2008年11月15日号Last updated on November 3, 2008
特報
 エキスポランドは民事再生を申請、再建を模索している。

 OLCは来年二つのアトラクションを追加する。
海外
 セガ社は「三国志大戦2」で初の国際ネットワーク対戦を開始した。

 ニューヨークのコニーアイランドが市の開発公社により整備されつつある。

国内

 中間決算、任天堂は絶好調、ソニーのゲーム部門は営業赤字。

 アドアーズはガイアとの関連性について発表した。


2008年11月15日号のニュースダイジェスト
写真は今年のAMショーで、上はセガ社の2人乗りオフロードレース「ハマー」を試しているようす。下はジオラマを舞台にCCDカメラ搭載の模型列車を操縦する、ホープの「ザ・ワールド・オブ・トレイン」(手前は操作部分)。

20年前の主なニュース

 米国サンフランシスコでセガ社とデータイーストの子会社が、合同でDB向け新作展を開いた。任意団体のAOU理事会は、総会提出議案で対立したままだ。AMショーに平行して、シグマ商事がメダルゲーム機展を、またフェイスがTV麻雀機展を開催した。日本SC遊園協会(NSA)が9月に豪州万博視察ツアーを実施した。(1988年11月15日号)

30年前の主なニュース

 東京・晴海の国際貿易センター東館で開かれAMショーで、テーブル型TVゲーム機を中心にゲーム機と乗物機の新作が充実、記録破りの活況を呈した。セガ社は米国グレムリン社に続き、エスコ貿易買収で合意した。シングルロケ協議会(ASL)が発展的に解散した。遊園施設メーカーの協和とオペレーターのミタカが倒産した。(1978年11月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.任天堂は10月30日、第2・四半期までの6ヵ月業績を発表、売上高は前年同期比20.4%増の3,868億円、営業利益は33.6%増の2,521億円と絶好調で過去最高だったが、下半期では円高による為替差損により増益幅が小さくなる見込みで、通期業績予想のうち利益面を下方修正した。6ヵ月の販売実績によると、「Wii」は海外で前年同期比1.6倍の909万台(国内は101万台)売れ、「ニンテンドーDS」も1.3倍の1,241万台(国内は132万台)売れており、米欧で伸ばしているのが特徴。累計では「Wii」が国内691万台、海外2,764万台で計3,455万台、「ニンテンドーDS」が国内2,371万台、海外6,062万台で計8,433万台。

 2.ソニーは10月29日に第2・四半期(4−6月、米国基準)業績を発表、うちSCEが担当するゲーム部門は、売上高が前年同期比10.3%増の2,685億円と伸ばしたものの、営業損失は395億円(前年同期も損失967億円)と第1・四半期の黒字からまた赤字に戻った。据置型の「PS2」は78万台減の250万台、「PS3」は112万台増の243万台、携帯型の「PSP」は60万台増の318万台、またゲームソフトはPS2用が1,490万枚減の2,310万枚、PS3用が1,070万枚増の2,110万枚、PSP用が80万枚減の1,180万枚を販売した。なお6ヵ月間の売上高は13.2%増の4,981億円、営業損失は340億円となっている。

 3.オリエンタルランド(OLC)は10月29日、東京ディズニーシー(TDS)に09年秋、新アトラクション「タートル・トーク」をオープンすると発表した。ディズニー/ピクサー映画「ファインディング・ニモ」に基づくシアタータイプのアトラクションで、画面に登場する陽気な海がめ「クラッシュ」と双方向で話をしたりする。場所は「SSコロンビア号」内で、約200席。投資額は13億円。なお東京ディズニーランド(TDL)ではトゥモローランド内に09年4月15日、ディズニー/ピクサー映画「モンスターズ・インク」に基づく、ライドアトラクション「モンスターズ・インク“ライド&ゴーシーク!”」をオープンする予定になっている。3人乗り×3両編成。投資額は100億円。

 4.エキスポランド(大阪府吹田市千里万博公園、登記上は大阪市浪速区元町、清水忠一社長)は10月28日、民事再生手続き開始を申請、大阪地裁は保全命令を出した。負債は約16億円。70年開催の大阪万博に付属する遊園施設「エキスポランド」を、万博終了後も運営するため71年10月に設立され、旧・大蔵省と万博記念協会から運営委託を受け、遊園施設を直営または委託運営をしてきた。97年3月期売上高は86億7千万円。だが、主な直営施設の「風人雷神U」で07年5月に死傷者を出す事故が発生、同施設を除きいったん営業を再開したが、9月に「OROCHI」でもトラブルが発生し、12月から再休園していた。設立以来社長だった山田三郎氏は07年12月会長に退き、08年6月退任した。委託運営メーカー7社などとの交渉は不調のまま。

