2009年12月1日号Last updated on November 14, 2009
特報
 米国業務用展示会は来年からAAMA/AMOAエキスポとなる。

 OLCの9月中間決算で東京リゾートは減収減益だった。
海外
 上海ディズニーランドの建設が正式に決まった。

 米国CBPは中国からのTVゲームを押収した。

国内

 バンナムHDの中間決算は減収赤字だった。

 スクエニHDのAM部門は大幅減収減益に。


2009年12月1日号のニュースダイジェスト
写真はバンダイナムコゲームス新作展(大阪会場)で「デッドストームパイレーツ」の本体(上)と内部の大型画面と、手前の操作部分(下)のようす。

20年前の主なニュース

 米国でコナミ工業の4人用TVゲーム「TMNT」がヒットしている。韓国のオペレーター協会連合会はコピー品の使用禁止を決めた。アタリジャパンは携帯用「リンクス」の11月発売を発表した。日本物産「AV麻雀・ビデオの妖精」についてJAMMA、AOUが調査を開始した。(1989年12月1日号)

30年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ79(シカゴ)は、日本からナムコ「ギャラクシアン」など、米国製のアタリ社「アステロイド」など多数のヒット作が出揃い、大いに盛り上がった。チェストはデータイースト新作を大阪で紹介した。レジャックはTVゲーム「スペースウォー」を発売した。(1979年12月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.中国政府は10月末、上海市政府と米国ウォルトディズニー社が申請していた「上海ディズニーランド(DL)」の建設計画を正式に認可した。新華社通信が11月4日に伝えた。建設地は市東部の浦東空港に近い近郊で、用地は408haあり、うち150haを第一期計画で整備して使う予定。建設費は245億元(約3,240億円)を見込んでいる。米国以外では東京、パリ、香港に続いて4ヵ所目のDLとなり、早ければ14年にオープンする。なお、これより規模が小さく、中国からはパスポートが必要なため苦戦している「香港DL」は、拡張計画を前倒しして、年内にも着工すると発表した。05年にオープンした香港DLの建設計画は99年に決まったが、その際上海DLと誘致を争った経緯がある。

 2.オリエンタルランドは11月5日、09年9月中間決算を発表、売上高は4%減の1,746億円、経常利益は3%減の154億円、中間利益は9%増の95億円だった。部門別では、テーマパークの売上高が6%減の1,337億円、営業利益は22%減の122億円、ホテルの売上高は5%増の220億円、営業利益は100%増の37億円、リテイルの売上高は4%増の70億円、営業損失は1億円、その他の売上高は16%増の117億円、営業損失は1億円だった。通期業績予想は売上高3,645億円(5月の前回予想は3,700億円)と下方修正したが、利益面では修正していない。

 3.バンダイナムコHDは11月5日、09年9月中間決算を発表、売上高は10%減の1,727億円、経常損失は28億円(前年同期は72億円の利益)、中間損失は60億円(12億円の利益)と減収赤字だった。部門別ではトイホビーの売上高が9%減の667億円、営業利益が15%減の37億円、ゲームコンテンツ(家庭用と業務用)の売上高が7%減の571億円、営業損失が67億円(5億円の利益)、映像音楽コンテンツの売上高が3%減の154億円、営業利益は45%減の3億円、ゲーム場の売上高は17%減の337億円、営業利益が3%増の10億円、その他の売上高が7%減の88億円、営業利益が93%減の2千万円。国内直営ゲーム場は2増11減の229店となっている。

 4.コナミは10月末に発表した9月中間期業績予想に続き、11月5日に09年9月中間決算(米国基準)を発表、売上高は23%減の1,139億円、経常利益は82%減の40億円、純利益は81%減の22億円と大幅な減収減益を明らかにした。デジタルエンタテインメント部門は売上高が45%減の514億円で、営業利益は82%減の45億円。売上高の内訳は家庭用が50%減の208億円、業務用が70%減の75億円、カードゲームが9%増の143億円、オンラインが31%減の96億円となっている。健康サービス部門の売上高は5%減の433億円、営業利益は81%減の3億円、ゲーミング部門の売上高は13%増の88億円、営業利益は120%増の22億円だった。

