2015年2月15日号 Last updated on February 1, 2015
特報
 セガサミー構造改革で、セガ社など事業見直し、人員整理へ。

 英国EAG15で、バンナム、セガ社から新ゲーム披露。
海外
 英国「ロンドン・パラマウント」、建設用地の買い取りに成功。

 米国シーザーズ社が事業会社をチャプターイレブン申請。
国内
 国交省調査部、コースター事故で報告書公表。

 アールアールビー、ケイ・キャットがそれぞれ破産へ。

2015年2月15日号のニュースダイジェスト
 写真は米国IAAPAアトラクションズ・エキスポ14で、上はイタリアのザンペルラ社が出品した「サンダーボルト」の車両部分など、下は映像シミュレーターの米国シメックス/アイワークス・エンターテインメント社のブースのようす。


30年前の主なニュース

 2月13日午前0時、ゲーム場を風俗営業にした新風営法が施行される。第4回AOUエキスポでゲーミング機の扱い微妙に。英国ATEIで、アイレム「スパルタンX」が人気独走。米国センチュリー社が閉鎖。コナミ工業は「バブルシステム」を発表した(1985年2月15日号)

40年前の主なニュース

 「大阪メダルゲーム協同組合」は一部を残して大半の役員が辞任、脱退したが、組合自体は存続へ。ジャパン・オーバーシーズ・ビジネス(JOB)が年末年始にかけて東京・銀座で、メダルゲーム機展「カーニバルプラザ・フェスティバル75」を開催した。(1975年2月10日号)



【ニユースダイジェスト】

 .セガサミーHDは1月30日、セガサミーグルーブの構造改革の実施を開始すると発表した。構造改革については14年5月に構造改革本部を設置、10月に①3事業グループ(遊技機、コンテンツ、リゾート)への再編、②不採算事業の縮小、③里見治紀セガ構造改革担当副社長の就任を決めており、それに続くもの。スマホ・PCオンラインなどのデジタルゲーム分野を成長分野と位置付け、セガ社について①低迷するアミューズメント事業を見直し、絞り込み、一部撤退など、②2月に開発など約120人の希望退職を募る、③海外での事業効率化を進める、など決めた。うち人員削減について、セガサミーグループでは約300人の希望退職を予定しており、セガ社以外での事業効率化も実施する予定。これらに伴い、15年3月期業績予想では最終利益が減少する見込みだが、精査中でまだ明らかではない。しかし2月12日に予定している第3・四半期までの3・四半期決算発表時に発表する予定。

 .欧州最大のAMゲーム機/遊技機総合展、第6回英国EAG(1月13-15日、BACTA主催、エクセル展示場)は、今回からアトラクション施設展の「VAE」を含むことになったが、規模は大して変わらず、英国のディストリビューターと並んで、例年通りバンダイナムコとセガ・アミューズメンツがそれぞれ最大規模のブースで出展した。バンダイナムコ社は海外初披露となる「タイムクライシス5」、欧州初の「スターウォーズ・バトルポッド」、ロースリルズ社「ジュラシックパーク」などを出品、「パックマン」系ゲームを集めた「パックマンゾーン」も設けた。セガ・アミューズメンツ社は「グリッド」を開発したコードマスター社のカーレース「ショーダウン」スペシャルアトラクション、「トランスホーマーズ・ヒューマンアライアンス」SDX、米国ICE社のTVリデムプションゲーム「カンフーパンダ」などを紹介した。また台湾IGS社の「オーバータイク-ザ・エリート・チャレンジ」、「モンスター・アイ」5D、「パワートラック・スペシャル」などが英国JNCセールス社の小間で紹介された。スターンピンボール社は新作「ジ・ウォーキング・デッド」など披露した。

 .オリエンタルランドは1月29日、第3・四半期までの3・四半期(4-12月)決算を発表、売上高は4%減の3,521億円、経常利益は8%減の926億円、純利益は3%減の608億円と減収減益だった。うちテーマパークの売上高は4%減の2,923億円、営業利益は9%減の782億円、ホテルの売上高は6%減の465億円。営業利益は16%減の115億円と、最高だった前年を下回った。同社はまた、「東京ディズニーランド」と「東京ディズニーシー」のパスポートを4月1日から値上げすると発表した。これまでの投資の回収とともに、来園者の体験価値向上を目指す、今後の大規模投資に備えるためで、2011年以来の改定となる(消費税率増加分を除く)。大人(18歳以上)「1デーパスポート」が6,900円(現行6400円)、中・高生(12-17歳)が6,000円(5,500円)、小人(4-11歳)が4,500円(4,200円)、シニア(現行60歳以上を65歳以上に今回改定)6,200円(5,700円)になる。これに伴い2デーパス、スターライトパス、年間パスなども値上げとなる。

