2013年6月1日号 Last updated on May 15, 2013
特報
 バンダイナムコ、ソーシャルゲームが伸ばし、大幅増益に。

 セガサミーは減収だが、結果的に増益、コナミは減収減益。

海外
 米国ディズニー社の四半期決算、遊園地事業など好調だった。

 米国ネバダ州の地裁、司法省の申請認め、手続きを延期。

国内

 福井県三国町の「ワンダーランド」コースター事故で警察が捜査。

 三精輸送機は14年1月付で「三精テクノロジーズ」に改称する。


2013年6月1日号のニュースダイジェスト
写真はGTI2013台北(5月9−11日)にて、上はバンダイナムコゲームスの小間で、パックマン像を取り囲む「パックマン・バトルロワイアル」、「パックマン・ゴーストボウリング」、「パックマンスマッシュ」など、下はセガアミューズメンツ台湾の小間で「ドリームレイダーズ」(右)と華立科技(ワーラップ)社製音楽ゲーム機「ダンスコア」のようす。


20年前の主なニュース

 「SFU」の偽装基板を販売した米国のコインテック社が、刑事責任を追及されている。セガ社は米国2大CATVと提携、ケーブルを通じてゲームソフトを供給する、と発表した。秋のAMショーはJAMMAとJAPEAの共催が復活、前年に採用された最終日の一般公開を継承。(1993年6月1日号)

30年前の主なニュース

 米国の連邦控訴審、TVゲーム「ギャラクシアン」のスピードアップキットも著作権侵害と認め、販売禁止を命じた。セガ社は低価格パソコン「SC−3000」の発売を決めた。コナミ工業は「ジャイラス」を海外に許諾した。TVゲーム機メーカーのロジッテックが和議申請した。(1983年6月1日号)



【ニユースダイジェスト】

.バンダイナムコホールディングスは5月9日、13年3月期決算を発表、売上高は7%増の4,872億4千百万円、経常利益は43%増の499億7千2百万円、最終利益は68%増の323億8千3百万円と増収大幅増益だった。トイホビー部門の売上高は3%減の1,729億円、営業利益は30%減の112億円、ゲームなどコンテンツ部門ではソーシャルゲームが伸ばして売上高は17%増の2,635億円、営業利益は114%増の364億円。直営店は9増10減の254店で、ゲーム場部門の売上高は1%減の601億円、営業利益は29%減の16億円、その他の売上高は6%減の257億円、営業利益は17%減の16億円だった。なおコンテンツ部門売上高の内訳は、業務用718億円、家庭用844億円、ネットワークを含むその他調整1,073億円となっている。14年3月期は売上高4,800億円、経常利益400億円、最終利益260億円と減収減益を予想している。

 .セガサミーホールディングスは5月10日、13年3月期決算を発表、売上高は19%減の3,214億7百万円、経常利益は64%減の209億千4百万円、最終利益は53%増の334億6千万円で、特別利益101億円と特別損失54億円を計上するなどして結果的に減収増益になった。遊技機の売上高は33%減の1,427億円、営業利益は67%減の235億円、レベニューシェアを含む業務用の売上高は20%減の426億円、営業利益は73%減の19億円、ゲーム場は国内3増8減の期末236店、海外3店で、売上高は4%減の427億円、営業利益は236%増の11億円、家庭用の売上高は2%減の847億円、営業損失は7億円(前年は151億円の損失)だった。14年3月期の業績は遊技機が回復、堅調と見て売上高4,850億円、経常利益720億円、最終利益470億円と大幅増収増益を予想している。

 .コナミは5月9日、13年3月期決算〔米国基準〕を発表、売上高は15%減の2,259億9千5百万円、営業利益は47%減の218億7千5百万円、株主帰属の最終利益は43%減の131億7千4百万円と、前年の反動で大幅減収減益になった。主力のデジタルエンタテインメントの売上高は17%減の1,163億円、営業利益は36%減の211億円、健康サービスの売上高は3%減の798億円、営業利益は7%増の30億円、カジノ用ゲーミング機の売上高は0.9%減の249億円、営業利益は16%減の56億円、風営7号の遊技機の売上高は71%減の53億円、営業損失は11億円(前年は41億円の利益)だった。デジタルエンタテインメントには家庭用、業務用、カードゲームとともに、ソーシャルゲームが含まれているが、それぞれの売上高、営業利益は示されていない。また9月までの第2四半期累計(中間期)業績予想はないが、14年3月期の売上高は2,320億円、営業利益は270億円、株主帰属の中間利益は155億円を見込んでいる。

 .スクウェア・エニックス・ホールディングスは5月13日、13年3月期の決算を発表、売上高は16%増の1,479億8千百万円、経常損失は43億7千8百万円(前年は102億9千7百万円の利益)、最終損失は137億千4百万円(60億6千万円の利益)と増収ながら大幅赤字になった。デジタルエンタテインメントの売上高は25%増の894億円、営業利益は100%減の4千4百万円、アミューズメントの売上高は6%増の442億円、営業損失は3億円(25億円の利益)、出版の売上高は2%減の110億円、営業利益は4%減の24億円、ライツ・プロパティの売上高は18%増の32億円、営業利益は10%減の6億円。アミューズメントについて、同社では、「施設運営(ゲーム場)は堅調に推移したものの、機器販売が不振で損益面で厳しい状況になった」と説明している。14年3月期の業績は売上高1,400〜1,500億円、経常利益50〜90億円、最終利益35〜60億円を予想している。

