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JAMMAで12年ぶりに会長が交代、中村雅哉会長は名誉会長に、中山隼雄副会長が会長になった。米国アタリコープが任天堂を独占禁止法違反で訴えていた訴訟で、陪審は訴えを却下した。日本娯楽機が台湾・台中に現地法人を設けた。大阪のオペレーター協会は日物の麻雀TVゲーム使用禁止を決めた。(1992年6月15日号)
ディズニー映画「トロン」の公開に伴い、バリー・ミッドウェー社のTVゲーム機「トロン」を使ったゲーム大会が全米で実施される。ナムコはLSIゲーム「FLパックリモンスター」を発売したバンダイを著作権侵害で提訴した。中国・北京で電子機器展が開かれ、ABC商会が単独出展した。(1982年6月15日号) 【ニユースダイジェスト】 1.消費者庁は5月18日、SNSゲームの「コンプガチャ」が景品表示法で定める違法な「カード合わせ」(絵合わせ)に該当するとの同法運営基準改正案を公表した。行政機関による意見公募手続(パブリックコメント)として明らかにしたもので、7月1日にも改正運営基準は適用される予定。これにより措置命令の対象となり、従わない場合は罰則もある。有料の電子くじを引いて数種類のアイテムを揃えると特別のアイテムが手に入るという「コンプガチャ」は違法ではないが、(偶然により)どのアイテムが手に入るか選択できない場合、景品表示法の規制対象になり、違法と判断したもの。ソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会(グリー、DeNAなど加盟6社)は5月末までに各社で廃止を決めているが、無料ゲームを売り物にしながら、アイテムを販売して収益を伸ばしてきただけに、アイテムを換金する「リアルマネートレード」(RMT)などを含め対策を迫られている。 2.グリー、DeNAなどSNSゲーム配信6社が加盟するソーシャルゲームプラットフォーム連絡協議会は5月25日、「コンプガチャ」をおおむね「2つ以上の特定異なるアイテムをすべて揃えることを条件に別のアイテムを提供する方式」と定義し、6月末までに「コンプガチャ」をすべて削除するガイドラインを決めた。加盟各社は5月末まで自粛、6月1日からガイドラインを適用することを決めているが、消費者庁が7月1日から改正景品表示法運営基準の適用を開始するのを受けて、6月末までにすべて廃止することにしたもの。協議会では「コンプガチャ」にならない類似するシステム例についてさらに検討、6月中にも発表するとしている。しかし、もともと無料ゲームを売り物にしてアイテムなどを販売、収益を伸ばしてきたこと、ゲーム中のアイテムを換金する「リアルマネートレード」(RMT)が実態としてあることなど、問題点は多いと見られている。 3.バンダイナムコゲームスは5月29日、業務用TVゲーム機で共通して使用できるプレイヤー認証カード「バナパスポート」の登録利用者が100万人を突破した、と発表した。11年5月のサービス開始から約1年間で達成、4月からの「機動戦士ガンダムエクストリームvsフルブースト」でも非常に好調だとしている。セガ社でも10年11月から認証カード「Aime」(アイミー)の使用を開始、11年11月には「バナパスポート」と相互利用できるようにしており、その登録利用者が4月現在で100万人に達したことを明らかにした。これらの認証カードが使用できるゲーム機は、すでにセガ社が12機種、バンダイナムコゲームスが6機種をそれぞれ出荷済み。バンダイナムコゲームスでは香港、台湾など海外11ヵ国でも導入済みとしている。 4.東京ディズニーリゾーツの東京ディズニーシー(TDS)にあるアトラクション「レイジングスピリッツ」で5月28日午後4時過ぎに、乗客1名が右足に軽傷を負う事故が発生した。このアトラクションは宙返りローラーコースタータイプの遊園施設で、6人乗りのコースター2両が約1分半、遺跡発掘現場を舞台に走行するというもの。身長117cm未満者は乗れない。車両には安全用のバーが設けられているが、男性客(34歳)のバーが上がったまま走行し始めたため、危険を感じた男性客が乗り場に降りようとして、レール上に落ちて負傷したもの。通常はそれぞれの座席ごとにバーを下げ、これを係員が確認してから出発することになっている。オリエンタルランド(OLC)は事故について明らかにするとともに、「多大なるご迷惑をおかけした」とコメント、調査のため当分の間、同アトラクションを運休するとしている。 