2009年6月1日号Last updated on May 16, 2009
特報
 セガサミーは赤字、バンダイナムコとコナミは減益、カプコンは増益だった。

 クレーンの景品用偽ブランド品業者がまた摘発された。
海外
 GTI台北09にバンダイナムコゲームスら日本勢も出展した。

 米国バレー・ダイナモ社をブランズウィック社は手放した。

国内

 店舗増でラウンドワン、アドアーズはともに減益。

 OLCの決算は過去最高、USJも増益だった。


2009年6月1日号のニュースダイジェスト
写真は台湾、GTI台北09で、上はバンダイナムコゲームスの「戦場の絆」とともに坂本修ゼネラルマネジャー。下は台湾IGT社の小間で、セガ社「三国志大戦」など。

20年前の主なニュース

 JAMMAが任意団体の解散総会と社団法人設立総会を開催した。米国アタリゲームズ社がフロリダでDB会合を開いた。NESソフトの許諾めぐりアメリカン・テクノス社が米国トレードウェスト社を提訴した。愛知県協は総会で役員4名を交代。サンリツ電気の社長に元アイレムの重田守氏が就任した。(1989年6月1日号)

30年前の主なニュース

 「スペースインベーダー」の人気が高じて、各地で問題化しつつある。イタリア、ミラノフェアでもTVゲームに人気。ジャトレはインベーダーゲームで、ユニバーサルはブロックゲームでゲーム大会を開催した。シングルロケオペレーターの団体、ASLが解散した。50年以上親しまれてきた多摩川園が閉園した。(1979年6月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.台湾の業務用AM/ゲーミング機器展、GTI台北09(5月7−9日、台北世貿中心)には東南アジア市場を対象に、各国から約130社が800小間(前年は880小間)に出展した。日本からはバンダイナムコゲームスが昨年に続き単独出展し、「機動戦士ガンダム・戦場の絆」、「レイジングストーム」、「ニリン」、「太鼓の達人・アジア版」などを紹介した。また台湾大手のIGS社はセガ社「三国志大戦」など、パンエイシアAM社はコナミ「ザ・ビシバシ」など、美嘉生電(メガバイオテック)はエクサム「デモンブライド」などを出品した。なお9月初めには中国本土での「GTI広州」が初めて開かれることになっている。(続報予定)

 2.加賀電子グループのエスアイエレクトロニクスは4月30日、業務用基板「Y2」を、中国・広州に本拠を置く華立技研(ワーラップ・テクノロジー)グループのニューテクノロジー社に供給することになったと発表した。「Y2」は自社開発のASIC「YATA−2」を使用したコンパクトで低価格の汎用基板で、JAMMA新規格にも対応しており、第1作「ひぐらしの哭く頃に雀」は7月にAQインタラクティブから発売される予定になっている。中国市場で一般にプレイ料金は1元(約13円)と低く、これまで中古品を中心に構成されていたが、ゲームに対する需要が強く、有望な市場と見込めるので、日本に先駆けて出荷することを決めたとしている。

 3.米国のブランズウィック社が所有してきたバレー・ダイナモ社(本社はテキサス州ダラス/フォートワース地区のグランド・プレイリー)は5月8日、シャッフルボード大手のチャンピオン・シャッフルボード社(テキサス州リッチランドヒルズ)ならびにダラス周辺の企業を所有するケリー・スタイツ氏のベンチャー企業に買い取られた。バレー・ダイナモ社の社名や本社所在地などは買収後もそのままで、「バレー」、「ダイナモ」、「トルネード」ブランドの業務用と家庭用プールテーブルとエアーホッケー、フースボールを引き続き生産・販売していく、と説明している。

 4.セガサミーHDは5月13日、09年3月期決算を発表、売上高は7%減の4,291億円、経常利益は66億円(前年は82億円の損失)、最終損失は228億円(524億円)と減収ながらやや改善した。8日に業績予想を修正していた。遊技機の売上高は11%増の1,624億円で、営業利益は72%増の145億円とやや回復した。業務用の売上高は13%減の654億円で、営業利益は4%減の68億円、家庭用の売上高は8%減の1,316億円で、営業損失は9億円(60億円)、ゲーム場は6増47減の322店、売上高が22%減の713億円で、営業損失は75億円(98億円)だった。今期は売上高4,200億円、経常利益260億円、最終利益150億円を見込んでいる。

