2011年11月1日号Last updated on October 15, 2011
特報
 セガ社中間期は遊技機など好調で、業績予想を大幅上方修正した。

 タイトーはイベント通じ、新作カードゲーム機をキャビネットだけ披露。

海外
 アタリ社「ブレイクアウト」に逸話の残るジョブズ氏が死去した。

 米国ウォルトディズニー社のアイズナー社長は来春会長になる。

国内

 サノヤスヒシノ明昌、持株会社と子会社を設立、1月にすべて移管。
 
 トヨタ自動車で、巨大クレーン機を使ったCM撮影するイベント。


2011年11月1日号のニュースダイジェスト
写真はAMショーにて、上はタイトーの小間で「ネシカクロスライブ」用タイトル「ペルソナ4−ジ・アルティメット・イン・マヨナカアリーナ」(開発はアトラスとアークシステムワークス)など、下はセガ社の小間で海外向け「バーチャテニス4」を紹介しているようす。


20年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポに出展した業者が、ゲーミング機を違法販売した容疑で捜査当局に摘発された。ナムコは「プラボ千日前」に「ギャラクシアン3」を設置した。セガ社は静岡「コスパル」に「CCDカート」など設置した。三和電子の斉藤隆社長が63歳で客死した。(1991年11月1日号)

30年前の主なニュース

 JAMMAはAMショー開催に伴い、米欧のメーカー団体との国際会議を開き、TVゲームの著作権保護を確認した。セガ社「フロッガー」のコピー基板を販売したダイワに製販禁止の仮処分が出た。米国ディズニーランドが入場・利用のチケット制に加え、パスポート制を導入した。(1981年11月1日号)



【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーHDは10月5日、第2・四半期までの6ヵ月間(4−9月)の業績予想を、売上高1,500億円(5月の前回予想では1,650億円)、経常利益120億円(10億円)、中間利益20億円(30億円の損失)と、売上高は前回予想を下回るものの、経常利益は大幅に増え、中間損益は赤字から黒字に転換する見通しとなった。遊技機がパチスロで52千台(前回予想は42千台)、パチンコが181千台(235千台)見込まれる上、海外家庭用が低調だったので、売上高は前回より下回るが、遊技機で利益率が改善、業務用販売とゲーム場運営が前回を上回って好調に推移していることから、利益面で回復を強める見込みとなった。第3・四半期に出荷予定の主力製品も好調なので、通期(12年3月期)業績予想も近く修正する見通しだ。

 2
.タイトーは10月8−9日、東京の日比谷公園で開催された「第18回鉄道フェスティバル」に参加出展し、来春出荷を予定している「カードで連結!電車でGO!」の開発を明らかにした。このイベントは1872年10月に日本で初めて新橋−横浜間を鉄道が走ったことにちなんで、1995年以降開催されているもので、「電車でGO!」(97年3月)シリーズを開発してきたタイトーは、これまでにも何回か出展してきたが、今回は新作を子ども用カードゲーム機として開発していることを、試作機(プロモーションビデオのみでプレイできない状態)のキャビネットで披露、小さなカード型チラシを配布した。これまでの「電車でGO!」、「電車でGO!2高速編3000番台」(98年8月)、「電車でGO!3通勤編」(00年3月)は各1台フリープレイで提供、訪れた客がゲームを試す長い行列ができた。

 3
.米国アップル社の創業者で前CEOのスティーブ・ジョブス氏(56歳)が10月5日に病死したことについて、世界中のパソコン利用者からかれの氏を悼む声が相次いでおり、その画期的な業績が改めて評価されている。だが、ジョブス氏がアップルコンピュータ(現アップル社)をステイーブ・ウォズニアック氏らと77年1月設立する前に、アタリ社に74年4月に入社し、「ブレイクアウト」などの開発に関わったことまで触れているものはさすがに少ない。しかしアップル社の最初の製品とも言える初のパソコン「アップルT」と「U」の開発に取り組んでいた74−77年は、ウォズニアック氏が「ブレイクアウト」の部品減らし回路に携わったころと重なっており、当時「無限の可能性」に向かって進んでいた業務用業界の新鮮な息吹を思い起こさせるところである。詳しくは小社単行本「それは『ポン』から始まった」参照。

