2013年12月1号 Last updated on November 15, 2013
特報
 バンナム、「マキシブースト」などシリーズ最新作を披露。

 JAEPO14はさらに減少、41社638小間に。

海外
 米国フロリダ州地裁、賭博営業事件で弁護士に有罪の評決。

 ネバダ州地裁、FBI捜査のため訴訟は再延長に。

国内

 バンダイナムコ中間期、好調で通期予想を上方修正。

 セガサミー、カプコンも好調。コナミは連続して減収減益。


2013年12月1日号のニュースダイジェスト
写真は戦士ガンダム・エクストリームバーサス・マキシブースト」、下は「湾岸ミッドナイト・マキシマムチューン5」を試しているようす。いずれも改造キットの状態で、14年3月に出荷される予定。


20年前の主なニュース

 カプコンは「ストⅡ」の著作権侵害を理由に、日米でデータイーストを提訴した。ソニーは子会社のSCEを設立、家庭用参入を表明した。米国ラスベガスに古代エジプトをテーマにした「ルクソール」ホテルが完成した。関西精機製作所の社長、古川純一郎氏が43歳で死去した。(1993年12月1日号)

30年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ83ではビデオディスク使用のTVゲームが一斉に発表された。アタリ社の親会社、ワーナーコミュニケーションズ社は家庭用部門の失敗で、第3・四半期は大赤字となった。NAOレンタル部会は子ども用メダルゲーム機の扱いを議論した。日本物産は東京日物を吸収した。(1983年12月1日号)



【ニユースダイジェスト】  

 .ジャパンアミューズメントエキスポ(JAEPO)2014(2月14-15日、幕張メッセ)には実質41社が638小間に出展することが分かった。伝統的なアミューズメントマシン(AM)ショーとAOUエキスポを統合した、前回初めてのJAEPO2013では47社、688小間だったので、出展社で6社(13%)、小間数で50小間(7%)さらに減少したことになる。今回大口の小間数は、6社参加の「プライズフェア」が142(前年141)、バンダイナムコゲームス130(110)、セガ社120(120)、コナミデジタル72(66)、ユウアイ24(12)、タイトー22(20)、フリュー12(12)、エスケイジャパン10(10)、ブレイク10(10)、中国世宇科技10(6)。前回30小間だったスクウェア・エニックス、16小間だったカプコン、8小間だった楠野製作所は今回出展しない。

 .バンダイナムコゲームスは10月23-25日東京で(29日福岡、11月7-8日大阪で)新作展を開催、主に14年3月出荷予定の「機動戦士ガンダム・エクストリームバーサス・マキシブースト」、「湾岸ミッドナイト・マキシマムチューン5」を披露した。「マキシブースト」は同シリーズの極限進化のその先へと進めるもので、2人用ライブモニターセット(2人分)がOP価格税抜き114万円。一段と内容をアップした「マキシマムチューン5」はSD改造キット(2人分)が138万円。前回の新作展でも紹介した「マッハストーム」の完成品は12月出荷予定。新曲を追加した「太鼓の達人2013年12月版」は改造キットで出荷予定。メダルゲームは人気キャラクターを使った新作「ワンピースガンガントレジャー」が4人用で12月出荷。省スペースの「海物語in沖縄3ウキウキバケーション」は8人用で2月出荷。このほか専用マジックハンド型アームなどが加わった小型クレーン機「クレナ2ジャック」は12月出荷予定となっている。

 .バンダイナムコHDは11月6日、中間決算(4-9月期)を発表、売上高は3%増の2,285億2千8百万円、経常利益は2%増の285億5千3百万円、中間利益は13%増の196億7百万円だった。トイホビーの売上高は1%増の807億円、営業利益は16%減の54億円、コンテンツの売上高は6%増の1,230億円、営業利益は8%増の217億円、ゲーム場の売上高は2%減の292億円、営業損失は1億円(前年同期は10億円の利益)、その他の売上高は128億円、営業利益は33%減の8億円。コンテンツ売上高のうち業務用は310億円、家庭用は349億円、その他571億円。ゲーム場のうち国内直営は2店オープンした屋内テーマパークを含め4増の220店。家庭用パッケージソフト、ソーシャルゲームなどが予想を上回ったので、通期(14年3月期)業績予想は売上高4,850億円(8月の前回予想では4,800億円)、経常利益465億円(405億円)、最終利益290億円(260億円)と大幅に上方修正した。

