| ||||||||||||
米国家庭用16ビット機市場で、先発のセガ社は「ジェネシス」(日本では「メガドライブ」)の販売を伸ばしている。タイムワーナー社は遊園地をチェーン展開するシックスフラッグス社の株式の過半数を取得、子会社にした。セガ社の小形武徳常務は国内5ヵ所で業者との懇談会を開いた。(1992年3月1日号)
米国連邦控訴裁はコナミ工業/スターン社「スクランブル」を視聴覚著作物として、無断コピー品の製造販売を禁じる判決を出した。米国ミッドウェー社から「ミズ・パックマン」が出荷された。フィリピンのマルコス大統領は81年12月の大統領令で、TVゲーム機の輸入販売使用を禁止した。(1982年3月1日号) 【ニユースダイジェスト】 1.バンダイナムコホールディングスは2月10日、12年度〜15年度のバンダイナムコグループ中期計画の重点戦略など明らかにした。それによると、05年の経営統合以降、06年度〜08年度中期計画では経営基盤の整備、09年度〜11年度中間計画ではグローバル成長基盤の整備を推進してきており、今年スタートする中期計画では商品・サービス・ビジネスモデル、事業、計数目標などあらゆる面で「挑戦・成長・進化」し、国内外市場での収益成長を目指すとしている。これらに伴い持株会社では4月1日付で上野和典取締役兼バンダイ社長が副社長に昇格、石川祝男社長と合わせ2名代表になる。子会社のバンダイナムコゲームスでは石川祝男兼任社長が会長となり、バンダイビジュアルの大下聡社長が社長になる。バンダイビジュアルでは川城和美副社長が社長に昇格する。大下聡(おおした・さとし)氏は76年拓殖大商卒、バンダイ入社、10年からバンダイビジュアル社長。山口県出身。58歳。 2.バンダイナムコホールディングスは2月10日、新中間計画スタートに伴い、コンテンツ事業の強化を図るため、家庭用ゲームソフト、業務用ゲーム機、ネットワークコンテンツなどを開発、展開する子会社、潟oンダイナムコスタジオ(本社東京都品川区、中谷始社長)を4月2日付で設立することを明らかにした。これはバンダイナムコゲームスでコンテンツ開発を担当してきた開発スタジオ機能を分社化するもので、バンダイナムコゲームスの開発部員約1千人(今年正月に吸収合併したナムコ・テイルズスタジオの80名を含む)が移行することになる。分社化することによってコンテンツ開発に特化し、最適化されたシステムなどを円滑に導入できるようになり、開発スタッフのスキル向上、「鉄拳」、「太鼓の達人」、「機動戦士ガンダム戦場の絆」など既存コンテンツの強化、新たなコンテンツの創出を図ることができるとのこと。 3.バンダイナムコHDは2月10日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)決算を発表、売上高は12%増の3,233億円、経常利益は86%増の308億円、純利益は344%増の163億円と好調だった。トイホビーの売上高は15%増の1,335億円、営業利益は29%増の174億円、コンテンツ(業務用、家庭用)の売上高は16%増の1,514億円、営業利益は228%増の116億円、ゲーム場の売上高は1%減の459億円、営業利益は26%増の18億円、その他の売上高は32%増の177億円、営業利益は121%増の17億円。コンテンツのうち業務用の売上高は26%増の536億円だった。2012年3月期の業績予想は売上高4,400億円(10月の前回予想では4,200億円)、経常利益315億円(260億円)、最終利益185億円(150億円)と大幅に上方修正した。 4.欧州最大のAMショーである英国EAGが1月24−26日、ロンドンのエクセル展示場で開催され、主催者のBACTAによると代理出展を含め、17ヵ国から122社が出展、5,000人近く(うち30%は英国内)が登録入場した。旧ATEIに代わるもので今回が3回目の開催となる。日本ならびに日系の主な出展社はセガ・アミューズメンツ・ヨーロッパ社とバンダイナムコゲームスだけ。セガ社は「トイレッツ」、「オペレーションゴースト」、「バーチャテニス4」、「レッツゴーアイランド3D」、「ビジューエルド」など、バンダイナムコゲームスは「パックマン・バトルロイヤルDX」、「デッドストーム・パイレーツ3D」、「デッドヒート」、(欧州向け)ロースリルズ社「ダーティードライビン」、ステップエボリューション社「リレイブアーケード」などを出品した。 5.〔英国EAGの続き〕コナミやタイトーは英国エレクトロコイン社の小間を通じて出品しており、エレクトロコイン社の小間ではコナミ「DDRX2AC」、タイトー「フライトフィアランド」、「リアルパンチャー2」のほか、ゲームワックス「ゴーゴーグランプリ」などが紹介された。米国製ではインクレディブルテクノロジーズ社IT「パーワーパット・ライブ2012」やスターン社新作フリッパー「AC/DC」が披露された。また中国/台湾から華立電子/IGS「パワートラック」、ベルレア(倍児悦)「ポンポンテーブル」なども出品された。