2010年4月1日号Last updated on March 15, 2010
特報
 厚生省は受動喫煙予防について主な自治体に通知した。

 イオンファンタジーの社長に土谷美津子氏が内定した。
海外
 シンガポールのユニバーサルスタジオがソフトオープンする。

 ハリウッド映画「鉄拳」がいよいよ日本公開となる。

国内

 パチスロゲームでわいせつDVDを提供した業者が摘発された。

 AMI(エイエムアイ)が破産手続きに入った。


2010年4月1日号のニュースダイジェスト
写真はAOUエキスポ10にて、上はバンダイナムコゲームスの小間で、今秋出荷予定の期待作「機動戦士ガンダム・エクストリームバーサス」のタイトル発表画面のようす。下はセガ社の小間で、最も力を入れて紹介したリズムゲーム「プロジェクト・ディーバ・アーケード」(6月予定)のようす。

20年前の主なニュース

 AOUエキスポ直後に米国でACMEがシカゴで開かれ、東亜プラン/ロムスター社の「スノーブラザーズ」など新作TVゲームが披露された。岡山県警はTVポーカーを製造・販売していた有限会社パルとニッコー電子の社長らを電気用品取締法違反で書類送検した。米国エピック社が倒産した。(1990年4月1日号)

30年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)は実用新案権問題で権利を主張する者と交渉することを決めた。大阪自動娯楽機組合が解散、大阪レジャー機器協同組合が発足した。タイトーは名古屋ビル竣工を披露した。アイレムは「コマンダー」、「スカイシューター」などPTシリーズ新ゲームを披露した。(1980年4月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.厚生労働省健康局は2月25日、(他人が吸うタバコの)受動喫煙による健康被害を防止するため、利用者の多い公共的施設を原則として全面禁煙にするよう求め、全国の主な地方自治体にその旨通知した。2002年の健康増進法第25条(受動喫煙の防止)に基づく措置で、規制対象となる施設は同法25条で規定されており、パチンコ店、ゲーム場など娯楽施設も含まれている。これまで認められてきた分煙では十分でないとしており、禁煙が困難な一部の飲食店にしか分煙を認めることはできない、としている。昨年7月に導入された成人識別機能付煙草自販機や、今年4月1日に施行される神奈川県受動喫煙防止条例など、受動喫煙防止の実現をめざす最近の傾向に沿う通知であり、強制力はないが、対応を急ぐよう求めている。

 2.バンダイナムコゲームスのTVゲ−ム「鉄拳」シリーズに基づく、ハリウッド劇場映画「鉄拳」が3月20日に日本で公開される予定で、3月10日東京でワールドプレミアが開かれ、主演の風間仁を演じた中国武術の達人、ジュン・フーが舞台挨拶をした。映画では近未来の財閥の権力争いを背景に、風間仁をはじめ、三島平八、三島一八、ブライアン・フューリーなど個性的なキャラクターが、ゲームと同様リアルなファイトシーンを繰り広げる。「鉄拳」(1作目は94年)の映画化は02年に発表され、バンダイナムコゲームスとナムコの名誉相談役である中村雅哉氏が製作総指揮、ドワイト・リトル監督で昨年11月に完成した。日本に続き英国(4月)、カナダ、ドイツ、ブラジルで公開される予定だが、米国での配給はまだ決まっていない。

 3.「ユニバーサル・スタジオ・シンガポール」(USS)が3月18日、ソフトオープンする。予定より遅れ気味で、正式オープンの日程はまだ明らかにされていない。2月にオープンしたカジノがある「リゾート・ワールド・セントーサ」(RWS)内の約20ヘクタール(大阪のUSJの約半分)を占めるUSSは、映画「マダガスカル」、「シュレック」をテーマにした「マダガスカル」、「おとぎの国」や、「ロストワールド」、「ハリウッド」、「エジプト」など計7つのテーマゾーンで構成され、その中に「ハムラプトラ」(ハミー)、「ギャラクティカ」、「トランスフォーマー」など24種のアトラクション(うち18種は世界初)がある。大阪のUSJについでアジアで二つ目のユニバーサル・スタジオとなる。大人1日券は平日で66シンガポールドル、週末は72シンガポールドル。

 4.ユニバーサルエンターテインメント(旧アルゼ)は3月3日、日本電動式遊技機特許(日電特許)によるパテントプール訴訟の控訴審に勝った、と発表した。この訴訟は日電特許がユニバーサル側に対し、パテントプール方式に基づく特許使用料約34億円の支払いを求めて06年5月に提訴したもので、東京地裁は08年12月に棄却判決を出したため、日電特許が控訴していた。2月25日に言い渡された判決で東京高裁は、ユニバーサルがパテントプールから離脱した時期を、一審認定の02年3月でなく01年3月としたほか、全面的にユニバーサルの主張を認めたとしている。また、対象となるパチスロ特許の核心は、当たり外れを決める方式がそれまでの「結果判定」だったのを「前段判定」に変えたところにある、としている。

