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台湾・台北地裁、コピー基板を製造した4業者に禁固9ヵ月の判決。ナムコの真鍋正元社長が62歳で死去した。米国タイムワーナー社は、アタリゲームズ、テンゲンなどをTWインターラクティブ社として統合する。米国の賭博機展にシグマ、ユニバーサルが出展した。(1994年6月15日号)
風営法改正案は衆院・地行委に付託されたが、実質審議前に足踏み。JOUは風営法問題を過去形で総括。NAOは風営対策委員会を解散。中部OP会はNAOを脱退、反対を貫く。米国アタリ社は初のCGゲーム機「アイ・ボット」を出荷した。(1984年6月15日号) 【ニユースダイジェスト】 1.台湾「GTI2014」(5月8-10日、台北)には約60社が440小間に出展、中国を含めた東南アジア向けに業務用AM機とゲーミング機を紹介した。GTIは93年9月に台中市で開かれた「TAE」を振出しに(95年は中止)、中国市場が活発になるのにつれて大きくなったが、07年(137社、839小間)をピークとして最低水準へと縮小してきている。活発になったのは中国広東省広州市の番禺・中山地区を拠点にする中国のメーカーが力を蓄えてきたためだったが、その成長が足踏み状態にあることを示している。大陸のゲーム場は表向きこそAMゲーム場だか、奥に行くと賭博ゲームという実態が障害になっており、昨年は警察による大規模な取り締まりが行われたため、ここしばらくは大人しくするようだ。GTIは中国・広州版が夏に開かれる予定であり、GTI台北は日米欧との絆を保持したまま、こうした中国市場の影響を強く受けたままとなっている。中国や台湾での知的所有権保護も大きな課題ではあるが、日本からはバンダイナムコゲームスが継続して出展、慎重に進めている。 2.【台湾GTI2014の続き】バンダイナムコゲームスは奥の大きな小間に「マッハストーム」、「マリオカート・アーケード4」、「スーパーアルペンレーサー」、「太鼓の達人」などを展開した。セイントファン社(尚芳)は日本のサファリゲームスが開発した「環状ファーストビート・バトルライダー」のほか、セガ社「トランスフォーマーズ」DX、タイトー「グルーブコースター・アーケード」、コナミデジタル「サイレントスコープ・ボーンイーター」などを紹介した。なおセガ社は昨年まで継続出展してきたが、今年は出展していない。台湾大手のIGS社(鈊象)はガンゲーム「モンスターアイ」、音楽ゲーム「ダンスベース」(舞力特区)などと、ワーラップ社(華立)「パワートラック」などを出品した。インジョイモーション社(領航)は新ゲーム「アライド・タンク・アタック」(ATA)を筆頭に、動く座席に乗り込んだプレイヤーが撃ちまくる、一連のガンシミュレーションゲーム機を紹介した。 3.バンダイナムコゲームスは5月14日-15日、東京で(20-21日大阪、23日福岡で)新作展を開催、球面スクリーン採用の秘境アドベンチャー・ガンゲーム「ロストランド・アドベンチャー」など披露した。このゲームは「マッハストーム」などで使用した球面スクリーンと比べて、奥行きもたっぷりある大型ブースにプレイヤーが座って、2人で機関銃を連射するゲーム。輪で示される標的に2人協力して撃つと破壊力が倍加する。バナパスポートを使用できる。次のコースに進むたびに謎解きがある。8月出荷予定で、税別OP価格318万円だが、199万8千円プラス20円課金/投入硬貨〔3年間〕の「友愛」プランもある。「ポケットモンスターバトルナイン」は「ポケモン」キャラクターを使ったメダルゲーム機で、「ワンピースガンガントレジャー」に続くもの。1台2人分。4ステーション、電子セレクターを採用している。7月出荷予定で、OP価格228万円。このほか、7月出荷の写真シール機「プラチナバランス」、ビデオゲーム「スーパーアルペンレーサー」なども紹介した。 4.カジノ用ゲーミング機器製造の最大手、米国インターナショナル・ゲーム・テクノロジー社(IGT)は5月22日、マツイ・ゲーミング・マシン(本社東京、松井隆会長兼CEO)に対し、IGT社製の電子賭博機(EMG)を韓国で独占的に販売する権利を与えたことを明らかにした。国際的な賭博機展であるG2Eのアジア版、「G2Aアジア2014」(マカオ、5月20-22日)でIGT社が発表した。