2010年12月1日号Last updated on November 15, 2010
特報
 米国ディズニー社が中国・上海申迪集団と契約した。

 スクエニの中間決算は家庭用が大幅後退、AMは安定した。

海外
 社歴75年以上の米国C・A・ロビンソン社が会社整理に入った。

 UAEのアブダビで「フェラーリ・ワールド」がオープンした。

国内

 オリエンタルランドの中間決算は好調に推移した。

 ラウンドワンは赤字、アドアーズは大幅減益だった。


2010年12月1日号のニュースダイジェスト
写真はAMショー10にて、上はバンダイナムコゲームスの小間でシアタータイプの「デッドストームパイレーツ3D」、下はセガ社「頭文字アーケードステージ6AA(ダブルエース)」を披露しているようす(いずれも11年春出荷の予定)。


20年前の主なニュース

米国連邦議会は1年後からTVゲームの並行輸入を認めるという時限法を可決した。コナミ「TMNT」がヒットしているが、米国AMOAエキスポ90(ニューオーリンズ)自体は盛り上がりに欠けるものとなった。国際映像ソフトウェア推進協議会はTVゲーム開発に関するセミナーを開いた。(1990年12月1日号)

30年前の主なニュース

 ナムコが全面協力する「第1回全日本マイクロマウス大会」が科学技術館で開かれた。関西精機製作所は「スターファイブ」を英国ストリート社に製造許諾、日本物産は「ムーンクレスタ」を米国グレムリン社などに製造許諾した。米国AMOAエキスポに日本から120名以上が訪れた。(1980年12月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.オリエンタルランドは11月4日、9月中間(4−9月)決算を発表、売上高は3%増の1,797億円、経常利益は78%増の275億円、純利益は68%増の160億円と好調だった。10月28日に中間期と通期の業績予想を上方修正していた。中間決算を部門別にみると、テーマパークの売上高が9%増の1,457億円、営業利益が92%増の235億円、ホテルの売上高が5%増の231億円、営業利益が28%増の47億円、その他(イクスピアリ、シアトリカル、モノレールなど)の売上高が8%減の108億円、営業損失が6億8千万円で、前年までのリテイルはなくなった。11年3月期は売上高3,674億5千万円、経常利益486億7千万円、最終利益281億5千万円と減収減益を予想している。

 2
.バンダイナムコHDは11月5日、9月中間(4−9月)決算を発表、売上高は0.5%増の1,735億円、経常利益は50億円(前年同期は28億円の損失)、純損失は19億円(60億円)と赤字だった。有価証券評価損など特別損失39億円を計上した。部門別では、トイホビーの売上高が8%増の722億円、営業利益が88%増の70億円、コンテンツの売上高が2%減の714億円、営業損失が26億円(67億円)、ゲーム場の売上高が6%減の316億円、営業利益が44%増の15億円、その他の売上高が2%減の87億円、営業利益が4億円。コンテンツ売上高のうち、業務用は25%増の243億円、家庭用は7%減の275億円。直営ゲーム場は内外で4増14減の279店。通期業績予想は最終利益のみ18億円(前回予想は45億円)に修正した。

 3
.コナミは11月4日、9月中間(4−9月)決算(米国基準)を発表、売上高は1%増の1,157億円、営業利益は75%増の80億5千万円、税引き前純利益は79%増の72億2千万円だった。10月20日に業績予想を発表していた。部門別では、デジタルエンタテインメントの売上高が3%増の531億円、営業利益が3%増の46億円、ゲーミングの売上高が4%増の92億円、営業利益が12%増の24億円、健康サービスの売上高が1%増の438億円、営業利益が153%増の7億5千万円。デジタルエンタテインメント売上高の内訳は、ゲームソフトが28%増の266億円、アミューズメント(業務用)は1%増の76億円、カードゲームは24%減の109億円、オンラインは11%減の83億円だった。

 4
.スクウェア・エニックスHDは11月4日、9月中間(4−9月)決算を発表、売上高は25%減の680億円、経常利益は71%減の35億円、純利益は36%減の17億円と大幅な減収減益になった。11月1日に中間期業績予想を下方修正していた。部門別では、デジタルエンタテインメント(家庭用、携帯電話用など)の売上高が34%減の351億円、営業利益が50%減の64億円、アミューズメント(業務用とゲーム場)の売上高が9%減の235億円、営業利益が20%増の19億円、出版の売上高が4%減の75億円、営業利益が12%減の20億円、ライツ・プロパティの売上高が45%減の17億円、営業利益が68%減の4億円だった。主力の家庭用が後退しているが、通期業績予想は変更していない。

 5
.ラウンドワンは11月10日、9月中間(4−9月)決算を発表、売上高は2%増の415億5千6百万円、経常利益は21%減の31億千4百万円、純損失は55億6百万円(前年同期は20億9千5百万円の利益)と赤字に転落した。既報のとおり池袋の開発予定地を売却、賃貸契約したことに伴い、89億円の特別損失を計上したためで、通期業績予想も下方修正した。期末の施設は2店増の107店。売上高の内訳はアミューズメントが9%増の174億円、ボウリングが0.5%増の150億円、カラオケが2%増の32億円、スポッチャが3%減の43億円、その他が1%減の13億円。

 6
.アドアーズは11月9日、9月中間(4−9月)決算を発表、売上高は8%減の126億4千万円、経常利益は36%減の4億6千8百万円、純利益は47%減の1億8千5百万円と大幅な減収減益だった。部門別では、81店あるゲーム場の売上高が2%減の97億1千万円、営業利益が3%減の5億4千万円、設計・施工の売上高が29%減の22億2千万円、営業利益が55%減の2億2千万円、遊技機レンタルの売上高が10%減の1億3千万円、営業利益が14%減の2千5百万円、不動産の売上高が11%増の5億5千万円、営業利益が37%増の1億2千万円。11年3月期業績予想は変更していない。

