2010年11月1日号Last updated on October 15, 2010
特報
 30周年迎えた「パックマン」の展示会が開かれた。

 セガサミーHDは遊技機が回復、業績予想を上方修正した。

海外
 IAAPA執行部役員にフィリピンのマリオ・マーモン氏内定。

 米国S&Sワールドワイド社のオーナーが代わった。

国内

 ユニバーサルのオーナーが個人から法人に代わった。

 プローバグループの平本将人氏が死去した。


2010年11月1日号のニュースダイジェスト
写真は秋葉原で開かれた「パックマン−ゲーム&カルチャー展」で、上は展示会場のようす、下は10日午後のトークショーで(左から)、立命館大学のサイトウ・アキヒロ教授、高井商会の高井一美代表、おにたまの武田寧氏。

20年前の主なニュース

 JAMMA主催のAMショー90(会場TRC)の出展規模は前年並みだが、来場者は減少した。アタリゲームズ社「ピットファイター」は日本でコナミ工業が販売することを決めた。シグマはラスベガスのカジノホテル経営から撤退した。セガ社の株式は東証1部に指定替えになった。(1990年11月1日号)

30年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)主催の最後のAMショー(10月8―10日、晴海展示場新館)で開かれ、日本のTVゲームが世界をリードした。国内メーカーがそれぞれレセプションを開催、新作を海外メーカーに許諾した。アトランチックシティーにあるバリー社カジノ運営にストップがかかった。(1980年11月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.「パックマン」誕生から今年30周年になるのを契機に、そのゲーム&カルチャーを振り返る展示会が10月2―11日、東京・秋葉原のアーツ千代田3331で開かれ、大勢の人が詰めかけた。記念展実行委員会が主催、サイトウ・アキヒロ立命館大学映像学部教授が企画監修したもので、業務用「パックマン」シリーズはフリープレイできる状態で、アップライトやテーブル型など各種出品、さまざまな家庭用も展示されたほか、米国でテレビ放映されたアニメーション番組も紹介された。また2日には作者の岩谷徹東京工芸大学芸術学部教授、9日には細井浩一立命館大学映像学部教授、10日には高井一美高井商会代表と「おにたま」の武田寧氏らが、併催されたトークショーに出演して注目された。

 2
.セガサミーHDは9月30日、遊技機販売の回復に伴い、中間期と通期の業績予想を大幅上方修正した。9月中間期の売上高は2,170億円(7月の前回予想では2,050億円)、経常利益は445億円(335億円)、中間利益は245億円(170億円)と修正した。11年3月期の売上高は4,100億円(4,000億円)、経常利益は640億円(390億円)、最終利益は375億円(220億円)と修正した。パチスロが半年で20万台(計画は18万台)売れ、年間では30万台(21万台)、またパチンコが年間36万台(計画41万台)売れる見込みとなった。家庭用ゲームソフトは海外での新作ソフトが軟調だが、業務用のゲーム機販売、ゲーム場運営は堅調に推移していると見ている。

 3
.カプコンは10月4日、中間期と通期の連結業績予想を大幅に下方修正した。主力の家庭用ゲームソフトが国内で順調に推移しているものの、海外では看板タイトル「ロストプラネット2」など思うよう売れなかったほか、急速な円高により収益が落ち込んだため。9月中間期の売上高は405億円(5月の前回予想では453億円)、経常利益は28億円(47億円)、中間利益は17億円(29億円)と予想を修正した。11年3月期は売上高910億円(950億円)、経常利益110億円(140億円)、最終利益65億円(80億円)と修正した。

 4
.ケイブは10月13日、第1・四半期(6―8月)業績を発表、売上高は12%増の6億5千7百万円、経常利益は7千2百万円(前年同期は7千3百万円の赤字)、純利益は5千3百万円(5千百万円の赤字)と回復した。部門別売上高は、ソーシャルメディア・アプリが1億7千9百万円、インフォメーションプロバイダーが1億5千2百万円、オンラインが2億5千8百万円、ゲーム開発(家庭用と業務用)が6千7百万円となっている。業務用では「赤い刀」(8月)を発売した。

 5
.遊園地関係の国際的業者団体IAAPA(本部米国ワシントンDC郊外)の執行部の第3副議長に、フィリピンの「エンチェンテッドキングダム」のマリオ・マーモン会長兼社長が就任することになった。役員選考委員会が10月5日までに指名したもので、11月16日オーランドで開かれるコンベンションに伴い、正式に選任される。副議長職は毎年順に上がっていくもので、2014年には議長になる予定。IAAPAでアジアから執行部役員が出るのは、1918年の設立以来初めてのこと。マリオ・マーモン氏は92年に「エンチェンテッドキングダム」の建設運営責任者となり、99年から会長兼社長。フィリピン国内の業者団体の先頭に立つとともに、IAAPAでは92年以来、活動に積極的に参加、99年から理事。

 6
.ユニークなスリルライドのメーカーとして知られる米国S&Sワールドワイド社(ユタ州ローガン、リッチ・アレン社長兼CEO)のオーナーが代わった。9月30日、創業者のスタン・チェッケット氏が持株を、09年2月以来大株主となっていた投資会社ラーセン・マッコール社(ペンシルバニア州)に譲渡したことによるが、経営陣は変わらない。同社は94年に設立、垂直式の遊園施設「スペースショット」をヒットさせ、99年には究極のローラーコースター「スラスト・エア」(富士急ハイランドでは名称が「ドドンパ」)を出すなど、常に最先端の遊園施設開発で知られる。02年には倒産したアロー・ダイナミックス社を買い取った。

 7
.ユニバーサルエンターテインメント(旧・アルゼ)は10月8日、オーナーが形式的に個人から法人に切り替わったと発表した。10年3月末現在の大株主は岡田和生会長(31%所有)と長男の岡田知裕取締役(29%)だったが、2人を含む4人の親族の資産管理会社、オカダホールディングス(香港、岡田和生代表)を9月13日に設立、既存の資産管理会社である岡田ホールディングス(東京の合同会社、オカダホールディングスが代表社員)を完全子会社にし、岡田ホールディングスを通じて、オカダホールディングスがユニバーサルの株式の68%を実質所有することにした。その結果、形式的にこれらふたつの資産管理会社がユニバーサルの親会社となった。

 8
.平本将人氏(ひらもと・まさと=プローバグループ代表)が9月29日、心不全のため死去した。67歳。葬儀は平本家、プローバグループ、サンモールの合同葬として、10月4日午前11時から、広島市西区南観音の平安祭典広島会館で行なわれた。喪主は長男直樹(なおき)さん。広島県呉市出身。70年に祖父の経営するパチンコ店「ニューヒカリ」の専務、81年に社長、94年の再編(遊技場はプローバ、ゲーム場・カラオケなどはプロバックス、不動産はプローバジョイ)とともにグループ社長。95年からサンモール社長兼務。遊技業界、アミューズメント、カラオケなど幅広く業界団体の役員となり、AOUでは副会長、広島県協会長を務めた。

 9
.タイトーは10月13日、東京・渋谷の道玄坂に、国内最大規模のダーツ施設「ダーツスタジアム渋谷」を開設したことを明らかにした。場所は東急本店向いのフォンティスビル4階の約600uで、ここに最新の電子ダーツ「ダーツライブ2DX」など45台と「タッチライブ」3台を設置、年中無休で10時から25時まで営業する。タイトーは09年10月、西池袋のロサ会館8階に「ダーツスタジアム池袋」(ダーツライブ2EXなど7台設置)を開設しており、これに続くもの。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。