 .セガサミーHDは11月1日、中間決算(4-9月)を発表、売上高は19%増の1,622億9百万円、経常利益は96%増の142億6千6百万円、中間利益は193%増の113億4千8百万円と好調だった。家庭用のパッケージソフトが伸びて、9月20日に発表した前回予想を大きく上回った。固定資産売却益など特別利益を38億円計上した。部門別では、遊技機の売上高は31%増の713億円、営業利益は46%増の151億円、業務用の売上高は0.0%減の198億万円、営業損失は8百万円(前年同期は8億円の利益)、ゲーム場の売上高は1%増の219億円、営業利益は67%減の2億円、家庭用の売上高は24%増の440億円、営業利益は11億円(7億円の損失)、その他の売上高は13%増の71億円、営業損失は4億円だった。業務用売上高のうち国内は3%減の155億円、海外は7%減の25億円。ゲーム場は国内が2増3減の202店、海外が1減の2店。通期業績予想は変更しなかった。

 .コナミは11月7日、中間(4-9月)決算〔米国基準〕を発表、売上高は8%減の979億2千8百万円、営業利益は70%減の37億7千百万円、株主帰属の中間利益は71%減の20億千6百万円と連続しての減収減益だった。主力のデジタルエンタテインメント(家庭用、業務用)の売上高は15%減の446億円、営業利益は68%減の37億円、健康サービスの売上高は4%減の385億円、営業利益は50%減の6億円、カジノ(機器の販売)の売上高は20%増の136億円、営業利益は7%増の30億円、遊技機(パチスロ)の売上高は45%減の14億円、営業損失は10億円(前年同期は2億円の利益)だった。同社は、業務用では「イーアミューズメント・パーティシペイション」タイトルや大型マスメダルゲームの安定した稼働により、継続的な収益の獲得に貢献した、としている。通期(14年3月期)の業績予想は変更しなかった。

 .カプコンは10月31日、中間決算(4-9月)を発表、売上高は17%増の532億3千4百万円、経常利益は35%増の81億9千万円、中間利益は20%増の49億5千万円と好調だった。デジタルコンテンツ(家庭用、PC用、モバイル用などゲームソフト)の売上高は7%増の375億円、営業利益は7%減の53億円、業務用(大部分はパチスロ遊技機用機器)の売上高は148%増の89億円、営業利益は86%増の25億円、ゲーム場の売上高は3%減の54億円、営業利益は1%減の9億円、その他(出版など)の売上高は1%増の13億円、営業利益は4%増の5億円。ゲーム場は1店増の35店。パチスロ機関係は9月発売の「デビル・メイ・クライ4」が予想以上の売れ行きとなり、販売拡大とともに収益を押し上げた、としている。通期業績予想は5月の前回予想通りで、変更なしだった。

 .スクウェア・エニックスHDは11月5日に中間期(4-9月)の業績予想を修正、6日に中間決算を発表、売上高は1%増の616億6千4百万円、経常利益は56億6千9百万円(前年同期は62億6千6百万円の赤字)、中間利益は26億6百万円(54億8千万円の赤字)と黒字回復した。デジタルエンタテインメント(家庭用、PC用、携帯電話用ゲームソフト)の売上高は1%減の306億円、営業利益は34億円(20億円の赤字)、アミューズメント(ゲーム場、業務用ゲーム機)の売上高は8%増の250億円、営業利益は37億円(2億円の赤字)、出版の売上高は16%減の46億円、営業利益は19%減の9億円、ライツ・プロパティの売上高は3%減の16億円、営業利益は1%増の3億円。ゲーム店舗閉鎖に伴う補償金3.5億円を特別利益に、また開発中のゲームタイトルを見直した結果コンテンツ評価損54億円を特別損失に計上した。通期(14年3月期)業績予想は変更しなかった。

 .ラウンドワンは11月8日、中間決算(4-9月)を発表、売上高は3%減の418億7千百万円、経常利益は5%減の36億千2百万円、中間損失は107億4千万円(前年同期は20億千9百万円の利益)と減収で経常減益になった。中間赤字になったのは、有利子負債削減のため進めている、不動産のセール・アンド・リースバック(期中7店)に伴い、売却予定価額と帳簿価額の差額212億円を減損損失として特別損失に計上したことによる。店舗は米国で1店増加し、米国3店、国内111店の計114店。種別売上高はゲーム場172億円(前年同期176億円)、ボウリング137億円(148億円)、スボッチャ53億円(52億円)、カラオケ41億円(41億円)、その他14億円(15億円)だった。通期(14年3月期)業績予想は変更していない。

 .ユニバーサルエンターテインメントは11月8日、中間決算(4-9月)を発表、売上高は28%減の292億5千9百万円、経常利益は77%減の42億9百万円、中間利益は95%減の6億7千百万円と引き続き減収減益で、しかも大幅な減収減益だった。部門別では7号遊技機(パチンコ・パチスロ)の売上高が28%減の280億円、営業利益が42%減の108億円、その他(遊技機専門チャンネルなど)の売上高が16%減の12億円、営業損失が8億円(前年同期は6億円の損失)と主力の遊技機が振るわなかった。また海外子会社の債権債務に関わる為替差損約11億円を計上した。同社は5月20日の直近業績予想(売上高333億円、経常利益71億円、中間利益41億円)との差が大きいことについて、遊技機販売が「計画台数に至らなかったため」と説明している。通期(14年3月期)の業績予想(売上高1,028億円、経常利益307億円、最終利益178億円)は変更していない。

