2016年4月15号 Last updated on April 1, 2016
特報
 AOUは連合会からオペレーター組織に大幅改造か。

 風俗営業許可営業所数は30年間で五分の一に減少。

海外
 中国・北京の遊園地で観覧車の大きさを1.5倍に。

 シックス・フラッグス社、ベトナムにブランドを使用許諾。

国内
 有料くじ「ガチャ」でスマホ業者団体が自主規制。

 任天堂がスマホ用に「ミートモ」の配信開始。


2016年4月15日号のニュースダイジェスト
 写真はJAEPO2016で、上はカプコンの「クロスビートREVサンライズ」、下はコナミデジタルエンタテインメント「実況パワフルプロ野球・ボールパーク」をそれぞれ試しているようす
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30年前の主なニュース

 旧ASIとAOEを統合した、米国「ACMA」がシカゴで開かれ、ウィリアムズ社「ハイスピード」、新日本企画「怒」などが披露された。47年再開、49年トーゴ単独経営になった「浅草花やしき」が全面改装した。(1986年4月15日号)

40年前の主なニュース

 フリッパー「ロデオ」を使ったセガ社ゲーム大会の予選が、全国27ヵ所のゲーム場で始まった。タイトーの新作発表会(東京)には、大阪での出品機に「F114」、「400マイルズ」など米欧製品も加わった。(1976年4月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.AOU広報紙などによると、AOUは47都道府県のオペレーター協会の「連合会」を廃止、オペレーターが直接会員となる全国組織に大幅改造し、全国を9-10地区本部に分ける方向で検討、すでに地方の協会では3月末で解散、「地区本部」の発足を決めるところも出て来たもようである。これは都道府県協会のなかには実体のないものがあることを認めるとともに、これでは全国的な足並みが揃わないので、AOU組織の在り方を見直すことにしたもの。15年12月8日の理事会で事務局から説明があり、異議なく承認されたとしている。2月17日の財政委員会ではそれに基づき、「地区協議会」を「地区本部」に変更するなどの組み替えを含んだ、16年度予算案も取りまとめたもよう。これらをもとに、さらに理事会、定時総会に諮る予定だとしている。四国4県の協会は1月22日、四国地区協議会を開催、3月末でのそれぞれの協会解散を決めたとのこと。

 .警察庁・保安課は3月22日、2015年中の風俗事犯の取り締まり状況と風俗営業所の現状を発表。遊技機使用の賭博犯は100件(前年は64件)、472人(348人)検挙した。検挙人員のうち暴力団構成員等の関与したのは49.2%に当たる232人だった。押収賭金、機械台数などは触れなかった。主な検挙例として、①バカラ台を設置したカジノ店での常習賭博事件(和歌山県警)、②パチスロ機等設置店での常習賭博事件(福岡県警)、③花札ゲーム機等を設置したゲーム喫茶店等での常習賭博事件(鹿児島県警)を挙げている。なお、風営法に基づく営業許可の必要な「ゲームセンター等」営業の12月末営業所数は10.7%減の4,856店、うち専業店は8.5%減の2,830店、兼業店は13.6%減の2,026店。遊技設備の設置台数は6.4%減の377,825台だった。「ゲームセンター等」が風俗営業となった1985年末の許可営業所数24,873店と比べ、五分の一以下になったことになる。

 .スマホ向けゲームアプリで高額な課金がしばしば問題にされる、有料くじの「ガチャ」について、業者団体の日本オンラインゲーム協会(JOGA)は3月24日、課金上限額を5万円、当たりの確率を明示することなどを盛り込んだガイドライン改正をまとめ、4月1日付で実施すると発表した。改正ガイドラインでは、①有料ガチャで求めるレアアイテムを得るまでの総額は1回の課金額の100倍までで、上限額は5万円、②アイテムは種別に当たる確率を明示する、③運営会社は責任者を置き、アイテムの確率設定などを記録する、など定めている。不当景品類及び不当表示防止法(景品表示法)などを順守するものとしており、必要に応じて改正を重ねてきた。JOGAの会員は3月現在71社で、132社が加盟するモバイル・コンテンツ・フォーラム(MCF)とともに、このガイドラインの説明会を4月15日、コロプラ社で共同開催するなど、徹底させたい考えだ。