 .カプコンは5月8日、13年3月期決算を発表、売上高は15%増の940億7千5百万円、経常利益は7%減の109億4千4百万円、最終利益は56%減の29億7千3百万円と増収減益だった。ゲームソフトなどデジタルコンテンツの売上高は6%増の636億円、営業利益は45%減の70億円、ゲーム場運営の売上高は7%減の109億円、営業利益は4%減の17億円、遊技機用部品など業務用の売上高は119%増の167億円、営業利益は449%増の48億円、その他の売上高が5%減の27億円、営業利益が16%減の7億円。主力ゲームソフトの発売延期などで伸ばせず、開発事業構造改善のため特別損失を計上して振るわなかった。14年3月期は大型タイトルを投入する予定で、売上高970億円、経常利益117億円、最終利益68億円を見込んでいる。

 .アドアーズは5月13日、13年3月期連結決算を発表、売上高は199億9千百万円(前年は218億円)、経常利益は3億7千2百万円(9億円)、最終利益は1億6千5百万円(9億円)だった。前年の単独決算から移行したため、前年との単純比較はできないが、後退している。ゲーム場は1増2減の期末68店。ゲーム場の売上高は164億2千6百万円、営業利益は9億7千2百万円、建築の売上高は21億5千5百万円、営業利益は4千9百万円、不動産の売上高は13億9千7百万円、営業利益は7千9百万円だった。14年3月期の業績は売上高230億円、経常利益10億円、最終利益6億円と大幅増収増益を予想している。このため6月の株主総会を経て、社長を含む役員態勢を大幅異動する。新社長、斉藤慶(さいとう・けい)氏は94年米国ショーラインコミュニティカレッジ卒、06年ブレイク入社、07年代表取締役。10年ネクストジャパンホールディングス社長、11年5月からブレイク社長。群馬県出身、42歳。

 .米国ウォルト・ディズニー社は第2・四半期(13年1−3月期)決算を発表、売上高は10%増の105億5400万ドル、純利益は32%増の15億1300万ドルだった。12年10月からの6ヵ月間では、売上高が7%増の218億9500万ドル、純利益が11%増の28億9500ドルとなった。部門別ではメディア・ネットワークの第2・四半期だけの売上高が6%増の49億ドル、営業利益が8%増の18億ドル、パーク&リゾーツの売上高が14%増の33億ドル、営業利益が73%増の3億ドル、スタジオエンタテンメントの売上高が13%増の13億ドル、営業利益が1億ドル(前年は赤字)、コンシューマープロダクツの売上高が12%増の7億ドル、営業利益が35%増の2億ドルとなっており、放送、遊園地、映画など主力事業のすべての売上高が増加し、収益が拡大した。なお6ヵ月間のパーク&リゾーツの売上高は11%増の66億ドル、営業利益は24%増の9億ドルで、同部門の貢献度の高さが目立っている。

 .ラスベガスにあるネバダ州地方裁判所で係争中のウィンリゾーツ社とユニバーサルエンターテインメント間の訴訟は、双方に対して米国司法省(DOJ)が進めている刑事調査を優先させるため、ディスカバリーなど訴訟手続きを6ヵ月ほど延期した。州地裁のエリザベス・ゴンザレス判事が5月2日、DOJが4月に提出した申請を認める決定をしたことを、ウィンリゾーツ社側が明らかにしたことにより分かった、と複数の通信社が報じた。ウィンリゾーツとユニバーサルとの対決はすでに1年以上続いており、民事上の対立だけでなく、刑事事件に及ぶまで発展している。ウィンリゾーツ社によればユニバーサルはフィリピンで米国の海外汚職行為防止法(FCPA)に触れるおそれがある行為をしたとされており、反対にユニバーサルによればウィンリゾーツ社がマカオのカジノ当局者に同様の行為をしたことになるが、いずれも刑事事件なので捜査を急ぐ必要があることから決まった。

 .福井県坂井市三国町にある遊園地「ワンダーランド」(関山観光経営)で4月30日午前11時過ぎに、走行中の2人乗り単発式ローラーコースター「スペースコースター」から県内の小学1年生の男児(6歳、身長11数cm)が4m下に転落、肋骨を折る重傷を負う事故が発生した。坂井西警察署は業務上過失致傷容疑で事故原因などを調べており、警察によると、発車前に従業員がシートベルト装着を確認したとのことだが、事故後に調べた時には外れていたという。この遊園施設はコース全長208m、高低差は8メートルで、利用者はシートベルトを着用、しかも身長110cm以上に制限されていた。88年から運行を開始、97、02、07年と3度にわたり乗客がけがをする事故が起こっており、07年には定期検査を11年間怠っていたことが判明、県から使用停止命令を受けるなど問題があった。警察は5月1日、関山観光などを家宅捜査した。

 10.三精輸送機(大阪府吹田市、中川実社長)は5月10日、社名を14年1月1日付で「三精テクノロジーズ」に変更すると発表した。6月27日の定時株主総会で必要な定款の一部変更手続きを行なう。三精輸送機はエレベーター(昇降機)、コンベアー、ロープウェイ、遊戯設備、輸送機械などの製造販売を業務として51年に設立され、76年に遊園施設営業部門子会社のサンエースを設立、06年にサンエースの小型遊戯施設営業部分を売却した。また昨年11月には米国子会社のサンセイテクノロジーズ社を通じて、米国の遊園施設メーカー、S&Sワールドワイド社を子会社として取得した。設立以来、中核事業の昇降機にちなむ現社名で展開してきたが、舞台機構や遊園施設のウェイトが大きくなったことから、技術開発と品質向上に努めるとともに、世界市場で展開する方向性を明確にするため社名変更することにしたもの。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。