 .任天堂は1月28日、第3・四半期までの3・四半期(4-12月)決算を発表、売上高は11%減の4,429億円、経常利益は66%増の923億円、純利益は約6倍の595億円と、減収だが経常利益などは大きく回復した。営業利益は4年ぶりに回復したが、まだ予想を下回っている。「3DS」本体は新型を含め、期間中708万台、ソフトは5,304万本を、また「Wii U」本体は303万台、ソフトは2,059万本販売した。「3DS」用ソフトでは「ポケットモンスターX・Y」など、「Wii U」用ソフトでは「マリオカート8」などが順調に売り上げを伸ばした。売上高のうち海外は3,252億円で、海外比率は73%。また円安による為替差益が510億円発生して、経常利益を押し上げた。これらをもとに通期(15年3月期)業績予想を、売上高5,500億円(昨年5月の前回予想では5,900億円)、経常利益500億円(350億円)、最終利益300億円(200億円)と大幅に修正した。

 .英国でテーマパーク「ロンドン・パラマウント」を建設するという計画は、1,570㎡の建設用地を買い取ることでまた一歩前進した。元セメント工事用の土地を所有する建材会社のラファージ・ターマック社が、1月中旬までに、計画を進める共同事業体のロンドン・リゾート・カンパニー・ホールディングス(LRCH)社に売却することで基本的に合意した。ロンドンの東の郊外に当たるところで、ここに20億ポンド(32億米ドル)かけて、パラマウント映画に基づくテーマパークと、ウォーターパーク、スポーツ施設、娯楽センター、5千室のホテルなどを建設する計画で、すでに映像分野でBBCワールドワイド社とも提携した。LRCHはさらにこの土地がケント州北部に位置するところから、地元住民の支持を取り付けるための手続きを進めるもようだ。テーマパークには「ミッション・インポッシブル」(スパイ大作戦)や「スタートレック」などに基づく最新アトラクションが実現する見込みとなっている。

 .ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は1月19日、リニューアル中の「ユニバーサル・ワンダーランド」の具体的な計画を発表した。それによると、既存の3エリアに加え新しく「エルモ」エリアを追加。3エリアにそれぞれアトラクション「ポップアップパーティー」、「スヌーピー」で「バックロットカフェ」、「セサミ」で「エルモのゴーゴースケートボード」、「バルーントリップ」をそれぞれ追加する。小さな子ども向けのテーマゾーンで、3月18日に全面開業する。それより先に1月23日から、別途有料アトラクション「クールジャパン」が5月10日までの期間限定でオープンした。これは4階建ての建物の施設内をめぐりながら謎を解き明かして進む「リアル脱出ゲーム」で、原則1チーム4名で体験する「バイオハザード・ザ・エスケープ」、立体映画に合わせて座席が動く「エヴァンゲリオン・ザ・リアル4D」、巨人同士が戦う「衝撃の巨人・ザ・リアル」、さまざまなモンスターが再現される「モンスターハンター・ドリンクG」と4種類ある。

 .国土交通省は1月19日、よみうりランド(川崎市)で14年3月19日に起こったコースター事故についての調査部会報告書を公表した。これは4人乗り車両4台(定員16名)、コース全長313m、最高部高さ19mの「ツイストコースターロビン」が巻き上げ部分で約2メートルの高さまで上昇したが、逆走し、プラットホームに停止中の別の車両に衝突したもので、乗っていたのは3人で、負傷者はいなかった。事故後、運転は停止している。三精テクノロジーズが製造・施工したもので、逆走防止装置が付いていたが、逆走感知ローラーが逆走方向に回転せず、そのため正常に作動しなかったのが原因だった。報告書では、ガイドレールの位置が設計書の想定と最大約2センチの誤差があり、逆走を感知するための車両側部品とガイドレールが接触しなかったため、逆走防止装置が働かなかった。ガイドレール施工精度が悪かったことと、施工管理が適切でなかったことによるものと推定、施工精度の確保のため、確認を徹底するよう指導を求めた。

