2005年12月15日号

Last updated on December 12, 2005

特報

 タイトーは2月6日にスクウェア・エニックスの完全子会社に吸収合併されることになった。

 ドンキホーテ六本木店屋上の「ハーフパイプ」は営業運転が先延ばしとなった。

海外

 IAAPAショー05は出展社数、登録入場者数とも大幅に後退した。

 セガ社は中国市場への進出を具体的に開始した。

国内

 カプコンの中間決算は減収経常減益だが、ステイタスの特別清算に伴い増益となった。

 タイトーは11月末から12月初めにかけて新作展を開催した。


2005年12月15日号のニュースダイジェスト
写真はセガ社が11月初めに開いた新作展で、上は「パワースマッシュ3」、下はSNKプレイモア開発のアトミスウェーブ用「メタルスラッグ6」を試しているようす。

10年前の主なニュース


 遊園地関係のIAAPAショー95(ニューオーリンズ)はVRゲームなどで充実し、ナムコアメリカ社は2年連続して製品賞を受賞した。NECのCGチップ「パワーVR」を、ナムコがウィンドウズ用に活用することを決めた。AOUの桜井健雄専務は高額景品を提供した群馬の事例を挙げ、価格引き上げは困難と説明した。(1995年12月15日号)

20年前の主なニュース


 新風営法下で深夜営業時間の延長を認める「特別の事情のある日」が都道府県で指定された。AOUは86年春の第2回AOUエキスポ開催を決めた。米国ではAOEとASIがACMEとして統合することになった。3年ぶりにオリンピアマシンショーが開催された。SNK「ASO」がナムコから発売となった。(1985年12月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.タイトーは06年2月6日付でスクウェア・エニックスの完全子会社であるSQEX(99年6月設立、本社東京、和田洋一社長)に吸収合併されることが、12月12日発表された。スクウェア・エニックスはタイトーの株式の公開買い付け(TOB)を進めた結果、93.7%を取得しており、残りについて産業活力再生特別措置法に基づく株式交換を予定していたが、経営統合をより迅速に進めるため合併方式を採用することにしたもの。吸収合併によりタイトーは解散、SQEXはタイトーに社名変更して事業を継承する予定で、タイトーの株式1株に対しSQEXの0.00004株が交付され、タイトーの株式は3月7日付で上場廃止となる。なおスクウェア・エニックスの和田洋一社長は合併後のタイトーの会長を兼任する。

 2.タイトーは親会社が京セラからスクウェア・エニックスに変わったことに伴い、保有資産見直しによる約46億円の特別損失を計上した上、これまで単独決算にとどめていたのを連結決算に改め、業績の部門別分類も変更した。このため11月18日に発表された9月中間連結決算は、売上高が41,486百万円、経常利益が779百万円、中間損失が3,383百万円となった。ゲーム場運営とカラオケレンタルは既存店が伸び悩んで売上高23,430百万円、営業利益が792百万円、業務用機器および家庭用ゲームソフト販売は売上高13,074百万円、営業損失が85百万円、コンテンツサービスは売上高4,117百万円で、営業利益は1,223百万円、その他は売上高877百万円、営業利益190百万円となった。

 3.セガサミーホールディングスは11月21日に9月中間連結決算を発表。売上高は248,563百万円、経常利益は49,404百万円、中間利益は24,954百万円となった。部門別では、遊技機の売上高が125,849百万円で、営業利益が46,408百万円。アミューズメント機器は売上高が30,835百万円で、営業利益が4,512百万円。ゲーム場運営は売上高が48,559百万円で、営業利益が4,333百万円。家庭用ゲームソフトは売上高が28,593百万円で、4,332百万円の営業損失。その他の売上高が10,724百万円で、430百万円の営業損失だった。業務用では「三国志大戦」が引き続き好調の上、メダルゲーム機の「スターホース2」がヒットし、また「ムシキング」と「ラブ&ベリー」のレンタルも好調だった。