 .任天堂は3月17日、DeNAと共同開発していた初のスマートフォン(スマホ)用ゲームアプリ「Miitomo」(ミートモ)の配信を開始した。まず日本でダウンロードを開始、3月中に米国やフランスなど15ヵ国、8言語で提供する。さらに17年3月末までに4タイトルほど提供する予定だ。「ミートモ」はプレイヤーの分身キャラクター「Mii」が友達と交流するアプリ。Miiがプレイヤーに質問を投げかけるのが特徴で、その情報を元にMii同士が簡単に交流できる。利用は無料だが、Miiに着せる服の購入や、ゲームの参加料などは有料。早くもダウンロードランキングでは首位につくなど、好調なスタートとなっている。任天堂はゲームソフトの配信を自社開発のコンソールに限定してきたが、昨年3月、スマホゲームへの参入を発表、そのためDeNAと業務提携した。2作目は任天堂のキャラクターを使ったものになる予定。

 .ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は3月24日、スマートフォン(スマホ)用ゲームアプリを展開するための新会社、「フォワードワークス」(東京都港区港南、盛田厚社長)を4月1日付で設立する、と発表した。SCEは4月1日付でSIEに改称するが、これを機に任天堂に続いて、スマホ市場への進出を明らかにしたことになる。SIEの完全子会社のフォワードワークスは、「プレイステーション」(PS)シリーズ用のタイトルとゲームキャラクターなどの知的財産(IP)と、「PS」で培ったゲーム制作のノウハウを活用、スマートフォン向けに最適化したゲームアプリを、日本及びアジアのユーザー向けに順次提供していく、としている。フォワードワークスがゲームを企画し、制作などはSIEが担当する。ただし、ゲームタイトルや時期など、今のところ詳細は発表されていない。家庭用ゲーム市場は縮小が続いているが、スマホゲームの人気は高く、それに対応するため。

 .ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は3月16日、家庭用TVゲームコンソール「プレイステーション4」の使用範囲を一挙に拡大する、専用のヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)セット「プレイステーションVR」(PSVR)を10月以降日本、北米、欧州、アジアで小売価格約45,000円/400米ドル/400ユーロ(税別)で発売すると発表した。SCEは当初16年上半期出荷の予定だったが、反響が大きく十分な数量を確保するため発売をずらしたとしている。10月から年末までにユービーアイソフト「イーグルフライト」など、幅広いジャンルの50タイトル以上の「PSVR」用ゲームソフトが発売される予定で、エレクトリック・アーツ社などは「PSVR」だけで楽しめる「スターウォーズ・バトルフロント」などの開発に取り組んでいるとされる。VR端末自体は15~16年にかけ、韓国サムソン電子や、米国フェイスブック子会社のオキュラス社らが相次ぎ発売しており、VRゲームが定着するか注目されている。

 .米国でテーマパークを展開しているシックス・フラッグス・エンタテインメント社は3月21日、ベトナムの首都ホーチミン市に地元企業のナビ・エンタテインメント社が「シックス・フラッグス」のブランドを使ったテーマパークを作るのを許諾した、と発表した。2020-21年までに完成する予定。シックス・フラッグ社は北米で18のテーマパークとウォーターパークを展開、さらに中東のアラブ首長国連邦・ドバイ、中国・上海に、地元企業がそれぞれ「シックス・フラッグス」のブランドを持つテーマパークを作るのを14-15年にかけて許諾しており、ホーチミンでの建設は海外で3件目となる。うちドバイはメーアス・レジャー&エンタテインメント社に許諾、17年に完成する予定、上海ではリバーサイド投資会社に許諾、19年に完成する予定とのこと。シックス・フラッグス社は許諾条件など詳細を明らかにしていない。

