2015年12月15日号 Last updated on December 1, 2015
特報
 「JAEPO16」の申し込み小間数は13%減に。

 ロイターを訴えたユニバーサルに対し、東京地裁は却下。

海外
 米国サリー社、ダークライド「ウォーキング・デッド」で受賞。

 観覧車「シンガポールフライヤー」の経営安定する。

国内
 保護者が同伴する未成年者の例外入場時刻決める条例案。

 セガサミー、新インデックスを沢田HDに売却。


2015年12月15日号のニュースダイジェスト
 写真は「あそぶ!ゲーム展-デジタルゲームの夜明け」(10月3日-2月28日、埼玉県川口市の映像ミュージアム)で展示のようす(写真提供;SKIPシティ映像ミュージアム)
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30年前の主なニュース

 オペレーター協会全国連合会による「春のショー」開催日と会場は決まったが、それ以外は未定だ。米国の春のショー「AOE」と「ASI」が合併、「ACME」になると決まった。改正風営法による年末年始の「特別の事情が都道府県で決まりつつある。(1985年12月15日号)

40年前の主なニュース

 英国ATEI76(1月27-29日、ロンドン)に、関西精機製作所「ガンスモーク」など日本製品が出品されることが分かった。74年10月に発足した「大阪メダルゲーム協同組合」が11月28日に解散した。JAAはAMショーの来場者名簿を発売した。(1975年12月15日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.ジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO)2016(2月19-20日)には11月現在、実質34社(前回開催時と同じ。「プライズフェア」と重複出展している場合1社と数える)が495(590)小間に出展することが分かった。『今年も遊びまくろう』を合言葉に、前回の申し込み締め切り時より小さい、幕張メッセ第4-5の2ホールで開かれる。アミューズメントマシンショーとAOUエキスポの統合後4回目のショーで、統合後も減少傾向は続いており、今回は小間数で13%減少する予定。主な出展小間数は「プライズフェア」121(前回143)、セガ社90(110)、バンダイナムコエンターテインメント85(120)、コナミデジタル50(50)、タイトー20(40)、カプコン20(10)、フリュー12(12)、北日本通信工業12(10)など。前回出展しなかったホープはホープアミューズメントの形で5出展、「ファミリーゾーン」が復活することになった。海外からは世宇科技(UNIS)4(8)のみ。

 .ユニバーサルエンターテインメントらがトムソン・ロイター社を相手取って名誉棄損を理由に2億円の損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁は11月25日、ユニバーサルの訴えをすべて退ける判決を言い渡した。ユニバーサルとその持株会社の岡田ホールディングスは12年11月、マニラ湾でのカジノ開発計画の一環として、フィリピン娯楽賭博公社(PAGCOR)の会長側近だったロドルフォ・ソリアーニ氏に対し、関連会社を通じて4千万ドル流出した疑惑がある、とロイター通信が報じたことに関し、同12月にこの訴訟を起こしていた。判決で坂本勝裁判長は、「ユニバーサルの経営が法令及び定款に適合して行われているかどうかは」、同社が外部に多大の資金を提供した疑惑があるとする報道と同様「公共の関心事」であり、「もっぱら公益を図る」目的があった、として記事の正当性を認めた。従って「名誉棄損による不法行為は成立せず」、請求には理由がないとして退けた。ユニバーサルはコメントを出していない。

 .改正風俗営業法により従来「7号」の風俗営業だった「ゲームセンター等」は「5号」の風俗営業となり、18歳未満の者を客として立ち入らせることが禁じられている時間に関して、年齢と時刻を設けて都道府県の施行条例で例外規定が設けられていたが、さらに「保護者の同伴を求めるなど」の条件を満たせば例外を認めることになった。そこでAOUが、15年10月現在で各都道府県について施行条例の予定を調べたところ、今回の改正により、保護者同伴の場合に未成年者の入場を認めることにしたのは、「午後6時から10時まで」(東京都、北海道、千葉県、京都府など)、「午後7時から10時まで」(大阪府、宮崎県など)、「午後6時から8時まで」(神奈川県、宮城県、埼玉県など)、「午後5時から10時まで」(岐阜県)と都道府県により何通りかあるが、「従来通りで認めない(保護者同伴でも変わらない)」(茨城県、沖縄県など)とする県もあることが分かった。なお、この調査結果はすべてを網羅するものではない。

 .米国のオーディオアニマトロニクスメーカー、サリー社(フロリダ州ジャクソンビル、1977年設立)は今年5月、遊園地「シックスフラッグス・オーバー・テキサス」に納入したダークライド「ジャスティスリーグ・バトル・フォー・メトロポリス」を成功させ、その第2弾となる「ウォーキング・デッド・バトル・フォー・サバイバル」をIAAPAショー(アトラクションズ・エキスポ=11月17-20日、オーランド)で発表、優秀新製品(大型アトラクション)部門のIAAPA賞を受賞した。「ジャスティスリーグ」はワーナーブラザースやDCコミックスなどのキャラクターが多数出演、大都市を守る、というインタラクティブなダークライドで仕掛けがいっぱいある。「ウォーキング・デッド」はAMC放送局が2010年以来ヒットさせているテレビドラマシリーズに基づき、歩く死者(ゾンビ)との戦いをテーマにするダークライドで、ショー会場ではその一部を実物で披露した。

