2009年9月15日号Last updated on September 3, 2009
特報
 AMショーに出展予定のAMIが出展を取り消したのが判明した。

 中東ドバイに屋内施設「セガリパブリック」がオープンした。
海外
 ディズニー社がマーベル社を買収、使えるキャラクターを増やした。

 IALEIはIAAPAとの合併に関する会員の投票結果を発表した。

国内

 アリサカの再建案が認可され、新会社が委託運営を開始した。

 ゲオグループは施設事業をゲオディノスに統合した。


2009年9月15日号のニュースダイジェスト
写真は兵庫県立歴史博物館で展示されている、日本娯楽機の遠藤嘉一氏が作った看板兼用菓子自動販売機の実物(上の左)と日本初の自動木馬の復元機(下)。前者は1924年(大正13年)、当時の新聞漫画「正ちゃんの冒険」をヒントに開発された。「ノンキナトウサン」にちなんで同様に作られた自動販売機(上の右)も同時期の中山工業製品。

20年前の主なニュース

 SNK「メカナイズドアタック」を無断コピーした、韓国コボン社のコ・ビュンヒュン社長が著作権法違反でソウル市警に逮捕された。「大阪AMショー」仮決算に伴い800万円の剰余金が生じた。米国セガ社がシカゴ郊外でDB会合を開いた。日本ソフトバンクから単行本「ピンボールグラフィティ」が発行された。(1989年9月15日号)

30年前の主なニュース

 エキスポランドで米国アロー社製の宙返りコースター「スペースザラマンダー」が完成した。10月のAMショーには81社が458小間に出展する予定になった。アイレムはテーブル型TVゲーム機の形をした卓上式ライターを作った。レジャックはコナミ工業の販売子会社となり、細井久平常務が社長に昇格した。(1979年9月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.今月開催されるAMショーに出展を申し込んでいたエイエムアイ(AMI、徳田恭敏社長)が、8月末までに8小間の出展予定を取り消したことが9月初め明らかとなった。これによりJAMMAなど主催者側では、今年のAMショーに33社(08年は48社)と1グループ〔プライズフェアの6社共同小間〕が計616小間(883小間)に出展すると出展予定を変更した。08年と比べると、プライズフェア以外の出展社数は前年比31%(変更前29%)、全体の小間数は30%(変更前29%)減少するわけで、減少幅をやや広げたことになる。AMI、AMショー主催者側はこの変更についてニュースレリースを出していない。

 2.ナムコの子会社であるプレジャーキャスト(和才始社長)は9月17日、埼玉県三郷市新三郷にオープンする商業施設「ららぽーと新三郷」(三井不動産が開発運営)の2階に、「きかんしゃトーマス」とその仲間たちの住むソドー島の世界観を忠実に再現した、屋内型AM施設「トーマスタウン」(774u)を開設することを明らかにした。屋内型では日本初の幼児向け遊園施設であり、「トーマスシアタートレイン」など3つのアトラクションエリアと、食事と買い物のエリアで構成されている。初年度50万人の利用を見込んでいる。「ららぽーと新三郷」ではこのほか「キッズプラザきゃらんど」、「よしもと遊べる水族館」、「ラウンドワンスタジアム」も開設される。

 3.ゲオは8月27日、経営強化と効率化を目的として、グループ内のゲーム場、ネットカフェなど施設サービス型事業を、子会社のゲオディノス(旧社名スガイ・エンタテインメント、清水松生社長)に集中統合すると発表した。ゲオディノスに譲渡されるのは、ゲオフロンティアのゲーム場11店とネットカフェ8店、ゲオフィットネスのフィットネス14ヵ所で、10月1日付で実施する。うちゲオフロンティアは光安浩二社長とゲオが各50%所有する共同会社で、主な事業はメディアショップの運営、09年3月期業績のうちゲーム場の売上高は6億7千万円、営業損失は1億6千万円だった。

