2015年9月1日号 Last updated on August 15, 2015
特報
 SNKプレイモア、中国「37ゲームス」の傘下に。

 「エキスポシティ」、観覧車とオービィ除き11月開業へ。

海外
 ユニバーサル、「マニラベイ・リゾーツ」は当初の倍の規模に。

 米国ディズニー社の4-6月決算、引き続き好調。

国内
 バンナム4-6月決算好調、中間期予想を上方修正。

 アドアーズ、取得した介護事業を売却、特別損失10億円。


2015年9月1日号のニュースダイジェスト
 写真はセガ・インタラクティブの新作展(大阪会場)で、上は「マリオ&ソニックATリオオリンピック・アーケードエディション」、下はメダルゲーム機「バベルのメダルタワー」を試しているようす。


30年前の主なニュース

 「警察白書」で、「少年のたまり場」の首位は営業形態別で「ゲームセンター」と発表された。米国で話題の「フライアウェイ」、日本での独占販売権は高松商事に。ナムコのクリエイティブセンタービルが完成、朝日ビルから本社移転。(1985年9月1日号)

40年前の主なニュース

 シグマは「GFミラノ」に、10人用メダルゲーム機「ザ・ダービー」を導入、人気を集めている。テレビに接続して使う家庭用TVゲーム機として、エポック社「テレビテニス」、ジョリーブ社「オデッセイ」が発売されている。(1975年9月1日号)



【ニユースダイジェスト】


 1.SNKプレイモア(本社大阪府江坂市、外山公一社長)の株式の大半が8月6日に買い取られ、中国のオンラインゲーム会社である「37ゲームス」(蕪湖順栄三七互娯網絡科技、本社安徽省蕪湖)の資本傘下に入ることになった。中国・深セン(=土へんに川)証券取引所に株式を上場している「37ゲームス」が7日に発表したもので、同社と中国のオリエンタル・セキュリティ社が設立したジョイントベンチャー「レド・ミレニアム」が、SNKプレイモアの創業者である川崎栄吉会長と川崎夏世専務から、株式の81.25%を6,350万米ドル(約79.2億円)で取得したとしている。「37ゲームス」は買収目的を、中国でも人気の高い「ザ・キング・オブ・ファイターズ」、「メタルスラッグ」、「サムライスピリッツ」、「餓狼伝説」など、SNKプレイモアが保有する知的所有権を活用することにある、と明言している。SNKプレイモアは2001年8月に設立、10月に大阪地裁の監督する中、旧SNKの知的所有権を取得、業務用、家庭用のTVゲームとパチスロ機の開発、販売を進めている。

 .ユニバーサルエンターテインメントの岡田和生会長は7月30日、「マニラベイ・リゾーツ」の「トッピングオフ」式典に出席、同リゾーツへの投資規模が40億ドル(約5千億円)規模に増大することになったと述べた。現地報道機関が一斉に報じた。この日同リゾーツのホテルタワーが最高階に達したが、当初予定の15年3月完成は16年12月ごろオープンへと延期された。また当初、豪華な1,000室のホテル、3千台のスロットマシン、500台のゲーミングテーブルを備えたカジノ、8万㎡の商業施設、ビーチクラブ、ナイトクラブを含め25ヘクタールの20億ドル規模で進めてきたが、ホテルの客室をさらに千室増やすなどして計画が膨らみ、40億ドル規模に達する見通しになった。ユニバーサルグループの土地保有会社、イーグルⅡホールディングス社の株式の40%を取得した、ASHR社のアントニオ・コファンコ社長は、本業は不動産と観光業であり、カジノ経営に興味はないと記者たちに語った。

 .ユニバーサルエンターテインメントは8月7日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は29%減の121億9千7百万円、経常損失は12億5千9百万円(前年同期は25億千4百万円の利益)、純利益は78%減の1億6千百万円、と大幅減収で経常赤字だった。部門別では遊技機(パチンコ、パチスロ)の売上高が31%減の112億5千百万円、営業利益が57%減の26億千3百万円、その他(メディアコンテンツ、放送)の売上高が15%増の9億4千7百万円、営業損失が11億8千百万円(5億8千4百万円の損失)となっている。フィリピンで進めているカジノリゾート「マニラベイ・リゾーツ」開発については、ホテルタワーの躯体が最高階まで達したため、7月30日に「トッピングオフ」式典を開催した。また同社はアルゼUSA社とともに2月、マカオ特別行政区第一審裁判所に、ウィンリゾーツ・マカオ社に対して、同社解散と損害賠償を求める訴えを起こしたとしている。

