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米国AMOAエキスポ93(アナハイム)で日米の新ゲームが披露された。カプコンUSA社は「スーパーストⅡ」をレベニューシェア方式で貸し出した。サノヤス・ヒシノ明昌は太田黒会長と大野社長の就任を披露した。タイトーが設立40周年を祝った。京都のオペレーター、玉村商事が自己破産した。(1993年11月15日号)
NAOはゲーム場運営の「倫理規定」を決定した。米国AGMA初の展示会、「ASI」の2月開催を決める。米国センテ社が業務を開始した。米国マイルスター社は日本代表・事務所を紹介した。日本遊園地協会の協力で「全国共通遊園地券」が来春発売予定に。(1983年11月15日号) 【ニユースダイジェスト】 1.セガ社は10月17日、東京(22日大阪、25日福岡)で新作展を開き、ビデオゲームとメダルゲームを融合した戦略ゲーム「ザ・ワールド・オブ・スリーキングダム」(2月出荷予定)を披露した。プレイヤーが武将となって「三国志」の世界で活躍し、出世していく壮大な戦略ゲームで、自宅場面で準備し、合戦場面で敵陣を占拠していく。100円/メダルを投入して装備を整え、作戦が成功すればメダルを獲得できる。4人用OP価格598万円(8人用セットもある)。ネット配信の「オールネット・ピーラスマルチ・バージョン2」用のゲームソフトは、アークシステムワークス「ギルティギア・イグザードサイン」とフランスパン/エコール「電撃文庫ファイティングクライマックス」(いずれも来春)が紹介された。このほか「アンパンマン」を採用したポップコーンベンダー「ポップコーン工場3」(11月)、キッズ屋台村シリーズ「キッズわんぱく村」(4人用、3月)なども紹介した。 2.任天堂は10月30日、中間決算(4-9月)を発表、売上高は2%減の1,965億8千2百万円、経常利益は12億4千8百万円(前年同期は472億4千8百万円の赤字)、中間利益は6億円(279億9千6百万円の赤字)と黒字回復した。「3DS」は本体が389万台、ソフトウェアが2,738万本売れたが、「WiiU」は本体が46万台、ソフトが630万台にとどまった。「DS」本体は10万台、ソフトは525万本、「Wii」本体は47万台、ソフトは1,490万本だった。売上高のうち海外は1,291億円で、海外比率は65.7%。為替差益は183億円発生した。下半期では10月発売のDS用「ポケットモンスターX・Y」が非常に好調で、「3DS」本体もそれにつれて伸ばす勢いとのこと。通期の業績予想は4月の前回予想から変更はなく、売上高9,200億円、経常利益900億円、最終利益550億円と、4年ぶり最終黒字を見込んでいる。 3.米国ウォルトディズニー社はこのほど、ゲーミング機最大手のIGT社のスロットマシンにルーカスフィルム社の「スターウォーズ」やマーベルコミック社の「スパイダーマン」や「アイアンマン」などキャラクターを使用できる許諾をしてきたが、今後は許諾を続けないことを明らかにした。ディズニー社は09年にマーベルコミック社を、12年にルーカスフィルム社を買い取っており、それらのキャラクターをディズニーのテーマパークなどで使用するかたわら、IGT社スロットマシンなどに使用許諾してきた。しかしテーマパークの拠点であるフロリダ州でゲーミング(賭博)論議が盛んになるにつれ、同社はこれらのキャラクターを家族向けとして保護する方針に変更、スロットマシンなどゲーミング機への使用許諾を停止することにした。日本ではパチンコ、パチスロ遊技機にアミューズメントのTVゲーム機のキャラクターが許諾される実例が多いが、これまで議論は起きていない。 4.オリエンタルランド(OLC)は10月30日、中間決算(4-9月)を発表、売上高は22%増の2,300億3千8百万円、経常利益は47%増の575億8千8百万円、中間利益は41%増の359億4千7百万円と、記録を伸ばした。期間中の入場者数は16%増の15,359千人(前年は13,250千人)で過去最高、1人当たり売上高も過去最高の10,920円(10,410円)となった。