 10.アドアーズは11月11日、中間決算(4-9月)を発表、売上高は113億5千4百万円、経常利益は7億2千7百万円、中間利益は7億2千3百万円だった。前年は非連結(単独)決算(売上高96億6千7百万円、経常利益3億7千万円、中間利益3億9千5百万円)のため比較できないが、実質的に前年を上回ったもよう。部門別でゲーム場の売上高は87億7千9百万円、営業利益は9億2百万円、不動産の売上高は20億4千百万円、営業利益は1億6千4百万円、建築の売上高は5億3千2百万円、営業利益は7百万円。ゲーム場はアドアーズ海老江店など6店を閉鎖しており、9月末で62店舗になった(その後2店閉鎖して現在60店)。ゲーム場の売り上げの4割を占めるメダルゲームのメダル貸出単価を見直すなど、対策を進めた結果、既存店売上高前年比は、第1・四半期の95.3%から98.4%に改善することができたとしている。

 11.ソニーは10月31日、中間期(4-9月)決算〔米国基準〕を発表、「ゲーム」部門の業績を09年以来4年ぶりに明らかにした。それによると、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が担当するゲーム分野の第2・四半期(7-9月)の売上高は前年同期比5%増の1,557億円、営業損失は8億円(前年同期は23億円の利益)だった。第2・四半期までの6ヵ月(4-9月)業績は、売上高が3%増の2,735億円、営業損失は155億円(前年同期は12億円)と増収赤字だった。第2・四半期は主に為替相場により増収となったが、営業損益は「PSVita」の価格改定と為替の悪影響で赤字になったとしている。ゲームコンソール、ソフトウェア別の業績は示されていない。同社連結決算で映画や音楽など部門別業績をやっと公開することになったのは、大株主の米国サードポイント社から開示強化を求めてきているのに対応したからという。

 12.米国フロリダ州で「インターネット・スウィープステークス・カフェ」という賭博TVゲーム営業が蔓延しため、当局が3月に一斉取り締まりを実施したところ、退役軍人のための非営利法人「アライド・ベテランズ・オブ・ザ・ワールド」が関与、女性副知事までが巻き込まれていたことも判明して、地元社会を大いに揺り動かす騒ぎになった。この犯罪を主導する立場にあったとして起訴されたケリー・マテイス弁護士に関する刑事公判に臨んできた陪審は10月11日、104件の訴因のうち103件を認め、有罪が宣告された。地元「オーランドセンティネル」などが伝えた。刑の宣告は2月12日に言い渡される予定で、それまで被告は保釈されるとのこと。フロリダ州ではこの事件を機に、賭博遊技カフェを禁止する州法を4月に制定したが、これもファミリー客相手のFECまで規制するなどずさんな規制内容だとして業者側は提訴、紛糾している。業者側は休眠状態のFAMAでは対応できなかったので、新たな協会AMOAFを結成した。

 13.米国ネバダ州クラークカウンティ地方裁判所は10月29日、ユニバーサルエンターテインメントの岡田和生会長とウィンリゾーツ社のスティーブ・ウィンCEOとの間の20もの訴因に関する訴えのひとつに関し、ユニバーサル側の主張を却下した。これは約20%の株式を強制的に値引きして買い上げたと主張するもので、エリザベス・ゴンザレス判事は州法で民事訴訟になじまないとして却下したが、訴訟全体は続行中。また連邦捜査局(FBI)を含む米国司法省は30日、両社の争いをめぐる刑事捜査を進めるため、民事訴訟の一時停止をさらに6ヵ月延期するよう求めて申請、前回(4月)には「再延期はしないよう」求めたゴンザレス判事だが10月31日、不本意ではあるがとしながら、司法省の申請を再び認めた。司法省はこれまでの6ヵ月間の捜査により以前把握してなかった新証拠が見つかったなど、民事訴訟の審理延期を求める複数の理由(非公開)を示したとされている。

 14.セガ社は11月1日、完全子会社であるセガドリーム(本社東京都世田谷区太子堂、鶴見尚也社長)がインデックスの事業のみを取得するとともに、セガドリームの社名をインデックスに変更した、と発表した。事業内容はデジタルゲーム(家庭用、ソーシャルゲーム開発)、コンテンツ&ソリューション(コンテンツ配信、遊技機関連など)、アミューズメント(業務用開発)の3事業。民事再生手続き中のインデックス(落合善美代表、旧インデックス)とは別法人だが、旧インデックスの事業やウェッブサイト、電話番号などはすべて、セガドリームが社名変更した新インデックスのものとなっているので、間違えることのないよう注意を呼びかけている。


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