 .バンダイナムコHDは8月5日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は12%増の1,373億7千6百万円、経常利益は7%増の187億8千万円、純利益は20%増の139億4千9百万円と好調に伸ばした。部門別でトイホビーの売上高が7%増の500億円、営業利益が32%増の52億円、ネットワークエンターテインメント(ネットワークコンテンツ、家庭用ゲームソフト、業務用、ゲーム場)の売上高は17%増の767億円、営業利益が30%増の104億円、映像音楽の売上高が5%減の114億円、営業利益が36%減の31億円、その他の売上高が7%減の63億円、営業利益が76%減の1億円だった。同社は海外向け家庭用ゲームソフトやスマホ向けゲームなど、好調な業績を踏まえ、中間期(4-9月)の業績予想を、売上高2,550億円(5月の前回予想では2,450億円)、経常利益255億円(205億円)、純利益170億円(135億円)と大幅に上方修正した。

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.〔バンダイナムコHD第1・四半期決算の続き〕部門別のネットワークエンターテインメントの売上高のうち、ネットワークコンテンツ(SNSゲーム、スマホ用、PC用ゲームなど)は196億円(前年同期は198億円)、家庭用ゲームソフトは317憶円(204億円)、業務用ゲーム機は117億円(133億円)、ゲーム場は132億円(129億円)で、アミューズメントビジネスは全体に苦戦した。なお業務用ゲーム機の国内売上高は99億円(119億円)で、うちビデオゲームは7億円(19億円)、メダルゲームは3億円(前年同期ゼロ)、その他は33億円(43億円)、景品は56億円(57億円)だった。ゲーム場は国内が2増3減で201店になり、海外は増減なしの35店、直営店は合計236店になった。

 6.セガサミーHDは7月31日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は41%減の529億3千5百万円、経常損失は87億6百万円(前年同期は96億5千7百万円の利益)、純損失は79億3千万円(51億6千百万円の利益)と大幅減収で赤字に転落した。4月から事業区分を3つに再編しており、遊技機の売上高は84%減の78億6百万円、営業損失が67億2千5百万円(125億6千万円の利益)、エンタテインメントコンテンツの売上高が4%増の419億千百万円、営業損失が7億3千9百万円(13億6千6百万円)、リゾート(シーガイア、東京ジョイポリス、オービィ横浜、韓国パラダイスカジノ)の売上高が19%増の34億5千万円、営業損失は5億9千百万円(7億9千3百万円)。コンテンツのうち、デジタルゲームの売上高が3%増の126億円、営業利益が33%減の2億円、パッケージゲームの売上高が77億円、営業損失が2億円、AM機器の売上高が16%増の87億円、営業損失が4億円、AM施設の売上高が5%増の87億円、営業利益が1億円となっている。

 .コナミは8月6日、第1・四半期(4-6月)決算〔IFRS=国際財務報告基準〕を発表、売上高は5%増の512億2百万円、営業利益は87%増の64億8千4百万円、親会社の所有に帰属する利益は160%増の42億8千2百万円と回復した。部門別で、デジタルエンタテインメント(家庭用、モバイル、業務用)の売上高は17%増の238億2千9百万円、営業利益は79%増の64億4千9百万円、健康サービスの売上高は3%減の175億8千4百万円、営業利益は125%増の4億5千3百万円、ゲーミング機器システムの売上高は0.2%増の68億2千9百万円、営業利益は50%減の6億3千6百万円、遊技機の売上高は12%減の30億6千百万円、営業利益は2億3千8百万円(前年同期は5億6千万円の損失)だった。業務用は「eアミューズメント」タイトルが安定稼働を続けている、としている。

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.タイトーの親会社、スクウェア・エニックスHDは8月6日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は12%増の422億8千2百万円、経常利益は97%増の95億4千3百万円、純利益は76%増の59億9千9百万円と回復してきた。部門別で、デジタルエンタテインメント(家庭用、スマホ用、PC用)の売上高は29%増の302億9千7百万円、営業利益は82%増の81億9千百万円、アミューズメント(機器、ゲーム場)の売上高は23%減の84億7千5百万円、営業利益は39%減の9億4千万円、出版の売上高は2%増の26億9千万円、営業利益は1%増の6億5千7百万円、許諾料の売上高は73%増の11億6千4百万円、営業利益は118%増の4億2千万円。「ファイナルファンタジーXIV」、「ドラゴンクエストX」などのリピート販売が好調だった。業務用は新発売がなかったとしている。

