2016年4月1号 Last updated on March 15, 2016
特報
 通信カラオケ機器を改造、販売した業者に有罪判決

 日本初の「ゲームオン」展、台場で5月まで。

海外
 ストロング博物館に常設のフリッパー館が誕生。

 業績急落の影響? 香港ディズニーの社長が交代。

国内
 ナムコ「ナンジャタウン」に体感アトラクションが登場。

 アドアーズ、「オリーブスパ」と業務提携。


2016年4月1日号のニュースダイジェスト
 写真はJAEPO2016で、上はカプコンの「進撃の巨人チームバトル」紹介コーナー、下はセガ社「艦これアーケード」の紹介コーナーのようす。
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30年前の主なニュース

 JAMMA定時総会は、業務用AM機の不滅と新風営法対策の継続を再確認する場となった。AOUは「愛されるゲーム場づくり」など、テーマ別3委員会の設置を決めた。警察庁は景品の上限を、200円に内定した。(1986年4月1日号)

40年前の主なニュース

 タイトーが新製品発表会(大阪)を開催、「スピードレース」の2人用「スピードレースツィン」、TVシューティングゲーム「インターセプター」など多数紹介した。セガ社はTVドライブゲーム「ロードレース」を発売する。(1976年4月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 .タイトーの社長が4月1日付で交代することになった。親会社のスクウェア・エニックスホールディングスが2月29日に発表した。新たに社長になるのは石井光一監査役(59歳)で、2月末に監査役を退任、取締役に選任されたうえ、4月1日付で社長に選任される予定。石井氏は1975年に太東貿易(現タイトー)に入社、2007年に執行役員オペレーション本部副本部長、09年同本部長、10年取締役オペレーション事業本部長、11年常務同、14年4月から監査役で、長年オペレーション部門の責任者だったが、14年以後は現場から退いていた。神奈川県出身。13年5月に代表権のない会長から社長となった飯沢幸雄氏は3月末で退任し、名誉会長に就任する。また代表権があった大和一彦副社長は、退任し、顧問となる。

 .香港ディズニーランド(HKDL)のアンドリュー・カム(金民豪)社長兼CEOが3月7日、個人的な理由で突然退任、サムエル・ラウ(劉永基)オペレーション担当副社長が社長に就任した。HKDLを経営する米国ウォルトディズニー・パークス&リゾーツ社が同日発表した。中国大陸からの客が急減して赤字になった、HKDLの15年9月決算が2月15日に明らかになったばかりで、その関係が取りざたされている。HKDLでは今夏の「スターウォーズ」特別プログラムに続いて、今年後半にアトラクション「アイアンマン・エキスピアレンス」をオープン、来年は「ディズニー・エクスプローラーズ・ロッジ」をオープンする予定で、スケジュールは混んでいて、だれも気を緩めるいとまもない。なお新社長は米国で20年間、公共サービスに就いた後、2010年にウォルトディズニーワールド(WDW)の輸送分副社長、14年に「エブコット」担当副社長など経験してきた。

 .業務用と家庭用のTVゲームに触れることのできる、世界的な企画展「Game On」(ゲームオン)が、「ゲームオン~ゲームってなんで面白い?〕というタイトルで、日本で初めて東京の日本科学未来館で3月2日から開かれている。「ゲームオン」はTVゲーム企画展では009年9月と最も古くから開始されているもので、英国ロンドンを振出しに欧州、中東、北米、香港、豪州、中南米と各地の博物館を巡回して、特にナッチングアソシエーツ社「コンピュータースペース」、マグナボックス社「オデッセイ」、アタリ社「ポン」など歴史的なTVゲームを実際に動かしてみせるなど、意義深い展示方法を貫き、範を示してきた。出品135点のうち133点はプレイ可能とのことだが、展示ゲームタイトルが最も多いはずの、日本での開催がこれほど遅れた理由は定かではない。5月30日まで(火曜日以外)、10-17時に開場。19歳以上1,500円、7-18歳は750円。

 .米国の「ストロング国立博物館」(ニューヨーク、マンハッタンスクウェア)はすでに「遊びに関する全米規模の博物館」と「世界ビデオゲーム栄誉の殿堂」を発足させているが、さらにフリッパーの歴史をたどる「ピンボール・プレイフィールド」を恒久施設として2月27日にオープンし、注目されている(これまで14年5-9月、期間を設けて公開したことがある)。収蔵されているピンボール機のうち関心の高いものは、フリッパー以前の「バリーフー」32年、「ワールドフェア・ジグソー」33年、フリッパー以後の「ハンプティダンプティ」47年、「トリプルアクション」48年などで、これに「バンガポンド」62年、「ヘラクレス」79年、「ファンハウス」90年、「モンスターバッシュ」98年などが加わり、25台以上をトークン使用でプレイ可能状態で展示されている。平日10-17時、但し金土曜は20時まで、日曜は12-17時。入館料は2歳以上が14ドル。