 .名古屋市千種区の東山動植物園(東山公園協会運営)で3月21日午後3時過ぎ、別々の遊園施設で続けて2件のうっかり事故があり、遊園地の営業を当面停止することになった。カーブのある斜面を4人乗りの車両が1台ずつ滑り降りる仕組みの「スロープシューター」で3時ごろ、1台がコース上で突然停止、後続車が接触して止まり、さらにもう1台が2台目に追突した。3台に5人が乗っていたが、目立ったけがはなかった。また、最高部の高さが36mある観覧車で3時半ごろ、小中学生ら4人が乗ったゴンドラの扉を、女性アルバイトが閉め忘れたまま、一周(約7分)した。近くにいた母親が気付き、緊急停止を求めたが、そのまま一周させ、4人は無事だった。同園はすべての遊園施設の安全を確認し、従業員への指導を徹底させるため、当面の間、遊園地の営業を見合わせることにした。

 .タイトーは宮城県北部地方振興事務所、大崎管内1市4町(大崎市、色痲町、加美町、湧谷町、美里町)と「大崎地域の観光振興を目的とする相互連携に関する協定」を締結、3月23日に大崎合同庁舎で締結式を実施した。タイトーが自慢するエンターテインメント(娯楽)のノウハウを活用し、宮城県大崎地域の交流人口を増やし、活性化を目指すというもので、地方機関と複数の自治体が娯楽分野において地域振興のための連携協定を結ぶのは全国初の試み。災害時の応援など、地方自治体と企業が協定を結ぶというのは例があるが、娯楽分野での締結は珍しいとされている。宮城県大崎地区は米や酒といった食の資源、「しの竹細工」などの伝統工芸、「鳴子温泉」などの観光資源がある。タイトーは昨年1月、大崎市鳴子温泉鬼首(おにこうべ)でリアル謎解きイベント「鬼首の夜」を開催し、3日間9公演すべてが満席となるほど人気を集め、今回の提携の機運が生まれたとしている。

 10.中国・北京の遊園地で3月15日、昨年まで営業運転してきた観覧車を1.5倍の大きなものに取り替える工事が始まり、注目されている。チャイナ・ニュース・サービス(CNS)などによると、中国の典型的な「パクリ遊園地」として有名な、「北京石景山遊楽園」(ベイジン・シーチャンシャン・アミューズメントパーク)が開園30周年を記念し、10月1日の国慶節に完成が間に合うよう進めているもの。昨年4月末まで運転していた観覧車はこの日撤去が開始され、それに代わるものとして、大きな観覧車の建設が進められることになっており、高さは1.5倍の100mに、客が乗るキャビンも6~8人乗りの42個の球形キャビンになり、最大で1日7千人が利用できるという。浙江ジュマ遊園機器が特別注文しており、ホイールの設計、建設、運営は中国の最高水準で実施される、と説明されている。観覧車の名前は公募で決めるとしており、その他の計画とともに今秋発表する予定。

 11.イオンファンタジーの子会社、イオンファンタジー中国「永旺幻想〈中国〉児童遊楽有限公司」が3月19日、中国・杭州で開かれた「中国文化遊楽協会表彰会」で同社と藤原信幸董事長(代表)が外国の企業・経営者としては初めて、2015年度の「優秀企業賞」と「優秀経営者賞」を受賞した。「中国文化遊楽協会」は中国におけるエンターテインメント関連企業の発展を促進するため、2003年から企業や経営者、製品を表彰しているもので、今回は第13回目となる。イオンファンタジー中国は07年11月の設立で、ファミリー客向けゲーム場「モーリーファンタジー」106店、室内プレイランド「イオンファンタジーキッズコーナー」23店、テーマ別プレイランド「ファンペッカ」2店の計131店を展開している。

 12.国内でのカジノ合法化を目指す「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案」(IR推進法案)の成立のめどが立たないため、政府は「統合型リゾート」(IR)推進を担当する内閣官房の業務をこのほど凍結することにした。3月22日、読売新聞が報じた。IR推進法案は自民党員を核とした超党派の議員が2010年に議員連盟を結成、13年12月に法案を国会に提出したが、衆議院解散に伴い廃案となった。15年4月に自民、維新、次世代の各党が共同で再提出したが、公明党はギャンブル依存症対策が不十分と反対の姿勢を崩さず、維新も分裂して、国会での審議は棚上げになったままになっている。当初政府はIR開業を2020年の東京五輪などに合わせるとしてきたが、もう間に合わない、との声も出てきた。このため、職員約30人でスタートしていた専用の事務室も近く閉鎖される見込みになったもよう。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015