部門別では「東京ディズニーランド」と「東京ディズニーシー」のテーマパーク売上高が21%増の1,897億円、営業利益が53%増の490億円、ホテルの売上高が33%増の317億円、営業利益が35%増の85億円、その他の売上高が7%増の86億円、営業利益が59%増の8億円だった。同社は下記のとおり10月18日に、通期(4-14年3月)業績予想を大幅に上方修正している。 5.東京ディズニーリゾート(TDR)を経営するオリエンタルランドは10月18日、9月中間期(4-9月)業績予想を、売上高2,300億3千万円(4月の前回予想は2,001億6千万円)、経常利益575億8千万円(378億5千万円)、中間利益359億4千万円(245億4千万円)と大幅に上方修正した。TDR30周年アニバーサリーイベントという大きな節目を迎え、入園者は大幅に増加、商品の販売収入も好調で、全体の売り上げも伸ばしたことによる。下半期も好調が見込まれており、そのため通期(4-14年3月)の業績予想も、売上高4,603億4千万円(4,137億3千万円)、経常利益1,055億円2千万円(823億5千万円)、最終利益662億円(522億8千万円)と大幅に上方修正した。なお、OLCは14年4月からの消費税率アップに伴う、4月からのチケット料金改定も明らかにした。 6.ユニバーサルエンターテインメントと岡田和生会長らが12年8月に、ウィンリゾーツ社とスティーブ・ウィン会長兼CEOら役員を相手取って提訴していた損害賠償請求訴訟について、東京地裁は10月21日、訴えを却下する判決を下したことが分かった。ロイター通信が22日に報じた。それによると、ウィンリゾーツ社がウェッブサイト上でユニバーサルの名誉棄損になる内容を掲示した、とユニバーサルが主張した点について、米国内の投資家向け広報だったとしても、日本からも閲覧できるので「日本での発生と解するのが相当」として、東京地裁は訴えの一部を容認した。しかし、訴えの原因となっている米国での両社間の訴訟は日本の裁判所が扱える事件ではない(国際裁判管轄は認められない)として、この訴え自体を却下した。ウィンリゾーツ社は岡田氏が米国海外腐敗行為防止法違反を繰り返した疑いのある「不適格者」と認定された、とする調査結果をウェッブサイトで公表していた。ユニバーサルはこの訴訟で総額112億円の損害賠償を求めていた。11月2日続報=ユニバーサルは判決を不服として1日に控訴したことを発表した。 7.中国GTIアジア展2013(9月24-26日、広東省広州市)には延べ172社(前年162社)が国際展示場の2ホール(約2万㎡)に出展、潜在的に巨大な中国市場を背景に地元企業らが業務用AM機を多数展示した。台湾GTIに基づき中国大陸版として09年から開かれているものだが、昨年は9月開催予定が直前になって12月に変更されるなど、特異な事情のある中国の現状をさらけ出した。出展規模も09年の1ホールから、10年2ホール、11年3ホール、12年延期前3.5ホールと急速に拡大したが、12年3ホール、そして今年2ホールと一転急速に縮小した。ある出展社によると、中国では表のゲーム場こそ派手だが売り上げは少なく、実質的な収入源となってきた裏の賭博(ゲーミング)場は取締りにより弱体化していて、まだAM機市場は発展途上の状態とのこと。なお日本からは、バンダイナムコゲームス、コナミデジタルエンタテインメント、セガ社の合弁会社である精文世嘉(上海)が出展した。 8.豪州のサウスオーストラリア(SA)州政府がこのほど、ゲーミングに近いリデムプションゲーム機を禁止する法改正に成功、14年1月1日に施行されることになった。禁止対象となったリデムプションゲーム機は、これまでのところ、米国ベイテック社製で豪州ザックスアミューズメント社が販売してきた「ロードトリップ」、「バイクラリー」、「ビッグバス」など7機種で、基本的には子ども用の1リールのスロットマシンが対象となっている。これらの機種は米欧市場では問題とされていないが、SA州では以前から問題視されてきており、今回の法改正によりロケーションから撤去されることになった。SA州では賭博機を規制するラッタリー&ゲーミング・レギュレーション法があり、92年、08年、11年と改正されてきている。業者側はナショナル・アミューズメントマシン・オペレーター・アソシエーション(NAMOA)に結集しているが、政府と議会を前に降伏しており、なすすべがなかったようだ。 