マツイ・ゲーミング・マシンは80年8月に設立されたエム・ジー・エム(MGM)が96年1月現社名に改称したもので、ルーレットホイール、プレイングカード、チップなど高品質のカジノ用品を世界のカジノに供給しており、国際展にも積極的に出展、ブランドを高めていることが、IGT社に評価され、韓国市場へのTVスロットマシンなどIGT社製品の販売を任せたことになる。松井会長は「カジノ用品だけでなく、最新の電子ゲーミング機へと取扱品目を拡大できることを期待している」と語っている。 5.コナミは5月28日、いわゆる「カジノ法案」の国会成立後、日本におけるカジノ施設への投資を目的にした子会社を設立する予定だ、と発表した。コナミは米国コナミ(本社ラスベガス)、豪州コナミオーストラリア(シドニー)を通じて世界365ヵ所でカジノ機器製造販売許可を取得、機器の供給をしているほか、国内でも高砂電器産業、KPEを通じて許可を受けた遊技機を販売しているが、カジノ運営、遊技場経営には進出していない。同社は、完全子会社「コナミゲーミングジャパン」(本社東京、山口憲明社長)を、カジノ推進法が国会で通過し次第設立する予定で、日本ではカジノ合法化により共同事業体などコンソーシアムが運営にあたると考えられており、コナミは新会社を通じて出資する考えとしている。カジノ法案は特定複合観光施設区域整備(IR)推進法案、より具体的なIR実施法案の二段階の仕組みになっており、うち「IR推進法案」が超党派議員立法案として今国会に提出されているものの、まだ審議に入っておらず、見通しは立っていない。 6.パラマウント映画に基づくテーマパークはこれまで何度も計画されては消えていったが、またもそのひとつになるのか、英国ロンドンの東の外れ、テームズ川下流に面したスワンスクームという小さな町に建設する計画が明らかになっている。これは5月9日、地元自治体らによる「全国重要基盤プロジェクト」(NSIP)と呼ばれる事業計画に認められたことにより、実現に向け一歩近づいたことによる。計画によるとロンドンリゾート持株会社(LRCH)という共同事業体が、スワンスクーム半島の872エーカーに、数ヵ月後に着工、20億ポンドかけて2019年前半にもオープンし、2万7千人の職を作り出すという。仮称「パラマウントパーク」は日本(福岡、大阪)で計画されたことがあるが、いずれも陽の目を見ずに消え、韓国(仁川)でも08年着工の予定が、立ち消えになっている。今はパラマウント映画社と直接関係のないパラマウントパーク社は06年に、遊園地大手のシーダーフェア社に買い取られ、シーダーフェア・エンタテインメント社になっている。 7.ユニバーサルエンターテインメントは5月16日、フィリピンのマニラ湾に建設中のカジノホテル「マニラベイリゾーツ」に関して、資本提携をすることで一度は合意したセンチュリー・プロパティーズ・グループ(CPG)がユニバーサルを訴えていたが、マカティ市地裁は13日にCPG社の申し立てを退けたと発表した。フィリピンで外国企業が現地事業を営むには、運営企業を40%以上所有することが禁じられている。このため同国のロビンソン社や、エンパイア社と資本提携すると合意したが、いずれも交渉は打ち切られ、成立していない。3度目の正直としてCPG社と13年10月に合意したが、ユニバーサル側が条件変更を企てて中止、14年3月に提携解消を通知して、事実上失敗した。CPG社はこれを不服として仮処分を申請していた。なお政府のカジノ監督機関、「PAGCOR」は5月15日までに、首都圏のカジノホテル運営企業(予定を含む)4社に、4月1日以降の許可料を総収入の25%から15%に引き下げると通知した。4社はこれまで免除されている30%の通常法人税の代わりに許可料の引き下げを求めていた。 8.ユニバーサルエンターテインメントは5月16日、14年3月期決算を発表、売上高は13%減の867億6千万円、経常利益は47%減の236億2千6百万円、最終利益は66%減の94億9百万円と大幅な減収減益だった。分野別ではパチンコ・パチスロ遊技機の売上高が13%減の834億4千4百万円、営業利益が23%減の354億千8百万円、その他の売上高が11%増の33億5千2百万円、営業損失が23億5千5百万円(前年は12億千6百万円)だった。パチスロ遊技機の評価が高かったが、計画台数に達せず、棚卸資産処分損29億円を特別損失に計上したとしている。