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英国の大衆紙が「TVゲームでてんかん発病」と報じ、日本てんかん協会はそれを否定する見解を出した。米国家電の冬季CESは、16ビット機で先行したセガ社が任天堂に迫る構えを示した。松下電器は3DO社開発の家庭用本体を年内に発売すると発表した。(1993年3月1日号)
第2回NAOショーは申し込み締め切りを延長、59社が184小間に出展することになった。東京地裁は、ナムコ「ポールポジション」のコピー品を製造したアロー電子に仮差押え命令を出した。JAMMAは賭博機問題に関連し、正会員2社と賛助会員1社を除名した。(1983年3月1日号) 【ニユースダイジェスト】 1.欧州最大のAMショーである英国EAG(BACTA主催、1月22-24日、ロンドンのエクセル展示場)には、日本から例年どおりセガ社(セガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社)とバンダイナムコゲームスが最大小間に出展した。かつてのATEに代わるもので、今年はドイツIMAがなく、カジノ機器の英国ICEの開催時期も2週間ずれたため、来場者は少し減ったが、それでも新しいAMゲームに関心を持つ世界各国のオペレーターらを引き寄せた。4回目となるEAGに、バンナムは「デッドヒート」に基づきモトクロスで8人が競い合う「デッドヒート・ライダーズ」を披露して注目され、欧州向けに「ダークエスケープ4D」、「パックマン・スマッシュ」(日本では「ビッグバンスマッシュ」)、米国ロースリルズ社「スノクロス・アーケード」など紹介した。セガ社はIAAPAで披露した「ドリームレイダーズ」、スケボーゲーム「アーバンスケーター」、TVリデムプションゲーム「パイレーツ・オブ・モンスターランド」などとフォトブースの「スーパーブース」を紹介した。 2.【英国EAGの続き】英国エレクトロコイン社の小間は小さくなったが、それでも中国の華立電子「パワートラック」などTVゲーム機、米国スターン社のフリッパー新作「アベンジャー」、「エックスメン・プロ」など紹介した。英国モーキャップゲーム社はゲーム機展では初めて、モーションキャプチャーウェア(モーキャップスーツ)とヘッドマウンテッドディスプレイ(HMD)を装着してバーチャルリアリティゲームを楽しむ「サイ・シューター」を出品したが、これは香港AAE12などですでに披露済み。中国のUNIS社(世宇科技)はインスタンスオートマチック社の小間から、低価格のホラーゲーム「アフターダーク」(DX/SD)を出品、近く発売すると発表、注目された。フリッパーはスターン社のほか、米国ジャージージャックピンボール社がIAAPA12に続き第1作の「オズの魔法使い」(3月発売予定)を紹介した。ハイウェイピンボール社は小間を確保したが、製品(第2作)が出来ておらず、小間は空っぽだった。 3.バンダイナムコHDは2月5日、第3・四半期までの4−12月期決算を発表、売上高は8%増の3,506億円、経常利益は46%増の450億円、純利益は72%増の279億円と大幅な増収増益になった。分野別ではトイホビーの売上高が3%減の1,292億円、営業利益は28%減の125億円、コンテンツ(家庭用と業務用、SNS、パチスロ主要部品)の売上高は22%増の1,849億円、営業利益は166%増の309億円、ゲーム場の売上高は5%減の438億円、営業利益は49%減の9億円、その他の売上高は10%増の195億円、営業利益は2%減の17億円だった。ゲーム場のうち直営店は255店。コンテンツ事業が好調なことから、通期(13年3月期)の業績予想を売上高4,600億円(11月の前回予想では4,550億円)、経常利益425億円(400億円)、最終利益245億円(230億円)と上方修正した。 4.セガサミーHDは2月5日、第3・四半期までの4−12月期決算を発表、売上高は34%減の2,070億円、経常利益は87%減の84億円、純利益は91%減の30億円と大幅な減収減益だった。パチンコ・パチスロ遊技機の販売は計画見直しにより、前年より大きく落ち込んだ。遊技機の売上高は58%減の743億円、営業利益は88%減の77億円、業務用AM機の売上高は9%減の330億円、営業利益は48%減の26億円、ゲーム場の売上高は6%減の320億円、営業利益は21%減の9億円、家庭用の売上高は5%減の609億円、営業利益は5億円(前年同期は55億円の損失)だった。ゲーム場は国内237店、海外3店。通期(13年3月期)業績予想は売上高3,200億円(5月の前回予想では4,700億円)、経常利益160億円(650億円)、最終利益125億円(400億円)へと大幅に下方修正した。 5.コナミは2月7日、第3・四半期までの4−12月決算(米国基準)を発表、売上高は18%減の1,601億円、営業利益は52%減の149億円、株主帰属純利益は48%減の88億円と大幅減収減益だった。部門別では主力のデジタルエンタテインメント(家庭用、SNS、業務用、カード)の売上高が19%減の805億円、営業利益が36%減の156億円、健康サービスの売上高が3%減の600億円、営業利益が21億円(前年同期同)、ゲーミング機の売上高が8%減の165億円、営業利益が29%減の36億円、遊技機の売上高が78%減の35億円、営業損失が9億円(38億円の利益)。デジタルエンタテインメントのうち業務用の売上高は5%減の159億円だった。コナミは通期業績予想を、売上高2,280億円(5月の前回予想では2,700億円)、営業利益230億円(411億円)、株主帰属利益135億円(231億円)と大幅に下方修正した。 