2006年11月1日号

Last updated on October 25, 2006

特報

 バンダイナムコゲームスは来春、本社・開発事務所を品川に統合する。

 アルゼの特許がまた1件無効と審判された。

海外

 米国家庭用「E3」2007の概要が明らかになった。

 米国は連邦法でオンラインカジノを禁止した。

国内

 セガサミーHD、カプコン、アトラスはそれぞれ中間期予想を修正した。

 カプコンはクローバースタジオの年末解散を決めた。


2006年11月1日号のニュースダイジェスト
真上は米国AMOAエキスポ06のセガアミューズメントUSA社小間で(左から)セガ社の小口久雄社長、CAロビンソン社のアイラ・ベテルマン社長、サンディー・ベテルマン副社長、米国セガ社の井上剛志副社長。下はナムコアメリカ社の小間で西川豊史社長、ナムコサイバーテイメント社のケビン・ヘイズ社長、ナムコアメリカ社のフランク・コーゼンティーノ副社長。


10年前の主なニュース


 金子製作所はROMカセットを販売し、基板は貸与するという32ビット「ノヴァシステム」を発表した。映画会社のにっかつは日活に改称、ナムコの子会社として再建を進めることになった。セガ社「新宿ジョイポリス」がオープンした。タイトーは中国に合弁会社を設立し、ゲーム場開設を進めている。(1996年11月1日号)

20年前の主なニュース


 AMショーを通じてタイトーは3画面連結の「ダライアス」を披露、セガ社とコナミはそれぞれ体感ドライブゲーム機の「アウトラン」、「ウェック・ルマン24」を発表した。クレジット/Bet式のゲーミング機は出品を禁じられた。コナミ工業は月刊雑誌「Nan?Da」の12月創刊を発表した。(1986年11月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.バンダイナムコゲームスは来年春をめどに、現在東京と横浜に分散している本社および事業所を、品川ヘッドオフィス前にあるハーバーエグゼクティブビル(旧パナソニックビル)に移転統合する、と10月11日に発表した。対象となるのは東京・矢口にある本社と、品川ヘッドオフィス、横浜クリエイティブセンター、横浜未来研究所、テクニカルセンターの5ヵ所で、約2千人の社員が、りんかい線品川シーサイドと京浜急行青物横丁の中間にある9階建ての賃貸ビル(延べ床面積約4万4千u)に移転することになる。移転後の所有ビルの利用計画などは未定。なお、持株会社のバンダイナムコホールディングス、オペレーター会社のナムコは移転しない。

 2.バンダイナムコゲームスは10月17日東京で新作展を開催し(19日大阪、24日福岡)、TVゲーム機とメダルゲーム機、プライズゲーム機を紹介した。前作から大幅にパワーアップした「マリオカートアーケードグランプリ2」は今回初披露で、07年3月に本体(99万8千円)・改造キット(32万円)を出荷予定。発売が決まった米国ナムコアメリカ社製の「ロックン・ボウロラマ」は約60万円で、2月に出荷予定。プッシャータイプのシングルメダルシリーズ「クレヨンしんちゃん・チョコビハンターしんのすけ」も今回初披露となった。

 3.セガサミーホールディングスは10月12日、9月中間期連結業績予想を修正し、売上高は前回予想を160億円下回る2,800億円、経常利益は205億円上回る630億円、中間利益は130億円上回る350億円になるとした。売上高の下方修正は、パチンコ遊技機の販売が計画を下回ったため。だが、「北斗の拳SE」を32万台出荷するなどパチスロ遊技機で伸ばしたほか、業務用AM機の販売も好調だったので、利益面で大幅上方修正となったとしている。またカプコンは同日、9月中間期連結業績予想を売上高291億円(前回予想は256億円)、経常利益36億円(15億円)、中間利益16億4千万円(7億5千万円)と上方修正した。欧米で家庭用「デッドライジング」が伸ばしたため。家庭用開発子会社のクローバースタジオは今年度末で解散することを決めた。

 4.アトラスは10月18日、9月中間連結業績を売上高約92.5億円(前回予想は約86億円)、経常利益120百万円(95百万円)、中間損失165百万円(155百万円)と修正した。4月にオープンした「ゲームパニック堺」、7月発売の家庭用「ペルソナ3」が好調なためだが、有価証券評価損などが発生するので赤字幅が広がる見込み。またアトラスは23日、解散予定だった英国フォトスター社を、他社に売却することになったと発表した。フォトスター社は合成写真特許の運営会社で、特許自体はアトラスが買い取っているので、整理される予定だった。ユニテック・リサーチが11月末に約69百万円で買い取ることで合意した。

 5.インターネット上で運営されるカジノはオンライン・ベッティング(またはギャンブリング)と言われ、市場規模は120億ドルに達すると言われるが、米国では一般に禁じられている。しかし、実際の取締りが困難なことから、禁止を目的とした連邦法が10月13日改めて制定された。この法律はクレジットカード方式などにより、オンラインで賭け金を送ることができないよう、9ヵ月以内に送金システムを組み直すことを銀行など金融機関に命じており、実務的にオンライン・ベッティングを禁じるもの。オンライン・ベッティング企業の多くは英国ロンドンを拠点にしているが、米国の禁止法制定によりファイヤーワンなど5社は、すでに市場からの撤退を発表している。

 6.アルゼがサミーに対し起こしていたパチスロ特許訴訟の根拠となる2特許のうちまず1特許について、特許庁は10月4日付で無効と審決した、とセガサミーホールディングスが17日に明らかにした。アルゼは05年12月、内部抽選の結果を段階的に知らせる、遊技をしないときの音量を下げるなどの特許(3708056と3069092)が「北斗の拳」で侵害されたとして210億円の損害賠償を求める訴訟を提起したが、サミーは今年3月これらの特許の無効審判を特許庁に請求していた。アルゼは前にもサミーなどを相手にパチスロ特許(チャレンジタイム)侵害訴訟を起こしたが、その特許自体が無効と審決され、全面敗訴したことがある。

 7.規模が約十分の一に縮小することになる、米国の家庭用TVゲーム展「E3」2007の開催要領を、主催者のESAが10月13日発表した。時期はこれまでの5月から7月11−13日に変更。新作披露はロサンゼルス市内のコンベンションセンターから、郊外のサンタモニカにあるイベント施設「バーカーハンガー」に移し、最も力を入れることになる商談、プレス発表などは周辺ホテルの会議室やスイートルームで行なう。ビジネス目的の「E3エキスポ」へと大きく変化することにより、開発者から小売業者まで、参加者の要望に応えることができるようになる、としている。

 8.米国AMOAエキスポ/ファンエキスポ06で注目された映像シミュレーター「アイモーション」は、台湾で02年4月に設立されたインターネット・モーション・ナビゲーター社(IMON)の製品。IMON社は05年に台湾GTIや米国IAAPAショーなどでカプセル状の映像シミュレーターを紹介してきたが、このほどラスベガス郊外(ヘンダーソン)に子会社、アイモーション社を設立したのを機に、コンパクト型で硬貨作動式の映像シミュレーター「iGO」(アジア向けは「X2」)を展開することになり、これを披露したもの。液晶画面映像に合わせて、前後左右に座席が動く「2.5軸」の映像シミュレーターで、取り扱いが容易で、価格が安いことが大きな特徴となっている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。