 .通信カラオケ機器を不正に改造、販売したとして、商標法と不正競争防止法違反(技術制限の解除)に問われた岡山市中区のカラオケ店業者、佐藤洋一被告(74)に対して、岡山地裁は2月29日、懲役2年の求刑に対し、懲役1年6ヵ月執行猶予3年の判決を言い渡した。同被告は1985年にトラック用コンテナ内にカラオケ機器を設置した、いわゆる「カラオケボックス」営業の始祖とされているが、第一興商の通信カラオケを同社と契約しなくても使えるよう改造して、東京の会社員ら3人に販売、昨年10月岡山県警に同容疑で摘発された。判決で新宅孝昭裁判官は、「ぎじゅつてき機能しない機器が安く出回り、被害を受けた会社が対応を余儀なくされるなど結果は決して軽くない」が、「高齢者などの個人向けにカラオケを利用してもらいたいと考え、犯行に及んだものと考えられる」と私欲から出たものでないことを認め、執行猶予付きの判決とした。

 .ナムコが運営する室内テーマパーク「ナンジャタウン」(東京・池袋)に3月18日~5月8日の期間、「ナンジャ春フェス2016」が開催され、プレイヤーがヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)とアームセンサーを装着して、眼前に出現するモンスターを魔法で倒す、というアーケード体感アトラクション「リアルモンスターバトル・ナジャミー救出作戦」が(3月10~4月10日のみ)開催される。モンスターを倒すための魔法は、プレイヤーが身体を動かすことによって繰り出され、そのためにディスプレイで見えるアイテムを手に入れ、ゲージを貯めて、必殺技「にゃにゃにゃ砲」を発射しながら進める。まるで自分が実際にビームを放っているような感覚を体験できるという。7歳以上の、パスポート所持者なら利用できるが、13歳未満は保護者の同意が必要。ゴールデンウィークには本格謎解きアトラクションも開催される。

 .アドアーズは3月8日、首都圏を中心に全国34ヵ所で(海外1ヵ所を含む)リラクゼーションサロン「オリーブスパ」(オリスパ)を運営するオリーブスパ(本社東京都港区西麻布、山根敬社長)と、「オリスパ」店舗開発、出店準備など店舗サブリースに関する業務提携を行なうことを決めた、と発表した。アドアーズ取締役の藤沢信義氏の投資する会社が間接的にオリーブスパの株式を100%所有しているため、この業務提携の特別利害関係者であり、決定に参加していないとのこと。オリーブスパは04年8月に設立され、15年6月期の業績は売上高31億2千6百万円、経常利益2億円、当期損失3百万円。業務提携に伴い、オリーブスパの山根敬創業社長が、アドアーズの6月の定時株主総会を経て取締役に就任する予定で、アドアーズとオリーブスパのそれぞれの事業展開を加速できるとしている。

 .富士急の遊園地「富士急ハイランド」(山梨県富士吉田市)で3月1日午後2時前、7人の客を乗せたコースターが地上約40メートルの高さで、約7分間停止するトラブルがあった。富士急は当初発表しなかったが、SNSで情報が広がったため、3月5日に明らかにし、安全な運行に努めると説明している。トラブルのあったのは、最大落下角度121度の大型ローラーコースター「高飛車」(コース全長1,004m、最高速度毎時100キロm)で、同園の呼び物のスリルライドのひとつ。前後左右2人乗り(計8人乗り)のライドが巻き上げられ、一気に落下する直前に一時停止したまま停止したもので、ブレーキが解除されないため、係員が乗り移り手動で解除、乗降位置に戻したという。乗客にけがはなかった。調べによると、ブレーキを解除する部品の空気漏れが原因で、部品を交換、試運転を行ない、約1時間20分後に運転を再開した。

 .西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)の遊園施設「ループ・スクリューコースター」で2012年9月30日に起こった事故について、国土交通省の昇降機等事故調査部会は2月29日、経年劣化で部品が破断したことが原因だった、とする調査報告書を公表した。この遊園施設は4名×6両の車両が全長876mの走路を宙返りしながら走るコースターで、04年に倒産したトーゴが製造、西武レクリエーションが管理者となって、85年11月に認定を受けていた。事故は2両目前列右側のハーネス(安全バー)のロックが走行中に解除されたというもので、乗客に被害はなかった。報告書によると、破断していた部品は設置から26年間、一度も好感されていなかった。ロック部品は年一回分解して点検していたが、劣化を見抜けなかったとして、適切な保守点検の徹底を図るよう指導することなど、同省に求めた。

 10.北マリアナ諸島連邦(CNMI)のテニアン島で独占的にカジノホテルを経営してきた「テニアン・ダイナスティ」のオーナー会社、香港エンタテインメント海外投資会社(HKE)は、国税局の規則に反して、1億3千8百万ドルの取引に関する報告をしなかったため2月23日、250万ドルの罰金を支払うよう、連邦地裁は判決をした。テニアン島がどれほど小さな島であろうが、そこがアメリカ合衆国の司法・行政権の元にあり、国税庁が罰金を課すのを止めることはできず、グアムおよび北マリアナ諸島担当の連邦検事も決定を支持してきた。「テニアン・ダイナスティ」は昨年12月に米国破産法の11条(チャプターイレブン)を申請したが、これも認められず、却下された。従業員への賃金支払い、また連邦および地方税の支払いも見通しが立っておらず、この件は完全に行き詰ったと見られている。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015