2014年3月15号 Last updated on Narch 1, 2014
特報
 第2回JAEPOで新製品が多数披露された。

 阪神百貨店の屋上遊園が56年の歴史を閉じた。
海外
 米国ラスベガスにS&S社の「エル・ロコ」が完成した。

 マニラベイ・リゾーツの許可は保留中、とPAGCORが説明。
国内

 セガ社、インデックス事業を継承する子会社をまた設立。

 ユニバーサルの4-12月決算、大幅な減収減益に。


2014年3月15日号のニュースダイジェスト
写真は2月末で閉園となった阪神百貨店梅田本店の屋上遊園にて、上はこまやの「お山のクレーン」(88年)の遊び方を聞いているようす、下は(左から)こまや「坊主めくり」(85年)、「タッチアクション」(78年)、「山のぼりゲーム」(81年、以上ゲーム料金は一回30円)、「バトルドラゴン」(88年)。



20年前の主なニュース

 米国AAMAは6月に香港で初の国際展示会、AAEを開催することを決めた。東京地裁は技術評論社による電子出版は、ナムコの持つ映像著作権を侵害するもの、として損害賠償を命じる判決を出した。コナミの子会社による、関東初のゲーム場「ピ・ガ・ロ」がオープンした。(1994年3月15日号)

30年前の主なニュース

 警察庁は新たにゲームセンターを風俗営業として規制する、風営法改正の原案を作成中であることを明らかにした。タイトーではコーガン社長の死去に伴い、中西昭雄常務が社長に昇格した。米国AGMAは初の展示会ASIをシカゴで開催した。シグマは設立20周年記念行事を催した。(1984年3月15日号)



【ニユースダイジェスト】  

 .「ジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO)2014」(2月14-15日、幕張メッセ)は、前の週から続く大雪の影響で交通機関が乱れ、来場者数が前回を大きく下回る結果となった(主催者によるとビジネス来場者は2日間で前年は9,121名だったのに対し6,646名)。今回は特にゲーム料金で転嫁が難しいとされている消費税が、4月1日からは5%から8%へ税率アップが実施される、という業界に課される負担が差し迫っている時期だけに、新製品の出来具合に関心が集まった。そのため主な出展社の出展内容は、業界の低迷を跳ね返すほどの勢いで、積極的に製品展開をしたのが大きな特徴となった。うちビデオゲームに絞ってみた場合、コナミデジタルエンタテインメントは「戦場の絆」に対抗した、やや大きめの球形キャビネットの「スティールクロニクル・ガーネッシュ」、スナイパーガンゲーム「サイレントスコア・ボーンイーター」、新タイプの音楽ゲーム「ビートストリーム」などを披露した(いずれも発売時期は「年内」)。

 .【JAEPO14の続き】バンダイナムコゲームスは新たな冒険に挑戦する「デッドストリームパイレーツ・スペシャルエディション」改造キット(3月)、ホラーガンゲーム「セーラーゾンビ~AKBアーケードエディション」(4月)、体感型の「スーパーアルペンレーサー」(6月)などを披露した。セガ社はメディアミックスで展開する「ヒーローバンクアーケード」(夏)、メダルゲームと融合した「ザ・ワールド・オブ・スリーキングダム」、戦略ゲーム「ワンダーランド・ウォーズ」(秋)、「頭文字Dアーケードステージ8インフィニティ」(年内)、オールネットプラスマルチバージョン2対応の「ギルティギア・イグザード・サイン」(2月)、「DOAアルチメイト・アーケード」など紹介した。タイトーはネシカ対応のアークシステム「ブレイブルー・クロノファンタズマ」、カプコン「ウルトラ・ストリートファイターⅣ」、海外製の「スカルガール・アンコール」など。このほか、中国の世宇科技(UNIS)、華立科技(ワーラップ)、希力科技(キーリー)がそれぞれの製品を紹介した。

 .デパートの屋上遊園地が全国でも閉園が相次いでいるが、大阪・梅田の阪神百貨店梅田本店の屋上遊園も2月28日を最後に閉園になった。関西精機製作所、こまや、タイトー、タスコ、トーゴ製など昔からのアーケードゲーム機や乗物機が比較的たくさん残っている屋上遊園で、古典的なアミューズメントマシンのショールーム的な役割も果たしてきた。阪神百貨店が開業した58年3月にオープンしたもので、当初から三島商会(村上洋人代表)が親子二代で運営してきた。村上さんが「古くても人気のある機械を大事にしてきた」と語るとおり古い機械が多いが、利用客の要求に合っているのも事実。屋上遊園のある大阪神ビル自体が、隣接する新阪急ビルとともに一体化して、建て替える準備に入っており、閉園が決まった。屋上遊園の閉鎖は相次いでおり、京都高島屋(12年1月)、東急百貨店東横店(13年3月)に続いて松坂屋上野店(14年3月)も閉園になる。近畿百貨店協会傘下で、屋上遊園は松坂屋高槻店だけとなる。