 .フランスのパリ郊外にある「ディズニーランド・パリ」を経営するユーロディズニー社の業績は相変わらず厳しいが、その10%の株式を持つサウジアラビアのアル=ワリード・ビン・タラール王子の96%子会社である「キングダム・ホールディング社」(KHC)が49百万ユーロ(52百万米ドル)注入することが11月18日、明らかになった。ディズニーランド・パリの9月末までの年間入園者数は13年14.9百万人、14年14.2百万人、15年14.8百万人と横ばい状態。11月5日発表された同社の15年8月期決算は、売上高が7%増の1,373百万ユーロと回復したが、コスト増もあり純利益が10%減の102百万ユーロと大幅減益になった。アルワリード王子はディズニーを支持する投資家として知られており、17年に25周年を迎えるユーロディズニー社に対し、10%の持株比率を維持しつつ、財政的に支援することを示したもの。

 .世界最大級の観覧車である「シンガポールフライヤー」(高さ165m)は14年11月、オーナーが最初のシンガポールフライヤー社から、上海オーシャン水族館を経営するシンガポールのストレイコ・レジャー社(ストレイコ社の90%子会社)に代わって以来、経営が安定しているようだ。ストレイコ社の今年第1・四半期(1-3月)の売上高は前年同期比72%増の25百万Sドル、純利益は61%増の9百万Sドルと好調なスタートを切った。第2・四半期(4-6月)では49%増の29百万Sドル、26%増の10百万Sドル。11月13日明らかになった、第3・四半期(7-9月)の業績は28%増の49百万Sドル、21%増の24百万Sドルで、やや下がり気味とはいえ、増収増益を確保しており、シンガポールフライヤー社買収は成功したと言える。「シンガポールフライヤー」は08年4月にオープンしたが、13年に経営破たんし、管財人の下で再建を模索、良きオーナーの下でどうにか再生したようだ。

 .TVゲーム「パックマン」の最高得点を出した記録がある、米国フロリダ州ハリウッドのビリー・ミッチェル氏が、全米漫画番組「カートゥーンネットワーク」により自分の肖像権を侵害されたとして提訴した事件で、ニュージャージー州にある連邦地裁のアン・トンプソン判事は11月20日、訴えを退ける判決を言い渡した。この番組の中の「レギュラーショー」というコーナーに登場する、長髪であご髭のキャラクター「ギャレット・ボビー・ファーガソン」(GFB)が、5年ほど前から登場しているのが、そもそも気に入らないというのが発端。「テレビに出てくるキャラクターGFBは人間ではなく作り物で、外見上も原告に似ていない。原告は人間であるが、キャラクターは肩書きがなくなれば、原告とは違って消滅する。これは言論の自由に属する」と、判事は判決理由を示した。ビリー・ミッチェル氏は「ドンキーコング」、「ミズ・パックマン」についても、最高得点を出した記録を保持しているとのこと。

 .セガサミーホールディングスは11月27日、元家庭用ソフトウェア子会社のインデックス(東京都世田谷区太子堂、浜田康弘社長)を沢田ホールディングス(同新宿区西新宿、沢田秀雄社長)に売却することになったと発表した。株式をすべて譲渡するもので、価格は公開されないとのこと。インデックスは、13年に設立された元セガドリームが、セガ社が旧インデックスの事業の大半を譲り受けることになったため、セガドリームの社名をインデックスに変更し、アミューズメント事業をセガ社(現セガ・インタラクティブ)に移管したもので、コンテンツ&ソリューション事業を新設分割設立会社である新インデックスに継承した上で、14年4月に分割会社を「アトラス」に商号変更していた。15年4月のセガサミーグループ再編に伴い、セガホールディングスの子会社にとどまっていた。14年7月に破産手続き開始決定を受けた、旧インデックスとはまったくの別会社。

 .2006年8月に閉園した旧「奈良ドリームランド」跡地の公売を、奈良市が11月10日に実施、不動産会社の「SKハウジング」(大阪市北区)が7億3千万円で落札、17日に全額支払い、正式に売却された。奈良市が発表した。跡地利用に関して、SKハウジングでは未定としている。「奈良ドリームランド」は千日土地興業(後の日本ドリーム観光)によって1961年7月に開業したが、93年にダイエーが日本ドリーム観光を吸収合併、ダイエーグループのドリームパークに経営が移った後も業績が悪化し、2006年に閉園した。跡地はテンラッシュが所有していたが、固定資産税など約6億5千万円滞納したため、13年に奈良市が差し押さえていた。市街化調整区域などに指定されており、マンションなどは建設できず、学校や福祉施設など公共施設などの利用に制限されているため、昨秋の公売には入札者が現れなかった。遊園施設なども撤去されておらず、当事者間で話し合うもようだ。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015