2016年3月15号 Last updated on March 1, 2016
特報
 JAEPO2016で披露されたTVゲームと発売時期。

 セガ・インタラクティブとコナミデジタル、電子マネーインフラを検討。

海外
 ロシア財務相、賭博税の10倍引き上げを提案。

 香港ディズニーランド、中国本土客減り、赤字に転落。

国内
 SNKエンタテインメントがライセンス事業に乗り出す。

 SDエンター、1月から「ぽちっとクレーン」開始。


2016年3月15日号のニュースダイジェスト
 写真はJAEPO2016で、上はバンダイナムコエンターテインメントの「スターウォーズ・バトルポッド・フラットスクリーン」、下はセガ・インタラクティブの「ラクガキカードバトル撃墜王」を試しているようす。
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30年前の主なニュース

 米国バリー社の85年12月決算は、AMゲーム部門の縮小により赤字幅を縮小した。ウィリアムズ社の10-12月期決算は、フリッパー「コメット」がヒットして大幅黒字となった。ユニバーサルの小山本社工場が完成した。(1986年3月15日号)

40年前の主なニュース

 野村電機が製造、エスコ貿易が販売元となって、メダルゲーム「ザ・グレートレースF1」が、エスコの新宿「カーニバルプラザ」と、マル三商会の「カジノ・ド・三宮」で運営されている。セガ社は新型フリッパーの展開で、4月からゲーム大会を開催する。(1976年3月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.ジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO)2016(2月19-20日、幕張メッセ)に、新たに披露されたTVゲームとその発売時期は次の通り。バンダイナムコエンターテインメントは「スターウォーズ・バトルポッド・フラットスクリーン」5月、「鉄拳7フェイテッド・リトリビューション」7月、セガ・インタラクティブは「艦これアーケード」今春、「ラクガキカードバトル撃墜王」今夏、新「三国志大戦」未定、タイトーは「グルーヴコースター3リンクフィーバー」3月、スクエニは「シアトリズム・ファイナルファンタジー・オールスターカーニバル」今秋、バイキングは「マジシャンズ・デッド」未定、コナミは「麻雀格闘倶楽部ゼロ」2月、「実況パワフルプロ野球・ボールパーク」、「ノスタルジア」、「おといろは」、「DDR A」いずれも未定、カプコンは「クロスビートREVサンライズ」今春、台湾レイアーク「サイタスオメガ」今夏、「進撃の巨人チームバトル」来冬。バイキングは「ネシス」に代わる「ビーナス」システムを披露した。

 .バンダイナムコエンターテインメントは2月15日、「スター・ウォーズ:バトルポッド」の新バージョン、「スター・ウォーズ:バトルポッド/フラットスクリーン・エディション」を5月、国内向けに出荷すると発表した。42インチ型液晶フラットスクリーンを使用する新型は、海外の主な展示会で先行披露されてきたもので、「全身が映像に包まれる」ドームスクリーンとはまた違ったキャビネットで、スクリーンとシートに傾きを持たせ、操作に合わせてレバーやシートが振動する体感ギミックなどにより、臨場感、浮遊感を楽しめるようにした。しかも2人で協力プレイが可能になったほか、今年初夏の最新ステージ「フォースの覚醒」へのアップデートにより、(既発売の「スター・ウォーズ:バトルポッド」と同様)最新ステージが楽しめる予定になっている。

 .SNKプレイモアは2月22日、完全子会社のSNKエンタテインメント(本社SNKプレイモアと同じ、外山公一社長)の事業再開、新規事業開始を発表した。SNKプレイモアは2001年8月に設立。同10月に旧SNKの知的所有権を大阪地裁の許可を得て取得、保持してきた。SNKエンタテインメントは、ゲームコンテンツの持続的発展を目的にライセンス事業を目的に、09年9月に設立された。このほどSNKプレイモアが家庭用、スマホ用など広範囲に映像・グラフィック制作を進めるとともに、これらゲームコンテンツに伴うライセンス事業をより円滑に行うことにしたもの。具体的には「ザ・キング・オブ・ファイターズ」、「メタルスラッグ」などなど世界的に知名度の高い200以上のコンテンツを用いたライセンスビジネスを基本に、国内外の企業が保有するコンテンツと世界中のゲームファンを結ぶ架け橋となるべく、「サブライセンス事業」を開始する。

