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米国MGMグランド社はテーマパーク建設計画を発表した。「テトリス」の作者、パジノフ氏が米国BPS社に転職した。コナミは神戸・西神の技術研究所完成を披露した。トーゴは米国子会社を設立した。セガ社は家庭用16ビット機で伸ばし、大幅増収増益になった。(1991年6月15日号)
「ギャラクシアン」許諾契約をめぐる訴訟で、ナムコは日本物産と法廷和解した。警視庁保安1課が、データイースト「テレジャン」は雀荘用遊技施設と結論付けた。米国オハイオ州控訴裁は、TVポーカーはギャンブル機で、設置は違法と判決を出した。米国サーコマ社はIGTに改称した。(1981年6月15日号) 【ニユースダイジェスト】 1.東南アジア市場を対象とする業務用AM/ゲーミング機器展、GTI台湾11(5月5−4日、台北・世貿中心)には前回並みの約100社が7%減の620小間に出展した。日本からはバンダイナムコゲームスが、海外初の披露となる「鉄拳タッグトーナメント2」を筆頭に「弐輪(ニリン)」など一連のTVゲーム機を紹介、セガ社はセガアミューズメンツ台湾を通して「ゴールデンガン(神銃)」、「グリッド」などを出品、アールエスは電子ダーツ「ラジカルダーツ」を紹介した。GTI台湾はIGSなど台湾のメーカーと、広東省広州市を拠点とする中国メーカーとの提携ぶりを強調するものになっており、09年から同系の「GTI広州」(8月)が中国で催されている。このほか中国では、中国(広州)国際電玩展(3月)など大きな展示会が、次々と開催されるほど活発になっている。 2.【GTI台湾11の続き】GTI台湾で(中国または台湾の)目立った新製品は、IGS/テ象「三国戦記3」(ナイツ・オブ・バラ3)、「スピードドライバー3」、「パワートラック」、インジョイモーション/領航「プロジェクト・エックスファー」、セイントファン/尚芳「ファーストビート」など。IGS製品は中国で華立電子から発売されている。メガ/美嘉はセガ社「プロジェクトディーヴァアーケード」、「巨人方塊」(デカリス)に力を入れていた。以上はすべてゲーミングの要素のないもので、ゲーミング関連のものはスロットマシン、ビンゴピンボールなどさまざまな種類の遊技機が各社から出品されているが、中国・台湾とも賭博は禁止されており、どこでどう使用されているのかは不明。台北など街中では賭博とはいえない射的、金魚すくい、スマートボールの類と多数のクレーン機が見受けられた。 3.ユニバーサルエンターテインメントは5月19日、11年3月期決算を発表、売上高は14%増の450億円、経常利益は5.8倍の66億円、最終利益は76%減の44億円だった。分野別で遊技機の売上高は17%増の427億円、営業利益は0.7%増の120億円、その他の売上高が22%減の26億円、営業損失が9億円(前年7億円)だった。営業外でフィリピンのペソ高・米ドル安が進展し、15億円の為替差益が発生。また持分法適用関連会社である米国ウィンリゾーツ社に関わる投資利益6千6百万円(前年245億円)を計上した。12年3月期は売上高520億円、経常利益114億円、最終利益85億円を見込んでいる。ラスベガスカジノは回復していないが、マカオのカジノ市場は驚異的に成長している、としている。 4.ゲオディノスは5月9日、11年3月期決算を発表、売上高は19%増の86億6千3百万円、経常利益は222%増の1億6千万円、当期利益は22%減の4千3百万円だった。売上高の内訳は、ゲーム場が11%増の36億7千2百万円、ディノス事業(ボウリング、映画、FA)が14%減の21億5千4百万円、フィットネスが91%増の19億8千4百万円、カフェが102%増の6億8千5百万円、その他が73%増の1億6千5百万円。05年以来ゲオの72%子会社になっており、ゲーム場は10年末現在ディノスパーク8店、ゲオパークなど11店。またコーエーテクモHDは5月9日に11年3月期決算を発表、うちゲーム場の売上高は11%減の29億7千2百万円、営業利益は109%増の2億3百万円だった。子会社コーエーテクモウェーブが担当する業務で、16店ある。 5.セガサミーHDは4月30日、米国子会社でゲーム場を運営してきたセガゲームワークスUSA社(イリノイ州シカゴ郊外)を米国の投資家グループに売却、新会社のゲームワークス・エンタテインメント社(ラスベガス、スティーブ・ドーナーCEO)が引き続き運営していることが判明した。「ゲームワークス」チェーンは発足当初から問題を抱えていたが、10年春にリストラを断行してロケーションを約半数に削減、(97年にオープンした最初の)シアトル店、ラスベガス店、カリフォルニア州オンタリオ店、アリゾナ州テンペ店、イリノイ州ショウンバーグ店、シンシナティ店、ツーソン店の7店になっていた。新会社のゲームワークス社は最新AMゲーム場とレストランを提供し続けるとのこと。セガサミーは今年度計画で海外7店を閉鎖するとしており、やっとゲームワークスを処分できたことになる。 