2008年4月1日号Last updated on March 17, 2008
特報
 「スペースインベーダー」30周年でタイトーは記念事業を開始した。

 イオンファンタジーは通期業績予想を大幅下方修正した。

海外
 中国広東省パンユーのコピー業者、チャンタイメタル社が摘発された。

 UAEの「ドバイランド」に建設予定のテーマパークで次々と契約締結。

国内

 バンダイナムコHDは一部資産売却により、最終増益に修正した。

 シチエは09年1月から「ウェアハウス」に社名変更する。


2008年4月1日号のニュースダイジェスト
写真はタイトー「スペースインベーダー」30周年記念事業発表会で、上は記念デザインのクレーンゲーム機と和田洋一社長。下は30年前のテーブル型オリジナル機を試しているようす(後にアップライトも)。

20年前の主なニュース

 米国AAMCFはACME開催に伴い、デビッド・ローゼン氏の功績をたたえる夕食会を開いた。米国アタリゲームズ社は、家庭用ソフト子会社のテンゲンを発足させた。ジャレコは関係者を招き新本社ビルを披露した。AM通信社は若杉ビルに移転した。ウッドプレイスが倒産した。(1988年4月1日号)

30年前の主なニュース

 バリー社が主催した、初の全米フリッパー大会に6万人が参加した。ジャトレ主催の初のカラオケ大賞コンテストに2万3千人が参加した。ホテル・レストランショーにウコーがTVゲーム「ピエロ」などを出品した。新日本企画がブロック崩しの「マイコンキット」を発売中だ。(1978年4月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.タイトーは3月7日、「スペースインベーダー」(78年7月)30周年記念事業を発表、和田洋一社長は「イノベーションの象徴として引き継ぎ、柔軟な発想でのゲーム作りなどビジネス構築を重要視し、スペースインベーダーを使った戦略を進めていく」と説明した。当面の具体的計画は、@約180店ある直営ゲーム場を「タイトーステーション」のブランドに統一し、ロゴ、看板、制服など統一、フランチャイズも導入する。A30周年オリジナル景品、記念デザインのクレーンゲーム機を展開、客の満足度を入力する装置「ハッピーボタン」を設置、またニフティのブログサービス「ココログ」とタイアップし、4月以降実施するコンテストを通じて30年前のテーブル型実機を1台提供する、など。

 2.イオンファンタジーは3月7日、08年02月期業績予想を、売上高494億8千万円(07年10月の前回予想では510億円)、経常利益45億5千万円(57億1千万円)、当期利益24億4千万円(30億5千万円)と大幅に下方修正した。第1・四半期で「ドンキーコングバナナキングダム」の発火トラブルによる79台の停止・撤去があり、既存店売上高は前年比88%に低迷。その後キッズカードゲームの回復、クレーンゲームの不振などで第2・四半期は92%、第3・四半期は97%と推移したが、家庭用の人気拡大や秋口からの消費下落により第3・四半期は93%とやや低い水準にとどまる見込み、としている。

 3.アトラスは3月14日、1月中間連結決算を発表、売上高100億4千2百万円、経常利益6億9千3百万円、中間利益4億9千万円だった(前年は4ヵ月変則決算なので比較できない)。部門別で、家庭用は売上高が30億6千6百万円で、営業利益が7億7千5百万円、業務用は売上高が19億6千5百万円で、営業損失が1億3千8百万円、ゲーム場運営は売上高が51億1千2百万円で、営業利益が3億2千5百万円。家庭用は収益ともに大きく貢献したが、業務用はプリクラ関係消耗品が減少して営業赤字になり、ゲーム場は07年11月以来急速に市場全体が冷え込んでいる、としている。

