2008年2月1日号Last updated on January 19, 2008
特報
 「ロンドンアイ」型の大観覧車が世界各地で次々とオープンする。

 景品事業は新会社で、バンプレスト再編の仕上げが実施される。

海外
 米国ASI08は初めて、最終日の午後を一般公開することになった。

 米国IT社はゲームソフト開発のSSG社を買い取った。

国内

 セガ社は東京ジョイポリス型の施設運営でUAEのEMG社に許諾契約した。

 エキスポランド事故で元取締役ら2名が書類送検された。


2008年2月1日号のニュースダイジェスト
写真はAOU近畿地区新年会で、上は(左から)テヅカの手塚明雄社長(近畿地区協議会会長)、タイトーの飯沢幸雄専務(AOU会長)、バンダイナムコホールディングスの橘正裕取締役、下は(左から)バンダイナムコゲームスの加々見章氏、ユーエス産業の久保好夫部長、高井商会の高井一美社長。

20年前の主なニュース

 フランスのフォーレインエキスポ87は、変則的な分割開催で問題を残したが、AM機市場は活発だ。「アルカノイド」コピー基板を販売していた長野の業者に対し、著作権法違反を認め有罪判決が言い渡された。AOUは「8号営業」に対する税制面での助成を求め政府・自民党に要望書を提出した。(1988年2月1日号)

30年前の主なニュース

 電気用品取締法施行令の改正に伴い、TVゲーム機など製造・輸入業者の登録と型式認可が3月から必要となった。ボウリング場の数は74年で底を打ち、千ヵ所以上と再び増加している。警察庁調べによると、スロットマシンなど「ギャンブル機具」使用の賭博事犯がいぜんとして増加している。(1978年2月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.英国「ロンドンアイ」(直径135m)を上回る世界最大級の大観覧車が、今年から来年にかけて世界各地で次々とオープンする。いずれも「ロンドンアイ」同様の多人数用カプセルを使用するタイプで、グレートウィール社の企画によるもの。シンガポールの「シンガポールフライヤー」(165m)が08年2月11日にオープン、年末までに中国・青島(150m)とUAE・ドバイ(185m)で、また09年にドイツ・ベルリン(185m)、中国・北京(208m)で完成する予定。北京の朝陽公園では07年11月、ベルリン動物園では12月に着工しており、なかでも北京版は歴史上最大規模で、40人乗りのカプセルが48個回転する。

 2.バンダイナムコホールディングスは1月15日、分割して新設されるバンプレスト(新生バンプレスト、吉川昌之社長)が景品事業を継承する、とのバンプレスト再編の仕上げを発表した。4月1日付で、運営事業を担当する「花やしき」と「プレジャーキャスト」はナムコの子会社となり、業務用と家庭用のゲーム事業はバンダイナムコゲームスに吸収され、新生バンプレストと「バンプレソフト」はバンダイナムコゲームスの子会社になる。「バンプレスト販売」と「バンプレスト香港」は新生バンプレストの子会社となり、企画・デザインの「アートプレスト」はバンダイナムコHDの子会社になる。これらにより従来のバンプレストは消滅する。

 3.セガ社は1月17日、アラブ首長国連邦(UAE)のエマール・モールズグループ社(EMG、本社ドバイ、ラシド・ザカライア・ドーレCEO)と、「東京ジョイポリス」のようなアトラクション施設に関してライセンス契約を結び、EMG社は今年中に一号店を開設することになった、と発表した。一号店はドバイ市内で建設中の世界最大級のSC、「ドバイモール」内の2フロア約7千uに開設され、今年後半にオープンする予定。セガ社は96年開設の「東京ジョイポリス」などの実績に基づき、EMG社が開設していくアトラクション施設の開発・運営に関してノウハウを提供するとしている。

 4.米国春の業務用AM機器展、ASIは今年3月27−29日にラスベガスで開かれるが、最終日の午後(正午から午後四時まで)に限って一般公開することになった。ASIは84年に初めて開催されて以来これまで一般公開は一切してこなかったので、主催団体AAMAの理事会でも反対意見があったが、業界規模が小さくなって、必要な登録入場者が減っているため、テストケースとして実施することになったもの。一人10ドルの入場料を徴収する。またASI08では地元の有名人を招くチャリティイベントなども予定しており、イベントとしての性格を増し、展示会としての意義はこれまでより薄くなるもようだ。

 5.米国インクレディブル・テクノロジー社(IT、シカゴ郊外、イレーイン・ホジソン社長兼CEO)が12月末、シカゴ郊外にあるステートストリートゲームズ社(SSG)を買い取ったことを明らかにした。SSG社はミッドウェー社やエレクトロニックアーツ社など、主に家庭用TVゲームソフト開発を進めてきた開発会社で、IT社の傘下に入るとともに「ITウェスト社」と改称した。米国業務用市場は低迷しているが、少なくともIT社に関する限り低迷という言葉と関係がないほど、業務用ゴルフTVゲーム「ゴールデンティーフォー」シリーズなどにより順調に業績を伸ばしており、開発陣強化を一層進める必要に迫られているとしている。

 6.エキスポランドで07年5月5日ローラーコースターにより乗客20名が死傷した事故に関し、大阪府警は12月19日、エキスポランドの伊藤正則元施設管理担当取締役(59)と建部淳元施設営業部長(65)を業務上過失致傷容疑で書類送検した。二人は「いずれ大きな事故が起こると認識しながら検査を怠った」ことを認めているという。事故当時社長だった山田三郎会長(77)は、詳しい業務報告を受けていなかったとして立件を見送った。エキスポランドは休園後、8月10日に営業を再開したが、別のコースターでトラブルが発生たため12月10日から再び休園となっている。このため年間入場者は例年の約2割と激減しており、営業できなくなっている委託営業の遊園施設やゲーム場などは深刻な打撃を受けている。

 7.ラウンドワンは1月11日、07年4−12月期の月別売り上げ速報を発表、ゲーム場で第3・四半期(10−12月)の既存店売上高が前年同期比8.3%落ち込んでいることが分かった(総売上でも5.9%下落となっている)。ゲーム場については年末にかけて新機種が出荷されるが、ヒット作がなかったので、低調だったとしている。一方、エスケイジャパンは同日、第3・四半期までの9ヵ月(3−11月)業績を発表、売上高が約8%減の約106億円、経常利益が62%減の1億2千万円と、中間期よりさらに後退していることを示した。ただしAM業界向け景品販売は0.1%減の45億7千万円と堅調で、小売部門(売上高が19%減の38億円など)に引きずられる形になっている。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。