 .セガ・インタラクティブ(杉野行雄社長、SIC)は2月19日、コナミデジタルエンタテインメント(早川英樹社長)と業務用AM機における「電子マネー」インフラ整備について共同で検討を進めることに合意した、と発表した。電子マネーについてはそのインフラ環境が求められているとし、15年から電子マネーインフラの開発・構築を進めてきたセガ・インタラクティブと、10年から電子マネー「パセリ」を展開しているコナミデジタルが「協業」、今夏の共同インフラ提供を目指すことになったもの。具体的な協業内容は未定だが、オペレーターは複数のインフラを導入することなく、利便性を受け取ることができる、としている。一方、タイトーは同日、楽天「Edy」機能付き会員カードの独占発行を今春開始、3月末から電子マネー向けの無線決済端末の実証実験を行なう、と発表した。利用者は利用ごとにポイント(200円で2ポイント)を貯めることができる。

 .セガ・エンタテインメント(東京都品川区東品川、岡村秀樹社長)は2月15日、直営の「クラブセガ新宿西口」で、広範囲の交通系電子マネーを使用できるようにするシステムを試行導入すると発表した。導入される電子マネーシステムはセガ・インタラクティブ、ユニカ、TFペイメントサービスが共同開発中のもので、TFペイメントサービスが提供する電子マネー決済処理をサーバー上で行なう「シンクライアント型の」「シンカクラウド」を利用し、低コストで多機能なサービスを、高いセキュリティで実現したとのこと。決済端末にはユニカ製「ゲームアカウントユニット」(GAUⅢ)を採用、店舗内のデータ送受信は無線で行なうので、ゲーム機の移動も容易としている。2月15日から、店内のゲーム機260台(メダルゲーム機は含まれない)に取り付けられたGAUⅢ端末を通じて実施する。硬貨使用と並行して実施される。

 .ロシアの複数の報道機関によると、ロシア財務省は2月12日、ゲーミング税(賭博税)を現行の10倍に税率を引き上げ、またインターネットを利用したオンライン・ギャンブリング(賭博)に対し新たに、売上高の10%まで課税する賭博税を新設することを提案、16年末までに立法化するよう求めて、議論の的になっているそうである。現状は、ロシアの賭博胴元(ブックメーカー)が運営する賭博営業所ごとに毎月7千ルーブリ(約89ドル)の賭博税と、スロットマシンごとに毎月7千5百ルーブリ、賭博テーブルごとに12万5千ルーブリの賭博機税を支払っているとのことで、今回の提案を冷静に受け止めているのも不思議ではない、と説明されている。というのはロシア国内の景気がかなり悪化しており、そのため賭博産業も大きく後退しているからで、この程度の増税に驚いているわけにいかない、ということである。

 .香港ディズニーランド(HKDL)の15年9月決算は、上海ディズニーランドの開園が近付く中、19百万米ドルの純損失と厳しい結果を示すものとなった。合弁事業の一方である香港政府が2月15日に明らかにしたもので、入園者数は前年比9%減の680万人だった。これは中国大陸からの入場客が前年に比べ23%も減り、構成比で中国人が7ポイント減らして41%となり、香港人39%、国際人20%となったため。またオフィシャルホテルの稼働率も、前年の93%から79%に下落した。この結果、売上高は6%減の6億5,500万香港ドル、最終損失は1,900万香港ドル(前年は4,300万香港ドルの利益)と赤字転落した。16年9月期には、規模が香港ディズニーランドの3倍あり、15~25百万人が入場する、と言われる上海ディズニーランドが6月にオープンする予定で、ますます厳しい環境になると見られている。

