2013年1月1日号 Last updated on December 15, 2012
特報
 統合後初の「JAEPO13」、47社が688小間に出展予定。

 ユニバーサルは世界的通信社、ロイターを相手に提訴した。

海外
 ドイツの射幸遊技場に抜本的規制強化が示される。

 ユニバーサルはマニラベイリゾートでゴコンウェイグループと提携した。

国内

 JAMMAは4月から「AMプライズマーク」を実施する。

 ニューヨーク近代美術館が歴史的TVゲームを収集、展示へ。


2013年1月1日号のニュースダイジェスト
写真は米国IAAPAエキスポ12(11月13−16、オーランド)の、ナムコアメリカ社の小間で紹介された「デッドストームパイレーツ4D」ブース(下)と一連のリデムプションゲーム機(上)。


20年前の主なニュース

 米国ディズニー社はオリエンタルランドに、「ディズニーシー」導入を提案した。大阪のエキスポランドは20周年パーティーを開催した。ジャレコは新作展で「ワイルドパイロット」など紹介した。思川観光に引き続き、「小山ゆうえんち」を経営する同名の会社が会社更生法の適用を申請した。(1993年1月1−15日号)

30年前の主なニュース

 「インベーダー」ゲームのコピー品は、TVゲームのコンピュータープログラム著作権を侵害するもの、とする初の判決が東京地裁で出た。セガ社は新作展で「スーパーロコモティブ」など、データイーストはDCシステム「バーニングラバー」、任天堂は「ポパイ」をそれぞれ披露した。(1983年1月1−15日号)



【ニユースダイジェスト】

 .「ジャパンアミューズメントエキスポ2013」(JAEPO、2月15−16日、幕張メッセ)には、実質47社が688小間に出展することが判明した。07年をピークに縮小してきたアミューズメントマシンショー(JAMMA・JAPEA共催)とAOUアミューズメントエキスポ(AOU主催)を統合、JAEPO協議会らの共催、海外からも出展可能にしたが、両展示会を合わせて2で割ったものを少し上回る程度の規模になるもよう。12小間以上の主な出展社小間数は、セガ社120(AMショー11では125)、バンダイナムコゲームス110(115)、コナミデジタルエンタテインメント66、加賀アミューズメント30(16)、スクウェア・エニックス30、タイトー20(20)、カプコン16(9)、フリュー12(12)、ユウアイ販売12(9)など。6社で構成される景品関係の「プライズフェア」は141(149)。海外からの出展は中国のワーラップ(華立科技)、UNIS(世宇科技)のみで各6。

 .日本アミューズメントマシン協会(JAMMA)はこのほどゲーム機用の「AMプライズマーク制度」を決め、13年4月から実施することにした。AMプライズ部会が原案をまとめ、10月25日の理事会で決めたもので、景品を製造・販売する同協会の会員・賛助会員が申請、同部会が審査して、ガイドラインに適合しておれば指定マークの使用許諾を認めるという仕組みで、指定マークの表示許諾料は税別で年5万円。ガイドラインに違反した場合は注意を促し、従わなければ会員除名手続きを取ることができる。一般に販売されている物品を景品として使用するのではなく、特にキャラクターものなどゲーム機専用として開発された景品である場合など、専用開発品であることを強調することにより、オペレーターも安心して仕入れることができるようになる、と考え出された。もちろんオペレーターの選択の自由を制限するものではなく、指定マークの表示がないからといって景品として使用できないわけでもない。

 .米国フロリダ州オーランドにある巨大なリゾートエリア「ウォルトディズニーワールド」(WDW)内の4つあるテーマパークの一つ、「マジックキングダム」のテーマゾーン「ファンタジーランド」が規模を倍増して12月6日、第一期オープンした。新たに「美女と野獣」にちなんだ「エンチャンテッドフォレスト」(魔法の森)、「ダンボ」にちなんだ「ストーリーブック・サーカス」の2エリアが完成したことにより当面の目標に到達したもので、「リトル・マーメイド」にちなんだ海底探検のアトラクション「ジャーニー・オブ・リトル・マーメイド」などもあり、これまで以上にファンタジーを満喫できる仕組みになっている。55年7月開園のカリフォルニア州アナハイムの「ディズニーランド」に続き、71年10月に開園した「マジックキングダム」のこれまでで最大の拡張工事で、すべて完成するのは14年の予定とされている。拡張工事の費用は4億2千5百万ドルと見込まれている。

