2012年1月1日号Last updated on December 15, 2011
特報
 バンナムゲームス新作展で「ダークエスケープ3D」など披露。

 セガ社、中国で「頭文字D6AA」ネットワーク対戦を展開へ。

海外
「ハリー・ポッターの魔法の世界」が好評で、西海岸にも建設。

 モスクワにスポークレスの世界最大観覧車建設計画。

国内

 コナミデジタル、メダルゲーム機の「ミリオンアダプター」を出荷。
 
 「エキスポランド」跡地に三井不動産のエデュテイメント施設案を選定。


2012年1月1日号のニュースダイジェスト
写真はバンダイナムコゲームス新作展(大阪)にて、上はホラーガンゲーム「ダークエスケープ3D」の外観、下は「機動戦士ガンダム・エクストリームバーサス・フルブースト」を試しているようす。


20年前の主なニュース

 米国ラスベガスの大通り沿いに、MGMなど併設テーマパークの建設が始まる。5年ぶりオーランドのIAAPAショー91は、映像シミュレーター、バーチャルリアリティなど内容を充実した。タイトーのTIT親和会が初の海外視察旅行(イタリア、ドイツ)を実施した。(1992年1月1−15日号)

30年前の主なニュース

 コナミ工業は業績が好調で大阪のロイヤルホテルで年末パーティーを開いた。NAO近畿支部はTVゲームの健全性を訴えるチャンピオン大会を催した。米国AMOAで初の女性会長、レオマ・バラードさんが就任した。シグマ真鍋勝紀社長がメダルゲーム10周年の成果を語った。(1982年1月1−15日号)



【ニユースダイジェスト】

 .バンダイナムコゲームスは12月8−9日東京(12−13日大阪、15日福岡)で新作展を開き、立体ホラーゲーム「ダークエスケープ3D」と対戦ゲーム「機動戦士ガンダム・エクストリームバーサス・フルブースト」を中心に新作を披露した。「ダークエスケープ3D」は4つのステージから選択、すべてクリアすると最終ステージが待ち受けている1−2人用ガンゲームで、映像、振動、エアー、音響を組み合わせた演出と心拍測定により、ホラー体験を満喫しながら、スキルと協力度を測るのが特徴。12年7月出荷予定。OP価格258万円の通常販売のほか、3年間の「友愛オプション」(98万円)もある。「機動戦士ガンダム・フルブースト」はバーサスシリーズを進化させたもので、シリーズ最多のモバイルスーツ、新ステージ、多彩なCPU戦などの特徴がある。最大12台接続できる。4月出荷予定で、バーサスDX専用改造キット(4席)の場合のOP価格は228万円。

 .セガ社は12月8日、ネットワーク対戦のできる中国仕様の「頭文字(イニシャル)Dアーケードステージ6AA(ダブルエース)」を輸出、中国市場で10日から店舗間のリアルタイム対戦ができるようにした、と発表した。こうした中国でのネットワーク対戦を実現したのは、日本企業ではセガ社が初めてという。「頭文字Dアーケードステージ6AA」は日本国内で11年3月から展開しており、その中国版は漢字を簡体字版にした「世嘉●(頭の簡体字)文字D ARCADE STAGE6双重皇牌 全国●●(対戦の簡体字)版」で、まず10日に28店、125台でネットワーク対戦ができるようになり、その後さらに接続台数を増やしていき、来年夏までに350店、1,500台でネットワーク対戦ができるようになる予定。同様に第2弾として、カードを使用する「覇・三国志大戦2」を12年3月に投入する。

 .コナミデジタルエンタテインメントは12月6日、メダルゲーム場に設置されている同社製メダルゲーム機をすべて、同社が構築したネットワーク「ミリオネット」でつなぐ装置「ミリオンアダプター」を順次出荷する、と発表した。これまで「ミリオネット」対応機種と非対応の機種が混在していたが、非対応機種も「ミリオンアダプター」を取り付けることにより、「ミリオネット」につながることになったもの。同社製メダルゲーム機で遊ぶには、まずミリオネットで「e−Amusement」パスを使って認証、メダル数を確認、これを元にしてメダルゲームをプレイし、メダル数が残った場合、直接その機械でメダル預けする。「ミリオネット」でつながったことにより、客同士の期待感共有、店舗内競技開催などが可能になるほか、店舗経営を効率化できるとしている。

 .大阪府は12月12日、09年に閉園した遊園地「エキスポランド」の跡地(吹田市)の再開発事業者に、教育や異文化交流をテーマとする複合型エンタテインメント施設の開発を提案した三井不動産(東京都中央区)を選定したことを明らかにした。エキスポランドは07年に遊園施設による死亡事故を起こし、09年に再建を断念した。日本万国博覧会記念機構から土地活用を任された大阪府が、年間500万人の集客などを条件に開発事業者を公募、9月までに三井不動産、燦キャピタルマネージメントの2社が応募し、三井不動産に決まったもの。三井不動産案では、現在使われていない約17万uの土地に教育と娯楽を融合するエデュテイメントを柱に、大屋根のある広場、スポーツ施設、社会教育施設、観覧車、商業施設などを、16年9月までに建設する予定としている。