9. パチンコ店大手のダイナムジャパンホールディングス(DYJH、佐藤公平代表執行役)は10月11日、香港子会社のダイナム香港がシンガポールのオンラインゲーム開発・運営会社、IGG社の香港証券取引所(HKEX)上場に際し、中核的投資家(コーナーストーン投資家)として千5百万米ドルの株式を引き受けることでIGG社と合意した、と発表した。ダイナムグループは8月、既報のとおり、マカオのカジノ施設開発運営会社、マカオ・レジェンド・ディベロプメント社と相互協力を締結、マカオの巨大テーマパーク「マカオ・フィッシャーマンズ・ワーフ」などに次世代パチンコや電子遊技機を設置・導入することを決めたが、これら遊技機の開発にはCGや3Dなど高度な開発力が必要であり、その開発力があると評価されたIGG社に多額の投資を行なうことになったもの。ただし、発表は以上にとどまり、次世代パチンコや電子遊技機の具体的なイメージなどは明らかではない。 10.ゲーム場で消費税の上乗せが困難な状況が、1989年4月の消費税導入以来大きな問題となっており、その対策としてさまざまな試行錯誤が繰り返されているが、加賀アミューズメントは10月23日、新たに「マルチ電子マネー決済システム」を開発、実証実験を実施することを明らかにした。これはパナソニックシステムネットワークス製のマルチR/Wを搭載し、Suica、PASMOなど交通系やWAON、nanacoなどの流通系と楽天Edyといった電子マネーに対応した決済端末で、電子マネー決済によりゲームプレイできるようにするもの。既存の電子マネー決済を利用することから実現可能と見て、10月21日からソユー「プレイランドソピア御所野店」で、11月8日から「タイトーステーション新宿東口店」で1月ごろまで実験実施する。端末機など投資コストなどは未発表。同社ではこの実験結果をJAIAなど業界団体で考察、分析する予定としている。 11.フリッパーピンボールの立役者、アルビン・ゴットリーブ氏が10月14日、死去した。86歳だった。D・ゴットリーブ社を1927年に設立、30年代のピンボールブームを導いたデビッド・ゴットリーブ氏(1900-74)の息子で、同社設立の27年に生れ、父の跡を継いで開発に参画し、野球ゲーム機のバットを初めてピンボール機に導入して、フリッパー時代を開いた「ハンプティダンプティ」(47)など市場に送り出した。ゴットリーブ社では会長まで勤め、同社を頂点とする40-80年のアーケードゲーム機業界の生き証人となっていた。同社自体は82年コロムビア映画社に売却され、TVゲームに参入、83年にマイルスター社と改名、84年MBOによりプリミア社となったが、96年に清算された。アルビン・ゴットリーブ氏はゴットリーブ社を離れてからアーケードゲーム機メーカーとしてアルビンG社を設立、対面式フリッパーマシン「AGサッカーボール」(91)など93年までに約10機種を世に送り出した。 12.英国の有力AWP機メーカー、JPMインターナショナル社が10月4日、自己破産の手続きに入ったことが分かった。AWP機はアミューズメント・ウィズ・プライズの頭文字で表されるが、実際はストップボタンの付いたスロットマシンなど、現金をペイアウトするギャンブル機で、英国の遊技場(これも変則的に「アーケード」と呼ばれる)はほとんどすべてこれらのAWP機によって成り立っている。JPM社は1972年以来AWP機市場の一角を占めており、80年代には大手メーカーとしてAWP機市場に君臨していた。このJPM社グループを96年4月に日本のセガ社が買い取ったが、04年8月にJPM社の経営陣がMBO(自社株買い取り)で再び買い戻した。その後同社のオーナーは転々とし、10年に現在のオーナーであるサイモン・ハーバート氏が同社を買い取り、再建を進めていたが改善するどころか悪化、しかも同時に取得した年金基金が行き詰まり、今回の処理になったもの。11月2日続報=さらに一転、ハーバート氏がまたJPM社資産を買い戻すことになった。 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。Copyright ©Amusement Press Inc. 2013 |