 4.11月21日に発表されたカプコンの9月中間連結決算は、売上高が前年比2.6%減の27,801百万円、経常利益が38.9%減の907百万円、中間利益が474.7%増の3,124百万円だった。家庭用は下期に重点を置いているため売上高が17.3%減の14,373百万円で、営業損失が1,170百万円と後退したが、業務用は売上高が47.3%増の4,404百万円で、営業利益が17.7%増の992百万円、ゲーム場運営は売上高が1.1%増の5,642百万円で、営業利益が7.7%減の1,174百万円だった。経常減益にもかかわらず中間利益が大きいのは、子会社ステイタスの特別清算が終わり、繰り延べ税金資産の評価性引当金の見直しに伴い法人税等調整額約25億円を計上したため。このため通期業績予想の当期利益も上方修正した。

 5.タイトーは11月29日(海老名開発センター)と12月1日(大阪)に新作展を開き、PCゲームを業務用へ大胆に変換したファーストパーソンシューター(FPS)ゲーム「ハーフライフ2 サバイバー」を披露した。これは直感的操作を可能にする新開発の操作系と、32インチワイド液晶画面、5.1チャンネルサラウンドにより、PCゲームでは味わえないリアルプレイを可能にしたもの。タイプX+を使用。NESYSによるオンラインゲーム、カードによるデータ保存もある。06年3月出荷予定。TVゲームではこのほか、タイプXを使用したアルファシステム開発の「式神の城V」(2月予定)、クロスノーツ開発の「対戦ホットギミック5未来永劫」(12月上旬)も紹介。話題の「ダイノキングバトル」も出品した。

 6.セガ社は12月5日、08年北京オリンピックに関する業務用、家庭用、PC用などの独占的ゲーム化権を獲得したと発表した。IOCの指定許諾機関ISMから世界的ライセンスを得たもので、セガ社は北京オリンピック競技に基づくTVゲームを独占的に展開することになるが、権利獲得に要した費用などは明らかにしていない。セガ社はまた6日、次のとおり中国での具体的な事業開始を明らかにした。@北京歌華文化発展集団(本社北京)とゲームの開発センターを発足させるための合弁会社を06年4月に設立する、A北京歌華網絡文化資訊(本社北京)と契約し、PC向けオンラインゲームサイト「嘉游」(Jiayou)を06年1月から本格的に開始する、B上海新世界(本社上海)との合弁会社、上海新世界世嘉遊芸を通じて、百貨店「新世界城」に大型施設「プレイヤーズアリーナ」(1万2千u)を12月24日に開業する。

 7.遊園地関係の世界的な展示会、IAAPA2005(11月14‐19日、米国アトランタ)には約千百社が出展し、77ヶ国から約2万2千人の業界関係者が登録入場した。うち日系の出展社は業務用ゲーム機関係でセガアミューズメンツUSA社、ナムコアメリカ社、遊園施設関係で岡本製作所にとどまった。IAAPAショーは毎年規模を拡大してきたが、今回は出展社数、入場者数とも10年前の水準まで後退した。なお05‐06年期議長に米国のロブ・ノリス氏が就任した。また常勤会長兼CEOは、クラーク・ロビンソン氏が06年2月に引退する(ただし国際担当のみ継続して担当する)ので、チャールズ・ブレイCFOが昇格することになっている。

 8.「ドンキホーテ」六本木店の屋上に建設中だったインタミン社製スリルライド「ハーフパイプ」はほぼ完成しているが、ドンキホーテは12月8日、営業運転の開始を当面延期すると発表した。同社によると、他にないユニークな遊戯施設の導入により、地域の活性化に役立てたいと考え計画を進めてきたが、反対運動が起こったため、説明会を開き理解を得ようと努力してきた。しかし、「施設の設置場所を提供したに過ぎない」同社に対し、反対論者は治安悪化や青少年育成への悪影響など、裏づけのない感情論を展開しており、「このような見当違いの反対運動に辟易して」、「運営中止、施設の撤去も視野に入れ」12月21日の開業予定を延期することにした、としている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。