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「MGMスタジオ」の名称使用をめぐる、ウォルトディズニー社とMGMグランド社の争いが激しくなっている。台湾法務部は、カプコン「ストリートファイターU」などのコピー基板を販売した台北の7社を摘発した。城島後楽園に日本初の木製ローラーコースターが完成した。(1992年9月1日号)
米国ABCテレビは子ども向けアニメ番組「パックマン」を9月から放映する。任天堂は新作展を開き、「ドンキーコング・ジュニア」を他社に一切許諾しない、基板販売もしないなど説明した。JAMMAなど3協会主催のAMショーに出展する80社の小間割りが決まった。(1982年9月1日号) 【ニユースダイジェスト】 1.携帯電話向けソーシャルゲーム大手のグリーが釣りゲーム「釣り★スタ」の著作権が侵害されたなどとして、競業サイト「モバゲー」を運営するディー・エヌ・エー(DeNA)とORSOを訴えた訴訟の控訴審判決が8月8日、知的財産高等裁判所(高部真規子裁判長)で言い渡され、DeNAがグリーに逆転勝訴した。グリーは即日上告した。1審の東京地裁はDeNAの「釣りゲータウン2」による著作権(翻案権など)侵害を認定したが、高裁判決は単なるアイデアや表現上の創作性のない部分で同一だったとしても、著作物の翻案に当たらないとする最高裁判例を示した上で、著作権侵害を認めなかった。この訴訟では魚を釣り上げる画面などが類似しているが、著作権法で保護される「表現上の創作性」があるかどうかが主な争点であるとし、1審は3重の同心円の構図に創作性を認めているが、「弓道、アーチェリー、射撃、ダーツ」などのゲームにおける標的の同心円を応用しただけであり、「円の大きさや配色も違い、全体の印象が同じとは言えない」として翻案権侵害を認めなかった。 2.パチンコ店運営大手ダイナムの持株会社、ダイナムジャパンホールディングス(DYJH、本社東京都荒川区西日暮里、佐藤洋治社長)が8月6日、香港証券取引所(HKEX)に株式を上場した。パチンコ店運営会社の株式上場はこれが初めてで、上場で得た調達資金の75%は日本国内の店舗開設に充てられる予定。ダイナムは67年に設立した佐和商事が、87年に改称したもので、8月現在の店舗数は347店。11年3月期の売上高は8,530億円、経常利益は273億円としている。DYJHはダイナムが06年に設立した、ダイナムホールディグスが11年9月に社名変更したもので、HKEXには1月に上場申請した。パチンコ店運営会社は景品交換など必ずしも適法かどうか判断できないため、国内で事実上上場できない状況が続いているが、マカオのカジノ運営会社が複数上場している香港市場を選んで成功した。 3.セガ社は同社のテーマパーク・複合施設事業を除くアミューズメント施設(ゲーム場)事業をセガビーリンク(平岡享悟社長)に統合、またAGスクエア(同社長)もセガビーリンクに統合・吸収することを決め、その旨8月6日付で公告した。いずれもセガサミーホールディングスの完全子会社で、テーマパーク・複合施設事業を除くゲーム場事業をすべてセガビーリンクに統合、その結果AGスクエアは解散することになり、セガ社はゲーム場事業のうち、「東京ジョンポリス」などテーマパークと複合施設だけを担当することになる。AGスクエアは元キョクイチ(現トムス・エンタテインメント)が91年にゲーム場運営を開始、08年にゲーム場運営事業を分社化したもので、10年にセガサミーの完全子会社になり、今年4月セガ社に譲渡されていた。セガビーリンクは04年に設立されたダーツ施設運営会社。今回の異動はセガサミーの連結決算の内容には影響しない。 4.バンダイナムコHDは8月2日、第1・四半期(4−6月)決算を発表、売上高は23%増の1,086億円、経常利益は149%増の164億円、純利益は約3倍の102億円と盛り返した。トイホビーの売上高は2%増の399億円、営業利益は22%減の39億円、コンテンツの売上高は60%増の569億円、営業利益は24倍の123億円、ゲーム場の売上高は6%減の138億円、営業利益は99%減の6百万円、その他の売上高は8%増の62億円、営業利益は3%増の5億円。コンテンツの売上高のうち業務用は20%増の155億円、家庭用は33%増の138億円、ネットワークが162%増の147億円だった。