2005年8月15日号

Last updated on August 9, 2005

特報

 セガ・サミーホールディングス、タイトー、バンプレストが、第1・四半期決算を発表した。

 コナミはタカラ株式売却で、黒字を維持した。

海外

 米国メリット社が英国のゲームズウェア社を取得した。

 英国フォトミー社が、RGミッチェル社を買収し、キディライド大手になった。

国内

 バンプレストは期待の「超ドラゴンボールZ」を披露した。

 シチエの6月中間決算は減収ながら増益だった。


2005年8月15日号のニュースダイジェスト
写真はバンプレスト新作展(大阪)で、いずれも「超ドラゴンボールZ」を紹介しているようす。

10年前の主なニュース


 SNKはネオジオソフト新作展で同社「KOF95」と、「メタルスラッグ」など5社の新作を披露した。タイトーは新作展で「デンジャラスカーブス」などを紹介した。AMショーには69社が1,337小間に出展することになった。3協会懇談会は11月23日を「ゲームの日」に決めた。トニーの宇島準一社長が死去した。(1995年8月15日号)

20年前の主なニュース


 新風営法施行の影響で、AMショーの出展申し込みは47社、483小間と大幅に減少した。オペレーター協会連合会設立準備委員会の第2回会合が開かれたが、いぜん難航している。JAMMAは問題が多いと指摘された、「賭博機械の基準」とその「例外規定」改定案を承認した。(1985年8月15日号)

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【ニユースダイジェスト】

 1.セガサミーホールディングスは8月3日に第1・四半期(4‐6月)決算を発表し、売上高100,528百万円、経常利益17,092百万円、純利益10,703百万円とした。部門別ではパチンコ・パチスロ遊技機の売上高が49,710百万円で、営業利益が18,206百万円、業務用は売上高が12,682百万円で、営業利益が433百万円、ゲーム場運営は売上高が21,013百万円で、営業利益が681百万円だったが、家庭用は売上高が11,542百万円で、2,050百万円の営業赤字だった。パチスロ機は153千台、パチンコ機は25千台販売。業務用は「三国志対戦」が好調だった。ゲーム場は期中5店増、12店減で、470店になった。東京ジョイポリスは事故後休業していたが、安全対策を強化した上で8月10日から再開する。

 2.タイトーが7月27日に発表した第1・四半期(4‐6月)決算では、売上高が前年同期比0.9%減の19,577百万円、経常利益が63.9%減の363百万円、純利益が62.7%減の181百万円と減収減益となった。売上高内訳では、ゲーム場運営が1.4%減の9,683百万円、業務用販売が6.8%減の4,126百万円、家庭用ソフトが13.5%減の1,028百万円などで、全般に伸び悩んでいる。業務用に含まれるパチスロ機のOEM生産がなかったこと、開発要員増加で販管費が増えたこと、オペレーション機器投資が増えたことなどによるものだが、中間期業績予想は修正していない。

 3.バンプレストは8月8日、第1・四半期業績発表とともに、9月中間期業績予想を大幅上方修正した。4‐6月期は売上高6,547百万円、経常利益9百万円、純損失39百万円と前年同期に比べ大きく後退した。しかし7月以降「データカードダス」が順調な上、PS2用「第3次スーパーロボット対戦α」などが好調なことから、中間期は売上高183億円(5月の前回予想では163億円)、経常利益16億5千万円(11億円)、中間利益9億8千万円(5億5千万円)を見込むことになった。なお同社では今期から、事業区分のアミューズメントを、アミューズメント(ゲーム機、景品)と施設運営(遊園施設、ゲーム場)に区分している。

 4.神戸地検は7月28日、アルゼの岡田和生会長らに対する名誉毀損容疑でSNKプレイモアを家宅捜査した。「アルゼ王国はスキャンダルの総合商社」(03年9月)を出版した鹿砦社への12日の家宅捜査と松岡利康社長逮捕に続くものとされているが、名誉毀損になるとされる具体的な容疑事実などは不明。松岡社長は8月1日に起訴されたが、容疑を否認している。アルゼと岡田会長らは鹿砦社に対して03年9月に3億円の損害賠償請求訴訟を起こすとともに、11月に刑事告訴しており、民事訴訟については東京地裁で今年6月に結審し、8月下旬判決の予定となっている。なおSNKプレイモアとアルゼ間では、著作権侵害やパチスロ特許をめぐる訴訟など多数ある。

