2008年5月15日号Last updated on May 3, 2008
特報
 セガ社トップが異動、臼井興胤取締役が社長兼COOに

 警察庁は07年の遊技機使用賭博犯の取締り状況など発表した。

海外
 UAEのAM機器展、DEAL08でコピー問題が起こった。

 韓国仁川空港近くにMGMテーマパーク建設の計画が明らかに

国内

 セガ社とバンダイナムコゲームスは香港ロケで「オールネット」を検証中だ。

 エキスポランド人身事故で役員ら3名と法人が起訴された。


2008年5月15日号のニュースダイジェスト
写真は3月4日、中国広東省番禺(パンユー)で行われた無断コピー品摘発のもよう。上は米国メリット社の製品を丸ごと無断複製したコピー品。下はこれらコピー品を警察が押収し、トラックに載せるようす。写

20年前の主なニュース

 ブッシュネル氏は米国バリー社に売却したセンテ社買い戻し、別に設立したアクスロン社で業務用を開発中だ。セガ社は新作展を開催、「ギャラクシーフォース」を披露した。ユニバーサル販売は高輪に完成した本社ビルを披露した。SNKは新本社ビルで「ファイティングサッカー」などを紹介した。(1988年5月15日号)

30年前の主なニュース

 ボナンザが輸入販売した、米国エキシディ社のTVゲーム機「デスレース」を撤去するよう、青少年国民会議がJAAなどに申し入れた。九州アミューズメント協会が6月、小倉で開く展示会に42社が142小間出展することになった。加藤板金工業は戦闘機「零戦」の展示用修復の作業中だ。(1978年5月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーホールディングスは4月25日、子会社のセガ社トップを5月1日付で異動すると発表した。里見治会長兼CEOは社長兼務がなくなり、臼井興胤(うすい・おきたね)取締役が社長兼COOに昇格し、小口久雄代表取締役は取締役になる。新社長の臼井興胤氏は83年一橋大商卒、93年セガ社入社、97年取締役コンシューマー事業本部副本部長などを経て、99年退社。07年6月再び入社し専務AM統括本部長、08年2月から取締役同。愛媛県出身。49歳。セガ社では2月に役員異動を実施しており、鈴木義治取締役AM海外事業部長は退任、顧問となっていたが、6月16日付でセガトイズ取締役に就任する。同様に森啓二上席執行役員は、4月1日からAQインタラクティブの上席執行役員(国内業務用担当)となっている。なおサミーでもトップ異動があり、片本通社長は副社長に降格、中山圭史(なかやま・けいし)取締役が社長兼COOに昇格する。

 2.セガサミーホールディングスは4月25日、08年3月期連結業績予想を改めて大幅下方修正した。修正後の売上高は4,600億円(2月の前回予想は4,750億円)で、経常損失は70億円(変わらず)、最終損失は520億円(260億円)と最終赤字幅が2倍になった。売上高はパチスロ遊技機が40.8万台から38万台へ、パチンコ遊技機が13.4万台から10.8万台へ、年間計画販売台数を修正したのが主な理由。しかも有価証券評価損の120億円、「MM21」計画中止による違約金56億円、一部製品の自主回収で23億円を、それぞれ特別損失に計上することになった。09年3月期は売上高4,700億円、経常利益130億円、最終利益50億円を見込んでいる。

 3.任天堂は4月24日、08年3月期連結決算を発表、売上高は前年比73%増の1兆6,724億円、経常利益は53%増の4,408億円、最終利益は48%増の2,573億円と過去最高だった。売上高1兆円以上は、07年3月期ソニーのゲーム部門業績に続くもので、ゲーム専門メーカーでは初めて。TVゲーム人口を広げるという戦略が成功していることを示すもので、「Wii」は本体が世界で1,861万台(累計2,445万台)売れ、「ニンテンドーDS」は3,031万台(7,060万台)売れた。特にWiiは米国で、DSは欧州で好調で、海外売上高比率は前年の66.5%から80.6%に伸びた。任天堂は09年3月期で売上高1兆8千億円、経常利益5,500億円、最終利益3,250億円を予想している。

 4.セガ社とバンダイナムコゲームスは4月17日、ネットワーク技術基盤「オールネット」を、海外でも使用することになったと発表した。これは両社が04年2月に交わした合意に基づき、4月から香港で開始したもので、まず「オールネット」環境の下で、香港・コーズウェイにあるナムコのゲーム場「ワンダーパークプラス」に設置したセガ社「三国志大戦2」とバンダイナムコゲームス「機動戦士ガンダム・戦場の絆」の2タイトルを同時に作動させ、共同のロケテスト形式で検証する。そしてネットワークの安定性と正確さが確認され次第、海外の他店へと広げていく予定。なお国内ではすでに16タイトルについて約3千店で利用している。