 5.イオンファンタジーは3月1日、トップ異動を発表、親会社イオンのグループ環境最高責任者である土谷美津子執行役がイオンファンタジーの顧問を兼任したうえで、5月11日にイオンファンタジーの株主総会を経て社長に就任することになった。中下善昭社長は代表権のある会長になる。新社長の土谷美津子(つちや・みつこ)氏は86年高知大農卒、ジャスコ(現イオン)入社、01年マーケティング本部お客様サービス部長、06年執行役、08年8月から常務執行役兼グループ環境最高責任者。岡山県出身。46歳。イオンの女性役員として、子会社の社長になるのは初めて。イオンファンタジーは2月に通期業績予想を下方修正しており、土谷氏はその業績てこ入れの指揮をとることになる。

 6.アドアーズは3月3日、時間性ゲーム場「JJクラブ」を経営するネクストジャパンHD(NJHD)に、自己株式760万株を14億2,880万円で3月19日に売却処分する、と発表した。NJHDはアドアーズの株式の12%を持つ第2位株主だが、取り引き後は25%に倍増し、アドアーズはNJHDの持分法適用会社となる。1位株主はGF投資ファンドで変更はない。アドアーズとNJHDは09年5月以来、景品仕入れなどで業務提携を始めており、さらに資本提携を強化することになる。NJHDは3月11日、1月中間決算(8−1月)を発表しており、その際通期業績予想を修正していないが、アドアーズの持分法適用によりNJHDの通期業績に少なからぬ影響を与える、との見通しを示している。

 7.熊本県警生活環境課と熊本北署は3月3日、スロットマシン(パチスロ遊技機)の景品としてわいせつDVDを中学生に提供していた、熊本市池田の「ホビーショップ・イングラム」の経営者、吉村義美容疑者(38)を風営法違反(無許可営業)、わいせつ図画頒布の疑いで逮捕、遊技機を押収した。調べによると、吉村容疑者は12月下旬から1月下旬まで、店内に10台の遊技機を設置、男子中学2年生3人に、獲得した遊技用メダルと無修正アダルトDVD4枚を交換、提供したもの。別の中学生4人にもDVDを提供した。店は中学校に約35mと近く、主な客は中学生で、一回100円で遊技できたという。子どもがわいせつDVDを持っているのに気付いた母親が学校に相談し、事件が発覚した。

 8.鰍`MI(エイエムアイ、東京都豊島区南池袋、徳田恭敏社長)が昨年11月までに業務を停止し、自己破産の準備に入っていたが、東京地裁は2月17日に破産手続き開始を決定した。3月24日までに破産債権を届け出、6月21日に破産状況が報告される、と3月2日に官報告示した。徳田社長も個人で破産している。負債総額などは不明。同社はエイブルコーポレーションを退職した徳田氏が99年11月に設立した業務用アミューズメント機の販売業者で、08年まで主にケイブなどのメーカー製品を独占販売してきたが、最後に扱ったSNKプレイモア「ザ・キング・オブ・ファイターズXII」の仕入れ決済に失敗したとされている。既報のピーアイシー(PIC)の事実上倒産と関連があるもよう。

 9.テクモの元ゲームソフト開発者、板垣伴信氏が旧テクモを相手取って起こしていた、報酬・慰謝料請求訴訟は東京地裁で2月26日、法廷和解して終了した。和解条件は公表されていないが、双方が和解の事実のみ発表した。安田善巳氏が社長だった旧テクモで板垣氏は成功報酬が支払われていない、不当に評価を貶める発言をしたとして08年5月、訴えを起こし、テクモは反論して、6月に板垣氏を解雇、8月には安田社長が退任していた。これらを含めテクモの経営不安が印象付けられ、テクモは9月にコーエーとの経営統合を選択、09年4月にコーエーテクモホールディングスを設立、統合、その後さらに再編を進めている。コーエーテクモホールディングスには現在、ゲーム場を運営するテクモウェーブがあるが、業務用ゲーム機製造販売部門はない。

 10.ナムコは3月10日、直営ゲーム場のある43都道府県ごとにオリジナルキャラクターを作成、「ナムコキャラクター応援団」(ナムキャラ応援団)として、全国220店で活動を開始する、と発表した。「ナムキャラ応援団」は昨年9−10月、同社直営店の全スタッフからデザインを募集、547点の中から43キャラクターを選んだ。同社では、「ナムキャラ応援団」を通じて各地域のイベントや祭りごとに積極的に参加し「郷土愛」や「絆」を強め、活気ある町づくりを支援するとしている。そのため第1弾として、43キャラクターの着ぐるみを製作、各店舗でキャラクターが趣向を凝らした店頭イベントを展開する予定。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。