 5.コナミは販売子会社のコナミマーケティング(KMJ)のうち、物流・サービス部門を10月1日付で新設するコナミロジスティクス&サービスに分割し、それ以外の事業はコナミが吸収合併することを、7月28日明らかにした。コナミマーケティングは00年10月に設立され、01年10月に11社あった販売子会社を吸収合併していた。コナミ本社にはマーケティング本部が改めて設けられることになる。コナミロジスティクス&サービスは神奈川県座間に本社を設け、山本哲也氏が社長に就任する予定。また米国でもコナミマーケティング社がコナミデジタルエンタテインメント社に統合される予定。なおコナミの第1・四半期業績(米国基準)は、タカラの株式売却で6,917百万円の特別利益があり、純利益は5,439百万円と黒字を維持した。事業区分ではゲームソフト(家庭用)、「アミューズメント」(業務用)など5区分を「デジタルエンタテインメント」に統合した。

 6.バンプレストは7月25日東京で(27日大阪で)新作展を開催し、システム256を使用したCGゲーム「超ドラゴンボールZ」を披露した。基板タイプでバンプレストブランドのTVゲームは、久しぶりとなる。2D風の処理をしているが、完全なCG対戦ゲームで、しかも初心者にも操作し易しくなっているのが特徴。ひとつの基板で二台分使用できるので、2台で2人対戦が可能。またキャラクターごとにデータをICカードにセーブして育てることもできる。開発は昨年カプコンを退社してクラフト&マイスターを立ち上げた船水紀孝氏らが担当している。12月発売予定。

 7.米国のカウンタートップTVゲーム機メーカーであるメリット・インダストリーズ社(デビッド・ローガンCEO)は7月下旬、英国のSWP機メーカーであるゲームズウェアハウス社(アンディ・パウエル社長)を取得した。SWP(スキル・ウィズ・プライズ)機とはパズルなど簡単なゲームで遊技の結果賞金を提供するもので、英国でのみ許可されており、ゲームズウェアハウス社は3千台ほど運営している。メリット社はタッチスクリーンを使ったパズルやクイズなどのTVゲームを気楽に楽しめる「メガタッチ」シリーズを展開する、カウンタートップTVゲームの大手で、世界中に25万台ほど設置運営している。

 8.英国のフォトミー・インターナショナル社は、5月にキディライドメーカーの英国ジョリー・ロジャー・アミューズメントライド社を買収したのに続き、7月に同じく英国RGミッチェル社を買収して、欧州最大のキディライドメーカーになるとともに、歩合方式によるキディライド運営分野でも最大規模になった(運営している写真撮影ブースは2万台、キディライドは5千台規模になるとされている)。フォトミー・インターナショナル社は1946年以来写真撮影ブースを展開しており、62年から株式を公開している。キディライドに進出したのは、写真撮影ブースやキディライドを設置するロケーションが、似たようなところに限られているためとされている。

 9.シチエは7月28日、6月中間決算を発表、売上高が前年比1.2%減の5,358百万円ながら、経常利益が6.6%増の1,193百万円、中間利益が7.3%増の655百万円と順調だった。売上高のうち、26店あるレンタル店は5.5%減の2,524百万円、9店あるゲーム場は3.3%増の2,711百万円。同社は、ゲーム場ではゲーム機のネットワーク機能により、プレイヤーに広がりが見られるとしている。

10.ジャレコは7月22日、親会社が香港を拠点とするパシフィック・センチュリー・サイバーワークス社(PCCW)グループから8月19日付で、英国系投資会社のサンドリンガム社に変わることになったと発表した。業務用と家庭用のTVゲームメーカーだったジャレコは00年8月にPCCW社グループに買収され、業務用から撤退し、社名もPCCWジャパンに変更、04年1月に再びジャレコに戻していたが、赤字経営が続いている。


 ◎ 業界紙「ゲームマシン」は1974年以来、TVゲーム機を含む業務用アミューズメントマシン、遊園施設などに関する業界ニュースを、月2回のペースで伝えてきましたが、印刷媒体は2002年6月一杯で休刊しました。