2008年10月15日号Last updated on October 1, 2008
特報
 AMショーで目立った出品機はこまや「くるくるエアロくん」、ホープ「ザ・ワールド・オブ・トレイン」だった。

 OLDは東京ディズニーが好調で、業績予想を上方修正した。
海外
 米国AMOA08は一段と小規模になったが、それでもましという説明も。

 バリーゲーミング社の特許訴訟は却下された。

国内

 ゲオはトムスのゲーム場事業買取をキャンセルした。

 沼津のサンエイが民事再生法の適用を申請した。


2008年10月15日号のニュースダイジェスト
写真は米国AMOAエキスポ08で、上はナムコアメリカ社の小間で「クレージータイフーン」とともに(左から)フランク・コーゼンティーノ上級副社長、西川豊史社長。下はベトソン・エンタープライゼスの小間で、ロースリルズ社開発のTVドライブゲーム機「ニックトーンズ・ニトロ」(キャビネットはシカゴゲーミング社製)。

20年前の主なニュース

 ナムコはハイビジョン用TVゲーム「ホームランコンテスト」を各地で一般公開した。JAMMAは警察庁に対し、コックピットタイプなどの規制除外を求めて陳情した。任天堂「ファミコン」ディスクシステムの、海賊版ソフトとダビング機の摘発が関東で進んでいる。データイーストの歴史をたどるゲーム音楽CDが発売される。(1988年10月15日号)

30年前の主なニュース

 全日本遊園協会(JAA)は、10月中旬のAMショー開催を目前に、新たに「出展機種明細書」の提出を出展社に義務付け、小間内で検査確認することにした。ジャトレは初のTVゲーム大会を開催した。ナムコは科学技術館の交通安全フェアに参加、ドライブゲーム機などを設置した。(1978年10月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.今年のAMショー(9月18−20日)で紹介された新作TVゲームは、久しぶりに増えたようだ。ゲーム場での売り上げ低迷を打開するところまでいかないかもしれないが、少なくともここ数年間では意欲的だったようだ。新作展などですでに発表済みのものを除いて、セガ社はタッチペンを使うサッカーゲーム「タッチストライカー」(09年2月予定)、バイクレースの「ハーレーダビッドソン・キング・オブ・ザ・ロート」(同)、「アンサー×アンサー2」(同)、二つハンドルのオフロードレース「ハマー」(4月)を披露。バンダイナムコゲームスは「戦場の絆」のハードウェア改造キット(11月)、「湾岸ミッドナイト・マキシマムチューン3DX」(12月)、「太鼓の達人12」(同)、「鉄拳6BR」(同)、バイクレースの「弐輪」(2月)、機銃を使う「レーシングストーム」(来春)と力を入れた。

 2.〔AMショー08出品機の続き〕カプコンは「タツノコvsカプコン」(12月)、「ガンダムvsガンダム・ネクスト」(来年)を、タイトーはグレフ「旋光の輪舞DUO」(今年中か)、日本システム「トラブル☆ウィッチーズAC」(同)を、初出展のフウキはパズルゲーム「天までマイル!」(来年か)などを紹介した。AMIはケイブ「デススマイルズ・メガブラックレーベル」(10月)、アークシステムワークス「ブレイブルー」(11月)、サクセス「ドラゴンダンス」(冬)、SNKプレイモア「ザ・キング・オブ・ファイターズXII」(4月)を、エクサムは「すっごい!アルカナハート2」(10月)、「デモンブライド」(冬)など、アルタはIGS「三国戦記2乱世英雄」(同)を出品した。

 3.タイトーはAMショーで業務用ゲーム機の新ブランド「NO考ゲーム」(ノウコウゲーム)の開発を開始、09年春から製品展開すると発表した。これは改めて「マニュアル不要で、だれもがすぐに遊べる」を開発コンセプトにするというもので、具体的には跳びながら競走する「ホッピングロード」、間違った日本観を楽しむパーティーゲーム「セニョールニッポン!」、エレベーターを操作しながら敵を撃つ「エレベーターアクション・デスパレード」などを開発中とのこと。今回のAMショーで目立ったアーケードゲーム機は、単純で面白いこまやの幼児向け「くるくるエアロくん」、スペースが必要だが確実に集客するホープの「ザ・ワールド・オブ・トレイン」だった。

 4.オリエンタルランドは9月26日、第2・四半期までの半年間(4−9月)および通期の業績予想を大幅に上方修正した。「東京ディズニーリゾート25周年」記念イベント効果により、年間入園者が過去最高の2,650万人(5月の前回予想では2,580万人)と見込まれるほどテーマパーク事業が好調で、新施設開業準備費用などを吸収する見込みになったため。修正後の上半期の売上高は1,794億円(前回予想1,697億円)、経常利益は125.7億円(84.7億円)、純利益は71.5億円(49.3億円)を、また通期の売上高は3,739億円(3,642億円)、経常利益は289.4億円(266.8億円)、最終利益は173.7億円(162.2億円)を見込んでいる。