6.英国の「ロンドンアイ」(高さ135m)より大きい「スカイビュー・ラスベガス・スーパーホイール」(152m)の建設計画が動き出すことになったと、米国コンパス・インベストメント社(ハワード・バロック代表)が5月27日に発表した。ラスベガス大通りとマンダレイベイロードが交差する地点に、1億7千5百万ドルかけてこれとローラーコースター、大規模商業施設を建設、13年夏までにオープンする予定で、整地作業に取り掛かった。「スカイビュー」自体は20−25人乗りの見晴らしのいいカプセルが40個、ゆっくりと回転するもの。しかし、シーザーズ・エンタテインメント社がフラミンゴホテルの近くに同様の観覧車を建設する計画を明らかにしており、二つも出来れば共倒れするので、ラスベガスでの観覧車建設計画は一種の「チキンレース」状態に入ったと見られている。 7.東京ドームは、1月末に遊園地「東京ドームシティアトラクションズ」のマッドマウス型遊園施設「スピニングコースター舞姫」で発生した乗客の死亡事故のため遊園地全体の営業を自粛してきたが、10機種の遊園施設の安全対策が確認されたので、6月1日にこれら10機種について営業を再開する、と5月27日に発表した。同社が設置した事故調査委員会は4月に調査報告書を公表、その後の経緯や安全対策などについても公表した。「スピニングコースター舞姫」はすでに撤去、10機種以外についても安全対策が確認され次第営業再開する予定。同社による遊園施設事故処理の方法は完全に近いもので、今後考えられる遊園施設の事故処理方法について業界でのモデルになると見られている。なお同遊園地の料金と営業時間はこれを機に一部変更された。 8.アドアーズが第三者割当増資を実施、ネクストジャパンHDが引き受けることを、両社は5月24日に発表した。アドアーズが大幅損失を計上したことにより、金融機関からの融資継続が困難になるのを避けるため、資本提携先のネクストジャパンに依頼、合意したもの。アドアーズは6月28日に開かれる定時株主総会で承認を受け、千5百万株を一株54円で増資(8億1千万円)、これをネクストジャパンが引き受けて出資、結果としてネクストジャパンは議決権ベースで2位(25%)から筆頭(34%)株主になる。GFファンド投資は筆頭(39%)から2位(34%)株主になる。増資分は有利子負債(1月末で117億円)の削減に充てる予定。このため5月24日付でアドアーズの中川健男社長は代表権を返上、ネクストジャパン会長でアドアーズ取締役の藤沢信義氏が代表権のある会長に就任する。 9.米国連邦政府の独立機関である「全米芸術基金」(NEA)は12年度予算を機に、TVゲームを同基金の対象となる芸術と分類して注目されている。この決定は、今夏にも連邦最高裁判決が出ると予想されているカリフォルニア州対家庭用TVゲームソフトウェア協会訴訟に、重大な影響を与えるわけではないが、考え方を変えるかもしれないと見られている。NEAは今年度ガイドラインで、「インターネット、インタラクティブ&モバイル技術、そしてデジタルゲームなどのメディアプラットホーム上で提供するもの」を「メディアアーツ(芸術)」に含める、とした。また、ワシントンDCにあるスミソニアン博物館のひとつ、アメリカン美術館でも12年3−9月に、家庭用ゲームソフトなど80作品を展示する「アート・オブ・ビデオゲームス」を開く予定で、その準備が進められている。 10.イオンファンタジーの社長や会長を勤めた中下善昭氏(61)が広島県の副知事に起用される見通しになった。湯崎英彦知事が5月19日の定例記者会見で発表したもので、総務省から出向中で6月の定例県議会後に退任する有岡宏副知事(52)の後任として、県議会で人事案への同意を求める。広島県が副知事に民間人を起用するのはこれが初めて。中下氏は広島県呉市出身で74年に中大経卒、ジャスコ(現イオン)入社、02年スポーツ&レジャー事業部長、03年イオンシネマズ社長、04年5月イオンファンタジー社長、10年5月から11年5月17日まで同会長を勤めた。湯崎知事は昨年知人に中下氏を紹介され、12月に就任を要請したという。城納一昭副知事(63)との副知事2人制を継続する。 11.民間の信用調査機関によると、老舗ゲーム場「フレンド」を経営してきた椛蜷カエンタープライズ(北九州市八幡西区黒埼、吉沢雄一代表)と関連のエフ・アール・ティーレジャー産業梶i同、同)が5月17日に業務を停止、自己破産申請の準備に入った。負債は大生が3億円、FRTが1億5千万円の計4億5千万円と見られている。大生は79年創業、FRTは99年創業で、それぞれ大型スーパーマーケットのゲーム場やボウリング場を経営していたが、売り上げ不振に陥り、不採算店を閉鎖していたとのこと。 2012年1月30日続報=福岡地裁小倉支部は1月20日、上記2社の破産手続き開始を決定した。 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。 |