なお事業リスクに触れて、フィリピンでのカジノ開発ではすでに用地を買収、営業許可に向けた手続きを進めており、経済特区認定・外資規制の解除も得ている、また米国カジノ大手のウィンリゾーツ社などとの訴訟を継続中、と説明している。15年3月期の業績は売上高970億円、経常利益200億円、最終利益90億円を予想している。 9.ゲオディノスは5月12日、14年3月期決算を発表、売上高は2%減の82億4千5百万円、経常利益は87%増の1億千6百万円、当期損失は4億8千4百万円(前期は5千9百万円の利益)と減収で大幅赤字だった。1月16日付で親会社がゲオHDから健康コーポレーションに変わり、さらに6月の株主総会を経て、7月1日から「SDエンターテインメント」に社名変更する。新社名のSは創業時の須貝興業から、Dは同社ブランドのディノスから採ったもので。社内公募により採用した。前期決算では減損損失4億円、構造改善引当金繰り入れ1億円を特別損失に計上した。ジャンル別売上高はゲーム場が31億円、フィットネスが23億円、ボウリング場が12億円、映画館が9億円などとなっている。ゲーム場のプライズゲーム機では景品を取りやすく、メダルゲームでは貸出枚数を大幅に増やすよう、運営転換した。4月11日には親会社の健康コーポレーションと共同で、ゲームソフト開発会社のDropWaveを買い取ることを決めている。 10.久保敏志氏(くぼ・さとし=前エスケイジャパン社長)が5月20日、多臓器不全のため東京都中央区の病院で死去した。52歳。連絡先は同社総務人事課。通夜は22日午後7時から大阪市阿倍野区阿倍野筋のやすらぎ天空館で、葬儀は密葬で23日午前10時から行なわれており、後日お別れの会が開かれる予定。喪主は妻、泰子さん。久保敏志氏は五島列島にある長崎県福江市の生まれで、県立五島高校出身。1980年卒業とともに、福岡市のおもちゃ卸会社に就職、その大阪支店長になるが、89年11月に退職。12月にファンシーグッズ卸販売のエスケイジャパンを設立、社長に就任。同社は翌年キャラクター商品を手掛け、92年からアミューズメント業界の景品販売を開始して業績を重ね、99年に大証新2部に株式を上場、04年に東証1部に上場した。今年3月24日の取締役会では4月1日付でいったん取締役に退き、5月24日の株主総会を経て改めて会長に就任する異動予定が決まっていた。 11.米国のフリッパーに関する単行本を執筆したロジャー・シャープ氏がこのほど、シカゴのWMSインダストリーズ社を退職、ライセンス関係のシャープ・コミュニケーションズ社のCE(経営責任者)になった。同氏は元ニューヨークの雑誌記者で、34年に及ぶニューヨーク市のピンボール禁止令を廃止するため、1976年に市の評議会で証人となってフリッパープレイを実演したほか、フリッパーに関する書籍「ピンボール!」(EPダットン社、77年)をものにしたことで有名。その後フリッパーの大手メーカーだった、ウィリアムズとバリー/ミッドウェー社にライセンス関係などで12年勤務し、ウィリアムズ社の持株会社のWMSインダストリーズ社で26年勤務した。WMS社はその間、アミューズメントゲーム機製造からゲーミング(賭博)機製造に事業転換し、今では大手賭博機メーカーの1つになっているが、13年に宝くじ会社、サイエンティフィックゲームス社の子会社となった。米国でフリッパーピンボールはアミューズメントゲーム機の象徴となっている。 12.米国で往年のフリッパー「メディーバルマッドネス」(1997)の復刻版が今春製造、販売されることになっていたが、専業メーカーとして事業を継続しているスターンピンボール社が全面的に協力、スターン社の工場設備、労働力などをフルに活用することになった(本紙3月1日号参照)。同ゲームは、今はないウィリアムズ・エレクトロニクス社が開発、製造した名作で、中古AMゲーム機を扱ってきたシカゴゲーミング社(CGC)が13年10月に復刻版千台を発売したが、数時間で売り切れてしまい、また西海岸サンノゼの中古販売業者、プラネタリーピンボール社(PPS)も別に千台ほど注文を抱えていた。そこでまとめてCGC社が今春生産する予定だったが、スターン社に協力を要請、トリプルプレイで本格的に復刻版の生産を開始することになった。以上3社が5月14日発表した。小さな部品まで、当時のものを再現、復刻するとしている。 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2014 |