5.スクウェア・エニックスHDは5月14日、12年3月期連結決算を発表、売上高は2%増の1,278億円、経常利益は91%増の102億円、最終利益は60億円(前年は120億円の赤字)と黒字回復した。家庭用「ファイナルファンタジー]V−2」などで伸ばした。部門別で、デジタルエンタテインメント(家庭用、携帯用)の売上高は12%増の718億円、営業利益は12%増の126億円、アミューズメント(業務用、ゲーム場)の売上高は7%減の419億円、営業利益は17%増の25億円、出版の売上高は13%減の113億円、営業利益は20%減の25億円、ライツ・プロパティの売上高は8%減の27億円、営業利益は9%増の7億円。8月にWii用「ドラゴンクエスト]」を発売する予定で、13年3月期は売上高1,650億円、経常利益150億円、最終利益90億円を見込んでいる。 6.ラウンドワンは5月14日、12年3月期決算を発表、売上高は6%増の895億円、経常利益は66%増の114億円、最終利益は27億円(前年は126億円の赤字)と黒字回復した。店舗数は1増の110店(国内109、米国1)。分野別売上高はゲーム場が3%増の364億円、ボウリング場が5%増の324億円、スポッチャが8%増の94億円、カラオケが22%増の82億円、その他が15%増の30億円。ラウンドワンは店舗資産(土地建物)の売却・賃借を進めており、2年前から実質有利子負債(12年3月期で814億円)を削減しつつある。13年3月期はすでに「ダイバーシティ東京プラザ店」、「千日前店」をオープンしているが、売上高900億円、経常利益100億円、最終利益10億円と大幅減益を見込んでいる。 7.ゲオホールディングスは5月10日、12年3月期決算を発表、売上高は2%増の2,582億円、経常利益は14%増の164億円、最終利益は9%減の68億円だった。65%子会社のウェアハウスは売上高91億円、経常利益4億円、当期損失約2億円(前年に決算期変更)。73%子会社のゲオディノスは売上高が4%減の83億円、経常利益が85%減の2千万円、当期損失が1億円(前年黒字)だった。ゲオの連結売上高は「ゲオショップ」などによる小売とAM施設運営収入で成り立っており、うちAM施設の売上高は10%増の116億円、営業利益は167%増の約6億円。AM施設の営業別売上高は示されていないが、店舗数はゲオディノス(ゲーム場、ボウリング場、映画館など)が1増の21店、ウェアハウス(ゲーム場、DVDレンタルなど)が1減の21店、フィットネス(ゲオディノスが運営)が1増の15店、複合カフェが増減なしの8店となっている。 8.アドアーズは5月15日、12年3月期決算を発表、売上高は16%減の218億円、経常利益は約12倍の9億3千百万円、当期利益は9億2千万円(前年は41億9千7百万円の赤字)と黒字回復した。ゲーム場は「新宿歌舞伎町店」、「銀座アディクト店」など14店閉鎖して66店になり、またカプセル自動販売機は17店に設置した。ゲーム場の売上高は6%減の180億円、営業利益は295%増の14億9千7百万円、設計・施工の売上高は48%減の29億円、営業利益は74%減の1億千3百万円、不動産は売上高が13%減の8億円、営業利益は88%減の千7百万円、遊技機レンタルの売上高は86%減の3千百万円、営業利益は85%減の4百万円だった。13年3月期の売上高は207億円、経常利益は9億3千5百万円、当期利益は7億円を見込んでいる。 9.アドアーズは5月29日、大株主のJトラストが4月末にネクストジャパンHDを完全子会社にしたのに伴い、株式上場を廃止したネクストジャパンとの株式の持ち合い、役員相互派遣を解消するので、Jトラストが持つアドアーズ株式は34%から68%に増加、アドアーズが6月26日付けでJトラストの連結子会社になることを明らかにした。第2位株主は34%のGF投資ファンドでこれらの異動を了承済み。役員異動では小野寺宏昭(40歳)取締役が社長に就任、中川健男社長は取締役相談役になる。小野寺氏は94年大東文化大文卒、日拓エンタープライズ入社、99年ガイア入社、06年アドアーズ入社、08年から取締役となってアミューズメント施設運営を担当してきた。資本異動に伴い、本社をGF投資ファンドに近い中央区日本橋から、Jトラストのある港区虎ノ門に7月に移転する予定。 10.