全分野好調により、第2・四半期まで(中間期)の業績予想を売上高2,150億円(5月の前回予想は2千億円)、経常利益2百億円(135億円)、純利益120億円(75億円)に、また13年3月期(通期)予想は売上高4,550億円(4,400億円)、経常利益365億円(3百億円)、当期利益215億円(175億円)と大幅に上方修正した。 5.オリエンタルランドは7月30日、第1・四半期(4−6月)決算を発表、売上高は80%増の874億円、経常利益は168億円(前年同期は31億円の赤字)、純利益は116億円(38億円の赤字)と大幅増収で一気に黒字回復した。部門別でテーマパークは売上高が84%増の726億円、営業利益が145億円(17億円の赤字)、ホテル事業の売上高が104%増の109億円、営業利益が22億円(3億円の赤字)、その他の売上高が3%増の38億円、営業損失が2百万円(10億円の赤字)。大地震による打撃を受けた前年から、通常営業へ戻ったことによる回復に加え、2パークでの特別イベントが好調で、過去最高の業績となった。予想を上回っているが、通期(12年4月−13年3月)業績予想は変更していない。(7月31日) 6.セガサミーホールディングスは7月31日、第1・四半期(4−6月)決算を発表、売上高は7%増の699億円、経常利益は43%増の46億円、純利益は25億円(前年同期は22億円の赤字)と増収で黒字回復した。遊技機の売上高は13%増の337億円、営業利益は10%増の78億円、業務用の売上高は9%増の89億円、営業利益は27%増の2億円、ゲーム場の売上高は9%減の100億円、営業利益は33%減の4億円、家庭用の売上高は7%減の150億円、営業損失は15億円(38億円の赤字)だった。業務用はカードなど消耗品と課金収益を含んでいる。ゲーム場は6月末で国内1増2減の240店のほか海外3店。家庭用欧州は拠点閉鎖を進め、タイトルの絞り込みを進めている。 7.コナミは8月2日、第1・四半期(4−6月)決算(米国基準)を発表、売上高は11%減の491億円、営業利益は23%減の53億円、株主帰属の純利益は33%減の27億円と減収減益だった。デジタルエンタテインメントの売上高は13%減の228億円、営業利益は15%減の52億円、健康サービスの売上高は3%減の197億円、営業利益は133%増の7億円、ゲーミングの売上高は2%増の52億円、営業利益は17%減の10億円、遊技機の売上高は58%減の15億円、営業利益は43%減の4億円。デジタルエンタテインメントの売上高のうち、家庭用ゲームソフトは34%減の51億円、SNS用は1%増の79億円、eアミューズメント(業務用)は12%減の38億円、カードゲーム(遊戯王など)は3%減の59億円だった。 8.スクウェア・エニックスHDは8月7日、第1・四半期(4−6月)決算を発表、売上高は2%増の249億円、経常損失は20億円(前年同期は14億円の利益)、純損失は20億円(6億円の利益)と増収赤字でスタートした。主力のデジタルエンタテインメント(家庭用、PC、携帯電話向けゲームソフト)の売上高は4%減の113億円、営業損失は1億円(28億円の利益)、アミューズメント(業務用とゲーム場)の売上高は3%増の99億円、営業損失は5千万円(5千万円の利益)、出版の売上高は18%増の30億円、営業利益は17%増の7億円、ライツ・プロパティの売上高は15%増の5億円、営業利益は11%減の8千万円だった。13年3月期の業績予想は変更していない。 9.ユニバーサルエンターテインメントは8月3日、第1・四半期(4−6月)決算を発表、売上高は82%増の213億円、経常利益は31%増の98億円、純利益は10%減の68億円だった。うち遊技機の売上高は88%増の207億円、営業利益は57%増の102億円、その他の売上高は19%減の6億円、営業損失は6億円(前年同期は1億円の利益)で、ほとんどが遊技機事業だった。米国ウィン・リゾーツ社との訴訟に関連して、ウィン社はユニバーサルの持株(約20%)を時価の約70%の価格で10年満期の長期受取手形振出しにより償還することについて宣言的決定を求めているが、ユニバーサルは反訴を提起、株式償還の差止め決定を求めている。この訴訟は長期化する見通しだが、ユニバーサルは係争中のウィン社への投資を維持したまま持ち分法を適用、引き続き投資利益15億円を計上している。 10.