2010年12月15日号Last updated on December 1, 2010
特報
 米国IAAPAエキスポ10はゲーム機の展示が充実した。

 ウォルトディズニー社の10月決算は好調だった。

海外
 セガ社は合弁会社を通じて、中国での生産販売を開始する。

 米国ギャンブル機展、G2Eを前にIGT社は200万台目生産を祝った。

国内

 コナミは業務用ゲーム機でネット配信と課金を開始する。

 新潟のミヤサンが経営不振により業務を停止した。


2010年12月15日号のニュースダイジェスト
写真は米国IAAPAエキスポ10にて、上はナムコアメリカ社の小間で新作「デッドヒート」を引き立てる2人のモデル嬢、下はセガ・アミューズメンツUSA社の小間で新作「グリッド」を試しているようす。


20年前の主なニュース

 AOUは初の「技術研修会」と初の「全国大会」をそれぞれ仙台で開いた。サノヤスは取得した明昌特殊産業を吸収、サノヤス・ヒシノ明昌に改称することを決めた。IAAPAの国際理事に山田數夫トーゴ社長が選任された。SNKネオジオの「一本用ハードキット」がタイトー、カワクスから発売される。(1990年12月15日号)

30年前の主なニュース

 ゲーム機を物品税課税対象に加えることを大蔵省が検討していることが判明した。全日本遊園協会(JAA)は解散総会前の理事会を開催した。米国ミッドウェー社は訴訟相手のユニバーサルと和解した。日本物産は「クレージークライマー」を国内3社に許諾した。ローラートロンが発足した。(1980年12月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.米国IAAPAエキスポ10(11月16−19日、オーランド)には、33ヵ国から1,140社(前回はラスベガスで1,074社)が出展、96ヵ国から約2万5,000人(2万3,800人)が登録入場し、うちバイヤーは1万4,800人(1万4,400人)だった。今回は特に小型ゲーム機関係の展示が充実したが、これはAMOAエキスポがなくなり、中国メーカーが活発で数多く出展したことによる。日系出展社では、セガ・アミューズメンツUSA社がコードマスター社家庭用を元にしたレースゲーム「グリッド」、ガンゲーム「ゴールデンガン」(神銃)などを、ナムコアメリカ社が高解像度レースゲーム「デッドヒート」、ロボティックAM社のロボット対戦ゲーム「ロボレスル」などを披露した。米国ベトソン社はロースリルズ社のガンゲーム「ビッグバック・ワールド」、レースゲーム「F&Fスーパーカーズ」、「スーパーバイクス2」を紹介した。

 2
.【米国IAAPAエキスポ10の続き】米国アドレナリンAM社はタッチスクリーンを使った「タッチFX」、クァジモト社はマイクロソフト家庭用周辺機器を使った「レッツ・キネクト」を発表した。主な中国のメーカーでは、UNIS(世宇科技)社がガンゲーム「フォレストガーディアン3D」、レースゲーム「クレージースピード」など、ゴールデンドラゴン(龍城)社がレースゲーム「3Dトップスピード・シティ」、ガンゲーム「ブラッディーバトル」、テックウエー/ベルレア・アミューズメント社がガンゲーム「ディノ・サバイバー3D」など、香港のゲームプラス社(富佳娯楽)は音楽ゲーム「モザーク」、カエル版もぐらたたき「ボロン」を紹介した。ワーラップ(華立電子)社は出展しなかった。台湾のインジョイモーション社は「ディド・カート」などTVシミュレーターを出品した。韓国のシミュライン社はシミュレーター「アクアレース・エクストリーム」を紹介した。

 3
.スロットマシンなどギャンブルマシンの世界的な展示会、第10回「グローバル・ゲーミング・エキスポ」(GE2)の開催(ラスベガス、11月16−18日)に伴い、世界最大の賭博機メーカーであるIGT社(本社ネバダ州リノ)は、株式公開した81年以来200万台目のTVゲーミング機を生産した、と発表して十周年記念事業を盛り上げた。豪州アリストクラット社の子会社であるアリストクラット・テクノロジーズ社と米国バリー・テクノロジーズ社はビデオ画面に関する技術提携したと発表、またWMSゲーミング社とコナミゲーミング社はネットワークゲーミングシステムに関し共通化することで合意したことを明らかにした。日系ではコナミのほかアルゼゲーミング社が出展した。またカジノホテルを経営するハラーズ・エンタテインメント社は11月24日、社名をシーザーズ・エンタテインメント社に変更した。

