2009年5月1日号Last updated on April 17, 2009
特報
 イオンファンタジー、今期は出店控えめで、減収見込みに。

 東京ディズニーリゾートの08年度入園者数は過去最高だった。
海外
 米国ハードロックパークは「フリースタイル・ミュージック」で再開へ。

 米国ASI09での新作TVゲームは少なかった。

国内

 アルゼ米国子会社だったAGA社は、岡田和生会長の完全個人会社に。

 警察庁機構改革により、17年ぶりに「保安課」の名称に。


2009年5月1日号のニュースダイジェスト
写真は米国ASI09で、上は「H2オーバードライブ」、「ギターヒーロー・アーケード」など出品したロースリルズ社の小間のようす。下はスターン・ピンボール社の小間で新作フリッパー「24」を試しているようす。

20年前の主なニュース

 任天堂は「テトリス」家庭用の世界的独占権取得を発表した。出荷数で海外の「NES」が日本の「ファミコン」を上回った。ディズニーワールドに「MGMスタジオ」がオープンする。「大阪AMショー」の出展募集が始まった。宝塚ファミリーランドのヘルスセンター閉鎖に伴い、付属ゲーム場もなくなった。(1989年5月1日号)

30年前の主なニュース

 セガ社/エスコ貿易は東京で新作展を開き、「ヘッドオン」と「スペースアタック」を選択できる「スペシャルデュアル」を紹介した。日本電子機械工業会がJAAのAM部会と懇談した。アイピーエムは新本社への移転を披露した。キットエンタープライズが占い機「アストロクラフト」開発を発表した。(1979年5月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.米国春の業務用AM機器展、ASI(3月11−13日、ラスベガス)で披露されたTVゲーム機は、ATEI09の出品機とほとんど変わらず、真新しいのは「セガ・バス・フィッシング・チャレンジ」ぐらい。これは米国各地の有名な釣り場を選択、トラックボールで操作していくゲームで、基板タイプ。釣り上げた成果のデータはプリントされて出てくる。その他目立った出品機は、セガ・アミューズメンツUSA社「ハマー」、「キング・オブ・ロード」、「R改」、ナムコ・アメリカ社「レイジングストーム」、「ニリン」、コナミ/ロースリルズ社「ギターヒーロー・アーケード」、コナミ/ベトソン社「DDRX」、ロースリルズ社「H2オーバードライブ」、グローバルVR社「ジャスティス・リーグ・ヒーローズ・ユナイテッド」、シカゴゲーミング/ベトソン社「パット・チャンピオンシップ・エディション」など。

 2.イオンファンタジーは4月6日、09年2月期決算を発表、売上高は前年比3%減の480億6千9百円、経常利益は19%減の37億9百万円、当期利益は21%減の19億3千5百万円の減収減益だった。国内の室内ゲーム場は、直営が20増9減の340店、フランチャイズが3店増の16店になった。海外はマレーシアで3店増の15店に、香港の提携1店、中国・北京の1店が加わった。店舗数や売上からすると、日本でも有数の大手オペレーター会社となっている。既存店売上は結局、前年比8.9%減となった。10年2月期は採算性を重視、出店をやや控えめにして、売上高467億8千万円、経常利益37億5千万円、当期利益19億5千万円を見込んでいる。

 3.ゲーム場向け景品を販売しているエスケイジャパンは4月2日、09年2月期業績予想を、売上高92億6千4百万円(昨年10月の前回予想では96億円)、経常損失4億7千6百万円(1億千6百万円)、最終損失7億8千2百万円(1億9千万円)と下方修正した。前年比では売上高が37%減。15日に決算発表し、最終損失は7億8千9百万円となった。販売先のゲーム場が客を減らし、大手オペレーターが既存店を削減するなど、厳しい環境が続いているうえ、小売店舗「ナカヌキヤ」閉鎖に伴い特別損失1億円を計上し、税金費用が2億4千万円増加したことにより、最終赤字が大きくなった。10年2月期は売上高90億円、経常利益8千5百万円、最終利益1億7千8百万円を見込んでいる。

