2006年2月1日号

Last updated on January 28, 2006

特報

 セガ社は英国エンパイア社の家庭用TVゲームを業務用として販売することになった。

 アルゼはケイエム企業との訴訟で全面敗訴した。

海外

 米国IT社は通信回線接続のTVゲーム機でクレジットカードを使えるようにした。

 英国PMI社が新デイスレジャー社の親会社となった。

国内

 アルゼの阿南一成社長も退任し、岡田会長が社長を兼任することになった。

 ナムコは年明けの新作展で「タイムクライシス4」などを披露した。


2006年2月1日号のニュースダイジェスト
AOU近畿地区協議会の新年会(1月6日)で、上の写真は(左から)、タイトーの小島理一本部長、こまやの尾上道郎専務、タイトーの飯沢幸雄専務。下の写真はAOU近畿地区協の手塚明雄会長(テヅカ社長)、AOUの入江昭造会長(たつみ娯楽社長)、ナムコの猿川昭義副会長。

10年前の主なニュース


 セガUSA社のゲーミング部門はセガ・ゲーミング・テクノロジー社として分離独立した。JAMMAはJETROの予算消化のため、11月末にも香港で展示会を開催することを理事会で決めた。兵庫県協は地震などのゲーム場「防災マニュアル」をまとめ、会員らに配布した。(1996年2月1日号)

20年前の主なニュース


 英国ATE86(ロンドン)でTVゲームブームは去ったが、日米の有力メーカー製品がいぜん多数紹介された。JAMMA、JAPEA、AOUによる初の3協会新年会が開かれた。セガ社は取引業者による「SG懇話会」を発足させた。アイレム、テクモがそれぞれ新作展を開催した。(1986年2月1日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.英国の家庭用ゲームソフトメーカーであるエンパイアインターラクティブ社は1月25日、同社が販売しているカーレースゲーム「フォードレーシング」(PS2、Xbox、PC用)を、セガ社が業務用に組み立て欧州市場向けに販売開始することで、合意したと発表した。同ゲームは00年11月エンパイアインターラクティブ社に買収された、英国のレイザーワークス社が開発したPC用ゲームソフトのヒット作。業務用として製品化される「フォードレーシング・フルブロウン」はコックピットタイプで、24日から始まったATEI06で披露されており、3月にも出荷される予定。87年設立のエンパイアインターラクティブ社はライセンス活動が盛んで、家庭用ではタイトーやカプコンからライセンスを受けているが、業務用向けにライセンスするのはこれが初めて。

 2.アルゼがケイエム企業(東京・成城、真鍋勝紀社長)に3千万ドル(約34億5千万円)の契約違約金を支払うよう命じる判決が、1月17日に東京地裁で言い渡された。アルゼはケイエム企業の完全子会社である米国シグマゲーム社を買い取る契約を00年2月に締結したが、ゲーミング機販売の許可が絡んでいるため、買い取りを実施するにはネバダ州ゲーミング当局による許可が必要だった。しかし許可は得られなかったので、契約期限内に買い取りは実施されなかった。このためケイエム企業は02年10月、3千万ドルの違約金を求め提訴した。ケイエム企業の全面勝訴となる判決で、アルゼは判決を不服として18日に控訴した。真鍋氏はシグマの創業者で元社長だが、シグマは00年2月にアルゼの子会社となり、同10月にアドアーズと社名変更している。

 3.アルゼは1月18日、阿南一成社長が取締役に退き、岡田和生会長が社長を兼任することになったと発表、25日には取締役も退任し特別顧問となったことを明らかにした。衆議院国土交通委が17日に行なった耐震強度偽装事件に関する証人尋問で、阿南氏が参院議員だった当時ヒューザーの小嶋進社長から会費を受け取っていたこと、また相談していた議員の一人だったことが明らかになったため、阿南氏が辞任を申し出たとされている。アルゼは「議員時代のこととはいえ、小嶋社長により、その関係を疑われるような形で名前が挙がったことは、当社としてコンプランアンス上問題がある」としている。阿南氏は警察庁官僚を経て、98年7月から参議院議員を一期務め、04年8月アルゼに入社し顧問、9月から社長。アルゼの岡田氏は単独で43%を所有する実質オーナー。

 4.ナムコは1月11日東京で(大阪は13日)新作展を開催し、6月発売予定の「タイムクライシス4」など3作を紹介した。「タイムクライシス4」は新基板の「スーパー256」を使用したガンゲーム機で、ボイス専用スピーカーを採用した演出などの特徴を持つ期待作。DXタイプに続きSDタイプが7月に発売される。3月発売予定の「ソウルキャリバーVアーケードエディション」は05年11月発売のPS2用家庭用ゲームソフトの業務用版で、ネット対応ではないが、携帯電話を利用してスコアを競い合ったり、勢力争いをしたりできる。システム246/256対応の基板、ROMで出荷予定。3月発売予定の「太鼓の達人8」は出品されなかったが、90曲収録の最新版で、本体、基板、ROMで供給される。

 5.バンダイは同社カプセル玩具ベンダーとカードベンダーに関する特許を侵害したとして、エポックに対し製造販売の禁止などを求める特許訴訟を東京地裁に提出した、と1月13日に発表した。バンダイは76年以来カプセルベンダー「ガシャポン」ビジネスを、また88年からはカードベンダー「カードダス」ビジネスを展開し、市場を拡大させているが、バンダイによると、エポックのカプセルベンダー機とカードベンダー機はバンダイが持つ5件の特許を侵害しているとのこと。そのため5件のうち2件の特許を共同保有する大和精工(大阪府東大阪市)とともに、7,650万円の損害賠償を求めている。エポック社はまだコメントできないとしている。

 6.米国のインクレディブルテクノロジーズ社は1月13日、通信回線で結ばれた同社業務用TVゴルフゲームシリーズの最新作「ゴールデンティーライブ」で、業界で初めてクレジットカードを使用できるようにしたと発表した。これは電子商取引システムの最大手、チェイス・ペイメンテック・ソリューション社と提携して実現したもので、プレイヤーはプレイ料金の支払方法を選んでから、ビザまたはマスターカードを読み取り機に通すだけですむというもの。セキュリティが施されており、毎月の支払い明細書に書き込まれることになる。公衆電話でクレジットカードが使用できるのが当然の米国なので、今までなかったのが不思議な機能とも言えるが、「ゴールデンティーライブ」がすでに10万台以上普及していることから、さらに利便性を高めることにしたもの。

 7.フォトブースの製造とオペレーションで世界的に有名な英国フォトミーインターナショナル社(PMI)は1月19日、有力ディストリビューターであるデイスグループ社の株式を60%取得したと発表した。PMI社によるとデイスグループ社はエレクトロコイン社やセガ社、タイトーなどの販売代理を行なっているほか、デイスゲーミングのブランドでデジタル式のゲーミング機を製造しており、これまで株式の95%を持っていたレオン・デイスとマチュー・デイスは2−3位の株主兼共同社長にとどまる。かれらの父親、ボブ・デイス氏はかつて英国最有力のディストリビューターとして大きな影響力を持っていたが、セガ社が旧デイスレジャー社を90年12月に買収し、00年1月に整理しており、息子たちが新会社を設立していた。



 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。