2007年3月15日号Last updated on March 6, 2007
特報
 AOUエキスポでバンダイナムコゲームス「ニュースペースオーダー」などが披露された。

 米国イマージョン社はSCEと和解し、特許訴訟を終結した。

海外
 TVスロットマシンのサブリミナル効果がカナダで問題となった。

 TVゲームの暴力性に責任なしとする研究が米国で発表された。

国内

 オムロンはAM機ビジネスから撤退、フリューHDに売却した。

 アルゼは通期予想をまたもや大幅下方修正した。


2007年3月15日号のニュースダイジェスト
写真はAOUエキスポ07で、上はバンダイナムコゲームス「ニュースペースオーダー」、下はセガ社「アンサー×アンサー」を、それぞれ試しているようす。

10年前の主なニュース

 規制緩和を検討する行政改革委員会は、JAMMAが出した風営法関係の要望をすべて退けた。賭博機が急増したマレーシアでは、政府がゲーム場の全面閉鎖に向けて動き出した。タイトーは米国3Dfx社CGチップを使ったCG基板「タイトーウルフ」を発表した。米国ALG社が倒産した(1997年3月15日号)

20年前の主なニュース

 米国アタリゲームズ社は、5年ぶりにナムコからの許諾品となる「ローリングサンダー」を出荷した。AOUエキスポ87(3月4−5日、新宿)には45社が出展、一般入場者2千人を含む約6千人が詰め掛けた。SNKは他社向け「ループレバー」の許諾販売を開始した。(1987年3月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.AOUエキスポ07(2月16−17日)では、バンダイナムコゲームスが宇宙空間を舞台にしたネットワーク型戦略ゲーム「ニュースペースオーダー」を披露して、注目された。これは宇宙を探査して惑星を発見し、領土を拡大していき、敵の本拠となっている星を攻略するというもので、対戦相手はネットで募る。ナムコの「知・好・楽」でロケテスト済み(出荷時期未定)。セガ社はネットワーク型の対戦クイズゲーム「アンサー×アンサー」(未定)、パーティーゲームの「ポカ☆スカゴースト!」(今夏)などを発表した。コナミデジタルは、タッチパネルを併用する「オトメディウス」(今夏)、家庭用に基づく「サイレントヒル・ジ・アーケード」(同)などを紹介した。

 2.基板タイプではセガ社が「ダイナマイト刑事EX〜アジアンダイナマイト」、トライアングル「シューティング・ラブ2007」など、バンダイナムコゲームスがワイド画面の「鉄拳6」(一部映像のみ)、バンプレストが「キン肉マンマッスルグランプリ2」(6月出荷予定)、タイトーがアークシステムワークス「バトルファンタジア」(4月)、AMIがケイブ「むちむちポーク!」(今春)、ハムスター「すくすく犬福2」、コンパイルハート「のーこねパズルたころん」(2月)を紹介した。キッズ向けカード対戦ゲームは過当競争で市場は行き詰まりつつあるが、セガ社「マリンマリン」、スクウェアエニックス/タイトー「モンスターバトルロード」(今夏)、バンダイナムコゲームス「アニマルカイザー」などが出品された。また日本システムの小間で、デジタルロジックの「体感クレイジークライマー」が披露された。

 3.触覚技術に関して多くの特許を持つ米国イマージョン社とソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は3月1日、米国連邦控訴裁判所での特許侵害訴訟を終結し、イマージョン社の特許技術をSCEの「プレイステーション」(PS)シリーズで使用できるようにする許諾契約を結んだ、と発表した。イマージョン社は「PS」振動コントローラーが特許を侵害しているとして訴え、連邦地裁は05年3月に訴えを認め、SCEに9千万ドル(約百億円)以上の損害賠償と製造禁止を命じたため、SCEは控訴していた。事実上の和解により訴訟は終結するが、SCEはイマージョン社に対しこれまでの損害を賠償するほか、今後の許諾料も支払うことになるものの、金額は公表しない。

 4.オムロンは2月23日、完全子会社のオムロンエンタテインメント(OJE、東京都渋谷区、田坂吉朗社長)の全事業を売却し、写真シール機や景品ビジネスから撤退すると発表した。OJEが実施するMBO(経営陣による企業買収)に同意したもので、田坂社長らが昨年10月に設立したフリューHDに譲渡するが、金額は不明。OJEは03年7月にオムロンから分社化し、直近の年商は108億円。売上げの7割を占める写真シール機でトップだが、オムロンは主力事業との相乗効果が期待できないと見て、4月1日付売却を決めた。OJE自体は清算する。なおフリューHDは同日、ジャスダック上場会社のウィーヴ(本社東京都千代田区、鈴木徹也社長)と資本・業務提携すると発表した。

 5.アルゼは2月22日に第3・四半期までの9ヵ月(1−12月)業績を発表、売上高は前年同期比18%減の約306億円、経常損失は35億円(前年同期は71億円)、純利益は134億円(88億円の損失)だった。新基準(いわゆる5号機)のパチスロ機を販売中だが、見通しに反して伸び悩んでいる。関連会社の米国ウィンリゾーツ社のマカオ子会社に係わる営業権のサブライセンス売却に伴い190億円の特別利益があったため、3ヵ月前に通期利益予想を大幅上方修正したばかりだが、経常損益は55億円の赤字(修正前は270億円の黒字)、最終利益は101億円(340億円)とまたもや大幅に下方修正することになった。

 6.カナダオンタリオ州での公営賭博機を管理しているオンタリオ・ラッタリー&ゲーミング社は、設置していたコナミ製TVスロットがサブリミナル効果を生じている疑いがあるとして、3機種87台を撤去した。カナダの全国テレビ局、CBCが2月26日に報じたもので、リールを回転するたびに毎回ジャックポット(大当たり)の表示が5分の1秒間現われ、客が無意識のうちに賭博にのめりこむという。地方税収入を目的にTVスロットやTVポーカーなどの「ビデオラッタリー」が北米各地で導入されているが、サブリミナル効果疑惑は初めて。現地コナミの広報は、ソフトウェア上の欠陥に過ぎないことを強調、このために特に売り上げが上がったことはない、と反論している。

 7.暴力的な内容のTVゲームが未成年者を殺人に駆り立てるわけではない、という研究成果が米国で発表された。ロイターが3月2日に報じたもので、99年にコロラド州コロンバインの高校で起こった銃乱射事件以来、これらの関連を調べている南カリフォルニア大学の社会学者、カレン・スターンハイマーさんは、「ビデオゲームが殺すのか」という論文で、暴力事件をTVゲームのせいにする人々はそれ以外の重要な事実を見過ごしている、と指摘した。また、コロンバイン事件ではPCゲーム「ドゥーム」が事件の引き金になったと言われたが、このゲームが実際に出てから10年間に、未成年者による殺人犯は77%減少したことが、FBIのデータで分かったとしている。

 8.セガ社は横浜市の新都心「みなとみらい21」中央地区の土地2万8千uを、横浜市都市開発公社から226億円で取得する契約を結んだ、とセガサミーホールディングスが2月20日に発表した。55‐58街区のうち55‐57街区に関わるもので、来春契約する予定の58街区分を合わせると、合計4万1千u、330億円の投資となる。セガ社は娯楽施設を核に、劇場、ホテル、オフィスなどの複合施設として開発する予定で、08年秋に着工、11年春の完成、オープンを目指すとしている。




 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。