 4
.米国ウォルトディズニー社は10月7日、取締役会の議決事項として、ジョン・ペッパー会長(73)が12年3月の株主総会を機に退任するのに伴い、ロバート・アイガー社長兼CEO(60)が会長兼CEOとなり、15年3月までCEOにとどまり、16年6月まで会長にとどまることになった、と発表した。アイガー氏がCEOに就任したのは05年だったので、10年間CEOにとどまることになる。このトップ人事は同社が経営陣の安定を図るとともに、円滑に新体制に移行したいとする取締役会の意思を反映するもので、少なくとも20年間も会長兼CEOの職にあったマイケル・アイズナー氏のような混乱は避けることになる。15年3月までにアイガー氏に代わる新CEOが決まる予定だが、だれがなるかは未定。ただ、トマス・スタッグズ・テーマパーク部門会長や、元テーマパーク部門会長のジェイ・ラスロCFOらの名前が挙がっているとのこと。

 5
.エスケイジャパンは10月12日、第2四半期までの6ヵ月(3−8月)決算を発表、売上高は12%減の42億9千9百万円、経常利益は64%減の8千百万円、中間利益は41%減の5千万円だった。一日前に業績予想を大幅下方修正していた。主力のキャラクターエンタテインメント事業のうち、アミューズメント部門(プライズ)が前年同期にヒットした「スージ・ズー」の反動と、ヒットキャラクターの不在により減収となった。またセールスプロモーション部門の雑誌付録OEM、製薬会社向けノベリティも振るわなかったとしている。通期(12年2月期)の業績予想は変更していないが、近く発表するもよう。

 6
.サノヤス・ヒシノ明昌は10月3日、持株会社の「サノヤスホールディングス」(大阪氏北区中之島、上田孝社長)を設立、事業を造船、陸上(建設機械)、レジャー(遊園施設)、サービスの4部門に再編して、来年1月4日にすべて移管することになった。うちレジャーグループは1月4日付で既存のサノヤス・ヒシノ明昌を継承して「サノヤス・ライド」(住之江区北加賀屋、白神敬治社長)に改称、明昌ネットワークはサノヤス・ライドの完全子会社の「サノヤス・ライドサービス」(同、前田勉社長)になる。なお主力事業である造船グループは新子会社の「サノヤス造船」、陸上グループは「サノヤス建機」をそれぞれ10月3日付で設立、1月4日に新会社に移管する。その結果持株会社は14社を傘下に置くことになる。

 7
.アドアーズは10月7−23日の期間、10万円の旅行券が当たるイベントを国内全直営店で実施する、と6日に発表した。同社は9月2日、海外初の店舗となる「アドアーズ・サンズ・マカオ」を開設したのを記念して、上記期間だけ特別イベントを実施することにしたもの。参加方法は同社直営店専用のメダル貸出機でメダルを3千円分受け取ると抽選券1枚(千円分だと補助券1枚)が進呈され、抽選券2枚(または補助券6枚)を応募用紙に貼って会員番号など記入してエントリーすると、抽選の結果、29日に各店で当選者が発表されるというもの。1等の10万円の旅行券は10名に当たり、2等のメダル千枚は50名に当たることになっている。参加賞(メダル50枚)は参加したらだれでももらえる。同社社員などは参加できないなどの規定がある。旅行券の使途は制限されない。

 8
.規模が世界最大の「UFOキャッチャー」が東京・六本木に登場して、話題になっている。これはトヨタ「ラクティス」の販売促進イベント、「ビッグシェア」として、トヨタマーケティングジャパンが六本木ヒルズのアリーナに「ラクティスUFOキャッチャー」を特設したもので、大きさは3階建てのビル並みの幅12.1m×奥行13.3m×高さ9m。UFO部分は「ラクティス」の車体を横から見たデザインになっており、参加者が操作してキャラクター「ラクマ」の巨大景品(全長1.8m)を、見事ピックアップしたとき払い出すドロップボックスもある。10月8−9日にイベントを実施、応募した家族連れが順に操作し、そのようすをCM撮影、出来上がったCMは11月上旬からテレビで放映される予定。なお、「UFOキャッチャー」の商標を持つセガ社からは了承を得ているとのこと。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。