 5.セガ社は10月29日、「三国志大戦2〜若き獅子の鼓動〜」を使用して、台湾、香港、シンガポール、上海の4ヵ国(地域)をカバーする初の国際リアルタイムネットワーク対戦を24日から開始した、と発表した。トレーディングカードとTVゲームを融合した「三国志大戦」シリーズは、日本国内では05年3月の出荷以来、ネットワーク対戦が可能になっているが、アジア各地のゲーム場では、07年1月の香港から順次各地域で使用可能となり、このほどその範囲を広げたもの。導入店数は台湾34、香港29、シンガポール13、上海1となる。「ALL.Net」により接続する方式だが、日本との対戦は対応していない。

 6.バンダイナムコゲームスは10月中旬(14日に福岡、15日に大阪、16−17日に東京で)新作展を開き、2人用TVガンゲーム「レイジングストーム」(来年3月出荷予定)、5種類のチューンドバイクで首都の公道を走る「弐輪」(4月、4台まで通信可能)を紹介した。いずれも先のAMショーで披露したもので、発売時期と価格が決まり、予約注文を進めることになったもの。税抜きOP価格は「レイジングストーム」が178万円、「弐輪」が99万8千円で、11月7日に注文を締め切るとのこと。

 7.米国ニューヨーク市ブルックリン地区にある古くからのリゾート地、コニーアイランドには、古くはルナパーク(1903−1944年)、ドリームランド(1904−1911年)、近年でもアストロランド(1962年−)などの遊園地があったが、アストロワールドは観覧車の「ワンダーホイール」と木製ローラーコースター「サイクロン」を除いて、今年9月に閉園した。ニューヨーク市経済開発公社は「ワンダーホイール」を含む土地を買い取ることで合意した、と10月16日に発表した。「サイクロン」を含む土地は同公社がすでに買収済みで、従来の複雑な権利関係を整理し、市が主体となって歴史的遊園地の開発を行なうとしている。

 8.アドアーズは10月28日、パチンコ・パチスロ店運営大手のガイア(本社東京都中央区日本橋、荒井晃広社長)が、直接的な資本関係はないものの、「その他の関係会社」に該当することが判明した、と発表した。06年3月以来アドアーズの筆頭株主(議決権46%)となっている「GF投資ファンド投資事業有限責任組合」の出資者と、ガイアのオーナー(過半数出資者)が同じであることが、10月28日にアドアーズが入っている札幌のレジャービルを取得した際の交渉過程で分かったため、としている。但しGF投資組合への出資割合などは明らかにしていない。アドアーズとガイアはこれまでも、ゲーム場の賃貸、同一ビルへの共同出店など行なってきたとのことで、密接な関係にあることも事実。

 9.ナショナル興産有限会社(愛知県岡崎市欠野、野々山幸世代表)が10月8日、名古屋地裁岡崎支部に民事再生法の適用を申請、9日に保全命令を受けたことが分かった。負債は34億9400万円。73年設立で、美容室や飲食店の経営を経て、パチンコ店「ミリオンダラー」の経営により90年代前半まで高額納税法人になっていたが、さらに多角化を進めたため経営を悪化させた。08年3月にパチンコ店から撤退、岡崎市内のゲーム場3ヵ所(「アミューズメントスペース201」、「同スクエア201」、「同ステーション201」)に絞っていた。

10.埼玉県警生活環境1課と熊谷署は10月20日、行田市の元ゲーム場経営者(70)と川口市のゲーム機リース会社社長(64)ら男3人を、風営法違反(遊技場営業者の禁止行為、無承認変更)の疑いで埼玉地検熊谷支部に書類送検した。毎日新聞、産経新聞が報じた。それらによると、元経営者らは熊谷市上之のゲーム場(9月に廃業して、現在はない)で、摘発される8月まで、スロットマシンなど6台を公安委員会の承認を受けずに設置営業し、大当たりした場合に500円分のクオカードを払い出すようにしていた。このゲーム場はオートレストランだったという話もある。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。