2008年12月15日号Last updated on December 4, 2008
特報
 米国IAAPAショー08でTVゲーム機の出品も充実した。

 タイトーは「NO考ゲーム!」で新作展を開催した。
海外
 米国インクレディブルテクノロジー社がゲーミング分野に進出した。

 ウォルトディズニー社がハワイに家族向けリゾートの建設を開始した。

国内

 バンダイナムコゲームスとエクシングは「アフレコ」サービスを開始した。

 テクモとコーエーの経営統合計画が明らかになった。


2008年12月15日号のニュースダイジェスト
写真はタイトーの新作展(大阪会場)にて「NO考ゲーム」シリーズの、上は「セニョールニッポン!」、下は「ホッピングロード」を試しているようす。

20年前の主なニュース

 米国AMOAエキスポ88(シカゴ)の会期中、ハーフセンチュリークラブが「パックマン」にコインマシン賞を贈った。JAMMAは法人格を得るため、社団法人化のための手続きを開始した。カプコンは「CPシステム」基板の下取り制度を開始する。ビスコとセタが西海岸に揃って米国子会社を設けた。 (1988年12月15日号)

30年前の主なニュース

 ウォルトディズニー社は「ミッキーマウス」50歳イベントを展開した。ナムコは「ジービー」、「サブマリン」などで米国4社に製造許諾した。愛知県警はブロックゲームで高得点を出した客に金券を提供した経営者を、風営法違反(七号の無許可営業)で摘発した。JAA独自の娯楽用電気用品登録制が始まった。(1978年12月15日号)


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【ニユースダイジェスト】

 1.IAAPAショー08(オーランド)では、FEC用リデムプションゲームが一段と多くなったが、ここへ来て業務用TVゲームも勢いを盛り返した。これはメーカーがAMOAエキスポからIAAPAショーに重点を移してきたためで、日系のナムコアメリカ社は「弐輪」(ニリン)、「レイジングストーム」、セガ・アミューズメンツUSA社は「ハーレーダビッドソン・キング・オブ・ザ・ロード」、「ハマー」、「R改:アルティメットストリートレーシング」などの新作を披露した。米国製品ではコースタルアミューズメント社「シーウルフ・ザネクストミッション」、ロースリル社「ギターヒーロー・アーケード」(コナミとアクティビジョン社からの許諾ゲーム)、ピンボールセールス社「スポンジボブ・スクウェアパンツ」などが注目された。

 2.タイトーは11月25日大阪で(27日東京で)新作展を開催、AMショー08でコンセプトを示した「NO考ゲーム」の実物を、まず2点披露した。このシリーズの「ホッピングロード」はプレイヤーがハンドルを握って、実際にホッピングしながら、画面内の動物たちと競争するというもので、玩具企画のウィズランドと共同開発した(2人用、税別129万円)。2台並べて4人でも遊べる。「セニョールニッポン!」は1−3人参加型パーティーゲーム機で、5つのジャンルからゲームを選択する。4ボタンの簡単操作などが特徴(79万円)。いずれもタイプX2使用で、3月発売予定。TVゲームでは来春出荷予定の冒険企画局「トラブル☆ウィッチーズAC」、フウキ「箱つみMAX」、「天までマイル」も紹介した。

 3.バンダイナムコゲームスとエクシング(本社名古屋、吉田篤司社長)は11月27日、カラオケ設備を使った新サービス「アフレコ」を始めると発表した。アニメなどの映像に後から音声を加えるアフターレコーディング(アフレコ)を体験できるシステムをバンダイナムコゲームスが企画・開発。これをエクシングの通信カラオケ「ハイパージョイ・ウェーブ」と専用機器を導入した約百店で12月9日から楽しめるようにした。初回作品は「機動戦士ガンダム〜めぐりあい宇宙〜」など6タイトル。使い方は、好きなアニメのシーンを選択、お手本の映像を見た後、キャラクターの口の動きに合わせてセリフを読んで録音すると、収録した音声とアニメ画面が合成され、発声タイミングの評価が三段階で表示される、というもの。

 4.米国ウォルトディズニー社は10月3日、ハワイのオアフ島に家族向けリゾートを建設すると発表、11月19日現地で着工した。オアフ島西海岸にあるコオリナの土地8.4ヘクタールに、会員制「ディズニー・バケーションクラブ」の施設やホテルなどを建設、11年に開業する予定で、宿泊施設はホテルが350室、タイムシェア・ビラが480。屋外に火山を模したリゾートプールや人口のリバーなどが設けられる。デザインはすべてハワイの環境に合わせて決定される。新たに千人の雇用の創出が見込まれている。なお同社が、テーマパーク以外でこういったリゾート施設を手掛けるのは初めてとなる。

 5.米国インクレディブル・テクノロジーズ社(IT)は11月13日、賭博ゲーム(ゲーミング)分野への参入を発表した。TVスロットマシン、TVポーカーマシンなどを開発済みで、ネバダ州内で賭博機を製造販売することに関して、同州賭博委員会(ゲーミングボード)の許可をすでに得ており、11月18日からの賭博機展「G2E」にも出展した。IT社は1985年設立のアミューズメントTVゲーム開発メーカーで(94年まではストラータ社ブランドで)、特に「ゴールデンティー」シリーズのTVゴルフゲームが有名。同社はゲーミング分野への参入を、大人を楽しませる点では同じだし、会社としては当然と説明している。

 6.テクモとコーエーは11月18日、来年4月1日付で共同持株会社を設立して、それぞれがその子会社になる形で経営統合すると発表した。コーエーの1株に対し新会社の1株を、またテクモの1株に対し新会社の0.9株を交付する方式で、新会社「コーエーテクモホールディングス」を、コーエー現本社のある横浜に本社を置いて設立、代表権のある会長にテクモの柿原康晴会長兼社長が、社長にコーエー松原健二社長が就任する予定。またテクモはテクモウェーブの阪口一芳社長を来年1月26日の臨時株主総会で取締役に選任した上で、テクモ社長に選任する(親会社では取締役)との役員人事を明らかにした。テクモは9月、スクウェア・エニックスからのTOB提案を拒否、コーエーとの経営統合を準備していた。

 7.アルゼは11月14日、9月中間決算を発表、売上高は前年同期比72%減の105.9億円、経常損失は5.5億円(141億円の利益)、中間損失は12.9億円(154億円の利益)と大幅減収で赤字に転落した。中間期にパチスロ機を約3万5千台(販売とソフト交換の合計)国内市場に出荷し、また海外ではマカオに販売拠点を開設したとのことだが、これら部門別の売上高や営業損益など具体的な業績は示されていない。なお通期(09年3月期)の業績予想は、10月1日付下方修正のまま(売上高620億円、経常利益180億円、最終利益110億円)で、変更していない。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。