 4.バンダイナムコホールディングスは3月13日、子会社バンダイが所有してきた固定資産(東京都港区南青山にある賃貸用の店舗用地)をサイドスリー特定目的会社に売却することを決めたのに伴い、167億円の特別利益を計上することになり、通期(08年3月期)連結業績予想を上方修正した。修正部分は当期利益のみで、2月6日の前回予想(165億円)に対して310億円、前年実績に比べて28%増となる。なお子会社ナムコが所有していた北海道・函館にある湯の川観光ホテルの譲渡価格は、株式が1千万円、債権が1億8千3百万円となった。

 5.シチエは2月29日、社名を09年1月からウェアハウスに変更することを決めた。正式には3月27日の定時株主総会で決定する。同社は79年6月の設立から「シチエ」だが、当初の事業は弁当販売で、その後ドーナツ、ハンバーガーも扱ったが、ビデオや家庭用ゲームソフトの販売を経て、ビデオとCD・DVDのレンタル店「ウェアハウス」を本格的に展開し、93年12月からはゲーム場「アミューズメントパーク・ウェアハウス」を展開することになった。またこれらに付随して「カラオケウェアハウス」、「ボウリングウェアハウス」、「ビリヤードウェアハウス」なども展開してきた。そこで社名も「ウェアハウス」ブランドで統一することにした。

 6.カプコンは3月5日に東京で(大阪は7日)新作展を開催、AOUエキスポで出品したキャラクター対戦格闘ゲームのエイティング/カプコン「フェイト/アンリミテッドコード」(246、6月出荷予定)と、「ストリートファイターW」(TX2、7月)、そして4人用クレーンゲーム機「ベルサークル・スパークリングブルー」(7月)を紹介、「機動戦士ガンダム・ガンダムvsガンダム」HDDキット(7月)とともに受注(いずれも3月下旬締め切り)に力を入れた。なお「ガンダムvsガンダム」HDDキットは、「機動戦士ガンダムシード」および「同シードデスティニーU」のPCBからソフト交換するもの。

 7.米国メリット・エンタテイメント社の発表(3月13日)によると、中国広東省番禺(パンユー)の警察はこのほど、同社製TVゲーム機「メガタッチ」シリーズの無断コピー品を製造販売していたパンユー市内の承泰金属五金電気(チェンタイメタル・ハードウェアエレクトロニクス)を摘発し、コピー品を押収するとともに、オーナーのヤン・シャンツェンを逮捕した。パンユーのドンシェン産業地帯にあるチェンタイメタルの工場では、セガ社製品のコピー品10台とナムコ製品のコピー品5台も押収された。メリット社の法務担当部長、ボブ・フェイ氏は、被害金額が大きいので、コピーヤーに対して刑事罰を加える見通しだと説明している。

 8.アラブ首長国連邦(UAE)のドバイに建設中の巨大レジャー施設「ドバイランド」(280ku)に、米国ドリームワークスがCGアニメのテーマパークを、また米国シックスフラッグス社がスリルライドをメインにしたテーマパークを、それぞれ導入することが3月までに明らかとなった。「ドバイランド」などの開発を進めているUAE政府系のタトウィール社が発表してきたもので、それぞれ2月7日と3月4日に包括契約を締結した。UAEでは首都アブダビでテーマパークを建設することで、米国ワーナーブラザーズ社が07年9月に契約しており、こうした大型AM施設建設計画が目白押しとなっている。

 9.スクウェア・エニックスは3月14日、韓国の芸能プロダクションのファントム・エンタテインメント・グループを相手取って、韓国で進めていた著作権侵害訴訟で勝訴したと発表した。判決によると、ファントムらは、スクウェア・エニックスのCG映像作品「ファイナルファンタジーZ・アドベントチルドレン」の一場面を無断で、ファントム所属の歌手の宣伝用音楽ビデオに使用するため改変し、07年3月に有償配信を開始した。このためスクウェア・エニックスの申し立てに基づき、同音楽ビデオの公開・販売を禁止する仮処分命令が4月に出されており、また12月には著作権侵害を理由とする有罪判決も出ていた。ソウル中央地裁は民事訴訟でも訴えを認め、総額3億ウォンの損害賠償をファントムらに命じた。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。