 7
.ユニバーサルエンターテインメントは11月5日、9月中間(4−9月)決算を発表、売上高は43%減の114億9千万円、経常損失は24億6千万円(前年同期は14億千万円の利益)、純損失は36億円(7億8千万円の利益)と大幅減収で赤字転落した。来年初旬着工を予定しているフィリピンカジノ「マニラベイリゾーツ」の設計変更による特別損失10億円を計上した。部門別では、遊技機の売上高は45%減の103億3千万円、営業利益は90%減の6億千万円、その他の売上高は15%減の13億9千万円、営業損失は3億4千万円(5百万円)だった。中間期は利益面で業績予想を大きく下回る結果となったが、11年3月期業績予想は修正していない。

 8
.ゲオが11月5日に発表した9月中間決算で、アミューズメント事業の売上高は17%増の52億8千3百万円、営業利益は3千4百万円(前年同期は2億4千2百万円の赤字)だった。子会社のゲオディノス、ウェアハウスによる複合ゲーム場は12増の33店、またフィットネス13店、インターネットカフェ8店がある。一方、コーエーテクモホールディングスが8日に発表した9月中間決算で、アミューズメント施設(ゲーム場)運営事業は売上高が11%減の15億7千3百万円、営業利益は3.5倍の1億3千6百万円だった。子会社のコーエーテクモウェーブがゲーム場を運営している。またコーエーテクモHDは、8日付で松原健二社長が退任、創業者の襟川陽一取締役最高顧問が社長に就任した、というトップ異動を発表した。

 9
.AQインタラクティブは11月11日、9月中間(4−9月)決算を発表、売上高は24%増の35億9千8百万円、経常利益は6億9千6百万円(前年同期は5億5千3百万円の損失)、純利益は2億3千7百万円(4億千3百万円の損失)と黒字転換した。うち家庭用ゲームソフトは売上高が10億6千3百万円、営業損失が3千4百万円、ネットワークコンテンツは売上高が15億9千4百万円、営業利益が9億2千2百万円、業務用は売上高が9億3千9百万円、営業利益が1億5千4百万円だった。業務用売上高のうち業務用機器販売は5億7千3百万円、受託開発は3億6千6百万円。

 10
.米国ウォルトディズニー社は11月5日、中国・上海に計画しているディズニーランドの建設について、計画を担当する中国の新会社と協力協定を結んだことを明らかにした。新華社が報じた内容をディズニー社が確認したもので、中国の中央政府による最終承認を待つだけの段階となった。新会社は上海申迪(シェンディ)集団という国有企業で、5日にディズニー社と協定を締結した。建設費用は250億元(約37億5千万ドル=約3千億円)を見込んでおり、上海の浦東国際空港に近いリゾート開発用地(20平方km)の中核施設として予定されている。東京、パリ、香港に続く、米国以外のディズニーランドとして現在15年の開園を目指しているが、元の計画から少しずつ遅れている。

 11
.アラブ首長国連邦(UAE)の首都アブダビのヤス島にフェラーリのテーマパーク「フェラーリ・ワールド」が完成、11月4日に正式オープンした。F1のアブダビGPが開催されるヤスマリーナサーキットの隣接地に07年から建設されていたもので、はみ出すコース部分などを除いて、テーマパーク全体がひとつ屋根の下に設けられているのが大きな特徴となっている。急加速で世界最速のローラーコースター「フォーミュラ・ロッサ」、F430スパイダーを模した対決型コースター「フィオラーノGTチャレンジ」、高さ62メートルのタワー型「G−フォース」など約20種のアトラクションがある。営業時間は最長の日で10−24時。1日パスポート料金は225ディルハム(約5千円)。

 12
.米国有数のディストリビューター会社、C・A・ロビンソン社(カリフォルニア州ロサンゼルス、アイラ・ベテルマン社長)が11月15日までに業務を停止、会社整理を開始した。1936年にチャールズ・A・ロビンソン氏が設立し会社で、40−50年代に販売課長だったアル・ベテルマン氏が買い取り、全米で1、2位を争うディストリビューターに発展させた。アタリ社「アステロイド」で販売記録を樹立したことでも知られる。80年代後半以降はAMゲーム機とジュークボックス市場の縮小に伴い規模を縮小、90年代以降赤字経営に陥っていたが、従業員の雇用を守るため経営を維持してきた。在庫整理など残務処理のため、なお二、三ヵ月間かかるが、すべて整理する、とサンディ・ベテルマン副社長は8日に説明している。

 13
.米国バリー社とウィリアムズ社のフリッパーとそのパーツを再生する権利が次々と移転していることが分かった。99年10月にフリッパー事業を打ち切ったウィリアムズ・エレクトロニックゲームズ社は00年10月、イリノイ・ピンボール社に知的財産を含む独占的権利を許諾し、この権利は05年10月はるか離れた豪州メルボルン郊外のミスターピンボール・オーストラリア社(ピンボールファクトリー社)に移転、さらに今年10月には米国のプラネッタリ・ピンボール・サポート社(PPS)がピンボールファクトリー社を買収、米国に移転した。PPS社はベイエリア・アミューズメント社のリック・バートレット氏とサンノゼ在住の収集家、マット・クリスチアーノ氏による共同会社で、当面はパーツ供給を円滑にするという。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。