 4.会社更生手続き中のアリサカは、更生計画案が宮崎地裁により認可されたので、会社自体は100%減資した上で増資し、残った25店を新会社に運営を委託して、事業再建を図ることになった、と8月31日に発表した。近畿・九州の2店はすでに8月に閉鎖しており、東北・関東・東海の8店は9月1日付でアクトワークス(渡辺油化から分離した子会社)、ブルーヒルズ、アミーゴに売却、残った東海・近畿・九州の25店は9月1日から新会社のアーバンスクウェア梶i宮崎市本郷北方、矢野洋一社長)が運営していく。アリサカは更生計画案を宮崎地裁に6月30日に提出しており、8月20日の関係人集会で可決され、同30日宮崎地裁により認可された。

 5.米国ウォルトディズニー社(ロバート・アイガーCEO)は8月31日、「スパイダーマン」や「エックスメン」などのキャラクターを持つマーベル・エンターテインメント社(アイク・ペリミュターCEO)を40億ドル(約3,700億ドル)で買収すると発表した。ディズニー社はマーベル株主に対し、1株当たり現金30ドルとディズニー株0.745株を交付するという方法で、買収することを両社の28日の取締役会で承認済み。強力なキャラクタービジネスを展開するディズニー社では、これまでのキャラクターに加えマーベル社が持つ5,000近くのキャラクター使用が可能になる。

 6.アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに8月21日、屋内型娯楽施設「セガリパブリック」がオープンした。エマール・モールズグループ社(EMG、本社ドバイ)が開発中の世界最大級のSC「ドバイモール」の2フロア約7千uに、「東京ジョイポリス」を開発してきたセガ社の許諾を得てエマール社が建設したもので、08年1月の許諾時より完成は半年以上遅れた。全体を5つのテーマゾーンに区分し、「スピンギア」、「ソニックホッパー」、「ハーフパイプキャニオン」、「ストームG」、「イニシャルD4リミッテッド」などの大型ゲーム、ライド、アトラクションと、150台以上のゲーム機を設置している。「ドバイモール」では先にシネマコンプレックスが完成、年末までに「キッザニア」も出来る予定。

 7.米国のファミリーエンタテイメントセンター(FEC)関係のオペレーター協会、IALEIは8月27日、遊園地関係のIAAPAとの統合について賛否を問う会員投票の結果は、賛成91、反対14、棄権4だったと発表、統合手続きを進めることにした。IALEIは93年の第3回ファンエキスポに伴い設立され、ファンエキスポを50%所有している。IALEIとIAAPAの役員会は今年3月のASI(主催AAMA)を機に話し合い、合併する方針を決めていた。だが00年以来ファンエキスポの50%は、AAMAとAMOAが半分ずつ所有しており、これをIAAPAが買い取るのかどうかなど、まだ多くの課題が残されている。

 8.ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は8月19日、家庭用「プレイステーション3」(PS3)を小型・軽量化した、120GBハードディスク内蔵の新型機(CECH−2000A)を9月3日に29,980円(80GBの現行機は39,980円)で発売すると発表した。欧米アジアでも1日から同水準の価格で売り出す。新型PS3は回路設計や部品を見直し、体積・厚み・重さ・消費電力とも現行機の3分の2にした。システムソフトはバージョン3.00にアップ。機能自体は現行機と同じだが、「PS2」との互換性はなくなる。SCEは2万5千円の任天堂「Wii」に対抗、9月以降の新作ゲームとともに巻き返す考え。

 9.日本生産性本部が7月に発行した「レジャー白書09」によると、08年の余暇市場(レジャー産業の総売上高)は前年比2.2%減の約73兆510億円と、さらに後退した。部門別市場動向では、鑑賞レジャー用品など3市場でわずかに増加したが、それ以外は軒並み下落した。うちこれまで伸ばしてきたとされるゲーム場は12.2%減の5,950億円と大きく下落し、好調だった(家庭用の)テレビゲーム・ゲームソフトも7.5%減の6,580億円と後退した。カラオケボックス(ルーム)は1.4%減の4,210億円で、遊園地・レジャーランドは0.5%減の6,400億円と微減にとどまった。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。