6.タイトーの親会社であるスクウェア・エニックス・ホールディングスは2月5日、第3・四半期までの4−9月期決算を発表、売上高は7%増の1,027億円、経常損失は42億円(前年同期は95億円の利益)、純損失は57億円(50億円の利益)と増収ながら大幅赤字となった。部門別ではデジタルエンタテインメント(家庭用、PC、SNS用ゲームソフト)の売上高が8%増の578億円、営業損失が3億円(124億円の利益)、アミューズメント(業務用、ゲーム場)の売上高は7%増の337億円、営業損失は3億円(23億円の利益)、出版の売上高は4%増の87億円、営業利益は9%増の20億円、知的所有権の売上高は26%増の24億円、営業利益は18%減の3億円だった。4−9月期発売の業務用機器が振るわなかったが、ゲーム場運営は堅調だったとしている。通期業績予想は10月に下方修正している。 7.カプコンは2月4日、第3・四半期までの4−9月期決算を発表、売上高は45%増の726億円、経常利益は73%増の100億円、純利益は105%増の66億円と大幅増収増益を示した。部門別ではデジタルコンテンツの売上高が39%増の497億円、営業利益が0.2%増の73億円、ゲーム場の売上高が7%減の81億円、営業利益が15%減の12億円、業務用とパチスロ機部品の売上高が249%増の128億円、営業利益が37億円(前年同期は2千万円)、その他の売上高が6%減の19億円、営業利益が17%減の6億円だった。ゲーム場は3減の34店。業務用とパチスロ部品の売上高構成比率は1対9とのこと。主力のデジタルコンテンツは家庭用、PC用、スマートフォン用などで、主力タイトルの発売を次期に延期したため、12月に通期業績予想を下方修正した。パチスロ機「バイオハザード5」が家庭用との相乗効果で予想を上回る売り上げで、収益を示した。 8.ラウンドワンは2月8日、第3・四半期までの4−12月期決算を発表、売上高は6%減の623億4千4百万円、経常利益は52%減の38億3千7百万円、純利益は47%減の13億千6百万円と減収で大幅減益だった。9月に米国カリフォルニア州モレノバレー店、12月に東京・池袋店をオープンした。店舗数は国内3増1減の111店、海外1増の2店で計113店。種目別売上高はゲーム場が7%減の256億円、ボウリング場が10%減の211億円、カラオケが1%減の60億円、スポッチャが9%増の72億円、その他が7%減の21億円。テレビCMなど各種プロモーションに加えて、新型ゲーム機やカラオケ新機種の導入、無料シャトルバス運行店舗の拡大など、他社との差別化や集客向上を図り、業績回復に努めてきたが、堅調に推移した前年の反動で減収減益になったとしている。通期業績予想は11月、4−9月期決算発表に伴い下方修正している。 9.アドアーズは2月12日、第3・四半期までの4−12月期決算を発表、売上高は15%減の145億2千6百万円、経常利益は68%減の2億8千5百万円、純利益は51%減の4億5千6百万円と大幅な減収減益となった。主力のゲーム場(66店)は売上高が11%減の122億円、営業利益は41%減の7億円、遊技店設計・施工の売上高は39%減の15億円、営業利益は69%減の4千万円、不動産の売上高は6%減の6億円、営業利益は57%減の9百万円。メダルゲーム会員サービスを見直し、アドアーズ設立45周年記念イベントを展開、カラオケ秋葉原店も開設したが、ヒットマシン・景品不足の影響が大きく、苦戦したとしている。Jトラストグループの共同事業一号店、レンタルアドアーズ成増店は10月末で閉鎖した。アドアーズは11月に4−9月期決算とともに、通期業績の下方修正をしている。 10.ゲオ(本社愛知県春日井市)は2月7日、約60%所有する子会社で上場会社のウェアハウス(本社東京都足立区)を完全子会社にするため、株式の公開買い付け(TOB)を実施すると発表、ウェアハウスも賛同を表明した。上場コスト削減などが目的。TOBは普通株式300円、新株予約権1円の価格で2月8日から3月25日まで実施、約10億4千2百万円かけて全株の取得を目指す。TOB成立後、ウェアハウスは上場廃止になる予定。ウェアハウスは79年6月シチエとして設立、82年からCDやDVDのレンタル事業、93年からゲーム場運営に参入、99年に株式を公開、03年東証に上場した。04年にゲオと資本提携、09年に社名変更、10年7月のTOBでゲオの子会社になった。今年1月現在レンタル25店、ゲーム場10店を運営しており、12年4−12月期の売上高は4%減の66億7千6百万円、純損失は29億7千8百万円だった。 11.宝くじ大手の米国サイエンティフィックゲームズ社がゲーミング機器のWMSインダストリーズ社を約15億ドルで買い取ることで合意、1月31日に共同発表した。WMS社は、もともと1943年にハリー・ウィリアムズ氏によって設立されたアミューズメントゲーム機メーカーのウィリアムズ製作所が、74年にウィリアムズエレクトロニクスへと再編され、87年に株式を公開するとともに親会社(Xコア)がWMSインダストリーズになったもので、94年からスロットマシンなど賭博機分野に進出、99年までにフリッパー、TVゲームなどAMゲームから撤退した。賭博機製造ではIGT社、バリー・テクノロジーズ社に次ぐ大手。現在のサイエンティフィックゲームズ社は84年に設立され、宝くじ分野では世界的な大手だが、これで賭博機製造へと大転換を図ることになる。今回の買収にはゲーミング許可を与える行政当局の認可が必要となる。 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。 |