ユニバーサルエンターテインメントは5月17日、12年3月期決算を発表、売上高は66%増の748億円、経常利益は5倍の333億円、最終利益は7倍の313億円になった。パチスロ遊技機の販売増加と米国ウィンリゾーツへの投資利益によると説明している。遊技機の売上高は69%増の721億円、営業利益は168%増の323億円、コンテンツ配信その他の売上高は10%増の29億円、営業損失は2億円(前年は9億円)。投資利益は71億円だが、ウィンリゾーツ社が子会社アルゼUSA社の持分を3割引きで10年満期の受取手形で償還すると一方的に決めたため、これを無効とする損害賠償請求訴訟を米国で起こしており、継続して持分法を適用するかどうかは今後の裁判次第となっている。なお13年3月期の売上高は959億円、経常利益は313億円、最終利益は194億円と見込まれている。 11.アラブ首長国連邦(UAE)ドバイの国際展示場を舞台に毎年開かれているDEAL(ドバイ・エンタテインメント・アミューズメント&レジャーショー)2012(4月17−19日)で、セガ社新製品として中国で開発されたといわれる「KOドライブ」が披露され、注目されている。主催のIEC(国際博コンサルト)によると、今回は30ヵ国から200社以上が出展、6千人以上の業者が登録入場した。主な出展社はASI(アミューズメント・サービス・インターナショナル)やウェアハウス・オブロゲームス社などUAEのディストリビューター会社で、日本のメーカー製品はASI社から出品された。そこでセガ社の「バーチャテニス4」DXまでの新製品と「KOドライブ」、バンダイナムコゲームスの「デッドストームパイレーツ4D」までの新製品、タイトー「キックスルーレーサーズ」などが紹介された。中国・台湾からは直接出展した例が多く、UNIS(ユニバーサルスペース)「ブギーダウン」、「マイティモト」、テックウェイ「ポンポンテーブル」などが注目されている。 12.ハワイのホノルル市内で「ウィナーズゾーン」という遊技店がチェーン展開されており、賭博遊技に限りなく近いが、経営者は賭博営業ではないと主張、地元警察、FBIも違法かどうか判断を保留したままになっている。ハワイのテレビ局、KHOH2が5月17日に伝えた。ネット販売される商品の販売促進を目的とするもので、客は機械に現金を投入して無料クーポンを手に入れた上で、ポーカー、キノ、ビンゴ、スロットなどの無料ゲームをして、当たれば最高5千ドルまでの現金引換証を手に入れることができる、というもの。店側は客を18歳以上と制限、営業時間はだいたい午前4時まで。顧問弁護士は、ハワイで賭博罪となる3条件を示し、それらに当たらないし、賭博に反対していると説明している。設置されている遊技機はクレジットを賭けるタッチスクリーン式TV機とマネープッシャーで、「ラスベガス方式の賭博」と言われている。 13.米国アミューズメント業界のトレードショー開催実務で知られるW・T・グラスゴウ社のウィリアム(ビル)・グラスゴウ氏が6月末で引退し、息子のビル・グラスゴウ・ジュニア氏とブライアン・グラスゴウ氏が引き継ぐことになった。メーカー団体のAAMAのトレードショー、ASI(名称がACMEとなった時期もある)は1985年以来ずっと、またオペレーター団体のAMOAのトレードショー、AMOAエキスポは99−09年に、そしてこれらが統合されたアミューズメントエキスポでは10年以降、W・T・グラスゴウ社が実務上ショー運営を担当してきており、これらの実績からほかの業界の展示会、会議も手掛けるほどになっている。しかし、この間米国のアミューズメント業界は次第に規模を減らし、ショー自体も小さくなり、主催協会の活動も沈滞化するなど、およそ発展的と言えない状況が続いている。 14.イオンファンタジーは5月22日、タイでの店舗運営事業を展開するため2つの現地子会社を設立することを決めたと発表した。アセアン諸国ではすでに中国、マレーシアでオペレーションを展開しており、さらにタイでの展開を具体化するとしている。設立するのは、運営会社のイオンファンタジー・タイランド社(本社バンコク、福森博崇社長)と、持株会社のイオンファンタジー・ホールディングス(同、増川俊行社長)で、それぞれイオンファンタジー49%、子会社51%の出資比率で5月25日に設立する。なお同社は今年2月現在、日本と同様の児童向け屋内遊技場を、中国で5店、マレーシアで20店運営している。 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。 |