AOUセミナーで静岡大学の赤尾晃一助教授は、「24時間営業とメダルの換金を望む」とゲーム場の健全化に不満を述べた。ナムコとセガ社はそれぞれウェッブサイトを開設、SNKやカプコンも本格運用を開始した。PICはプロバイダー(ネット接続)事業を開始した。米国アタリゲームズ社は結局、WMSインダストリーズ社に買い取られた。(1996年6月1日号)
JAMMA中村雅哉会長が藍綬褒章を受章した。JAMMA健全娯楽推進委員会で、岡田和生委員長が「ラッキーエイトライン」の製造元であるウィングを賭博機メーカー呼ばわりしたため、紛糾した。米国AAMAはTVゲームの無断コピー基板対策のため、FBI元捜査官のボブ・フェイ氏を雇用した。(1986年6月1日号)
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【ニユースダイジェスト】
1.セガサミーホールディングスは5月16日、06年3月期連結決算を発表、売上高は前年比7%増の5,532億円、経常利益は14%増の1,195億円、最終利益は31%増の662億円と好調だった。うちパチスロなど遊技機の売上高が5%減の2,656億円で、営業利益は4%減の998億円、業務用AM機の売上高は13%増の715億円、営業利益は64%増の122億円、ゲーム場運営の売上高は28%増の1,062億円、営業利益は69%増の92億円。家庭用ゲームソフトは売上高が38%増の903億円、営業利益が20億円(前年89億円の赤字)でやっと赤字を脱した。その他業務用カラオケなどは売上高が18%減の194億円、営業損失が17億円(5億円)。期末のゲーム場は462店で、一部ゲーム場の減損処理72億円を特別損失に計上した。
2.バンダイナムコホールディングスは5月11日、売上高4,508億円、経常利益371億円、最終利益141億円と、前回予想を上回る06年3月期連結決算を発表した。うちバンダイナムコゲームス(旧ナムコ)の業績は、売上高が前年比10%減の1,599億円、経常利益が94%減の9億37百万円、当期損失は14億34百万円(前年は約90億円の黒字)と減収赤字だった。業務用の売上高は4%増の288億円、営業利益は8%減の61億円、家庭用の売上高は7%減の441億円、営業損失は20億円で、ゲーム場運営の売上高は8%減の750億円、営業利益は44%減の34億円。日活株式売却益26億円があったが、湯の川観光ホテルなど子会社株式減損6億円、本社隣接地減損5億円を計上した。
3.コナミは5月12日の大幅下方修正に続いて17日、06年3月期連結決算(米国基準)を発表した。売上高は前年比0.6%増の2,621億円で、コナミスポーツの有形固定資産の前倒し償却105億円と、無形固定資産再評価による92億円の計197億円の減損処理をしたため、営業利益は91%減の24億円となったが、税効果により最終利益は119%増の230億円となった。家庭用、トイ&ホビー、業務用、オンラインを含むデジタルエンタテインメントの売上高は1.0%増の1,652億円で、営業利益は微増の338億円。コナミスポーツの売上高は2.7%増の812億円だが、170億円の営業赤字。ゲーミング事業は売上高が8.8%減の106億円で、営業利益は6千万円とさえなかった。
4.バンプレストは5月10日、06年3月期連結決算を発表、売上高は9.6%増の377億48百万円、経常利益は68.8%増の30億98百万円と増収大幅増益だった。部門別では、アミューズメント(機器・カード・景品販売)の売上高が28%増の192億88百万円で営業利益は17%増の15億57百万円、家庭用ゲームソフトは売上高が6%減の96億13百万円で営業利益は64%増の14億22百万円、施設運営とその他の売上高はそれぞれ37億18百万円、65億70百万円だった。同社は3月末で株式の97.2%をバンダイナムコホールディングスが所有、さらに6月1日付で完全子会社となるのに伴い、5月15日付で上場廃止となった。
5.オリエンタルランドは5月9日、06年3月期連結決算を発表、売上高は前年比0.5%増の3,328億円だったが、経常利益は13.5%減の266億円、最終利益は8.8%減の157億円と減益だった。東京ディズニーシーで7月に新アトラクション「レイジングスピリッツ」をオープンしたが、愛知万博や冬の記録的な寒さが影響し、二つのテーマパークの入園者数が1.0%減の2,476万人にとどまったため、テーマパーク事業の売上高は前年並みの2,762億円、営業利益は9.2%減の262億円となった。今年度は9月に6年ぶりの値上げを実施するが、同時に新アトラクション「タワー・オブ・テラー」がオープンするため、年間2,550万人の入園を見込んでいる。
6.セガ社は5月12日に東京で新作展を開催し(16日大阪、18日福岡)、久しぶりにゲーム機らしいゲーム機と言える、「アフターバーナー・クライマックス」を披露した。これはリンドバーグ基板使用、左右に搖動するキャビネットを使用したCG戦闘機ゲームで、12機種の中から選択してスタート。操作と傾き、画面が完全に一致して楽しめるだけでなく、スロットレバーを最高位よりさらに一段押し込んで、クライマックスモードに突入できる。1人用は160万円、2人同時通信タイプが326万円で、10月発売予定。このほか「WCCFユーロピアンクラブ2005−2006」や、発売中のメダルゲーム機「アミー漁」などを紹介した。
7.米国家庭用TVゲーム総合展「E3」06は5月10−12日にロサンゼルスで開かれ、約400社が出展し、90カ国から6万人以上の業者が詰め掛けた。この展示会はもともと年末シーズン向けゲームソフトの紹介に重点が置かれているが、今回は昨年末発売されたマイクロソフト社「Xbox360」に続く、新たなコンソールの発売計画に関心が集まった。ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)は、ブルーレイディスク(BD)再生ができ、ハードディスクを内蔵する「PS3」を約500ドル(税込み6万3千円)で11月に発売すると発表。任天堂は「レボリューション」の正式名称を「Wii(ウィー)」とした上で、価格未定だが10−12月期に発売すると発表した。SCEは家庭における最強のコンピューター作りを目指し、任天堂は幅広くゲーム人口を増やすのが目的と、方向が異なる。高性能を売り物にした「Xbox360」(約4万円)は日本で苦戦している。
8.米国でも歴史のある業界紙「アミューズメントビジネス」(AB)が06年5月号を最後に打ち切られる見通しになった。同紙はもともと1894年に週刊「ビルボード」として創刊され、音楽レコード、ジュークボックス、業務用ゲーム機、屋外遊園施設と範囲を広げて発展していったため、1960年11月に屋外遊園施設分野版を「アミューズメントビジネス」として独立したもの。04年6月には週刊を廃止、印刷物としては月刊化し、もっぱらウェッブ版に切り替えている。今回の印刷分閉鎖は、ナッシュビルにある編集部に34年間勤めてきたトム・パウエル編集局長が明らかにした。なお、元の「ビルボード」は経営を異にしており、週刊発行を続けている。
9.エイブルコーポレーション(本社東京・池袋、熊谷俊範社長)が5月10日、民事再生手続き開始を申請、東京地裁は保全命令を出した。債権者は約200名で、負債は約30億円。83年4月設立の業務用ゲーム機器販売会社で、「プロボウル」などオリジナル商品の開発も手がけてきた。低コストで大量に販売する方式により業績を伸ばしていたが、近年は市場後退とともに借入金が増大し、資金調達が次第に難しくなっていた。05年3月期の売上高は59億4千万円。エイブルの説明によると、今回の申請は債務圧縮を目的としたものであり、営業を継続するとのことだが、すでにウェッブサイトは閉鎖しており、状況はかなり厳しいとの見方もある。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
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