 5.バンダイナムコHDは5月8日、09年3月期決算を発表、売上高は7%減の4,263億円、経常利益は32%減の245億円、最終利益は64%減の118億円と減収で大幅減益だった。主な部門別では、トイホビーの売上高が8%減の1,657億円で、営業利益が19%減の115億円、ゲームコンテンツ(家庭用と業務用)の売上高が4%減の1,394億円で、営業利益が26%減の109億円、ゲーム場の売上高が14%減の772億円で、営業利益が76%減の3.9億円など。ゲーム場国内は10増63減の240店、米国は30減の58店など。業務用は国内・海外とも改善した。今期売上高は4,300億円、経常利益235億円、最終利益125億円を見込んでいる。

 6.コナミは5月14日、09年3月期決算(米国基準)を発表、売上高は4%増の3,797億円、営業利益は19%減の273億円、純利益は41%減の108億円と大幅減益だった。デジタルエンタテインメント部門の売上高は5%増の1,876億円で、営業利益は18%増の416億円。うち家庭用は売上高が11%増の968億円、業務用は16%減の368億円、カードゲームは5%増の278億円、オンラインは39%増の277億円。健康サービスの売上高は4%増の900億円で、営業損失は83億円、ゲーミングの売上高は1%減の183億円で、営業利益は21%増の34億円だった。今期は売上高3,100億円、営業利益300億円、税引前純利益285億円を見込んでいる。

 7.カプコンは5月8日、09年3月期決算を発表、売上高は11%増の918億円、経常利益は13%増の138億円、最終利益は3%増の80億円と増収増益だった。これは家庭用ソフトの売上高が22%増の628億円、営業利益が41%増の163億円と好調だったことによる。業務用は売上高が23%増の80億円で、営業利益は49%増の17億万円、ゲーム場は売上高が0.8%増の135億万円で、営業利益は70%減の2億24百万円にとどまった。業務用は「ストリートファイターW」を発売した。ゲーム場は6増8減で40店。今期は売上高950億円、経常利益147億円、最終利益85億円と増収増益を見込んでいる。

 8.ラウンドワンは5月11日、09年3月期決算を発表、売上高は前年同の779億円、経常利益は39%減の97.9億円、最終利益は57%減の39.7億円と大幅な減益だった。店舗数は13増2減の94店。部門別売上高はゲーム場が3%減の322億円、ボウリング場が0.5%増の283億円、スポッチャが0.9%増の92億円、カラオケが4%増の56億円など。固定負債はシンジケートローンを含め1,041億円。10年3月期はさらに11店を新設する予定で、売上高910億円、経常利益130億円、最終利益63億円の大幅増収増益を見込んでいる。

 9.アドアーズは5月13日、09年3月期決算を発表、売上高は21%増の275億円だったが、経常利益は66%減の6億4千5百万円、当期利益は57%減の3億5千3百万円と大幅減益になった。主力のゲーム場は18増4減の83店で、売上高は7%増の207億円と増えたが、営業利益は逆に81%減の4億6千3百万円に急落した。法規制の厳格化など「4重苦」によるものと説明している。加えて新18店の償却負担などが残り、今期は売上高260億円、経常利益8億円、当期利益3億7千万円を見込んでいる。そのためネクストジャパンHDとの業務・資本提携(別掲)も同時に発表した。

 10.アドアーズとネクストジャパンHDは5月13日、両社の資本・業務提携を発表した。資本提携は、アドアーズが14日に市場外でネクストの株9.9%(約4万5千株)を取得し、ネクストは11月13日までにアドアーズの株9.9%(約548万株)を取得するというもの。業務提携については、アドアーズがネクストの子会社であるブレイクから景品を一括仕入れし、ネクストはプライズゲーム運営のコンサルタントなど行なうというもの。両社とも投資ファンドが筆頭株主のオペレーター会社であり、ネクストは連続大幅赤字会社、アドアーズは前期大幅減益と、両社ともに厳しい状況にあり、打開策を模索するものと理解されている。