 5.アラブ首長国(UAE)のドバイにあるワールドトレードセンターで4月20−22日に開かれたAM機器展、DEAL(ドバイ・エンタテイメント・アミューズメント&レジャーショー)で、とうとう中国企業の無断コピーに対して米欧メーカーの怒りが爆発した。詳しくはわからないが、現地からの情報では、問題となったのは広東省中山市に本社のある中山光?阻遊楽設備(チョンシャン・ガンヤン・アミューズメント・イクイップメント)で、同社が出品していた機械とそのパンフレットは、主催者によって撤去される事態となった。このショーで最大の小間を持つ米国のICE社が、この中国からの出展社をコピーヤーとして激しく非難しており、ICE社はこういうことが続くなら二度と出展しない、としている。

 6.韓国インチョン(仁川)国際空港会社は4月14日、米国MGM映画社の韓国事務所であるMSCコリアと、空港ターミナルの近くにMGMの映画にちなむテーマパーク、「MGMスタジオパーク」を建設することについて覚書を交わした、と発表した。仁川空港はMSCコリアとさらに4ヵ月かけて計画の細部を詰めていくとしており、できれば2011年までにオープンしたいとしている。韓国でMGMのテーマパーク建設はこれまで、釜山などで計画されたが、失敗に終わっており、それだけに関係者は実現に向けて慎重に協議を進めているとのこと。

 7.遊園地「エキスポランド」で07年5月、ローラーコースターが脱線して乗客1人が死亡、19人(起訴状では重傷の12人)が重軽傷を負った事故で、大阪地検は4月28日、保守管理を怠ったとして、エキスポランドの伊藤正則・元取締役(60歳)と建部淳・元施設営業部長(65歳)を業務上過失致死傷と建築基準法違反(虚偽報告)の罪で大阪地裁に在宅起訴した。また松田博・元技術課長(58歳)と法人エキスポランドも建築基準法違反で起訴した。遊園施設の事故では異例の起訴となったが、これは高度の安全管理を必要とする施設を扱っていた幹部の過失と結果がともに重大、と判断されたため。これらを受けて山田三郎会長は、6月の株主総会をめどに退任することを明らかにした。

 8.証券取引等監視委員会は4月22日、セイブシステムリンク(東京都中央区)など遊技機器販売5社の役員7人に対し、証券取引法違反(インサイダー取引)の事実があるとして、各16‐104万円(計258万円)の課徴金を課すよう金融庁に勧告した。役員らはセタがメーシー販売の製品を独占販売するとの契約が公表される前に、セタの株式計約6万3千株を計約2,387万円で買い付けていた。また証券取引等監視委員会はセタが07年3月期の有価証券報告書の重要事項に虚偽記載したとして、金融庁設置法に基づきセタに300万円の課徴金を課すよう金融庁に勧告した。セタはアルゼの子会社で、97年5月以来ジャスダックに株式を上場していたが、08年初めに上場廃止となっている。

 9.警察庁・生活環境課は4月17日に07年中の風俗関係事犯についての概略を発表、遊技機を使用した賭博犯は117件(前年90件)、699人(564人)を検挙、賭金約2億1千万円(2億円)を押収した。うち暴力団が関与していたのは53件、307人だった。東京都で07年11月、パチスロ遊技機を使用し、1点40‐100円で換金可能な点数をかけさせていた経営者らを常習賭博で逮捕、遊技機45台など押収した、などの事例がある。なお、風営法で規制している「8号営業」(ゲームセンター等)の営業所数は07年12月現在8,652店(9,091店)、設置台数は474,808台(460,031台)で、一店あたりの台数は54.9台(50.6台)と大型化が進んでいる。

 10.スクウェア・エニックスは4月25日、新設分割方式で新会社を10月1日付けで設立し、新子会社(スクウェア・エニックス)に事業を移転することにより、持株会社(スクウェア・エニックス・ホールディングス)に移行することになった、と発表した。持株会社と新子会社の所在地は同じ、代表者は和田洋一社長が兼任する。現在スクウェア・エニックスの完全子会社であるタイトーは、新子会社(スクウェア・エニックス)と同様、持株会社の子会社という位置づけになる。

 11.シチエは4月24日、第1・四半期(1‐3月)業績を発表、売上高は約7%減の約30億円、経常利益は17%減の5億9千万円、純利益は18%減の3億4千万円だった。部門別売上高はCDやDVDのレンタルが8%減の11億5千万円、ゲーム場運営が7%減の18億3千万円、ボウリング場が22%減の2千万円、その他施設(ネットカフェと自動販売機収入)が178%増の4千万円(店舗数は変わらず)。同社は08年12月期が終了する09年1月から社名が「ウェアハウス」に変わる予定。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。