 5.スクウェア・エニックスHDは11月5日、09年9月中間決算を発表、売上高は33%増の905億円、経常利益は26%増の121億円、中間利益は56%減の26億円だった。部門別は再編しており、家庭用ソフトはヒット作があったので売上高は118%増の484億円、営業利益は64%増の103億円、出版の売上高は27%増の78億円、営業利益は35%増の23億円、モバイルの売上高は3%減の51億円、営業利益は9%増の21億円、許諾料の売上高は90%増の32億円、営業利益は662%増の13億円だった。しかしアミューズメント(9月末で138店あるゲーム場の運営、業務用販売)は売上高が21%減の258億円、営業利益が58%減の11億円と低調だった。

 6.ラウンドワンは11月11日、9月中間決算を発表、売上高は5%増の408億円、経常利益は32%減の39億円、中間利益は12%減の20億9千5百万円と増収減益だった。さらに7店増え101店となった。売上高の内訳は、ゲーム場が1%増の165億円、ボウリング場が11%増の150億円、スポッチャが2%減の47億円、カラオケが7%増の29億円、その他が31%増の15億円。社債や長期借入金が増えて負債合計は、前年度末から136億円増加し1,573億円になった。10年3月期の業績予想を売上高860億円(前回予想は910億円)、経常利益105億円(130億円)、当期利益49億円(63億円)と下方修正した。同社はゲーム場を除き、10月末から営業時間を24時間制にしている。

 7.アドアーズは11月6日の業績予想上方修正に続き、11日に9月中間決算を発表、売上高は前年同期比8%増の137億円、経常利益は15%増の7億円、中間利益は1%増の3億5千2百万円と増収増益だった。ゲーム場は2店減の81店を直営、うち18店は前年度開設分。部門別業績は、ゲーム場の売上高が3%減の99億円、営業利益が25%減の5億円、設計・施工の売上高は49%増の31億円、営業利益は29%増の5億円、パチスロ機レンタルの売上高は20%減の1億円、営業利益は17%減の3千万円、不動産の売上高は110%増の5億円、営業利益は9千万円。

 8.米国業務用AM機展示会はメーカー協会AAMAの春のASIとオペレーター協会の秋のAMOAエキスポが統合されて、「AAMA/AMOAアミューズメントエキスポ」となり、初回は2010年3月10−12日、ラスベガスのコンベンションセンターで開かれることが正式に発表された。ASI、AMOAエキスポは09年に開催されたのが最後となる。これまでと同様に登録入場制で、AAMA/AMOAいずれかの会員なら2人まで無料、追加分は手続き期間により50−70ドル。非会員のオペレーターとディストリビューターは125−150ドル、非会員または出展しないメーカーは500ドルなど、細かいルールも決められた。なおこのショーにはIAAPAなどが持つ「ファンエキスポ」も催される予定。

 9.米国の「関税・国境警備隊」(CBP)は10月23日、ロサンゼルス・ロングビーチ港で貨物の中から168台の業務用TVゲーム機を押収した、と11月初め各メディアが一斉に報道した。押収されたのは中国からのコンテナに入っていた、「フロッガー」、「スクランブル」、「ミズパックマン」、「ドンキーコング」など古典的なTVゲーム機ばかりで、末端価格は67万ドルに相当する。著作権者による許諾証明を輸入業者が提示しなかったために押収された、とのこと。逮捕者はいなかった。CBPは連邦政府国土安全保障省(DHS)の一部門で、密輸、不法滞在・入国、テロなどを防止する最前線の取り締まり機関。

 10.ソニーは10月30日、第2・四半期(7−9月)決算(米国基準)を発表、うちソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)が担当する「ゲーム」については今年から、パソコンとともに「ネットワークプロダクツ&サービス」(NPS)へ統合したため、ゲーム関係のデータは少なくなった。ゲームの4−9月販売実績は、本体でPS3が8%増の430万台、PSPが38%減の430万台、PS2が13%減の350万台、ソフトはそれぞれ12%減の3,870万枚、10%減の2,120万枚、77%減の960万枚となった。ゲーム事業はPS2本体とソフトの売上数量が減少、円高の影響などもあり、損益は悪化した、としている。

 11.任天堂は11月10日、「ニンテンドーDS」用ゲームソフトメーカー54社とともに、いわゆる「マジコン」の販売業者を相手取って、不正競争防止法に基づき「マジコン」の輸入販売の差止めと損害賠償を求める訴えを、東京地裁に起こした、と発表した。「マジコン」販売業者に対する訴訟は、10月5日にも起こしているが、それでも「マジコン」販売を止めない、あるいは違法性を認めない悪質な業者がいるため、法的手続きを進めることにしたもの。これには、任天堂が10月に開設した「不正商品情報提供窓口」が非常に役立っている、としている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。