 11.オリエンタルランド(OLD)は5月7日、09年3月期決算を発表、売上高は14%増の3,892億円、経常利益は41%増の388億円、最終利益は23%増の180億円と大幅な増収増益だった。テーマパークは25周年で過去最高の入場者数となり、売上高は11%増の3,024億円で、営業利益は31%増の345億円だった。ホテルの売上高は38%増の459億円で、営業利益は4%増の62億円、小売事業の売上高は4%減の162億円で、営業利益は4億円だった。今期は25周年記念イベントがないので、売上高3,700億円、経常利益326.5億円、最終利益206.9億円を見込んでいる。

 12.「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」を運営するユー・エス・ジェイ(USJ)は5月1日、09年3月期決算を発表、売上高は6%減の685億円、経常利益は13%増の79億円、当期利益は3%増の69.9億円と減収増益だった。前年大きな集客効果をもたらした大型アトラクション「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」の反動や夏の猛暑、円高による海外からの観光客減少などにより、入場者数は813万人と前年比で6%減った。利益面では原価率の改善、運営コストの効率化などを進めた結果、好調を維持した。同社は5月21日のゴールドマンサックス系ファンドによるTOB終了後、上場廃止になる予定。

 13.任天堂は5月7日、09年3月期決算を発表、売上高は10%増の1兆8,386億円、経常利益は2%増の4,486億円、最終利益は9%増の2,790億円と過去最高だった。海外市場で携帯型DSと据え置き型Wiiが好調で、海外売上高は88%に達した。この1年でDSは本体が3千万台以上(累計1億台以上)、ソフトが1億9千枚以上、Wiiは本体が2500万台以上(累計5千万台以上)、ソフトが2億枚以上売れた。ゲーム人口を拡大させようとする姿勢が成功の要因となっている。今期は売上高1兆8千億円、経常利益5千億円、最終利益3千億円を見込んでいる。

 14.ソニーは5月14日、09年3月期決算(米国基準)を発表、うちSCEが担当するゲーム部門の売上高は前年比18%減の1兆531億円、営業損失は661億円少ない585億円だった。売上高は4年連続で伸ばしてきたが減少に転じ、営業損益は3年連続しての赤字だが赤字幅は縮小している。だが期首に見込んでいた黒字転換は果たされなかった。本体売上台数はPS2が42%減の791万台、PS3が9%増の1,006万台、PSPが2%増の1,411万台、ゲームソフトはPS2が46%減の8,350万枚、PS3が79%増の10,370万枚、PSPが9%減の5,030万枚だった。

 15.ケイブは5月1日、新宿の京王プラザホテルで新作展を開催。高野健一社長は5月中旬出荷予定の「デススマイルズU」から、これまでの販売方式とは別に、レベニューシェア(売上歩合)方式でレンタル営業することを明らかにした。「初期投資ゼロ円」を掲げ、歩合は1プレイ100円以上の場合オペレーター取分60%(100円未満の場合50%)、契約期間6ヵ月という条件。売上管理はUSBドングルで行なう。新作展では、お祭りやさんシリーズの「きんぎょすくい」、「元祖!たこやき」なども紹介された。

 16.兵庫県警生活経済課と灘署は5月12日、偽ブランド品を販売目的で所持していたとして、堺市東区菩提町の輸入雑貨販売会社、ステイズの田中達也容疑者(40)を商標法違反の疑いで逮捕したことを明らかにした。ルイ・ヴィトンのデザインに似せたバッグ91点と財布33点の計124点を押収した。調べによると、08年5月以来、これら偽物を中国から仕入れ、全国の主なオペレーター会社を相手にクレーン用景品として販売していた。ステイズは98年創業、05年設立で、景品販売以外に大阪でゲーム場「ゲームリロ」、東京でインターネットカフェ「TOMTOM」も直営しているという。(以下6月2日付続報)ただ今回問題となった景品は、客観的にルイ・ビィトンのデザインに見えないのが気になるところ。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。