エレクトロコイン社と同様のディストリビューター会社、ユナイテッド・ディストリビューティング社(UDC)は、アドレナリン社「インフィニティ・ブレードFX」、「フルーツニンジャFX」を紹介した。 6.スクウェア・エニックスとタイトーは2月1日東京で(3日福岡、6日大阪、8日仙台で)、「ガンスリンガーストラトス」商談会を開いた。1月11日東京での特別内覧会に続くもので、業者向けにタイトーが開いた。ゲーム自体はキャビネット関係を除いてスクウェア・エニックスとバイキングが開発、キャビネット関係はタイトーが開発しており、タイトーが販売する。4台セットOP価格約580万円、7月出荷の見込みで受注している。ゲームの基本は4台(人)対4台(人)の8台(人)で、相手からの攻撃を避けながら、相手を攻撃して倒すことで、CPUとの対戦と、プレイヤーが2組に分かれての相互対戦と二通りあり、店舗内の対戦から全国対戦まで4モード用意されている。合体・変形・大型化できる2挺拳銃のガンコンは、家庭用操作盤に似たプレイヤーの移動、ジャンプ、視点変更などの操作も行なう。賞金付きの全国ゲーム大会は、風俗営業と関係のない場所で行なわれるもので、風営法に抵触しないとしている。 7.オリエンタルランドは2月3日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)決算を発表、売上高は前年同期比8%減の2,697億円、経常利益は2%減の565億円、純利益は19%減の270億円と、第1・四半期に東日本大震災の影響を残したが、盛り返した。部門別でテーマパークの売上高は7%減の2,235億円、営業利益は3%減の487億円、ホテルの売上高が16%減の304億円、営業利益が12%減の72億円、その他の売上高は8%減の157億円、営業利益が7億円(前年同期は赤字)だった。シアトリカル事業の損失を含め99億円の特別損失を計上した。12年3月期業績予想は売上高3,547億円(11月の前回予想では3,431億円)、経常利益610億円(550億円)、最終利益295億円(294億円)と上方修正した。 8.セガサミーHDは2月3日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)決算を発表、売上高は0.5%増の3,116億円、経常利益は2%増の634億円、純利益は7%減の343億円だった。部門別では遊技機の売上高が6%増の1,777億円、営業利益が23%増の674億円、業務用は売上高が11%減の363億円、営業利益が40%減の50億円、ゲーム場は売上高が2%減の339億円、営業利益が53%増の12億円、家庭用は売上高が5%減の641億円、営業損失が55億円(前年同期は28億円の利益)。ゲーム場は国内5増6減の247店と海外7減の3店。遊技機分野でパチスロ機がヒット、利益率を上げて好調だった。業務用は堅調だがスローで、家庭用は赤字に戻り振るわない。なお12年3月業績予想は変更しなかった。 9.スクウェア・エニックスHDは2月3日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)決算を発表、売上高は3%減の957億円、経常利益は56%増の95億円、純利益は175%増の50億円だった。部門別では、デジタルエンタテインメント(家庭用、SNS用ゲームソフト)の売上高が6%増の537億円、営業利益が12%増の124億円、アミューズメント(ゲーム場運営、業務用機器)の売上高は8%減の316億円、営業利益は15%増の23億円、(印刷物)出版の売上高が22%減の84億円、営業利益が33%減の18億円、許諾料その他の売上高が17%減の19億円、営業利益が21%減の4億円。同社ではデジタルエンタテインメントが順調に伸ばしているが、業績予想は変更しない、としている。 10.コナミは2月2日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)決算(米国基準)を発表、売上高は3%増の1,945億円、営業利益は87%増の309億円、株主帰属の純利益は77%増の170億円と好調だった。デジタルエンタテインメントの売上高は2%増の994億円、営業利益は87%増の243億円、ゲーミングの売上高は25%増の181億円、営業利益は34%増の51億円、遊技機の売上高は35%増の155億円、営業利益は15%増の38億円、健康サービスの売上高は5%減の620億円、営業利益は62%増の21億円。デジタルエンタテインメントの売上高のうち家庭用は354億円、SNSは265億円、eアミューズメント(業務用)は167億円、カードゲームは199億円。2012年3月期の業績予想は売上高2,650億円(11月の前回予想は2,580億円)、営業利益400億円(330億円)、株主帰属の純利益220億円(185億円)と大幅に上方修正した。 11.