2010年6月15日号Last updated on June 1, 2010
特報
 「パックマン」が30歳を迎え、グーグルロゴになった。

 バンナムゲームスが小学校教科書を制作した。
海外
 米国任天堂はマジコンサイト運営者を提訴した。

 マレーシアで「メガタッチ」コピー品がまた押収された。

国内

 スクエニのAM部門は減収減益、ラウンドワンは増収減益だった。

 ゲオはウェアハウスをTOBで子会社化する。


2010年6月15日号のニュースダイジェスト
写真は台湾GTI10にて、上はバンダイナムコゲームスの小間で「デッドストーム・パイレーツ」、「タンク!タンク!タンク!」など、下はセガ・アミューズメンツ台湾の小間で「ボーダーブレイク」、「ハマー」、「テトリス・ジャイアンツ」など出品しているようす。

20年前の主なニュース

 米国エジソンブラザーズ社は、セガ社が持つタイムアウト社を買収すると発表した。米国版「PCエンジン」の業務用計画が挫折した。米国コナミ社のTVゲーム機「TMNT」が2万台を超えるヒット作となった。建設省は「花博」事故を機に再び、遊園施設の安全性に関する通達を出した。(1990年6月15日号)

30年前の主なニュース

 79年法人申告所得番付でタイトーが全国53位に踊り出した。米国ミッドウェー社は「ギャラクシアン」のコピー品に対する警告掲載を開始した。セガ社は新作展を開催、「カーニバル」やアタリ社「ミサイルコマンド」など披露した。ロジテック/富創商事はTVメダル機を披露した。(1980年6月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.バンダイナムコゲームスのTVゲーム「パックマン」が1980年に誕生して、今年30周年を迎えることから、さまざまな記念事業が行なわれているが、検索サイトのGoogle(グーグル)は5月22日から、「パックマン」ゲームができるグーグルロゴを制作し、注目されている。グーグルでは当初2日間だけ、各国版トップページのグーグルロゴをこの「パックマン」バージョンにしたところ、好評だったので、24日以降も別に設けて、英語版で遊べるようにした(http://www.google.com/pacman/)。Insert Coinを1回押すとパックマンプレイだけ、2回押すとミズパックマンとの対戦も可能で、あとはキーボードの矢印で操作するだけ。これで仕事中に遊んだ時間を話題にした報道まで出てきた。

 2.バンダイナムコゲームスがプロデュースした、小学校教科書が文部省の検定に合格し、11年度から小学校で使用されることになった。教科書出版の学校図書(本社東京)と共同制作したもので、5月24日に共同発表した。教科書は国語12冊、算数11冊と別冊1、理科4冊の計28冊ある。06年以来バンダイナムコゲームスが実施してきた小学校向け課外授業活動の中から、新鮮味のある教科書作りを目指して生まれてきた。ゲーム・コンテンツ制作に携わるエンタテインメント企業が教科書を制作したのは、これが初めて。例えば国語で、漢字の「動」は「力を入れておせば、重たいものだって動く」として、意味や構造を考えるよう工夫している。

 3.セガサミーホールディングスは5月14日、10年3月期決算を発表、売上高は10%減の3,846億円、経常利益は前年の5倍以上の367億円、最終利益は202億円(前年は228億円の赤字)と減収ながら黒字回復した。遊技機の売上高は1%減の1,606億円で営業利益は103%増の295億円、業務用の売上高は27%減の479億円で営業利益は3%増の70億円、家庭用の売上高は8%減の1,218億円で営業利益は63億円(前年は9億円の損失)、ゲーム場は国内が4増66減の260店となり、売上高は23%減の548億円で営業損失は13億円(75億円)。減損損失や有価証券評価損など特別損失119億円を計上した。11年3月期は売上高4千億円、経常利益390億円、最終利益220億円を見込んでいる。

 4.スクウェア・エニックスHDは5月18日、10年3月期決算を発表、売上高は42%増の1,922億円、経常利益は147%増の278億円、最終利益は50%増の95億円と3年ぶりに増収増益となった。部門別では、家庭用ゲームソフトの売上高が128%増の1,099億円で営業利益が254%増の238億円、AM(業務用とゲーム場)の売上高が13%減の529億円で営業利益が12%減の28億円、出版の売上高が11%増の143億円で営業利益が16%増の41億円、携帯電話向けコンテンツの売上高が7%減の101億円で営業利益が8%増の45億円、許諾料の売上高が46%増の54億円で営業利益が124%増の18億円。11年3月期は売上高1千6百億円、経常利益2百億円、最終利益120億円を見込んでいる。