 .セガ社は2月18日、完全子会社のインデックスについて、4月1日付でそのコンテンツ&ソリューション事業を分割し、その事業を新設する分割設立会社が継承すると発表した。同時にその分割会社(旧インデックス)の商号を㈱アトラスに変更、新設分割設立会社は現商号と同じ㈱インデックスになる。また米国子会社のインデックスメディアも、分割会社の商号変更に伴い、同日付でアトラスUSA社に改称する。インデックスを分割会社とし、新設分割設立会社を設立する「新設分割方式」の手続きによるもので、新アトラス(旧インデックス)がデジタルゲーム事業を担当、新インデックス(新設会社)がコンテンツ&ソリューション事業を担当するもの。代表者はそれぞれ杉野行雄氏と浜田康彦氏、所在地は品川区東品川、従業員はそれぞれ121名と166名。セガ社は昨年9月に合意、11月にインデックスの事業を買い取り、うちアミューズメント事業(業務用アミューズメント機器の開発・販売)については12月にセガ社に移管している。

 .ユニバーサルエンターテインメントは2月14日、4-12月期(第3・四半期までの9ヵ月)決算を発表、売上高は38%減の400億8千3百万円、経常利益は80%減の58億7千8百万円、純利益は92%減の12億9千7百万円、と大幅な減収減益だった。主力のパチンコ・パチスロ遊技機の売上高は38%減の383億6千9百万円、営業利益は51%減の144億9千3百万円、その他(遊技機連動のウェブサービスなど)の売上高は21%減の17億4千8百万円、営業損失は19億7千9百万円(前年同期は8億5千7百万円)。遊技機については1月以降、受注、出荷が好調なので、通期(14年3月期)業績予想は11月の前回予想のまま、据え置いたとしている。米国で進められているウィンリゾーツ社との複合訴訟は相当の期間が必至と見て、その都度適正な処理と情報開示を行なうが、今期以後ウィンリゾーツ社株式は取得原価で評価している。

 .米国ラスベガスのカジノホテル「サーカスサーカス」に付属するテーマパーク「アドベンチャードーム」内に、S&Sワールドワイド社の絶叫型ローラーコースター「エル・ロコ」(スペイン語でクレイジーという意味)が完成、2月20日から営業運転を開始した。以前急流すべり「リムランナー」のあった場所に建設された。S&Sワールドワイド社は三精テクノロジーズの子会社。この機種は、起伏が激しく宙返りもする全長約200mのパイプレールコース(最高部高さ30m)を、4人乗りの車両で、ロック音楽などを楽しみながら72秒間疾走するもの。実はこの「エル・ロコ」、08年に米国インディアナビーチで設置されて以来、09年に英国、11年にフランス、オーストラリア、13年に中国で建設済みで、今回が6番目となる(名称はすべて異なり、今回初めて元の機種名が使用される)。意外なことに日本では未導入だったが、よみうりランドでサイズをやや縮小して建設中で、「ツイストコースター・ロビン」の名称で3月19日にオープンする予定となっている。

 .ユニバーサルエンターテインメントがフィリピンの首都マニラで建設中のカジノホテル「マニラベイ・リゾーツ」が予定通り完成、オープンするかどうかは、フィリピンのカジノ許可取締局、PAGCORが同社にカジノ運営許可を与えることを保留しているので、未定だと改めて明らかにした。現地の複数の報道機関が2月10-12日に報じたもので、PAGCORの賭博許可並びに開発担当副会長であるフランシス・フェルナンド副会長は9日に国会(下院)の委員会で、同氏がユニバーサルと現地子会社のタイガーリゾーツ社に対し、アンチダミー法違反(フィリピン側が資本を60%以上所有しなければならない)などの疑惑がすべて解消されていない現状を確認するとともに、解消されない限りカジノ運営を開始することはできないと通知したが、この通知にもかかわらず、ユニバーサルは建設を進めており、それにどう対処するかは司法省(DOJ)の担当になる、と説明したとされている。ユニバーサル側は昨年11月、ユニバーサル社の子会社で土地を所有するイーグルI社の株式の60%以上をフィリピン側が所有することになったと説明している。

 .家庭用次世代機の発売が三者三様になるとともに、スマートフォンなど広義のPCゲームの影響も大きくなっている。うちソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は7年ぶりの次世代機「プレイステーション4」(PS4)を11月に北米、欧州、中南米と発売、日本では2月22日に発売、順調に台数を伸ばしている。米国マイクロソフト社(MS)は「Xbox One」(エックスボックスワン)を少し遅れて同じ11月に北米などで発売、これも順調に伸ばしているが、日本での発売時期は、MS社製コンソールがあまり売れていないためか、まだ明らかでない。任天堂は12年11月発売の「Wii U」の販売見込みを当初目標(900万台)の3分の1に満たない280万台に修正しており、苦戦している。これらとは反対にガンホー「パズル&ドラゴンズ」(バズドラ)などPC向けゲームの伸びが著しく、家庭用ハード&ソフトとPC向けソフトの覇権争いに近い対立が次第に明確になりつつある。4月23日続報=「Xbox One」は日本で9月4日発売予定になった。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2014