 .兵庫県警歓楽街総合対策推進本部は1月22日までに、常習賭博などの容疑で神戸市中央区のインターネットカジノ店長の山田誠容疑者(45)=神戸市須磨区若宮町=と店員(23)、客(41)の3人を現行犯逮捕した。証拠品としてパソコンと賭金など現金を押収した。店はJR三ノ宮駅そばのマンション5階にあり、21日夜に摘発したが、3、4ヵ月ごとに場所を移転していたもようで、警察では営業実態などを調べている。県警によると、店の机にはインターネットに接続した11台のパソコンが並び、海外のバカラのライブ映像を見て、ディーラーとプレイヤーのどちらが勝つかに賭ける仕組みで、客はポイントを購入、賭けに勝てばポイントを受け取って換金していた。店員は昨年11月から今年1月まで、不特定多数の客にバカラ賭博をさせた疑い。調べに対し3人はいずれも容疑を認めているとのこと。

 .米国カジノ運営大手のシーザーズ・エンターテインメント社が1月15日、その基本事業会社シーザーズ・エンテインメント・オペレーティング社に関して、シカゴで連邦破産法チャプターイレブンを申請したが、デラウェアの判事は手続き開始を停止させた。シーザーズ社がその事業子会社の経営破たん手続きを進めることについて、ここ数ヵ月ローン債権企業などとの対立が続いており、どの方向で進むのかまったく読めない展開になった。シーザーズ社はウィリアム・ハラーズ氏(78年没)が1937年に設立したハラーズ社が母体で、80年にホリディイン社が、90年にさらにバス社が買収、05年にハラーズ社がシーザーズ・エンターテインメント社を買収して、10年11月から現社名で統合した。傘下のカジノホテルはラスベガスのシーザーズパレス、パリス、プラネットハリウッド、バリーズ、フラミンゴなどネバダ州に多く、また米国各地にもカジノリゾートを展開しているが、競争相手のサンズ社やウィンリゾーツ社がマカオに進出、成功したのに、海外進出には失敗している。最近では商業施設の「リンク」と観覧車「ハイローラー」で知られている。

 10.㈱ケイ・キャット(大阪府堺市堺区甲斐町西、保沢邦明・保沢輝佳共同代表)が1月25日に全店閉鎖して、業務を停止、破産申請手続きに着手した。負債は約15億円。1997年10月に創業、2000年法人に改組したオペレーター会社で、98年2月開設の奈良県橿原店を皮切りに、滋賀、京都、大阪、兵庫、三重、和歌山など近畿各地に「KCAT」の商号でゲーム場を展開してきた。07年に関連会社を吸収して、12店まで拡大、09年2月期の売上高は28億3千8百万円を計上した。しかし、その後は減収傾向に歯止めがかからず、しかも消費税負担が重くなり、資金繰りに追われることになった。13年2月期は売上高が28億9千6百万円まで下がり、減価償却負担も重く、約2億円の赤字を計上した。14年2月期の売上高は24億7千4百万円までダウンし、そのため再建策として、各金融機関から14年4月以降3年間の返済猶予を受けていたが、限界に達したもの。2月10日続報=大阪地裁は1月29日、破産手続き開始を決定した。

 11.アリサカの事業を引き継いだ㈱アール・アール・ビー(宮崎市花ヶ島町立毛、矢野洋一社長)が12月25日、宮崎地裁で破産手続き開始決定を受けた。負債は約8億円。09年9月に設立、アリサカの事業を引き継いで、「アーバンスクウェア」一番街店、北バイパス店、都城北店、「ジョイプラザ」宮崎店、都城店、小林店などのゲーム場、ボウリング場、ビリヤード場などを運営していたが、店舗を売却し事業を停止していた。旧アリサカはゲーム場とボウリング場を九州を中心に全国展開して、業績を拡大させ、02年にジャスダックに株式を公開したが、08年6月に135億円の負債を残して会社更生法の適用を申請し、上場廃止となった。09年に更生計画が認可され、100%減資して、主な25店を新設のアーバンスクエア(これがアール・アール・ビーに社名変更した)に移管、それ以外の店を売却した。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2015