 .米国フロリダ州オーランドにある「ユニバーサル・オーランド・リゾート」内に10年6月オープンしたハリー・ポッターのテーマゾーン「ハリー・ポッターの魔法の世界」が大変人気を集めていることから、カリフォルニア州ハリウッドにある「ユニバーサル・スタジオ・ハリウッド」にも建設することが12月6日、ワーナー・ブラザーズ・エンタテインメント社、ユニバーサル・パーク&リゾーツ社から正式に発表された。これとともにオーランドの「ハリー・ポッターの魔法の世界」も拡張することが決まっているが、ハリウッドでの建設計画とともに、いずれ具体的に明らかにするとのことで、今のところ詳細は分からない。「ハリー・ポッター」シリーズの原作者、J.K.ローリングさんもオーランドでの実績に満足している。なお日本・大阪のユニバーサルスタジオでの建設予定については、今のところ未定。

 .ロシアの首都、モスクワに世界最大規模で、回転軸のない新構造の観覧車の建設が計画されている。ロイターなどが伝えるところによると、仮称「モスクワ・ビュー」の高さは220mで、208mの中国・北京「ベージン・グレートホイール」、165mの「シンガポールフライヤー」、135mの英国「ロンドンアイ」より大きく、世界一となる。しかも構造は回転軸のないスポークレスで、円形の枠組みの内側にあるレールに沿ってゴンドラが回っていくというもの。東京ドームシティアトラクションズの「ビッグ・オー」は形が似ているが、円形枠の外側を回る点が異なる。米国のゲンスラー社が設計した。ゴンドラの定員、個数、一回転する時間など未定。建設予定地は3ヵ所あるがどれになるかは未定。なお観覧車の足元にはレストラン、ギャラリーなどを含む商業施設を予定している。観覧車、商業施設を含む建設費は3億ドルを見込んでいる。

 .サンリオは12月6日、新設した完全子会社の英国サンリオ・グローバル社を通じて、有力キャラクターを持つ英国ミスターメン社(ロンドン)を買収した、と発表した。ミスターメン社は、ロジャー・ハーグリーブス氏が描いた絵本のキャラクター、「ミスターメン」、「リトルミス」を持つキャラクターライセンス事業会社。「ミスターメン」などは欧州や豪州でよく知られているキャラクター。これまでコリオン社(ロンドン)が所有してきたミスターメン社の全株式を12月5日、サンリオ・グローバル社(ロンドンで12月1日に設立、鳩山玲人代表)が100%取得した。買収に要した金額は明らかにしていないが、30億円と見られている。なおサンリオが海外のキャラクター事業会社を取得するのは初めて。

 .東京ドームは、1月末に遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」のマッドマウス型遊園施設「スピニングコースター舞姫」で発生した乗客の死亡事故に関連して、社員ら7名が業務上過失致死の疑いで東京地検に書類送検されていたが、12月6日に起訴猶予処分になったと発表した。7名の内訳は執行役員1名と従業員6名で、アルバイトの大学生らは送検されていない。同社は検察の判断を厳粛に受け止め、この事故を風化させず、一層の安全対策を徹底すると説明、事故を起こした遊園施設は今も営業停止にしている。同社は事故後、遊園地全体の営業を一時自粛、調査委員会の報告を4月に公表、その後の経緯と安全対策も公表するなど、事故原因に対して正面から向き合ってきており、事故処理方法について今後のモデルになると見られている。

 .ネクストジャパンホールディングスは12月13日、第1・四半期(8−10月)決算を発表、売上高は7%減の8億2千万円、営業利益は17%減の28万円、経常利益は16%減の2千9百万円、純利益は26%減の2千4百万円だった。いぜんとして債務超過に陥っている。ゲーム用景品の売上高は6%増の5億千3百円、営業利益は30%減の2千3百万円、「JJクラブ」などゲーム場の売上高は39%減の1億7千3百万円、営業利益は7倍の9百万円、不動産の売上高は17%増の1億3千2百万円、営業利益は6%減の2千7百万円だった。ゲーム場は5月に2店減り、現在は神奈川2店、千葉1店、広島1店の計3店になるまで少なくなった。なおアドアーズ株式を33%所有しており、アドアーズを関連会社とする「持分法による投資利益」約1億9千万円を計上している。

 10.オペレーター会社の泣zクエープラン(新潟市北区島見町、高野敦代表)が11月下旬に自己破産を申請、新潟地裁は11月29日に破産手続きの開始を決定した。負債は約2億5千万円と伝えられている。新潟、新発田、佐渡など新潟県と酒田など山形県で「遊」ブランドでゲーム場を運営してきた。経営規模は比較的小規模なようで、破産法に基づく簡易配当を採用するので、異議があれば破産再建の届け締め切り(1月24日)までに異議申し立てをしなければならないとしている。

  

 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。