 4
.米国ウォルトディズニー社は11月11日、第4・四半期決算と10年10月期決算を発表、10月2日までの年間売上高は5%増の380億ドル、営業利益は14%増の75億ドル、純利益は20%増の39億ドルと好調だった。部門別ではメディアネットワーク(CATV・放送)の売上高が6%増の171億ドル、営業利益が8%増の51億ドル、テーマパークとホテルの売上高が1%増の107億ドル、営業利益が7%減の13億ドル、映画などスタジオ・エンタテインメントの売上高が9%増の67億ドル、営業利益が4倍の6億ドル、キャラクター商品など消費者向け商品の売上高が10%増の26億ドル、営業利益が11%増の67億ドルなどとなっている。

 5
.セガ社は11月26日、現地合弁会社を通じて、業務用AM機器の製造販売の許可を中国政府から取得、11年春から販売を本格的に展開することになった、と発表した。セガ社と中国の投資会社、上海精文投資有限公司(本社上海)は09年に合弁会社、精文世嘉(せいぶんせが)有限公司(本社上海)を設立、許可申請していた。セガ社によると、中国では2000年以来、業務用機器の製造販売が禁止されていたが、今年から規制緩和により法規制が緩和されてきた。特に今回の許可は、精文世嘉の協力により中国におけるモバイル事業で実績のある世嘉軟件有限公司(本社上海)が中国市場向けゲームソフトを開発したことにより実現したもので、製品のコストを下げ、中国市場に適した価格で業務用を展開できるとしている。

 6
.タイトーは11月24日大阪(29日東京)で新作展を開催、12月から出荷開始する「ネシカクロスライブ」のセット、配信ゲームソフトを中心として、「ダライアスバースト・アナザークロニクル」(12−3月)、「ソニックブラスト・ヒーローズ」(2月)など紹介した。「ネシカクロスライブ」の配信ゲームソフトについては、アークシステムワークスの新作「ブレイズコンティニュアムシフトU」のほか、SNKプレイモアのネシカ用「KOF98アルティメットマッチ・ファイナルエディション」、「KOF2002アンリミッテッドマッチ」など既発売基板ゲームソフトのバージョンアップ版と、同様に「ネシカクロスライブ」用ソフトに参加するメーカー、タイトルを紹介した。

 7
.コナミデジタルエンタテインメントは11月18日、業務用ゲーム機の新しい供給システム「イーアミューズメント・パーティシペーション」を開始すると発表した。これはオペレーターに業務用ゲーム機や付属機材を低価格で販売、オンラインでゲームモードやキャラクターを追加したり、また次々とコンテンツを配信したりできることを前提に、プレイ料金をオペレーターとコナミで分配(課金)するシステム。11月中旬に出荷される予定の「麻雀格闘倶楽部・アルティメットバージョン」から順次実施する。コンテンツ配信とオペレーションインカムの課金システムを組み合わせたもので、似たような課金方式としてバンダイナムコ、セガ社に次ぐ、またゲームソフトのネット配信でタイトーに次ぐものと考えられている。

 8
.信用調査会社によると、新潟の潟~ヤサン(新潟市南区下塩俵、田中聡社長)が11月15日、事後処理を弁護士に一任して業務を停止した。負債は約14億円。82年2月、現在会長の宮田政三氏が社長となって設立したゲーム場、食堂、麻雀クラブなどの運営会社。「チャンス」、「トップ」、「ミヤサン」などのグループ店として白根、笹口、藤巻、原町、柏崎などで、ゲーム場、食堂、麻雀クラブ、パチンコ店、ダーツバーを展開してきたが、長引く不況で経営不振に陥っていた。06年度売上高は30億円。06年に従業員は約140名いたとされている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。