 .ラウンドワンは8月5日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は4%減の188億3千3百万円、経常損失は2億千6百万円(前年同期は8億3千万円の利益)、純損失は5億8千5百万円(7億7千8百万円の利益)と、減収で赤字に転落した。店舗数は5店増の119店(うち米国は6店)。売上高の内訳はボウリング場が10%減の52億円、ゲーム場が3%減の83億円、スボッチャが4%増の26億円、カラオケが変わらずの20億円、その他が変わらずの6億円。同社では利用料金を見直し、7月17日からボウリングが20%、スポッチャが10%、カラオケが2%の料金値上げをそれぞれ実施し、ゲーム場については土日祝のみ1,100円でメダル枚数500枚となっているのを、7月11日から300枚に実質値上げするほか、各種大会などを開催する。7月から来春にかけて国内2店、米国6店を新たにオープンする予定。中間期(4-9月)の業績予想は据え置いた。

 10.アドアーズは8月11日、第1・四半期(4-6月)決算を発表、売上高は4%減の54億7千4百万円、経常損失は2千4百万円(前年同期は3億3千百万円の利益)、純損失は9億3千5百万円(2億5千万円の利益)と赤字に転落した。ゲーム場と景品の売上高は3%減の35億8千万円、営業利益は25%減の1億9千9百万円、不動産の売上高は33%減の12億4千9百万円、営業利益が70%減の7千3百万円、商業施設の売上高は79%減の3千万円、営業損失が千8百万円、介護事業の売上高は6億8百万円、営業損失が1億千万円。ゲーム場は増減なしの55店。昨年11月に100%子会社にした日本介護福祉グループを5千万円で藤田英明会長に売却、このため10億3千2百万円を特別損失に計上した。また16年3月期(通期)業績予想を売上高220億円(5月の前回予想では250億円)、経常利益7億円(5億円)、最終損失1億千万円(3億円の利益)に大幅修正した。豊島区西池袋一丁目33番7号の8階建て土地建物は7月に売却、譲渡益は2億円だった。

 11
.米国ウォルト・ディズニー社は8月4日、第3・四半期(4-6月)決算〔米国基準〕を発表、売上高は5%増の131億百万ドル、営業利益は7%増の41億2千万ドル、純利益は11%増の24億8千3百万ドルと引き続き好調だった。部門別でメディアネットワークス(ケーブルTV)の売上高は5%増の57億ドル(億未満切り捨て)、営業利益は4%増の23億ドル、パークス&リゾーツの売上高は4%増の41億ドル、営業利益は9%増の9億ドルなど(残り3部門は略)となっている。14年10月からの3四半期(9ヵ月)累計では、売上高が7%増の389億5千3百万ドル、営業利益が9%増の111億4千7百万ドル、純利益が13%増の67億7千3百万ドル。部門別でメディアネットワークスの売上高が9%増の174億ドル、パークス&リゾーツの売上高が6%増の118億ドル、営業利益が16%増の22億ドルだった。

 12.三井不動産は8月3日、エキスポランド跡地に建設している「エキスポシティ」を11月19日に開業する、と発表した。ただし、セガ社による関西初の自然体験型エンターテインメント施設「オービィ大阪」は16年初めに、日本一大きい観覧車「オオサカホイール」(仮称)は16年春にそれぞれ開業する予定(付属のショップとレストランだけはエキスポシティと同時開業)。「エキスポシティ」にはこのほか「海遊館」がプロデュースした〈生きているミュージアム〉「ニフレル」、英語教育施設「イングリッシュビレッジ」、体験型エデュテイメント施設「ポケモンEXPOジム」、ソユーの体験型アミューズメントパーク「エンターテインメントフィールド」、シネマコンプレックス「109シネマズ大阪エキスポシティ」、動物たちの移動遊園地「アニポ」、と8つのエンターテインメント施設が開設される。高さ120m以上の「オオサカホイール」の事業者名はまだ公表されていない。「エキスポシティ」はこのほか「ららぽーと」など商業施設を充実させている。




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