」などのキャラクターも多数登場する。万達集団は同様の施設を3年間で6ヵ所に開設し、20年までに全国15ヵ所に広げる計画。同社の王会長は中国でも最大級の不動産王で、6月中旬「上海ディズニーランド」をオープンする米国ウォルトディズニー社に、正面から対抗する考えを示している。これに対し、ウォルトディズニー社は自社の知的所有権を保護し、権利侵害に対して対処する、とのコメントを明らかにしている。

 .公安委員会に無許可で客にダンスをさせる営業をしたとして、風営法違反(無許可営業)で摘発され、起訴された元クラブ経営者、金光正年被告についての上告審で、最高裁判所第3小法廷(木内道祥裁判長)は6月9日までに、検察側の上告を棄却する決定をし、一、二審の無罪判決が確定することになった。大阪地裁は14年4月に判決で、「(規制対象とした)男女間の享楽的雰囲気を過度に醸成する恐れは認められない」と判断、「ダンスをさせる営業を一律に規制するのは合理性を欠く」として、無罪を言い渡した。検察は控訴したが、二審の大阪高裁も15年1月に一審判決は相当として、控訴を棄却した。最高裁に対し弁護側は、「営業規制は職業の自由を制約するもので、規制対象は限定的に解釈されるべきだ」と無罪を主張していた。この間風営法は15年6月に一部改正され、未成年者の深夜立ち入りは禁止されるが、10ルックス以上の照度などを満たせば、風俗営業から外れることになった。

 .ユニバーサルエンターテインメントが朝日新聞社に1億円の損害賠償などを求めた民事事件で東京高裁(水野邦夫裁判長)は6月1日、33万円の賠償を支払うよう命じる判決を出した。問題とされたのは12年12月30日付記事などで、ユニバーサルがフィリピンでカジノ許可権を持つ政府高官(PAGCORの元関係者)に4千万ドルという多額の接待、送金をしたという記事。1審の東京地裁(松本利幸裁判長)は接待、送金を認めたが、根拠の一つとした報告書がユニバーサルと対立関係にある会社依頼により作成されており、裏付けがなされていないとして、見返り目的と認めず、朝日新聞社による名誉棄損を認め、330万円の損害賠償と4本の記事削除を命じていた。東京高裁は賠償額を33万円に減額、削除記事も1本に減らした。多額の接待、送金をした、株式公開会社のユニバーサルの目的、必要性が解明されていないのは、不思議というほかない。

 .米国でまた一つ、「アーケード、ビデオ、ゲームルームエキスポ」(AVGRエキスポ)という催しが今夏始まることになった。今ではフリッパーの世界的なイベントとなっている「ピンボールエキスポ」を30年前に始めた、ボブ・バーク氏(オハイオ州在住)が素晴らしいゲーム機、記録保持プレイヤー、オペレーター、開発者らを称えようとして企画したもの。200台以上の機械を集めたフリープレイの展示会を兼ねて、8月25-27日、シカゴ郊外のクラウンプラザ・シカゴ・オヘアホテルで第1回催しを開く。展示会ではアーケード、ビデオその他中古硬貨作動式機械の売買も行なうとしている。すでに判明している参加者は、世界記録保持者として知られるビリー・ミッチェル氏、リッチ-・ナックルス氏、フリッパー、TVゲームの開発者のユージン・ジャービス氏、世界最大のゲームルーム(約500台)を持つドック・マック氏ら。ウェッブサイトは本紙国際展示会予定を参照。



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