 5.ラウンドワンは5月14日、10年3月期決算を発表、売上高は5%増の821億円、経常利益は20%減の78億4千万円、最終利益は15%減の33億9千万円と、ここ数年増収減益が続いている。店舗は94店に11店が加わり105店となった。売上高の内訳はゲーム場が4%増の334億円、ボウリングが9%増の307億円、スポッチャが3%減の89億円、カラオケが6%増の60億円、その他が18%増の29億円。実質有利子負債は1,080億円と1千億円を超えた。今期は初めて海外に進出、米国ロサンゼルス郊外のモール内に店舗を開設するほか、国内店舗をさらに増やす。11年3月期は売上高860億円、経常利益90億円、最終利益25億円と増収減益を見込んでいる。

 6.DVDレンタルのゲオは5月14日、ウェアハウスにTOB(株式の公開買い付け)を実施し、連結子会社にすると発表した。ゲオはウェアハウスの発行済み株式の7.45%を保有しており、TOBにより持株比率を最大60%に高め、株式上場を維持したまま経営を強化するのが目的。ウェアハウスもTOBに賛同を表明した。TOBは5月17日−6月28日、買い付け価格一株410円で実施する。ゲオは子会社のゲオディノス(本社札幌)を通じて北海道地区に26店ゲーム場を運営しており、ウェアハウスも関東地区で12店運営している。ウェアハウスは1979年設立のDVDレンタル/ゲーム場運営会社で、当初社名は「シチエ」だったが、チェーン店名と同じ現社名に09年1月から変更した。

 7.家庭用ゲームソフトを無断コピーしたDVDなどを「おまけ」として、本体とともに、ネットオークションを通じて販売していた男性らが相次いで摘発された。5月17日、警視庁と日野署は「Wii」用ゲームソフトのコピーDVD−Rを販売していた山口県下関市の自営業男性(53)を著作権法違反の疑いで逮捕、翌日東京地検立川支部に送検した。この件でカプコンなど4社が告訴した。また24日、兵庫県警と尼崎南署は「PSP」用ゲームソフトのコピーを収録した、メモリースティックを販売した広島市の無職男性(45)を、著作権法違反の疑いで逮捕した。同様にカプコンなど4社が告訴した。いずれも証拠品などが押収されているとのこと。

 8.マレーシアの内国貿易省監視部は5月3日、首都クアラルンプールにある「ホリデー・プラネット・ファミリー・アミューズメントセンター」で取締りを実施、米国AMIエンタテインメント・ネットワーク社の業務用TVゲーム機、「メガタッチ」の無断コピー品6台を見つけ、押収した。「メガタッチ」はAMI社が世界30ヵ国以上で展開している多目的TVゲーム機で、コピー品も多く、このためマレーシアでは3年前からすでに5回にわたりコピー品を摘発、押収している(昨秋にも南部州都のジョホールバルーで18台押収した)。これらの押収品は証拠として専門部署に送致され、どこで生産されているのかなど解明を進める、とされている。

 9.米国任天堂は5月11日、「DS」用無断コピーゲームソフトをプレイ可能にする「マジコン」販売サイトを運営したとして、NXPGAME社(本社ニューヨーク市クィーンズ)を相手取って、ワシントン州にある連邦地裁に提訴した。任天堂はこれまで被告に何度か警告したが、被告はそのつどサイトを閉鎖しては新たに開設するなど繰り返したため、訴訟に踏み切ったとのこと。任天堂は、同様の事件で米国連邦地裁が昨年、マジコンがデジタルミレニアム著作権法に違反していると認定し、マジコン販売禁止命令を出した訴訟に続く手続きと位置づけている。任天堂は各国でマジコン業者を訴えているが、フランスとスペインでは販売差し止めに成功していない。

 10.台湾GTI10の主な出展社は地元台湾のメーカーのほか、協力関係にある中国・広東省のメーカー、それに日本の大手メーカー。近年ではアジアでも有数の大規模展示会になっており、これに幕張の催しよりも大勢の東南アジア各国の業者が集まっている。日本からはバンダイナムコゲームスが出展、「湾岸ミッドナイト3DX+」や「ターミネーター・サルベーション」などを出品、セガ社は台湾子会社を通じて「ボーダーブレイク」や「セガ・レーシングクラシック」など紹介した。台湾IGSは中国の華立電子と「覇・三国志大戦」、「体感クレイジークライマー」、音楽ゲーム「鉄琴」など、インジョイモーションは「ストリート・レーシングスター」、「トップガンナー」など、テックウェイは「ポップ・モト」など、中国のUNS社は許諾品「H2オーバードイブ」など紹介した。基板タイプや小規模のガンゲームは前年に比べ減少した。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。