 .ドイツ連邦共和国を構成する16の連邦州(ベルリン都市州を含む)は、回転盤式スロットマシンなどの伝統的な射幸遊技機運営に対する規制を強化することを決め、第1弾として13年7月から1遊技場当たり最大設置台数を12台から8台に制限することにした。ある調査によると、ベルリンで200の合法遊技場がある一方、300もの違法カフェカジノがあるとのことで、これらカフェカジノをなくするために合法遊技場への規制を一段と強化しているもようだ。ドイツ遊技機業界の団体には市場の8割を占める「フォーラム」と、2割を占める「BA」があるが、大手メーカーであるバリーウルフ社の会長でもある、フォーラムのウルリッヒ・シュミッツ会長は、連邦州によるこうした規制強化に単独で対応するためこのほど辞任した、と伝えられている。ドイツでは業界最大の展示会「IMA」の開催延期も1年前に決めており、業界の行き先は見えてこないのが現状といえる。

 .ユニバーサルエンターテインメントとその親会社の岡田HDは12月4日、世界的な通信社であるトムソン・ロイター社とその記者、編集者を相手取って東京地裁に記事の削除などと当面2億円(総額192億円)の損害賠償を求める訴訟を提出した。ユニバーサルはまたアルゼUSA日本支社社長だった飛田光男氏に対しても、不法行為による損害賠償を求めて8月東京地裁に提訴し、近く刑事告訴すると11月19日に発表している。ユニバーサルによると、ロイターは11月16、30日、ユニバーサルがフィリピンカジノ開発に伴いカジノ規制当局(PAGCOR)の首脳側近に不当な資金提供をしたかのように報じたが、そこには事実誤認ないし偏見が含まれており、何ら問題のない事柄を「疑惑」と仕立てあげているとのこと。しかし、ロイターが具体的な金額、人物名などの事実を挙げて報じたのに対し、ユニバーサル側は抽象的主張にとどまったままとなっている。

 .ユニバーサルエンターテインメントは12月12日、同社がフィリピンで進めているカジノリゾート計画「マニラベイリゾート」に、フィリピンの大富豪、ジョン・ゴコンウェイ氏が所有するロビンソンズランド社が参加することで合意した、と発表した。合意内容はロビンソンズランド社が、ユニバーサルの計画運営子会社であるタイガーリゾーツ・レジャー&エンタテインメント社の少数株式と、ユニバーサルの土地保有子会社であるイーグル1ランドHD社の過半数の株式を取得、商業施設やホテル、住宅施設を開発するというもので、13年1月末までに正式契約するとのこと。フィリピンのカジノ開発は、ラスベガス以上の規模になったといわれるマカオカジノに対抗して、許可を受けた4グループによりマニラ湾岸で開発が進められている。ユニバーサルはしかし、フィリピンでの贈賄疑惑が取りざたされる一方、ラスベガスとマカオで業績を伸ばしてきたウィンリゾーツ社と複雑な訴訟関係の真っただ中にある。

 .ユニバーサルエンターテインメントは12月13日、フィリピン子会社であるタイガーリゾーツ・レジャー&エンタテインメント社を通じて、米国ウィンリゾーツ社のスティーブ・ウィン会長兼CEOを、フィリピン刑法に基づき複数の名誉棄損で刑事告訴したと発表した。ユニバーサルによると、ウィンリゾーツ社の子会社であるウィンマカオ社がマカオ大学開発基金に約束した異常な寄付に対し、ユニバーサルの岡田和生会長が反対したため紛争が起こり、ウィンリゾーツ社がユニバーサルのフィリピンカジノ開発に伴い汚職に関わったに違いないとして、岡田氏をウィンリゾーツ社から追い出すべく副会長を解任し、保有株式を奪うなどしたが、フィリピンでの疑惑調査は後からの思い付きに過ぎない。ウィンリゾーツ社は2月19日にユニバーサル、アルゼUSA社などの名誉を棄損する内容のプレスレリースをネット上に掲載したので告訴した、と主張している。

 .米国が誇る世界的な美術館、ニューヨーク近代美術館(MoMA)がこのほど歴史的なTVゲーム40作を収集することを決め、うち14作を13年3月から同館のフィリップ・ジョンソンギャラリーで展示することになった。MoMAによると、40作は大型コンピューターによる「スペースウォー」(62)から、家庭用「オデッセイ」コンソール(72)、業務用「ポン」(72)、「スネイク」(70)、業務用「スペースインベーダー」(78)、同「アステロイド」(79)、「ストリートファイターU」(91)を経て「マインクラフト」(01)までで、これらは数年以内に展示される予定。すでに収集され、最初に展示される予定の14作は「パックマン」(80)、「テトリス」(84)、「塊魂」(04)など主に家庭用ゲームソフトを中心としたもので、PC用、業務用は少数派にとどまるもよう。

  

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。