 .任天堂は2月26日、16年3月期の業績予想を、売上高5,000億円(昨年5月の前回予想では5,700億円)、経常利益250億円(550億円)、最終利益170億円(350億円)と大幅に下方修正した。年明けまでの販売動向と、円高に振れている外国為替相場の動向を踏まえての予想の見直しによるもので、外国為替については前提レートを2月以降1ドル120円から115円に切り下げ、約200億円の営業外損失を見込むことになった。販売動向からは、「3DS」本体の予想が660万台(760万台)、ゲームソフトが4,700万台(5,600万本)と予想を下回る見込みとなった。しかし、「Wii」及び「Wii U」の本体予想は変わらず、ゲームソフトがそれぞれ700万本(400万本)、2,700万本(2,300万本)と上向いていることも確認されている。

 .フリューは2月15日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は183億4千5百万円、経常利益は30億7千6百万円、純利益は20億3千9百万円だった。同社は第2・四半期から四半期累積業績を作成しているため、今期は四半期ごとの前年比ができない。事業区分ごとの業績は、プリントシール事業の売上高が65億2千9百万円、営業利益が8億8千2百万円、コンテンツ・メディア(会員制の画像取得・閲覧サービスの入会促進など)の売上高が55億千百万円、営業利益が30億千百万円、キャラクタ・マーチャンダイジング(ゲーム場向け景品)の売上高が45億2千8百万円、営業利益が5億千8百万円、ゲーム(スマホ・家庭用)の売上高が11億8千7百万円、営業損失が4億円、その他(出版)の売上高が5億8千7百万円、営業利益が6千9百万円だった。12月に明らかにした通期業績予想は据え置いた。

 10.SDエンターテイメントは1月15日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は60億千7百万円、経常損失は5千4百万円、純損失は8千5百万円だった。今年度より連結決算を作成しているため、前年比はできない。サービス別売上高は、ゲーム場が10億7千5百万円、フィットネスが16億6千万円、ボウリング場が8億6千3百万円、映画館など施設管理が2億千3百万円、カフェなどその他が9億3千5百万円。ゲーム場は2増1減の16店で、TVゲーム「鉄拳7」や「ワンダーランドウォーズ」などのヒット作に恵まれたとしている。同社は1月下旬から、オンラインで24時間いつでも本物のクレーンゲームを楽しめ、獲得した景品は全国どこへでも無料で届けるという、遠隔操作型クレーンゲーム「ぽちっとクレーン」の運営を開始している。

 11.ユニバーサルエンターテインメントは2月9日、第3・四半期までの9ヵ月(4-12月)決算を発表、売上高は30%増の612億2千2百万円、経常利益は48%減の45億千9百万円、純利益は89%増の34億7千6百万円だった。部門別で、遊技機の売上高は31%増の586億2千4百万円、営業利益は10%増の186億2千4百万円、その他の売上高は21%増の26億6百万円、営業損失は29億6千2百万円(前年同期24億7千百万円)だった。

 12.カナダのトリオテック・アミューズメント社(本社ケベック州モントリオール、アーネスト・エール社長兼CEO)は2月18日、シルク・ドゥ・ソレイユ社のチャールズ・デカリエ元COOを、トリオテック社のCOOとして迎えたことを発表した。トリオテック社はアーネスト・エール氏が1999年に設立した、体感TVゲーム機「タイフーン」、映像シミュレーター「XDシアター」などのメーカーとして知られる。デカリエ氏は世界的な大道芸で知られる、シルク・ドゥ・ソレイユ社の管理職に15年以上勤務、うち最後の4年間のCOO勤務を終え、今年1月に退任していた。モントリオールの本社事務と、世界中の事業経営を担当するとのこと。エール社長は早くもデカリエCOOが、没入できる空間の創造を特徴とする、トリオテック社で経営の右腕になると期待している。
 



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015