 4.サンリオは4月3日、09年3月期業績予想を売上高694億円(昨年10月の前回予想では705億円)、経常利益56億円(69億円)、最終損失23億円(32億円の利益)と下方修正した。前年比では売上高が26%減、経常利益が6%増で、最終損益は4年ぶりの赤字となる見通しだ。海外事業と国内店頭販売は堅調だが、国内のライセンス供与や企業からの特注が落ち込んだ。テーマパーク事業は赤字で、「大分ハーモニーランド」関係の23億円を含む24億円の減損処理と、有価証券評価損8億円を特別損失に計上することになった。

 5.オリエンタルランド(OLC)は4月1日、08年度(08年4月−09年3月)の東京ディズニーランド(TDL)と東京ディズニーシー(TDS)の2パーク合わせた入園者数が過去最高の27,221千人になったと発表した。06年度は25,816千人、07年度は25,424千人で、07年度に比べ7%多かったことになる。なおTDLでは、映画「モンスターズ・インク」にちなんだ大型アトラクション「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク”」(投資額100億円)が4月15日にオープンした。TDSでは、映画「ファイディング・ニモ」にちなんだ新アトラクション「タートル・トーク」(投資額13億円)が10月にオープンする予定。

 6.4月22日に開園15周年を迎えるテーマパーク「志摩スペイン村」(三重県志摩市)は、7月11日にオープンする予定の新アトラクション「ダルのファンタジーワールド360」について内容を明らかにした。これは既存の円形劇場の跡地に建設するもので、全周25m×高さ3.3mのスクリーンを持つ立体映像館の中で、特殊なメガネを使って映像ソフト(@夢の世界、A海底旅行、B大人向けのエイリアンゾーンの3種類、いずれも上映時間13分)を楽しむもの。投資額は1億円。料金は500円。

 7.米国東海岸のマートルビーチに昨年6月に出来たのに、金融危機の影響で9月に倒産したテーマパーク「ハードロックパーク」が、5月下旬にも「フリースタイル・ミュージックパーク」として再オープンすることになった。昨年9月に米国破産法のチャプターイレブンを申請、いろいろあった後やっと、FPIMBエンタテイメント社が2千5百万ドルで買い取ることを裁判所が2月上旬に承認した。名前について、以前は「ハードロック」を年間250万ドルの料金で使っていたが、権利を持っているハードロック・インターナショナル社の同意を得られなかったため、やむをえず変更する必要があり、音楽にちなんだ名前を採用した、と同社は4月9日に説明している。

 8.アルゼは4月1日、米国のアルゼ・ゲーミング・アメリカ社(AGA、ラスベガス、岡田和生社長)を手放し、同アルゼ会長の完全個人会社にすると発表した。AGA社は83年2月に設立した岡田氏の個人会社、旧ユニバーサル・ディストリビューティング・オブ・ネバダ(UDN)を、05年1月にアルゼが株式の半分を買い取りAGAと改称、07年4月からアルゼの海外カジノ向けゲーミング機販売担当子会社となっていたもので、株式の50.05%を岡田和生氏が、残り49.95%をアルゼが所有してきた。しかし海外カジノ市場は現在厳しく、競合各社とも大幅値引き販売している有様であり、AGAによる赤字負担を軽くするため、アルゼによる持ち株を3月31日付で岡田氏に譲渡した。特別利害関係者への譲渡になり価格は未定(4月中に決まる見通し)。

 9.警察庁生活安全局生活環境課は4月1日付で、17年ぶりに「保安課」に名称変更した。警察法施行令、同施行規則、警察庁組織令などを改正しての組織改革で、これまでの生活環境課生活経済対策室を分離格上げして、生活安全局に新たに生活経済対策管理官を置いた。保安課は引き続き風俗営業等、銃刀法等の分野を担当する。生活安全局保安課の課長には広田耕一(47)氏が就任した。同氏は84年早大政経卒で同庁入り、03年大阪府警生活安全部長、07年愛媛県警本部長など歴任している。石川県生まれ。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。