ラウンドワンは8月8日、第1・四半期(4−6月)決算を発表、売上高は7%減の207億円、経常利益は68%減の10億円、純利益は76%減の4億円と減収で大幅減益だった。サービス区分別の売上高はゲーム場が11%減の90億円、ボウリング場が11%減の81億円、スポッチャが5%増の22億円、カラオケが4%減の19億円、その他が7億円で、増収はスポッチャだけだった。店舗は4月にオープンした「ダイバーシティ東京プラザ店」、「千日前店」の2店を含め3店増の112店。米国では10年8月開設済みの1店目に加え、今年9月に2店目、来年春に3店目を開設する予定。同社は既存ローンの借り換え、店舗不動産の売却・賃借を進めており、有利子負債を削減中で、16年3月期までに実質無借金体制にすると説明している。 11.アドアーズは8月8日、第1・四半期(4−6月)決算を発表、売上高は20%減の49億6千万円、経常利益は44%減の2億4千万円、純利益は54%減の2億8千万円と大幅な減収減益だった。分野別ではゲーム場運営の売上高が13%減の40億5千万円、営業利益が26%減の3億9千万円、設計・施工の売上高は48%減の6億9千万円、営業利益は53%減の3千万円、不動産の売上高は1%減の2億千万円、営業利益は2%減の4百万円。ゲーム場は「竹ノ塚店」を閉鎖し全部で65店となった。筆頭株主だったネクストジャパンをJトラストが5月に吸収合併して、アドアーズの実質的な親会社となり、アドアーズの本社も移転した。しかし、大幅減収減益にもかかわらず、業績予想は修正していない。 12.ドイツで13年1月開催されることになっていた「アミューズメント&レジャー・エキスポ」(ALEX)は8月3日、キャンセルされたことが分かった。ドイツの遊技機業界団体、VDAIによる伝統的展示会「IMA」は、ドイツ各州で認められてきた射幸遊技機に対する厳しい規制強化が検討されているため13年の開催を中止、「IMA13」が使用する予定だった13年1月15−17日デュッセルドルフ展示会場で、射幸遊技機以外の機器のための展示会「ALEX」を開催することにしたのは、約1ヶ月前のことだった。しかし射幸遊技機器以外の展示会開催を、ガーゼルマングループ、ローベン、バリーウルフなどの射幸遊技機大手メーカーは敬遠し、それらの協力が得られないことが明らかとなったため、VDAIがALEX中止を決めたもの。ドイツの次回IMAは14年1月に予定される予定。 13.米国ウォルトディズニー社は8月7日、第3・四半期(4−6月)決算を発表、この3ヵ月間の売上高は前年同期比4%増の110億ドル、営業利益は18%増の32億ドル、純利益は24%増の18億ドルと大幅増益だった。うち主力のESPNなどメディアネットワークの売上高は3%増の50億ドル、営業利益は2%増の21億ドルにとどまったが、テーマパーク&リゾーツの売上高は9%増の34億ドル、営業利益は21%増の6億3千万ドルと伸ばした。アニメ映画などスタジオ・エンタテインメントの売上高は16億ドルと変わらなかったが、営業利益は3億ドルに戻した。一般消費者向け商品は売上高が8%増の7億ドル、営業利益が35%増の2億ドルになった。なお、第3・四半期までの9ヵ月間では、売上高が3%増の314億ドル、営業利益が14%増の76億ドル、純利益が19%増の44億ドルで、うちテーマパーク&リゾーツの売上高は10%増の94億ドル、営業利益は24%増の14億ドルだった。 14.世界的には直径130m以上の巨大な観覧車がここ数年増え続けているが、米国シアトルの57桟橋に直径53mの観覧車「グレートホイール」が、4月に着工、6月29日に営業運転を開始して、新たなランドマークとして注目されている。6人乗りのゴンドラ42個が1周12分間で3周し、シアトルの街並みや港と、高さ4千mを超えるレーニア山などの遠景を楽しむことができる。ゴンドラは紫外線カット、無反射ガラスを使用、エアコンが効いている。利用料金は大人13ドル、4−11歳は8ドル半。オーナーは地元のグレイトウェスタンパシフィック社を経営するグリフィス一家で、何年も前から市内に建設しようと構想を練ってきたが、所有する桟橋に建設することを決めた途端にたった2ヵ月で完成した。メーカーは、ナイアガラの滝近くに06年、同じ型(R60)の観覧車「ナイアガラスカイホイール」を建設したチャンスライド社(販売はチャンスモーガン社)である。 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。 |