セガ社の9月中間期は米国家庭用の後退により大幅減益となったが、業務用に重点を置くナムコは大幅な増収増益だった。タイトーアメリカ社は大幅に業務を縮小し、米国市場から事実上撤退した。SNKは茨城・土浦に「ネオジオワールド」を12月にオープンすることになった。バンプレストは新作展を開いた。(1995年12月1日号)
米国AMOAエキスポ85(シカゴ)はTVゲーム・フリッパー市場の回復傾向を示した。実用新案権訴訟で東京高裁はメーカー側の主張を認め、特許庁による審決取り消しの判決を出した。JAMMAは専門委員会を設け、TVゲーム基板の規格化を検討作業を開始した。カプコンは米国子会社を設立した。(1985年12月1日号)
Copyright ©Amusement Press Inc. 2005 ゲームマシン、アミューズメントプレス、アミューズメント通信は登録商標です。無断で本紙記事を転載したり、その他アミューズメント通信社の知的所有権を侵害することは違法です。
【ニユースダイジェスト】
1.エイティング(本社東京都品川区、藤沢知徳社長)の株式が12月7日、東証マザーズ市場に上場することが11月4日に承認された。同社は93年3月に設立されたゲームソフト開発会社で、「魔法大作戦」(93年5月)以来「ブラッディロア3」(00年12月)など業務用TVゲームの開発や受託開発を主業務としていたが、97年7月に開始した家庭用向け、00年6月に開始したモバイルコンテンツ事業に事業転換し、00年10月にライジングを吸収合併している。04年9月期の売上高は1,175百万円、経常利益は298百万円、当期利益は172百万円で、売上高のうち1,131百万円(96.3%)がゲームソフト開発事業となっている。上場直前の主な株主は藤沢社長72%、豊嶋真人専務20%など。
2.米国のジョージ・ブッシュ大統領が11月14日に発表した、2004年度技術栄誉賞(National Medal of Technology)の受賞者(2名と5社)に、TVゲームを考案し開発したラルフ・ベア氏(83歳)が含まれていることが判明した。ベア氏は「インタラクティブなビデオゲームの世界を創造・発展させたことで知られており、その画期的で先駆的な努力は娯楽と教育の両分野における巨大産業の創出を促した」として、技術革新に関して贈られる米国の最高の名誉を受けることになった。もう1名はGPSの開発で知られるロジャー・イーストン氏。5社はCG映像のILM社、半導体のモトローラ社、IBMの電子技術部門など。過去の受賞者にはスティーブ・ジョブズ氏(1985年)、ビル・ゲイツ氏(92年)がいる。
3.SNKプレイモアは11月10日、「リネージュ」などで知られる韓国PCオンラインゲーム大手のエヌ・シー・ソフト(NCソフト、本社ソウル、キム・テクチンCEO)と、ゲームソフトやキャラクターなどを相互活用するため業務提携したと発表した。SNKプレイモアはNCソフトのゲームソフトなどを業務用、家庭用、パチンコ・パチスロ用、携帯電話用に活用し、NCソフトはSNKプレイモアが開発するPCオンラインゲームを独占的に世界中にサービス提供するほか、SNKプレイモアのゲームソフトなどをオンラインゲームに活用する。そのため、まずNCソフトが「KOF」、「サムライスピリッツ」、「メタルスラッグ」などをPCオンラインゲームに移植する作業に入った。
4.アドアーズは11月14日に9月単独中間決算を発表。大型不動産を売却し、売却益を特別利益に計上した結果、売上高は前年同期比4.5%減の9,398百万円、経常利益は3.7%増の705百万円、中間利益は53.7%増の164百万円だった。部門別売上高は、ゲーム場が1店(橋本店)のみ増加で1.1%減の8,148百万円(全68店)、パチスロ機などレンタルが91.3%減の57百万円、施設施工などが78.1%減の177百万円、不動産販売が7倍の1,015百万円。なお親会社のアルゼの中間連結決算(11月15日発表)では、パチスロ機の認可遅れなどにより売上高が39.6%減の21,770百万円で、経常損失が6,678百万円、中間損失が8,413百万円と、2年連続して大幅減収の赤字になった。
5.バンプレストは11月8日に9月中間期連結決算を発表。売上高は前年同期比14.2%増の19,439百万円、経常利益は67.3%増の2,464百万円、中間利益は96.0%増の1,291百万円と好調だった。部門別ではアミューズメントの売上高が18.2%増の8,871百万円で、営業利益が17.6%増の876百万円、ゲーム場運営は新規店が貢献し売上高が42.9%増の1,957百万円で、営業利益が102百万円(前年は138百万円の赤字)、家庭用ゲームソフトは売上高が29.6%増の6,260百万円で、営業利益が53.5%増の1,487百万円などとなっている。
6.アトラスは11月11日に9月中間連結決算を発表。売上高は前年同期比4.0%減の7,941百万円、経常利益は5.6%増の259百万円だったが、532百万円の特別利益にもかかわらず、経営改革などのため特別損失1,290百万円を計上したため、522百万円の中間損失となった。家庭用は売上高が47.5%減の1,447百万円で、営業損失が105百万円、業務用は売上高が20.5%増の2,361百万円で、営業利益が10倍増の168百万円、ゲーム場運営は売上高が18.6%増の4,171百万円で、営業利益が172.1%増の599百万円だった。新規の遊技機事業は「パロット」がまだ型式認可を得ていないので、スタートしていない。
7.グローリー工業は完全子会社のグローリー商事(本社大阪、尾上佳雄社長)を06年10月1日付で吸収合併することが、11月16日に決まった。グローリー商事は1957年3月、グローリー工業(1944年11月設立)が開発・製造した貨幣処理機・自動販売機を販売・保守するため分離設立した販売会社であり、それぞれ専門化するとともに製販一体の活動を進めてきたが、このほど製造・販売の機能を統合することにより、さらに競争力を高めることにしたもの。合併後の社名は「グローリー」を残す方向で変更の予定。
8.米国TCE(イノベイティブ・コンセプツ・イン・エンタテイメント)社が所有する英国クロムプトン社の一部資産が11月中旬、英国のAWP機メーカーであるベルフルーツ社に買い取られたことが分かった。クロムプトン社は1947年設立のメーカーで、特に「ペニーフォール」などのマネープッシャーで知られるが、業績不振で02年2月にICE社に買い取られている。それでもマネープッシャーの販売は欧州で低迷しており、このため再建策として一時的に民事再生手続きをとったところ、ベルフルーツ社がすばやくパーツ部門とブランドを取得したもの。ICE社のラルフ・コッポラ社長は関係者にとって有益な取引だったと説明している。
◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。
|