カプコンは2月2日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)決算を発表、売上高は29%減の502億円、経常利益は49%減の58億円、純利益は53%減の32億円と前年を下回った。前年実績の反動によるもので、家庭用の売上高は41%減の317億円、営業利益は54%減の59億円、モバイル用の売上高は68%増の40億円、営業利益は189%増の13億円、ゲーム場は増減なく37店で、売上高が1%増の88億円、営業利益が59%増の14億円、業務用と遊技機向けの売上高は29%増の36億円、営業利益は95%減の2千万円、その他の売上高は26%減の20億円、営業利益は10%減の8億円だった。業務用では多人数用メダルゲーム機などを販売、遊技機向け機器開発も受託した。 12.ラウンドワンは2月9日、第3・四半期までの9ヵ月(4−12月)決算を発表、売上高は7%増の662億円、経常利益は100%増の79億6千万円、純利益は24億7千万円(前年同期は129億円の赤字)だった。店舗数は前年同期末の107から110に増加した。売上高の内訳はゲーム場が5%増の276億円、ボウリング場は6%増の234億円、カラオケが24%増の61億円、スポチャが6%増の66億円、その他が21%増の23億円だった。なお、コーエーテクモHDが発表した4−12月期業績で、子会社のコーエーテクモウェーブが担当するゲーム場運営の売上高は38%減の13億9千6百万円、営業利益は57%減の8千6百万円だった。 13.バンダイナムコホールディングスは1月30日、「機動戦士ガンダム」の世界を映像などで体験できる施設「ガンダムフロント東京」が4月19日、東京・臨海副都心地区にオープンする、と発表した。バンダイ、サンライズ、創通の3社が1月24日にガンダムフロント東京有限責任事業組合(LLC)を設立、このLLCが施設運営などを担当する。4月19日に営業を始める商業施設「ダイバーシティ東京プラザ店」前の広場には、高さ18mの実物大のガンダム像「ガンダムVer.GFT」が設置されるほか、「ガンダムカフェ」も近くで営業する。「ガンダムフロント東京」は、「ダイバーシティ東京プラザ店」の7階(2千u)に開設され、ドーム型の巨大スクリーンで映像が見ながらガンダム体験をするほか、貴重な制作資料なども展示される。メイン施設の入場は完全予約制で、有料となる(高校生以上千円、中学生以下8百円、未就学児童無料)が、チケット販売の詳細は追って発表される予定。 14.福岡県警生活経済課と筑紫野署は2月2日、インターネットオークションを悪用し、正規のゲームソフトを無断コピーしたうえ、それを「Wii」で作動させるため「Wii」改造を請け負ったとして、北九州市在住の合田康浩容疑者(41)を不正競争防止法違反(技術的制限回避装置提供)、著作権法違反(無断複製)の疑いで逮捕した。無断コピーソフトを使えなくするためメーカーが組み込んでいる仕組みを外す行為は、昨年12月の法改正で違法とされ、処罰されることになっており、今回その初適用となった。調べによると容疑者は、ヤフーオークションで客を募り、「Wii」のハードディスクを送らせて千円で改造、ゲームソフト6タイトルを各5千円でSDカードに無断コピーし、返送していた。容疑者は容疑を認めているとのことで、3日、福岡地検に送致された。 15.業務用TVゲーム機開発メーカーの米国ロースリルズ社と米国最大のディストリビューター、ベトソン・エンタープライゼス社は2月8日、中国広東省広州市に合同事務所を開設した、と発表した。急速に拡大している中国市場にメーカーとして対応するもので、具体的には両社が供給するTVゲーム機の流通、保守サービスを円滑にするのが目的、としている。ロースリルズ社はシカゴ郊外にあるもうひとつの開発会社、プレイメカニック社とともに製品を開発、75年のディストリビューター経験があり、米国内に12ヵ所の販売拠点を持つベトソン・エンタープライゼス社(H.ベティ・インダストリーズ社の子会社)が製品を独占的に北米で販売してきており、この組み合わせを保ったまま中国市場での事務所開設を決めたことになる。 16.オペレーター会社の共和コーポレーション(本社長野、宮本和彦社長)は2月1日、アルピコ興業(本社松本、吉村真一社長)からボウリング事業を取得した。具体的には同日付で松本市城山、安曇野市豊科、長野市篠ノ井、新潟県柏崎市の4ヶ所にあるボウリング場「アルピコボウル」を取得、店名はそのまま継続使用し、従業員(役員・社員15名、パート5名、アルバイト16名)も継続雇用するとのこと。共和コーポレーションは82年1月に創業、86年5月に設立した共和レジャーシステムが、99年10月に現社名に改称したもの。長野県内の13店を含む9道県で24店のゲーム場とバッティングセンターを運営しており、中堅オペレーターのひとつとなっているが、これにボウリング場運営を加えたことになる。取得に要した費用などは明らかにされていない。 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。 |