2006年8月1日号

Last updated on July 22, 2006

特報

 テクモの創業会長、柿原氏が67歳で死去した。

 今年のAMショーは出展社数が変わらないが、やや小規模となる。

海外

 香港の税関は米国メリット社製品のコピー品を押収した。

 バンダイナムコグループは欧州のボウリング場を4ヵ所増やした。

国内

 セガ社は大型のTVゲーム機2機種を披露した。

 「ゲームの処方箋」研究発表会が開かれた。


2006年8月1日号のニュースダイジェスト
写真はバンプレスト新作展(7月21日、大阪)で、上はTVガンゲームの「スピリッツオブジオン」、下はTV格闘ゲーム「幽遊白書」をそれぞれ試しているようす。


10年前の主なニュース


 中国・国家版権局はSNK「ネオジオ」のコピー基板を販売していた広東省スワトウの華通(ファトン)実業を摘発、基板約60枚を押収した。ナムコは「ナンジャタウン」を盛大にオープンした。タイトーは新作展で「サイドバイサイド」、「レイストーム」などを披露した。データイーストは「マジカルドロップ2」のゲーム大会を催した。(1996年8月1日号)

20年前の主なニュース


 警察庁は「8号営業」でのカードシステムを条件付きで容認した。米国AAMAとAMOAは並行輸入問題に関し、日本の業界に対する要求を決議した。米国キットコープ社をサン電子が買収、米国サン社に改称した。タイトーとナムコはそれぞれ役員体制を強化した。(1986年8月1日号)


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【ニユースダイジェスト】

 1.今年のAMショー(9月14−16日、幕張メッセ)には、46社と1グループが計868小間(昨年は888小間)に出展する予定で、出展社数は同じだが、展示会としての規模はやや小さくなるようだ。出展規模の大きいのは順に(カッコ内は前回小間数)セガ社165小間(135)、プライズフェアグループ130小間(116)、バンダイナムコゲームス120小間、タイトー60小間(以上2社変化なし)、バンプレスト60小間(65)、カプコン35小間(30)、アトラス35小間(22)、BLDオリエンタル24小間(12)など。前回77小間出展したアルゼ、25小間だったエイブルコーポレーションの出展はなく、コナミは今回も出展しない。

 2.テクモの創業者でテクモおよびテクモウェーブの会長である柿原彬人氏(かきはら・よしひと)が7月18日午前5時半過ぎ、間質性肺炎のため死去した。67歳。故人の遺志で親族による密葬を済ませており、改めて「お別れの会」を9月1日正午から赤坂プリンスホテルで行なう予定。喪主は妻、弘子さん。21日午後3時半ごろテクモが発表した。福岡県出身で、62年4月中央大経を卒業、大和證券入社。67年7月に日本ヨット(現テクモ)を設立し社長、01年10月からテクモ会長。テクモウェーブでは93年1月社長、04年6月から会長。JAMMAでは94−99年副会長、99−04年会長だった。

 3.セガ社は7月7日に東京で新作展を開催し(11日大阪、13日福岡)、大規模ロケーション向けの新製品を揃え、紹介した。「レッツゴージャングル!」は二人乗りの車に乗って秘境を探検、リロード不要のマシンガンなどで怪獣を掃討しながら進むもので、リンドバーグ基板を使用。「アウトラン2SDデラックス(DX)」は先ほど発売された「アウトラン2SD」をアトラクション化したもので、プレイヤーは可動式シートのフェラーリに乗り込んで運転する。以上2機種とも12月発売予定。10月出荷予定の「クエストオブディーver.3.0王国の守護者」はバージョンアップソフト。このほか11月出荷予定の「スターフォース2セカンドフュージョン」などメダルゲームの新作も紹介した。

 4.香港の税関当局は6月28日、米国メリット・エンタテイメント社の告訴に基づき、同社業務用TVゲーム「フォース2005」、「同2006」の無断コピー品を扱っていた最大の業者を摘発し、そのコピー品など押収した。摘発された業者名は公表されていない。AAMAやIT社役員を経て、現在メリット社の法務部長をしているボブ・フェイ氏が7月11日に発表した。メリット社は「メガタッチ」や「ラジソンフォース」シリーズなどミニゲームを数多く集めたタッチスクリーン式ゲームをヒットさせているが、中国で大量に作られるコピー品に市場を荒らされており、国際的なコピー対策が至上課題になっていた。

 5.バンダイナムコホールディングスは7月18日、欧州ゲーム場運営子会社のナムコオペレーションズヨーロッパ社が、不動産業の英国ナンバーテン社(本社ロンドン)から4ヵ所の複合ボウリング場を、約11億7千万円で買い取ったと発表した。内訳は「ナンバーテン」3店と「ソーラーボウル」1店で、いずれも延床面積が3万u前後。ロンドン郊外にあり、ゲーム場、飲食店などを備えている。ナムコオペレーションズヨーロッパ社は現在英国とスペインで12店を運営、年間約34億円の売上高があるが、4店増やして約12億1千万円上乗せする予定。

 6.バンダイナムコホールディングスの米国業務用販売子会社であるナムコアメリカ社(シカゴ郊外)は7月1日付で、西川豊史執行副社長(EVP)を社長兼CEOに昇格、これまで同社とナムコサイバーテインメント社の社長兼CEOを兼任してきたケビン・ヘイズ氏はオペレーション部門である後者の経営に専念することになったことを明らかにした。87年ナムコに入社した西川氏は、西日本販売チームマネージャーからナムコアメリカ社EVPとして今年1月に出向していた。これに伴いナムコアメリカ社の販売責任者だったフランク・コーゼンティーノ副社長は、上級副社長となった。

 7.TVゲームの効能面に着目し、その可能性を研究するプロジェクト、「ゲームの処方箋」の研究発表会が7月14日、東京・秋葉原で開催された。86年にナムコが設立した公益法人であるニューテクノロジー振興財団主催で、同財団はこうした学術研究を支援したり、人工知能ロボットの競技会を主催したりしているが、ナムコ50周年記念事業の一環として、同財団とナムコ、バンダイナムコゲームス、早稲田大学こどもメディア研究所が、ビデオゲームの効能を科学的に立証する「ゲームの処方箋」プロジェクトを共同研究したもの。発表会ではこれまでの成果が紹介されたほか、多方面の意見を紹介するシンポジウムが開かれ、今後の研究につなげることが確認された。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。