 5.アトラスは9月29日、08年7月期連結決算を発表、売上高は約233億円(前年は4−7月の4ヵ月変則決算で79.8億円)、経常利益16億円(3億円の損失)、当期利益5.8億円(8.4億円の損失)と黒字回復した。ゲーム場内装設備の減損処理など8.6億円の特別損失を計上した。家庭用でヒット作が出て、売上高が81億円、営業利益が19.8億円と好調だったことによるが、業務用は「トリプルキャッチャーアイス」が千台以上売れて、売上高53.8億円となったものの、営業利益は6千万円にとどまり、ゲーム場運営(直営23店)も売上高99.3億円だが、営業利益は2.7億円にとどまった。

 6.トムス・エンタテインメントは9月29日、分社化したゲーム場運営部門を10月1日付でゲオに34億5千万円で売却することで5月に合意・契約していたが、ゲオがこのほど契約解消を申し入れ、トムスが受け入れ解消したことを明らかにした。ゲオによると、解消理由は、契約以降ゲーム場運営事業の業績が低下し、予想した収益の維持が難しいと判断するに至ったため。ゲオは契約解消に伴い、解決金2億4千万円をトムスに支払う。これに伴いトムスは中間期業績予想を、またゲオは中間期と通期の業績予想をそれぞれ下方修正した。トムスはアニメーション事業に特化するため、ゲーム場運営事業を売却すべく「AGスクウェア」として分社化し、それを「ゲオスクエア」に社名変更していた。

 7.ネクストジャパンホールディングスは10月29日の定時株主総会で、第三者割当増資に伴う定款の一部改正と、代表取締役の交代を実施する、と発表した。新たに代表取締役となる藤沢信義氏は、9月29日付で68.2%を所有し筆頭株主となる「リバイバル・アセット・マネジメント1号投資事業組合」のオーナーで、消費者金融の「かざかファイナンス」などの代表取締役。「以前からアミューズメントゲームの店舗運営・卸事業を展開する会社を設立・所有するなど、AM業界に深く精通している」とのこと。岐阜県出身。東大医卒。38歳。なお炭本健現社長は退任する。

 8.SCロケのオペレーター、潟Tンエイ(静岡県沼津市、吉川正明代表)が9月9日、静岡地裁沼津支部に民事再生法の適用を申請した。負債は約8億3千万円。63年創業、73年5月設立の且O栄商会が、90年3月現商号に改称したゲーム場運営会社で、東海地方でピーク時に29店を展開していた。88年に会員制マリンクラブ「沼津シーサイドクラブ」の経営を開始、また別に経営していた書店を97年に吸収合併し、07年2月期の売上高は9億5千8百万円だった。だがゲーム機の償却負担と多額の借入金で収益が上がらず、社有不動産の評価損で赤字に陥っていたところ、08年2月期の売上高は7億千6百万円で収入が好転せず行き詰った。吉川正明氏はSC遊園協会(NSA)の副会長を務めたことがある。

 9.米国秋の業務用AM機展、AMOAエキスポ08(9月10−12日、ラスベガス)には120社が383小間に出展、3,140人の登録業者が訪れ、一段と小さな規模になった。日系企業では例年通り出展したセガ・アミューズメンツUSA社が「ランボー」、「クレイチャレンジ」、ナムコアメリカ社が「クレージータイフーン」など、TVゲームとリデムプションゲーム機を紹介した。だが今春「シーウルフ」というヒット作を出したコースタル・アミューズメント社は、11月のIAAPAショーには出展するが、AMOAに出展してない。それでもショー運営を任されているブライアン・グラスゴー氏は「一般にトレードショーが約20−25%縮小するなか、AMOAはまだまし」と説明している。

10.ゲーミング機大手の米国インターナショナル・ゲーム・テクノロジー社(IGT)はこのほど、ネバダ地区を担当する連邦地裁が9月9日、バリーゲーミング社(バリーテクノロジー社の子会社)の特許訴訟を却下する略式判決(陪審評決を省略する判決)を出したと発表した。バリー社はIGT社のスロットマシン「ウィール・オブ・フォーチュン」などがバリー社「ラッキーホイール」と極めて似ており、特許侵害だとして06年9月に提訴していた。判決は、KSRインターナショナル対テレファックス事件の最高裁決定を引き合いに出し、バリー社特許は無効だとした。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。